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↓廃除
廃除の説明
★推定相続人が、被相続人の財産を相続させるのが正義に反すると感じられるような行為を行った場合
その推定相続人は当然に相続資格を失う・・・891条相続欠格
相続欠格のように当然に相続資格を剥奪するほどの非行ではないものの
被相続人が相続させたくないと感じるような非行がある場合・・・・
被相続人は当該推定相続人の相続権を奪うことができる。
例・・・Aさんの息子のBさんは成人しても働かずAさんの家に暮らしており
Aさんは、いまだにBの家庭内暴力により殴られたりしている。
Aさんは息子のBさんに自分の財産を相続させたくない。
★廃除の方法
1.生前に家庭裁判所に廃除の審判または調停を申し立てる方法
2.遺言で廃除する方法・・・
非行行為があっても上記の方法をとらなければ相続権は無くなりません。
★どのような場合に廃除できるのか?
「被相続人に対する虐待」「被相続人に対する重大な侮辱」にかんして・・・・
被相続人の主観的な感情が害されるだけでは廃除事由にはならない(一時の激情に駆られて侮辱的な言葉を述べても、廃除事由にはあたらない・・・・大阪高決昭和40・11・9)
「その他の著しい非行」にかんして・・・・
必ずしも被相続人に対するものであることを要しない。
★廃除できない推定相続人
遺留分を有しない兄弟姉妹は廃除できない・・・これらの者に対しては遺言の方法で相続させない事が可能であるからです。
★廃除の取消(宥恕)894条
廃除が確定しても、被相続人は許してやることができます。
被相続人が生前、家庭裁判所に廃除の取り消しを請求することもできますし、遺言により取り消すことも可能です。
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第八百九十二条 遺留分を有する推定相続人(相続が開始した場合に相続人となるべき者をいう。以下同じ。)が、被相続人に対して虐待をし、若しくはこれに重大な侮辱を加えたとき、又は推定相続人にその他の著しい非行があったときは、被相続人は、その推定相続人の廃除を家庭裁判所に請求することができる。
第八百九十三条 被相続人が遺言で推定相続人を廃除する意思を表示したときは、遺言執行者は、その遺言が効力を生じた後、遅滞なく、その推定相続人の廃除を家庭裁判所に請求しなければならない。この場合において、その推定相続人の廃除は、被相続人の死亡の時にさかのぼってその効力を生ずる。
第八百九十四条 被相続人は、いつでも、推定相続人の廃除の取消しを家庭裁判所に請求することができる。
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前条の規定は、推定相続人の廃除の取消しについて準用する。
第八百九十五条 推定相続人の廃除又はその取消しの請求があった後その審判が確定する前に相続が開始したときは、家庭裁判所は、親族、利害関係人又は検察官の請求によって、遺産の管理について必要な処分を命ずることができる。推定相続人の廃除の遺言があったときも、同様とする。
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第二十七条 から
第二十九条 までの規定は、前項の規定により家庭裁判所が遺産の管理人を選任した場合について準用する。