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語 と 文 の 組織図

(論文リンクつき)

あゆひ の システム

図の 注記

文法の しごと

しごとの 自己評価   研究会の 注記


以下 次ページ   教師としての しごとの 記録

2002年度 日本語構文論 入門 プリント   2009年度 叙法性研究の 諸問題 プリント

(奥田靖雄の 死直後の 年度の 概論講義)         (大学定年 最終年度の 特別研究講義)


語 と 文 の 組織図

         │ なまへ     かざり     よそひ   
         │ 体言系     相言系     用言系   
────┬────┼───────────────────────
    │文呼応2│ 対照詞     評価詞     叙法詞   
 こ し│か ざ し│  :       :       :    
    │    │   …………………………………………     
 と な│制 限 詞│  :       :       :    
    │語限定1│ 決定詞     程度詞     様相詞   
 の じ├────┤  │       │       |    
    │こ と ば│  ↓       ↓       ↓    
 は な│自 用 語│ 名 詞 ←── 状 詞 ──→ 動 詞   
    ├────┤  |  イ/ナ 語 尾 ク/ニ  │
 ・ ・│語付属辞│ 助 辞 ──→ 述定辞(ダ)   複語尾  
   品│語補助詞│ 後置詞              ↑   
    │あ ゆ ひ│  └───────────────┘   
 語  │    │  :       :       :    
    │述語助辞│ 認識辞     評情辞     行為辞   
    │ ……… │ ……………………………………………………
   詞│文補助詞│ [節後置]  (従節)つなぎ → (主節)むすび   
────┴────┼───────────────────────
         │ 用言化     用言化     体言化   
 か わ り み │-だった/だろう -かった/だった  -するの/こと 
         │                       
 転     成 │ 相言化     体言化     相言化   
         │(鉄の 意志)     語幹/-の   (うがった 考え) 
────┬────┼───────────────────────
    │さしだし│ 題目語     状況語     陳述語   
 ふ は│設  定│  :       :       :    
   た├────┤  ┌───────────────┐    
 み ら│ほねぐみ│  |               ↓    
   き│    │ 補 語 ←連体 修飾語 連用→ 述 語   
 ・ ・│骨  格│  ↑              (連体節)  
   機├────┤  └───────────────┘    
 文  │つけたし│  :       :       :    
   能│付  加│ 独立語     評釈語     挿入語   

表の システム理念については、この 研究所サイトの「ノート」の「品詞論の はなし」を よんでください。

表が みだれますので、プロポーショナル フォント(Pつき)は さけて、等幅フォントを えらんでください。


あゆひ の システム


   配置概略図 [図の「±+」「−±」etc.は「ダブルテンス」の ありなし]
   ┌───────┬────────────────────────┐
   |       |±+ 副次的(客体的)〜 基本的(主体的) ±−|
   ├───────┼────────────────────────┤
  よ|  内的 意図系| しようとする してみる  したい  しよう  |
用 そ|<行為辞>−±|−+ しなければならない すべきだ  し ろ−−|
  ひ|  外的 成行系| しがちだ しそうだ ことができる  するな  |
   ├───────┼──しやすい  してしまう  してはいけない──┤
  な|  外的 状況系|  かたちだ 様子だ ようだ らしい そうだ  |
体 ま|<認識辞>+±|++かもしれない  にちがいない  だろう か+−|
  へ|  内的 説明系|  といっていい  はずだ  わけだ  のだ  |
   ├───────┼────────────────────────┤
  か| 基底的 評価系| までもない におよばない にすぎない にかぎる  |
相 ざ|<評情辞>−±|−+ていい  てもいい  ば/と/たら いい −−|
  り| 基底的 感情系| てならない  ば/と/たら うれしい/こまる  |
   └───────┴────────────────────────┘
   [やはり 三角柱の(展開図の) イメージで みていただけると さいわいです]


■この図式は、富士谷 成章の『脚結(あゆひ)抄』や『挿頭(かざし)抄』に見える言語思想を 直接の土台にし、森重 敏『日本文法通論』p.137の「第一機構」の組織図をもじって というか ヒントにして、ひねりだしたものです。

▼作図能力が低いため、二次元の平面図になっていますが、できれば、三次元の「三角柱」のイメージで見ていただけると、ほんとは ありがたいのですが ……… 。さらに 調子に乗って 言ってしまえば、「かわりみ(転成)」のところで 二度 ひねりが入って、「ふみとしての はたらき(構文機能)」の三角柱が「ことのはの しなじな(語の品詞性)」の三角柱を すかし見る位置に もどってくる、しかも「メービウスの帯」のように ……… っていうのは、いくらなんでも 虫がよすぎる、というか、ついに 気がふれたか と思われるかもしれませんね。……… 幻視(vision)の中の ことだま か ………

●私の目に いまだ ほのかにしか 見えていないものを あえて とらえて、むりやり 可視化したものにすぎませんが、この図式に 具体的な肉づけを 与えていくことが可能かどうかが、私の 遠い はるかな研究課題となっています。

◆うえの 組織図に はってある リンクは、「かざし(副用語)」に関しては、網羅性の 点で 不十分な 点が あるにしても、おおよそ 分類の 基本は 一致していますが、「あゆひ(付属辞)」の 「叙法性」関係に関しては、リンク先の 論文は すでに ふるびていて、この 組織図の 分類の しかたとは 一致しておらず、おおよそ どんな ものを さして いっているのかを しめすにすぎない ものと なっています。叙法性組織に関しては、大学の 最終年度の 講義に その みとおしは のべましたが、論文としては あらたに かきなおす ために 努力している ところで、この サイトの ノートの ほうにも すこしずつ かきためていきたい と おもっております。「古稀」までには なんとか したいと おもっていますので、もう しばらく 時間を おかしくださいます よう。

★なお、品詞分類の 基礎事項について「ことばの しなじな」も 参照されたい。

…… ひも くれて なお みち とおし ……


文法の しごと

【研究論文】

     1977 限定副詞の機能     (松村明教授退官記念『国語学と国語史』)

     1982 叙法副詞の意味と機能     (国立国語研究所『研究報告集3』)

     1983 程度副詞をめぐって         (渡辺実編『副用語の研究』)

     1989 現代日本語の文の叙法性 序章     (『東京外国語大学論集』39)

     1996 「どうしても」考   (鈴木泰・角田太作編『日本語文法の諸問題』)

     1997 評価成分をめぐって  (川端・仁田編『日本語文法 体系と方法』)

     2005 文の機能と 叙法性          (『国語と国文学』82巻8号)

     2010 「情態副詞」の 設定と「存在詞」の 存立(『山田文法の現代的意義』)


【口頭発表】

     1974 「程度副詞」「陳述副詞」をめぐって      (国語研 体系部会議)
     1975 副詞ノート(その1 概観)          (国語研 研究部会議)
     1975 副詞ノート(その2「-的に」の意味と はたらき)(国語研 研究部会議)
     1975 副詞ノート(その3「文修飾〜独立語」的な副詞)(国語研 研究部会議)
     1976 副詞ノート(その4「陳述副詞」)       (国語研 研究部会議)

     1978 「注釈」の副詞をめぐって          (国語学会 春季大会)

     1980 文のModality表現としての 陳述副詞と述語との関係 (副用語研究会)

     1982 昭和の日本語学史ノート(1〜2)            (空中分会
     1983 昭和の日本語学史ノート(3〜4?)            (空中分会)

     1984 文のモダリティ研究へ向けて             (空中分会)
     1984 文のモダリティ研究のために             (空中分会)
     1985 文の構造と陳述性(叙法性・時間性)との関係      (空中分会)

     1986 「まちのぞみ文」についての走り書き的覚え書き     (空中分会)事態発端

     1988 モダリティと人称性             (上智大学国語学会)

     1991 願望文の諸問題               (白馬日本語研究会

     1992 「評価成分」について             (白馬日本語研究会)

     1993 「どうしても」考               (白馬日本語研究会)
     1994 「どうしても」考第2稿            (白馬日本語研究会)

     1995 文の評価性と感情性             (白馬日本語研究会)

     1996 「評価成分」をめぐって            (白馬日本語研究会)

     1997 電子化テクストによる用例の採集と分析     (白馬日本語研究会)

     1998 「べき だった/であった/でした」の事実性(factivity)
                              (白馬日本語研究会)

     2000 評価と当為 ──「-てよかった」と「-てもよかった」を例に──
                              (白馬日本語研究会)

     2002 奥田靖雄の「唯物弁証法」的日本言語学 の出発 (白馬日本語研究会)

     2003 三上 章 と 奥田 靖雄 の であい と わかれ  (白馬日本語研究会)

     2005 現代日本語の叙法性(modality) ―― その中核と周辺 ―― (予稿集)
        (日本語学会 春季大会 シンポジウム「モダリティをどう捉えるか」)

     2007 言語学研究会文法の 成立と 展開        (月末金曜日の会)長老沈黙

     2008 「かざし」の こと その1            (拡大工藤ゼミ)

     2009 かざし抄の こと ―― かざしの こと (その2) ――(拡大工藤ゼミ)

     2009 こと-ばの かた-ち ── かざしの こと(その3) ──(拡大工藤ゼミ)
       【ほぼ 同名の 最終講義(案)への 準備を かねて、より 副詞に 焦点を】

     2010 「情態副詞」の 設定と「存在詞」の 存立
        +「かざし」の こと その1 第4・5節    (白馬日本語研究会)反撃開始

     2010 奥田靖雄論 ノート              (三鷹日本語研究会)
         【「構文論的アプローチ」「言行為」「主観と客観」の 3つの 節】

     2011 山田文法批判 ノート             (白馬日本語研究会)

     2011 日本語学の 基礎概念 ふたつ          (三鷹日本語研究会)
      【「文法研究ノート抄」の うち 「きれつづき」「ながれ」の 2つの 節】

     2012 形式名詞/吸着語/つなぎ むすび (奥田靖雄没後10年シンポジウム)研究史的
      【「文法研究ノート抄」の 同名の 項を 民間学の ながれを 中心に 要約】位置づけ

     2012 日本文法学の 戦後史(の 一断面)        (白馬日本語研究会)
     【「文法研究ノート抄」のうち「不変化助動詞」「推想態…」の 2つの 節】

     2012 かざしの こと(その4)            (三鷹日本語研究会)
      【「かざし ノート」の 最初の 3つの 節の ぬきよみ】

     2013 動作様態へ                  (白馬日本語研究会)
         【「アスペクトと 評価」「アスペクトと もくろみ」の 2つの 節】

     2014 サピア『言語』を よむ ―― 総論部 ――    (白馬日本語研究会)
          【「まえがき」「ことばから 言語へ」「ことばの 要素」の 3節】

     2015 奥田連語論の 基本構想の 成立         (白馬日本語研究会) 他動分化
          論旨の 骨格 → 「奥田靖雄」(文法事典項目)の 補記
     【印刷不可 黒板使用:奥田の「モノの を格の 相関図式」の 成立(★部)と、
      サピアの 言語の "universality" "fundamental forms" 観との 関連づけ】

     2016 文法史 序説 [(電配用)ワード版 太平遊民 口上] (白馬日本語研究会) 再来入門
       【ノートの「体言の 運用」と「用言の 活用」を 改編。研究会最終発表】


【解説・批評・意見】

     1974 「たった」は副詞か連体詞か          (『言語生活』275 )

     1976 「もし線路に降りるときは」という言い方    (『言語生活』299 )

     1977 品詞の下位区分             (『表記文法指導事典』)

     1980 副詞                    (『国語学大辞典』)
     1980 疑問詞                   (『国語学大辞典』)

     1985 日本語の文の時間表現            (『言語生活』403 )

     1985 副詞──日本語文法の焦点──        (『言語生活』406 )

     1988 諸家の日本語文法論 <参考:原稿版>  (『日本語百科大事典』)

     1988 外国語学習と日本語教育           (『月刊言語』17-9)

     1989 文法──記号がないことの意味        (『月刊言語』18-5)

     1993 日本語学史──文法を中心に──     (『日本語要説』第11章)

     2000 副詞と 文の陳述的なタイプ (『日本語の文法3 モダリティ』第3章)

     2005 [書 評] 渡辺 実 著『国語意味論』  (『日本語の研究』第1巻1号)

     2006 シンポジウム「モダリティをどう捉えるか」    (機関誌用 記録)
        [大鹿 薫久・益岡 隆志・仁田 義雄と](『日本語の研究』第2巻1号)

     2010 こと-ばの かた-ちの こと(東京外国語大学 最終講義 配布プリント)
     2010 こと-ばの かた-ちの こと(須田・新居田編『日本語形態の諸問題』)

     2014 副詞                    (『日本語文法事典』)
     2014 陳述副詞                  (『日本語文法事典』)
     2014 程度副詞                  (『日本語文法事典』)
     2014 時の副詞                  (『日本語文法事典』)
     2014 連体詞                   (『日本語文法事典』)
     2014 モダリティ  (補記)            (『日本語文法事典』)
     2014 言語形式                  (『日本語文法事典』)
     2014 松下文法                  (『日本語文法事典』)
     2014 松下大三郎                 (『日本語文法事典』)
     2014 奥田靖雄   (補記)            (『日本語文法事典』)
     2014 あゆひ抄   (補訂)            (『日本語文法事典』)

     未刊 形式名詞/吸着語/つなぎ むすび [基調報告] (奥田没後10年シンポ)討論会記録
     未刊 形式名詞/吸着語/つなぎ むすび [レジュメ] (奥田没後10年シンポ)配布パンフ
     未刊 シンポジウム 討論記録           (奥田没後10年シンポ)増補・補訂

【論文集成】

     2016 副詞 と 文                     (ひつじ書房)

    ・まぎらわしい 製版ミス
       p.192, l.-4 の 「ピアノを」の 下波線を トリ、「とても」の 下線を 下波線に かえる。

       p.200, l.4 の 「4)」を トリ、以下の「岡田 …」は 本文 あつかい。

       p.279, l.6 の 「質料」のまえに 「⇔」(対義の 符号)を いれる。


◆「しごとの あらまし や ねらい」についての「自己点検・自己評価」的な 注釈は、こちらを ご覧下さい。

 【もと 大学教員として 義務づけられていた 「自己点検・自己評価」を やや 我田引水的ながら のこした ものです。】



<研究会の 注記>


 【研究報告】の欄にある「空中分会」というのは、昔々、ぼくらが まだ三十代前半のころ、やはり 国語研の若手だった村木 新次郎 氏、石井 久雄 氏らとともに、そのころの ぼくらにとっては あまりに強力な先輩研究者だった 高橋 太郎 氏や 宮島 達夫 氏らの圧倒的な影響から 自分たちの研究の自立性を守ることも考えて、若手だけで、いつ空中分解してもいい、言いたいことを言い合おう、そんな気持ちで はじめた研究会。所外からは、松本 泰丈(ひろたけ)鈴木 泰(たい)金田 章宏 氏、少し遅れて、岡田 袈裟男(けさお)Martin Holda(マーチン ホゥダ)らが 参加した。松本 泰丈 氏が 最年長で、議論が白熱したり 散漫になったりした場合に、うまく まとめてくれたように 記憶している。毎月ないし隔月に一回ぐらい 例会をもったように思うが、昭和末期ごろ、各自の勤務先の仕事や勤務地の都合などで、いつともなく 空中分解していた。
 私も、かなりの数 発表させてもらって、たいへん勉強になったが、当時の記録の整理が 十分でなく、また 電子資料化も できていない こともあって、ここには、外語大に うつった年の一編にだけ リンクを はった。これが、私の 空中分会 最後の発表となった。
 その他の 陳述論に関わる 若書きの原稿は、おいおい 羞恥心の うすれゆくままに、書き直し 書き足して、論文の形に まとめてゆきたいと思っている。もう一つの柱であった 日本語研究史・改革運動史に関わるものは、題して「日本語学 外史」、こちらは「官を辞して」のち、まとめることになるだろう。ただ、資料の探索と発掘、そして それらをつないでいく年表の整理は、体力の衰えないうちに ということで、在職中もつづけたいと思っているのだが、いかんせん、ここ数年 ネットサーフィンなどに うつつを抜かし、自転車とボートを遠ざけていた報いか、足腰の急速な衰えは 目をおおわんばかりのものがあり、古本屋通い 図書館通いが 少々 億劫(おっくう)になって来ている。


 「白馬日本語研究会」は、その「空中分会」の空中分解後 しばらくして、こんどは 高橋 太郎 氏金子 尚一(ひさかず)や、のちに 宮島 達夫 氏ら、年輩の研究者も迎えて、年に一回 夏休みに、長野県白馬村の白馬岳の麓にある共立女子大寮で4泊ほどの合宿をはって、朝から晩まで カンカンガクガク(侃々諤々)の議論や ケンケンゴウゴウ(喧々囂々)たる放談をする、かなり お行儀は悪いが なかみの濃い研究会。日程なかばの半日、写真のようなツアーも入れて、健康にも気を使っている。ふだんから「腹ふくるること」の多い「横着」な「口舌の徒」工藤らの <救済と鞭撻> のための会でもある、という うがった観察もある。
 ただ、白馬の夏は けっこう 暑く、とりわけ 気のせいか 長野オリンピック開催前後から ひどくなったようで、来年あたりから 合宿の場所をもう少し涼しいところに かえようかと、思案中である。
 2002年は、軽井沢で 合宿を もった。気候は ここちよかったが、やや俗化しすぎたところもあり、議論に熱中するには 不向きな面も あった。
 2003年は、岡田袈裟男氏の おちからで、立正大学の 軽井沢研修施設で 合宿をもつことができた。気候も 研修設備も 申し分なく、また、夜の懇親会も 他の宿泊客に気がねなく おこなえた。しばらく ここに ごやっかいになりそうである。会の名前の問題は、いつものことながら あと追いになるだろう。――― 研究会の なまえは、会費納入の 銀行口座名を かえる わずらしさから かえない まま、なんとなく 通称「白馬日本語研究会(軽井沢)」に おちついてしまった。その 研究会も、岡田氏の 今年度 定年退職に ともなって、2016年なつを 最後に いったん 幕を とじた。


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工藤 浩 / くどう ひろし / KUDOO Hirosi / Hiroshi Kudow


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