現状を的確に把握しよう(2)

前回、データの変化や平均値やばらつきの比較には、変数別グラフや変数別統計量グラフがとても有用であるという説明をしました。

では、データの変化や平均値やばらつきの比較ではなく、ばらつきの全体的な形や散らばり具合知りたいときは、どうしたらよいでしょうか。
RQCでは、ばらつきの形を調べるために、ヒストグラムを用意しています。

今回は、ばらつきの大きさと共に分布の姿を知るために有用なグラフ、ヒストグラムについてお話をしたいと思います。

ヒストグラムは横軸の目盛りに特性値をとり、それをクラスにわけて、その度数を棒グラフとして表示したものです。RQCで、ヒストグラムを作成するには、まず、作成するグラフの上限値と下限値、作成するクラスの数、区間の幅を指定します。
区間幅で調整する方法(作成するグラフの上限値と下限値、作成するクラスの数を入力して区間幅で調整)と上限値で調整する方法(作成するグラフの下限値、作成するクラスの数、区間の幅を入力して上限値で調整)がありますのでやりやすい方法を選択して下さい。

RQCはそれらの情報に従い、そのクラスに含まれるデータの数を計算し度数分布表とそれを棒グラフとして表示したもの(ヒストグラム)を作成します。

一般にはデータを100個程度集めて、10〜20くらいのクラスにわけてヒストグラムを作成するとだいたいの分布の姿を知ることができます。

●ヒストグラムを活用しよう(1)

データをばらつかせる要因が、偶然原因によるばらつきだけであれば、データの形は正規分布に当てはめることができます。

もしヒストグラムを作成したときの分布の形が正規分布から外れていると考えられる場合は、中心またはばらつきが異なるサンプルが混じっている可能性があると考えるべきで、材料、機械、作業条件などデータの背景を調べて層別して分析することが必要です。

RQCでは、さらに変数別にヒストグラムを作成することができます。 従来のヒストグラムでは分布の比較はできませんでした。変数別ヒストグラムとは、複数のヒストグラムをZ軸上に配置し、分布形状とその比較が同時にできるよう工夫したグラフです。

●ヒストグラムを活用しよう(2)


品質管理講座
RQCで始めよう!品質管理的アプローチ
第一回・・・現状を的確に把握しよう(1)
     (変数別グラフ・変数別統計量グラフ)

第二回・・・現状を的確に把握しよう(2)
     (ヒストグラム)

第三回・・・効率よく問題点に取り組もう
     (パレート図)

第四回・・・変数間の関係を調べよう
     (散布図・相関分析・回帰分析)

第五回・・・統計情報線を活用しよう
     (3σ線の活用・統計情報線)

第六回・・・管理図を活用しよう
     (管理図)

第七回・・・データを分類しよう
     (層別)


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