FAQ (よくあるご質問とその回答集です)

質問
インストール関連
データファイル関連
わりつけ関連
SN比関連
分散分析関連
工程平均の推定関連
データのモニタリング関連
その回答集
インストール中に「ファイルが使用中です」というエラーメッセージが表示される。
  • 他のアプリケーションが実行中の場合、”ファイルが使用中です”というエラーメッセージが表示されることがあります。

    これは、インストールするファイルを別のプログラムが使用しているため、更新できないことを示しています。
    インストールを行うときは、すべてのアプリケーションを終了させてください。

共有ファイルの扱いについて。
  • インストールプログラムでは、アプリケーションプログラムはお客様が指定したディレクトリーにコピーを行いますが、共有ファイル(共有DLLや共有OCX)に関してははWindowsのSystemディレクトリーにコピーを行います。

    その際、既存ファイルがすでにお使いのコンピューターに存在する場合は、そのバージョンチェックを行い、バージョンが古いか、同じ場合のみファイルの更新をおこないます。
    新しいバージョンが存在する場合は、ファイルを更新することはありません。

インストール先に作成されたログファイルは、インストールが終わった時点で削除してもよいのか。
  • インストールログファイルは、プログラムのアンインストールを行うときに使用しますので、削除しないでください。
Windows XPに、インストールすることはできますか?
  • インストールできます。
新しいバージョンをインストールする時、古いバージョンのアンインストールは必要ですか?
また必要ならアンインストールの方法を教えてほしい。
  • コントロールパネルのアプリケーションの追加と削除を選択し、プログラムの削除を行ってください。自動アンインストールを選択し、共有ファイルの処理を聞かれた場合は、削除しないを指定してください。
RQEのデータファイルの拡張子について教えてほしい。
  • RQEでは、データを新しく作成すると、4つの拡張子のファイルを作成します。

    たとえば直交表L18で"TEST"というファイルを新規作成したとしましょう。エクスプローラー等で作成したファイルのあるディレクトリーを確認してみると、"TEST.181" "TEST.182" "TEST.183" "TEST.18C" という4つのファイルが作成されているのがわかると思います。
    これを見てもわかるように、拡張子は直交表の大きさとファイル番号を表しています。

    1番目のファイル"TEST.181"は (1)直交表の大きさ、(2)直交表の列の数、(3)1つの実験ナンバーのデータ数、(4)変換されたSN比の種類(変換が行われていないときは" ̄")が記録されています。

    2番目のファイル"TEST.182"には、実験データのファイルです。 わりつけ等は同じで、データを入れかえる場合はこのファイルを交換します。

    3番目のファイル"TEST.183"には (1)ファイル管理用の数字、(2)各列の水準数、(3)因子名、(4)直交表が記録されています。

    4番目のファイル"TEST.18C"にはファイルの変換情報が記録されています。

    エディターなどでRQEのファイルを作成する場合は、このような4個のファイルを作成する必要があります。
    どの拡張子のファイルを呼び出しても、すべてのファイルをプログラム中で使用するようになっています。

ファイル変換に間違いがなかったを、後で確認する方法を教えて下さい。
  • RQEではファイル変換に間違いがないかを確認できるように、ファイルの変換情報をチェックリストとして保存しています。

    チェックリストにより、変換元ファイルや信号因子の水準などを確認すると良いでしょう。また、要因効果図の上にもSN比の略式を表示してあります。
    どのようなSN比を使用しているのかは要因効果図の出力を見ることによっても、確認することができます。 以下にSN比の略式の一覧を表示します。

       (1)静特性
          @望小特性(SN比)    -10*log(VT)
          A望大特性(SN比)    -10*log(1/y**2)
          B望目特性(SN比)     10*log(m**2/ve)
          C望目特性( 感度 )     10*log(m**2)
          Dゼロ望目特性(SN比)  -10*log(ve)
       (2)動特性
          @ゼロ点比例式(SN比)   10*log(b**2/ve)
          Aゼロ点比例式( 感度 )   10*log(b**2)
          B基準点比例式(SN比)   10*log(b**2/ve)
          C基準点比例式( 感度 )   10*log(b**2)
          D1次式   (SN比)   10*log(b**2/ve)
          E1次式   ( 感度 )   10*log(b**2)
               ※ 誤差を調合した場合
                    SN比  10*log(b**2/VN)
                    感度   10*log(b**2)'
               ※ 信号因子の精度がよくない場合
                    SN比  10*log(b**2/ve)Mres
                    感度   10*log(b**2)Mres
               ※ 試料間の変動を信号とする場合
                 (信号因子の真値が不明)
                    SN比  10*log(VM/ve)
          F画像転写性(SN比)   -10*log(ve)
          G画像転写性( 感度 )    Σ(y-M)/r
    
制御因子の名前を変更したい。どうしたらよいか。
  • 制御因子の名前を後から変更するには、メインメニューの中の【解析】→【直交表の出力】を選択します。

    現在使用している因子名と直交表が表示されますので、その因子名を変更し、保存を行ってください。

完備型のわりつけを選択しました。各実験ナンバーの組み合わせを確認するにはどうしたらよいのですか。
  • 使用している直交表や完備型の各因子の組み合わせを確認するには、メインメニューの中の【解析】→【直交表の出力】を選択します。
RQEのわりつけで、「ダミー」を使用するかどうかの選択ができるが、そもそも「ダミー」とは何か。
  • たとえば、直交表L18では、2水準の因子を1個、3水準の因子を7個、わりつけることができます。

    しかし、水準値が連続値で、自由に設定できる場合は問題はありませんが、 添加剤の「あり」「なし」などのように2水準しかとれない因子が、2個以上あった場合、どうしたらよいのでしょうか。

    そのよう場合、ダミー法を使用します。ダミー法は、3水準の列に2水準の因子をわりつける方法です。
    具体的には、重要と思われる水準を重複させることで、形式的に3水準を作成します。 ダミーを使用した場合、RQEの分散分析表に、ダミー間誤差が表示されます。

    応用として、L18で、1・2列で6水準を作成し、ダミーを使用し5水準の因子をわりつけるなど 多水準作成法と組み合わせることも可能です。

    わりつけについては、「はじめての品質工学セミナールーム」わりつけ(ダミー法と多水準作成法) をご参照ください。

データに欠測値があった場合どうしたらよいか。
  • 実験を行ったとき、測定ミス、試料の紛失等でデータが予定どおりに得られない場合があります。
    その場合は、その実験ナンバーのデータにとりあえず適当なデータを入力し、SN比に変換したあと逐次近似法で処理する方法がよいと思います。

    逐次近似法とは

    1. 第0次近似として、欠測値を含まないSN比の平均値を欠測値のSN比とします。
    2. 次に分散分析をして効果の大きい要因を用いて欠測個所の推定を行い、これを第1次近似とします。
    3. 欠測の推定値が収束するまで手順2を繰り返します。(通常は第2次近似程度で十分です)

    欠測の理由が推定できる場合は、平均値ではなく、その推定値を第0次近似として使用してください。

    たとえば悪すぎて測定できないなどの場合は、各実験ナンバーの中で一番低いSN比にさらに−3dbを引いた値を第0次近似にするとよいと思います。

    「はじめての品質工学セミナールーム」欠測値の処理 に詳しい手順を掲載しましたのでそちらをご参照ください。

直交表を使用せず、SN比を求めるだけのときはどうしたらよいのか。 また確認実験のときの計算はどうしたらよいのか。
  • RQEでは、SN比を計算するだけのモードL1、確認実験用の解析のためのモードL2(一元配置の水準2)や完備型という選択肢を用意しています。

    直交表の選択コンボボックスを見てください。下の方に、L2、L1、完備型と表示されるのがわかると思います。

    現状のSN比と最適条件のSN比の比較を行いたい場合は、L2というモードが便利です。

    確認実験については、「はじめての品質工学セミナールーム」確認実験は必ず実施しよう に詳しい手順を掲載しておりますのでそちらをご参照ください。

SN比を用いて測定器の性能比較をしたい。手順を教えてほしい。
  • RQEでは、比較実験用のためのモードL2(一元配置の水準2)を用意しています。
    直交表の選択コンボボックスで、L2とを選択してください。

    「はじめての品質工学セミナールーム」品質評価のためのSN比 にSN比による品質評価の詳しい手順を掲載しておりますのでそちらをご参照ください。

直交表の列があまったときはどうしたらよいのか。
  • 改善の効率化のためには、できるだけ多くの主効果をわりつけ、列をあまらせないようにわりつけを行います。
    どうしてもあまってしまうという場合は、”e”という記号を使用して、実験間誤差を調べてみましょう。

    主効果に比べて実験間誤差(交互作用)が小さいことが証明できれば、自信をもって最適条件の推定や確認実験することができます。

L36で、(2^11×3^12)ではなく(2^3×3^13)を使用したいのですが?
  • L36で(2^3×3^13)を使用する場合は、わりつけの画面で「多水準を使用する」を選択してください。
望目特性のSN比と感度の使い方と式について教えてほしい。
  • パラメータ設計では、ロバストネス(安定性)の改善と出力のチューニング作業という2つのステップをとります。
    ロバストネス(安定性)の改善で、利用されるのがSN比、そして、出力のチューニング作業で利用されるのが感度です。

    具体的には、要因効果図から各因子ともSN比の一番高いところ選択して、まず安定性の改善を行います。このときの出力が目標値に一致すればこんないい事はありませんが、実際には一致することはまずありません。
    このときに必要となってくるのがチューニング作業が必要です。

    SN比と感度の要因効果図を利用し、SN比に影響が大きく、感度になるべく影響が無い因子を探します。そしてその因子を利用して、そのときの目標値との差分を調整します。そのような調整用の因子を調整用因子、目的により信号因子といいます。

    ある目標値がある場合でも、目標値にこだわらないでSN比を改善したあと、SN比になるべく影響のない因子で出力を調整する(安定性を確保したまま出力を調整する)ことが、このパラメータ設計の大きな特徴です。

    この考え方は、望目特性でもゼロ望目特性でも同じです。

    計算式は、SN比は(標準偏差σ/平均値m)の逆数の2乗
    感度は、平均値mの2乗
    という意味で

    SN比=10*log(m**2/ve)・・・望目特性のSN比
    感度=10*log(m**2)・・・望目特性の感度

    という記号を使用しましたが、平均値の2乗(m**2)を推定する場合には、 もちろん(1/n)*(Sm-Ve)を計算することになります。

    mの2乗(m**2)の推定値=(1/n)*(Sm-Ve)

    最適条件の推定に関しては「初めての品質工学講座の最適条件の推定」を参照してください。

望目特性とゼロ望目の違いがよくわからない! また、「ゼロ望目の感度」がメニューにないのはなぜか。
  • 望目特性は大きく2種類に分けられます。ひとつは、寸法や時間などのようにデータがゼロから無限大の場合、もうひとつは、位置ずれなどのように負の値をとり得る場合です。

    なぜ、このような分類が必要であるかは、データの性質が違うからです。

    まず、非負の場合からご説明します。

    ゼロに壁がある場合は、ばらつきは出力により左右されるので(出力が大きければばらつきは当然大きくなるので、出力の違う場合、ばらつきを比較するときは平均値で割ることにより基準化する必要があるので)変動係数(標準偏差/平均値)の逆数の2乗をSN比として計算します。

    感度は平均値の2乗です。計算上では、この値にlogをとります。

    SN比=10*log(m**2/ve)
    感度=10*log(m**2)

    logをとるのは、利得の加法性のためです。
    (データをマイナス無限大からプラス無限大に変換)
    通常、望目特性と呼ばれるのはこちらの場合です。

    データが負の値をとり得る場合は、ばらつきは出力に左右されないと考えることができるので、
    標準偏差の2乗の逆数をSN比とします。

    SN比=10*log(1/σ**2)=-10Log(σ**2)

    logをとるのは、やはり利得の加法性のためです。

    こちらのSN比が、通常ゼロ望目と呼ばれています。
    感度は、データ自身にゼロに壁がないので、平均値をそのまま使用することができます。

    S=平均値

    RQEでゼロ望目の感度を解析する場合は、SN比変換をせず、そのまま解析を行ってください。

    RQEのメニューにゼロ望目の感度がないのはこのような理由からです。

SN比変換のメニューで、動特性が淡色表示され、使用できないのですが・・・
  • データが1つでは、動特性や望目特性は使用できません。

    また、同様にデータが2つでは、動特性の中の「一次式」や「誤差を調合した場合」などは使用できません。

    データの数から判断して使用できないメニューは、淡色表示されます。

    望小特性と望大特性は、平均値とばらつきを総合した特性値のため一応使用はできますが、誤差因子を取り入れた実験をおすすめします。

望目特性でSN比変換を行ったところ、「ゼロによる割り算でオーバーフローしました。」というメッセージがでたのですが。
  • 負にならない望目特性の場合、SN比は平均値mと標準偏差σの比の2乗です。
    誤差因子の水準を変えても、データが全て同じ値をとる時、標準偏差σはゼロになり、SN比は無限大になります。

    その場合は、その実験ナンバーのデータを異なった値に修正し、SN比に変換したあと、各実験ナンバーの中で一番高いSN比にさらに+3db加えた値を第0次近似として、逐次近似法にて処理をするとよいと思います。

    ただし、生データを見て、誤差因子に定性的傾向があるかをもう一度確認してください。 (データのモニタリングを使用するとよいでしょう)

    誤差因子の効果がない場合は、実験を見直す必要があります。動特性で信号との誤差がない場合も同様です。

望小特性で誤差因子の水準を変えてもデータがすべてゼロになりました。この場合、解析はできないのですか。
  • SN比は利得の加法性のため、対数値にしています。 そのため、データが全てゼロだと、SN比に変換できません。

    望小特性でデータがすべてゼロの場合は、その実験ナンバーのデータを異なった値に修正し、SN比に変換したあと、各実験ナンバーの中で一番高いSN比にさらに+3db加えた値を第0次近似として、逐次近似法にて処理をするとよいと思います。

ゼロ点比例式のSN比に変換を行うと、Sβ−Veがマイナスになりましたという表示がでました。どのような処理をしたらよいのですか。
  • 動特性のSN比ηは次式で推定を行なっています。

    η= β2/σ2 ≒ {(Sβ−Ve)/r}/Ve

    したがって、制御因子の効果を求めるにはデシベル単位のSN比

    η= 10Log {(Sβ−Ve)/(rVe)}

    を計算することになります。この式の分子がマイナスの場合、このメッセージが表示されます。
    この場合の処理としては【データのモニタリング】で各実験ナンバーのプロットを行なってみるとよいでしょう。

    右上に「注意」と表示された実験ナンバーが、分子がマイナスになった場合です。
    「誤差因子を調合したため、誤差因子の効果が大きい」「信号因子の真値があいまいなため直線からのずれが大きい」など、原因が分かる場合は適切な処理をしてください。
    (「SN比に変換する前に」を参照してください。)

    原因が分からない場合は、その実験ナンバーに適当な値(SN比に変換できる値)をいれて、とりあえず他の実験ナンバーをSN比に変換したあと、欠測値の処理をすると良いでしょう。

    データのモニタリングを行うことによって、「信号の水準値がずれている」「信号因子以外のものでデータが動いている」など、予想しなかった原因がわかる場合があります。

    SN比に変換できない実験ナンバーが多い場合は特に注意して下さい。

なぜ、校正後の誤差分散は 1/η なのか教えて欲しい。
オメガ変換を利用したいのだが、入力データは小数点なのかパーセントデータなのか教えてほしい。
  • パーセントデータで入力をお願いします。
ダミーを使用した時の、『e1』にはダミー間誤差が表示されるのですか。
  • RQEでは、割り付けていない列の変動も表示するため、実際に 『e1』に表示されるのは、ダミー間誤差になります。

    直交表で標準型を使用した場合、通常『e1』はゼロになります。『e2』は繰返し誤差を、表示しています。

L18の標準型で解析を行ったにもかかわらず、『e1』がゼロになりません。
  • L18の場合は、1列と2列の交互作用がL18の列とは無関係に求められるという特徴があり、 RQEでは1列と2列の交互作用を『e1』として、表示しています。

    L36(2×313)の場合も、他の列の犠牲なしに交互作用を求めることができるため、『e1』はゼロになりません。

効果のない因子は自動的にプーリングされるのですか。
  • 誤差分散を入力しない時も、誤差より分散が小さい因子は自動的にプーリングをします。

    効果のない因子はプーリングすることをお勧めします。

プーリングとは何ですか。
  • 実験でとりあげた因子の分散が誤差の分散と同程度と考えられるときその因子による効果が無いと考え、誤差分散としてまとめることをプーリングといいます。

    RQEでは、実験間誤差がはじめからある場合は、その分散を基準としてプーリングを行いますが、 実験間誤差より大きい因子をプーリングしたい、もしくは実験間誤差が無い場合は、誤差分散とする数字を指定することにより、その誤差分散より小さい分散の因子を誤差とみなしてプーリングを行います。

不良率を特性値にして、最適条件の工程平均を求めたところ、不良率がマイナスになってしまったのですが。
  • 一般にデータの存在範囲に限界があるとき、その限界の近傍では、要因の加法性は成立しません。 そこで、データの存在範囲がマイナス無限大からプラス無限大になるようにデータ変換を行います。 百分率の場合は、オメガ変換を行って下さい。

    また、最適条件を求めたいのであれば、理論限界からの差を望小特性(100%が良い時は100%からの差を望小特性)として解析するのが良いと思います。

L36でゼロ点比例式のモニタリングをすると、「Auto Redraw イメージを作成できません。」というメッセージが表示され、プログラムが終了してしまうのですが。
  • L36をモニタリングすると、グラフを36画面、描画することになります。お使いのコンピュータの環境により、まれにこのような状況があるようです。
    申し訳ございませんが、メモリの関係上、平行して実行している画像関係のプログラムがありましたら、そのプログラムは終了してRQEのご使用をお願いします。
    プログラムを閉じても改善されない場合は、Windows の画面の設定で、画面色のビット数を下げて頂く必要があります。
    Windows の【画面のプロパティ】→【設定】→【画面の色】で、ビット数を下げてください。

    XPなどで、画面色のビット数を下げたくない場合は、RQEの実行時のみ256色で実行する方法もあります。
    スタートボタンからRQEをポイントし、【右クリック】→【プロパティ】→【互換性】→【ディスプレイ】→【256色で実行】のチェックをお願いします。


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