2019年の英国旅行報告記(WH通信臨時増刊号No.3)

 本号は、2019年9月2日(月)から9月12日(水)にかけて実施したファンクラブ主催の「第3回アガサ・クリスティの足跡を訪ねる英国旅行」(参加者5人)の記録である。
 団体旅行形式の「アガサ・クリスティの足跡を訪ねる英国旅行」は、クリスティ・ファンクラブ機関誌「WH通信」の終刊を記念して2013年に実施し、それだけで終了するはずであった。続きは全く考えていなかったのだが、その旅行に参加したクリスティ・ファンからは続行を望む人が多かったことと、私自身もいろいろな楽しみと発見があったことを実感できたので、2年後に第2回、さらにその4年後の昨年に第3回の旅行を企画してしまった。当然のことながら今回の訪問先は、前回、前々回とはあまり重複しないよう考慮し、既存の案内書には紹介されていない土地も訪れている。多少とも興味を持って読んで頂けるなら、大変嬉しいことである。
 なおインターネットで公開するにあたり、文章はWH通信臨時増刊号に掲載したものと同じだが、より楽しんで頂けるよう写真は増やしている(S)。


参加者分担執筆の報告記
  1. 3回目の「アガサ・クリスティの足跡を訪ねる英国旅行」へ(1日目)…………竹村モモ子
  2. 謎の土地、Newlands Cornerへ(2日目:その1)………………………………数藤康雄
  3. クリスティの車発見場所の探索(2日目:幕間―インタールード―)………… 竹村モモ子
  4. Guilford散策から「検察側の証人」の観劇へ(2日目:その2)…………………永嶋郁子
  5. Paddington駅探検からOxfordへ(3日目)…………………………………………竹村モモ子
  6. Blenheim Palaceとオックスフォード散策(4日目)………………………………吉田明子
  7. 3回目のお墓参りと初訪問のウォリングフォード博物館(5日目)………………数藤康雄
  8. オックスフォードからハロゲイトへ(6日目)………………………………………永嶋郁子
  9. Harrogate散策からキングズ・クロスへ(7日目)…………………………………松ユキ子
  10. ロンドンでの自由行動(8日目:その1 Cresswell Placeのクリスティの家)……数藤康雄
  11. ロンドンでの自由行動(8日目:その2 クリスティゆかりの場所探索)…………吉田明子
  12. ロンドンでの自由行動(8日目:その3 V&A Museumを中心に)…………………竹村モモ子
  13. 3度目の旅行も無事帰国へ(9・10日目:その1 Charles Dickens Museum) …永嶋郁子
  14. 3度目の旅行も無事帰国へ(9・10日目:その2) ……………………………………数藤康雄
  15. 担当係の苦労話

旅行行程
 下記の記述は今回の旅行の客観的な記録である。クリスティ・ファンが今後の英国旅行の参考にできるよう、訪ねた場所の主な地名・住所は英語表記にしてみた。
1日目(2019年9月2日(月)) 成田からヒースロー(Heathrow)へ
 集合場所は成田空港第2旅客ターミナル3階北団体カウンター2・3番(集合時間は11:30)。ブリティッシュ・エアウェイズBA006便(出発は13:55)でロンドンへ。到着は現地時間の18:20。入国検査はほぼ無人状態で通過。ヒースロー・エクスプレスでパディントン(Paddington)駅へ。午後8時近い到着であったが、2日目以降の列車の切符を購入し、駅構内のスーパーM&Sで各自夕食用のサンドイッチを買い込む。ホテルHilton London Metropole(225 Edgeware Road)には徒歩で向かった。午後9時過ぎのチェックインとなったので、ホテルの一室に集まってのサンドイッチ・パーティは省略し、初日の団体行動は終わりとした。
2日目(9月3日(火)) ニューランズ・コーナー(Newlands Corner)探索と「検察側の証人」の観劇
 ホテルを9時20分に出発。地下鉄エッジウェア・ロード(Edgeware Road)駅 からロンドン・ウォータールー(London Waterloo)駅へ。10:15発の列車でギルフォード(Guildford)駅へ(10:50着)。駅前からタクシーでクリスティが車を置き去りにした現場近くまで行く。12時過ぎに再びタクシーに乗りNewlands Cornerの駐車場へ。レストランThe Plucky Pheasantで昼食。その後男性1名は徒歩でチルワース(Chilworth)駅に行き、Chilworth⇒Guildford⇒Waterlooというルートでホテルに戻る。女性4人はバスでGuildfordへ戻り、付近を散策後ロンドンへ。Westminster Kitchen Grill Houseで夕食をとり、County Hallで劇「検察側の証人」を観て、ホテルに帰還。
3日目(9月4日(水)) ロンドンからオックスフォード(Oxford)へ
 10時までにホテルをチェックアウト。まずPaddington駅一番線の出入り口を調査し(『パディントン発4時50分』の描写正確性をチェックのため)、その後11:20発の列車でOxford駅へ(12:20着)。駅からホテルBest Western Linton Lodge(Linton Road, Oxford)まではバスを利用。ホテルのレストランで遅い昼食をとり、再びバスでOxford中心部へ。しかし午後4時を過ぎていたため、All Souls CollegeとChrist Churchは外観や庭しか見られなかった。夕食は散策中に見つけたパブChequersですまし、バスでホテルに戻る。
4日目(9月5日(木)) ブレナム宮殿(Blenheim Palace)訪問とオックスフォード散策
 ホテルを9時20分に出発し、近くのバス停留所から世界遺産に登録されているBlenheim Palaceに向かう。昼食は宮殿内のレストラン。その後男性1名は宮殿の外周を、女性4人は宮殿内外の庭を散策し、午後2時半に再集合してOxford中心部にバスで戻る。前日見逃したChrist Churchは締め切り時間(午後4時15分)前に到着したため内部を見学。夕食はレストランQuod Restaurant & Barでとり、タクシーでホテルに帰還。
5日目(9月6日(金)) クリスティのお墓参りとウォリングフォード博物館(Wallingford Museum)見学
 ホテルを9時前に出発し、バスでOxford駅へ。Oxford駅9:37発の列車に乗り、ディドコット・パークウェイ(Didcot Parkway)駅で列車を乗り換え、チョルジー(Cholsey)駅へ(10:09着)。マローワン夫妻のお墓があるセント・メアリー教会(Saint Mary's Church)を訪問後、徒歩でウォリングフォード(Wallingford)にある、かつての夫妻の本宅ウィンタブルック・ハウス(Winterbrook House)へ。さらにテムズ川沿いからWinterbrook House の裏庭を確認し、WallingfordのTown Hallに向かう。近くのレストランPizzaExpressで昼食をとり、午後2時開館のWallingford Museumで特別開催中のクリスティ・フェスティバルなどを見学。見学後にはMuseum前からOxfordにバスで戻り、夕食はGeorge St.にあるパブ・レストランWIG&PEN。ホテルにはタクシーで戻る。
6日目(9月7日(土)) オックスフォードからハロゲイト(Harrogate)での豪華なアフタヌーン・ティー
 大移動となるので、早めの9時前にホテルを出発し、Oxford駅10:01発の列車でPaddington駅へ(10:57着)。さらに地下鉄でキングズ・クロス(Kings Cross)駅へ向かい、駅構内で軽食を買い、12:35発の列車で、Leeds駅での乗換えを経てHarrogate駅へ(15:34着)。タクシーでOld Swan Hotelに行き、チェックイン後にHarrogateを少し散策。午後5時よりBetty's Caf?でアフタヌーン・ティーをとり(夕食の代わり)、ホテルに戻った。
7日目(9月8日(日)) ハロゲイトを見物後、ロンドンへ
 ホテルを10時にチェックアウトし(荷物は預かってもらい)、Valley Garden を始めとするHarrogate中心部を散策。昼食は途中で見つけたカフェ・レストランPalm Court Caf?。ホテルに戻り、タクシーでHarrogate駅へ。当駅14:42発の列車でYorkを経由し(15:30発の列車に乗り換え)、Kings Cross駅へ(17:41着)。タクシーでCrowne Plaza London Kings Cross(1 Kings Cross Road)ホテルに向かう。夕食はホテル併設のベルギー・レストランBelgoでとり、ここでロンドン滞在中の会員との交流会を楽しんだ。
8日目(9月9日(月)) 二組に分かれてのロンドン自由行動
 ホテルを9時前に出発し、地下鉄サウス・ケンジントン(South Kensington)駅へ。クリスティの家(22 Cresswell Place, Chelsea)の外観を見学。その後二班に分かれてロンドンを散策した。第一班は、フレミング・ホテル(Flemings Mayfair Hotel)⇒テイト・ブリテン(Tate Britain)⇒館内のカフェで昼食⇒ナショナル・ギャラリー(National Gallery)⇒クリスティの彫像⇒クリスティの家(58 Sheffield Terrace)⇒ステーキ・ハウスFlat Iron Steak⇒ホテルへ。第二班は、ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(V&A Museum)⇒館内のカフェで昼食⇒ハロッズ(Harrods)⇒大英博物館(The British Museum)⇒レストラン、トレッドウェル(Tredwells)⇒ホテルへ。
9日目(9月10日(火)) ディケンズ博物館を見学後、カタールのドーハ(Dorha)へ
 帰国便はドーハ乗り継ぎのカタール航空(QR008とQR806)に変更となったため、ヒースロー空港のチェックインは13:30。午前中はディケンズ博物館を見学後、ホテルからタクシーでPaddington駅へ。その後ヒースロー・エクスプレス⇒第4ターミナル⇒出国手続きと順調に推移し、出国ロビーに到着。ロビー内のレストランで軽い昼食をとって、ドーハ・ハマド(Hamad)空港行きQR008(16:00発)に乗り込む。真夜中(0:50)に空港に到着。
10日目(9月11日(水)) 成田着
 成田行きのQR806便は2:10発なので、すぐに保安検査場に向かう。この検査場は今旅行の中では一番厳しかったが、最終的には問題なく全員搭乗し、定時(18:40)に成田到着。二機の飛行機には合計で17時間ほど乗っていたことになる。さすがに疲れたので、各自の荷物が確認できた段階で解散。今回も「そして誰もいなくならなかった」英国旅行であった。
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