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するべきことは ありますか?
人には寿命がある以上、皆いずれは死亡し、相続が開始されます。
相続とは、主に死亡した者の財産の引き継ぎのことです。

死亡した者が自分の財産をどのように引き継がせるのかを定めていない場合、
民法の規定に従って引き継がおこなわれます(法定相続)。
ただ、「遺言」「死因贈与」をおこなう事により、被相続人(死亡した者)の意思を反映させる方法があります。
また、生前に処分してしまう方法も考えられます。

★まず、何もしなかったら、どのように相続されるのかを知る必要があります。
それについては、相続のコチラのページからフローチャートを進めてください。

「遺言」「死因贈与」をしなかった場合に、どのように相続がなされるのかを知った上で何をしたいのか?何か行うべき事はあるのか?」を検討しなければなりません。
ただ、遺言により定めることができる事項は法律で定まっているため、下記の事項以外のことを遺言で定めても効力はありません。

身内(推定相続人)に財産を引き継がせたい
財産を引き継がせたい者が推定相続人である場合には、何もしなくても法定相続により財産が引き継がれますので、基本的に遺言で定める必要はないとも言えます。
しかし、以下の理由などから、例えば、相続分を多くしたり少なくしたりしたい場合、あるいは、具体的にどの財産を誰に引き継がせるか定めておきたい場合も考えられます。
推定相続人について、下記のような事柄を定めておきたい



@ある者の相続分を多くしたい
長女が老後の世話をよくやってくれたので、長女の相続分を多くしたい
妻の老後が心配なので、妻の相続分を多くしたい

妻の老後が心配なので、長男の相続分を多くして長男から妻に月々10万円ずつ与えるようにしたい・・・・・・・・介護が必要な場合は下記のケーススタディーで詳しく解説します
Aある者には財産をあげたくない 少なくしたい
推定相続人は妻と疎遠な兄弟であるが、兄弟には相続させないで妻に全部相続させたい
妻がいるが事実上離婚しているので、戸籍上の妻の相続分を少なくしたい
長男には生前住宅資金等を与えたので、長男の相続分を少なくしたい
親不孝者の息子がいる場合・・・・全く相続させたくない場合は下記の廃除で説明します
B誰に、どの財産を引き継がせるか具体的に定めておきたい
土地・家屋は妻に引き継がせ、住む場所を確保してやりたい。
農業を手伝ってくれた次男に農地を引き継がせたい。

身内(推定相続人)以外に財産を引き継がせたい
内縁配偶者・特に世話になった人・愛人・推定相続人ではない兄弟・孫に財産を与えたい。

例・・・・老後の世話をしてくれた、長男の嫁にも財産を分けてあげたい場合

このような事柄を定めておきたい



公共団体などに寄付して自分の財産を世の中の為に役立てたい・・・下記のケーススタディーで詳しく解説します

身分的な事柄
遺言認知・・・・・・認知とは、例えば隠し子を、自分の子であると認めてやる行為です。

廃除・その取消(893条・894条)・・・遺言による廃除とは、特定の人に相続をさせたくない意思を遺言書で表明ことです。
例えば、「長男には、何も相続させたくない」場合です。
廃除の取消とは、生前に廃除をした場合、気が変わって相続権を復活させることです。

★祖先の祭祀主宰者の指定

★未成年者後見人・未成年者後見監督人の指定(839条)・・・・・・・・・・例えば、被相続人に未成年者の子がいるので、後見人をAさんに頼みたい場合です。

★相続欠格の宥恕(条文はないが認められている)


特殊な定め

★財産的な処分(非典型例・・・・下記の事項を定めている遺言は少ないようです)
相続分・遺産分割方法の指定の委託 902・908・・・特定の人に、遺産分割・相続分について委託する事です。相続開始当時の事情をよく知り、信頼できる第三者がいるならば、その人に任せてもよいかもしれません。
・・・・ココをクリック
★生命保険の受取人の指定・変更
  保険金受取請求権の遺贈  商法675 遺贈のところにもっていく
★死亡退職金の論点
★財団法人設立の為の寄付行為 41条2項
・特別受益持戻の免除 903条
信託の設定(信託法2条)・・・・下記のケーススタディーで詳しく解説します
・遺産分割の禁止(908条)
・担保責任の指示 914条・・・・・・・・目下、所有権の帰属について争いある場合・抵当権がついている場合・回収できるか定かでない債権がある場合には、この定めをしておいてもよいと思います。
★負担つき遺贈の場合で放棄した場合の指示 1002 2項  1027
              価格減少の場合の指示  1003
減殺割合の指定 1034  減殺請求のところで述べる
★債権・知的財産権の放棄・免除



★特殊
★取消・撤回の為だけの目的の「遺言」の場合。以前、作成した遺言を変更したい場合です。
第千二十二条  遺言者は、何時でも、遺言の方式に従つて、その遺言の全部又は一部を取り消すことができる。
・遺言執行者の指定・指定委託(1006条)・・・・・いかなる場合に執行者を定めた方がよいかは各論で述べます




上記以外の事項を遺言で定めても、法的な効力はありません

例・相続人の指定 東京高裁昭和60・10・30 判時1172 ないみたい
・後妻及びその連れ子は権利を放棄するとの遺言の記載・・・無効(新潟地裁長岡支部昭和61・7・17)
・特別受益
・寄与分の評価・・・・・法的な効力はありませんが、家裁の調停では斟酌されるので、全く無意味と言う訳ではありません。
・遺産の評価
★相続債務を負担する者・割合の指定・・・希望に過ぎず法的な効力はないが、詳しく解説すること
・葬儀・埋葬の方法の指示・・・・アルマ344p・・・・詳しく解説すること


★上記以外に生前にしうること
・生前贈与・死因贈与(契約自由の原則から、死亡を原因として効力が生じる契約は他にも考えられます)
遺留分の放棄(放棄するのは推定相続人なので、お願いという意味です)





ケーススタディー
以上を組み合わせて「遺言」「死因贈与」をおこなうばよいわけです。
ただ、難しい場合もありますので、以下にケーススタディーをつくりました。

もっとも、
節税対策・・・・・・・・ココ や事業承継・・・・ココはよく知らないのでパス w



ケース@
身内(推定相続人)に心配な者がいる・・・・・・・・・痴呆になりかけた老妻・障害のある子供・未成年者・浪費者の者などいる
対策・・・・・・・・当人に直接、遺贈できないので・・・・・・だれかに介護・管理させたい
負担付遺贈・信託財産・死因贈与・負担付贈与どれが適当か?・・・・・・・ココ


ケースA
・自分の財産を社会や公共のために役立てたい。・・・ココ


ケースC
・将来の相続争いを未然に防ぎたい。。。。特に、相続人同士が仲の悪い場合。。。。。・・・・ココ
・身分関係を整理する・・・・隠し子がいる場合・・・認知G・廃除・宥恕
 推定相続人に行方不明の者がいる