ロンドンでの自由行動(8日目:その1)
 (クレスウェル・プレイス(Cresswell Place)のクリスティの家)
 数藤康雄

 団体旅行としの行動は前日の交流会をもって終了とし、この日は基本的には各人の自由行動を優先することにしていたが、急遽小西さんがロンドン案内を買って出てくれたこともあり、当初の計画を多少変更し、まずは全員で、クリスティが住んでいたCresswell Placeの家を見てから、数藤・吉田さん・小西さんの三人(Tate Britainコース)と竹村さん・永嶋さん・松さんの三人(V&Aコース)に分かれて行動することにした。その後の二班の行動は本稿のあとに続くので、ここではCresswell Placeのクリスティの家についてのみ語ることにする。
 ロンドンにあるかつてのクリスティの家の中で、Cresswell Placeの家がもっとも貴重である点は、1930年春にクリスティは若きマローワンをこの家での朝食に招待し、二人の関係が急速に進展した忘れがたい家であることだ。また彼女が1928年の離婚後、最初に購入したロンドンでの家で、自分の好みに合わせて大胆に内部を改修したことも興味深い。この家をクリスティは生涯手放さなかった。厩を改造した、一部3階建ての小さな長屋構造の建物で、壁には私設のブルー・プラークが取り付けられている。
 当日はホテルを9時前に出発。途中で小西さんと合流し、地下鉄South Kensington駅に到着。ここから徒歩15分程で行けるのだが、6年前に来た時の光景がほとんど思い出せない。歳のせいと言い訳をしながら、それでも目印のBrompton Roadを見つけ、どうにか全員を案内することができた。玄関前で写真を撮っていたら、散歩していた女性に、「集合写真を撮ってあげましょう」と声を掛けられてしまった。ロンドンにおけるクリスティの聖地であることが、地元の人もよく判っているのだろう。


Cresswell Place前での記念写真

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