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↓財団法人設立のための寄附行為



 「財団法人の設立のための寄附行為」の説明

生前、財団法人を設立することもできますが、
遺言により設立する旨を定めることも可能です。




(1)
財団法人の設立のための寄附行為は遺言で行うことができ、その場合は遺贈の規定が準用される。よって、遺言執行者は任意的であり、定められていない場合、相続人により執行される。
具体的な執行は@主務官庁への設立許可申請→A設立の登記(民法45条)→B財団法人への財産移転です。

なお、遺言の効力が発生する時期と、財団法人設立の効果が生じる時期とは一致しないので、遺言の効力が発生したときに、寄附財産は財団に帰属する旨のみなし規定がある(民法42条)。

(2)注意点
 寄附行為には、目的、資産に関する規定、名称、事務所、理事の任免方法を定めなければならないが、名称、事務所、理事の任免方法については、後日裁判所が定めることができるので、寄附行為を遺言で行う場合、目的、資産に関する規定だけは、必ず定めなければならない。
最判昭和51・7・19参照

遺産を「公共に寄與する」との遺言。遺贈と解される最判平成5・1・19



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 問題点


遺言のサンプル


(公益法人の設立)
第三十四条  学術、技芸、慈善、祭祀、宗教その他の公益に関する社団又は財団であって、営利を目的としないものは、主務官庁の許可を得て、法人とすることができる。

(寄附行為)
第三十九条  財団法人を設立しようとする者は、その設立を目的とする寄附行為で、第三十七条第一号から第五号までに掲げる事項を定めなければならない。
 目的
 名称
 事務所の所在地
 資産に関する規定
 理事の任免に関する規定
 社員の資格の得喪に関する規定

(裁判所による名称等の定め)
第四十条  財団法人を設立しようとする者が、その名称、事務所の所在地又は理事の任免の方法を定めないで死亡したときは、裁判所は、利害関係人又は検察官の請求により、これを定めなければならない

(贈与又は遺贈に関する規定の準用)
第四十一条  生前の処分で寄附行為をするときは、その性質に反しない限り、贈与に関する規定を準用する。
 遺言で寄附行為をするときは、その性質に反しない限り、遺贈に関する規定を準用する。

(寄附財産の帰属時期)
第四十二条  生前の処分で寄附行為をしたときは、寄附財産は、法人の設立の許可があった時から法人に帰属する。
 遺言で寄附行為をしたときは、寄附財産は、遺言が効力を生じた時から法人に帰属したものとみなす。


(法人の設立の登記等)
第四十五条  法人は、その設立の日から、主たる事務所の所在地においては二週間以内に、その他の事務所の所在地においては三週間以内に、登記をしなければならない
 法人の設立は、その主たる事務所の所在地において登記をしなければ、第三者に対抗することができない。
 法人の設立後に新たに事務所を設けたときは、その事務所の所在地においては三週間以内に、登記をしなければならない。

(設立の登記の登記事項及び変更の登記等)
第四十六条  法人の設立の登記において登記すべき事項は、次のとおりとする。
 目的
 名称
 事務所の所在場所
 設立の許可の年月日
 存立時期を定めたときは、その時期
 資産の総額
 出資の方法を定めたときは、その方法
 理事の氏名及び住所
 前項各号に掲げる事項に変更を生じたときは、主たる事務所の所在地においては二週間以内に、その他の事務所の所在地においては三週間以内に、変更の登記をしなければならない。この場合において、それぞれ登記前にあっては、その変更をもって第三者に対抗することができない。
 理事の職務の執行を停止し、若しくはその職務を代行する者を選任する仮処分命令又はその仮処分命令を変更し、若しくは取り消す決定がされたときは、主たる事務所及びその他の事務所の所在地においてその登記をしなければならない。この場合においては、前項後段の規定を準用する。