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★特定調停は、任意整理と ほぼ同じ効果をもつ制度です。
両者とも、利息制限法により引き直し計算をしてもらい、かつ、将来の利息を免除してもらって、通常3年ながくても5年くらいで分割弁済していくものです。(←親などに援助してもらわずに自分で分割弁済する場合)
(引き直した結果、過払いである場合は過払い金を返還するように調停委員が貸金業者を説得してくれる

 主要な違い
・任意整理・・・・・費用が高い・・弁護士に依頼することになるので(基準
・特定調停・・・・・安い・・・しかし、数回、本人が裁判所に行かなければならない。

そこで、時間の取れる人でしたら特定調停をお勧めします。
もっとも、引き直し計算を行うと大幅に減額する場合 や 過払いの状態の可能性が高い場合、金融業者はなかなか取引経過を開示してくれません(3〜4年分の取引経過しか出してくれないケースが多いようです)。
さらに、調停の現実の運用では過払い金の返還が積極的には認められていないようです。
したがって、まず、特定調停を申立て、うまく行かないようでしたら弁護士に任意整理を依頼すればよいと思います。
例えば、サラ金業者10社から借入れている場合。。。
まず、10社すべてに対して特定調停を申立てます。
その結果、8社は取引経過を最初からすべて開示してくれたとしましょう。その8社のうち、7社は引き直し計算の額での分割弁済を認めてくれたとします。そうしたら、弁護士に依頼しなければならない金融業者は、残り3社だけですので、大幅に弁護士費用を少なくすることが出来るはずです(このケースでは、7社×4万円=28万円が節約できます)。特定調停は費用が安いので「ダメもと」で利用し、調停で納得できる和解案が成立しない業者のみ弁護士に任意整理を依頼すればよいと思います。


もっとも、長期の取引であって、貸金業者から全ての取引経過を開示してもらえなくても、あきらめる事なく努力される方もいらっしゃいます。
私が「ある掲示板」で拝見したケースですが参考になると思いますので紹介させて頂きます・・・・5社に対して特定調停申し立てた。4社は納得が出来る調停が成立した。。。残りの1社は約9年の取引があった。。。。しかし、貸金業者は契約の書き換え後の数年分の取引経過しか開示しない。。。。特定調停法12条の文書提出命令を発するように調停委員に働きかける。。。しかし、調停委員は命令を出してくれず。。。そこで、やむを得ず「調停を取り下げて、ただちに過払い金返還訴訟あるいは債務確定訴訟をおこします」と調停委員に告げたところ、調停委員は業者に電話でこちらの意向を伝えた。。。業者は「ちょっと待って下さい。次回期日を入れて下さい」と申し出た。。。業者は次回期日に取引経過を出さなかったものの、債務不存在を認めた・・・さらに、この方は、過払い金返還訴訟も本人訴訟でされる決意を固めているようでした・・・・・本当に最近は訴訟もご自分でされる、骨のある方が多いようです。あきらめずに努力すれば必ず道は開けると思います。


★制度の概略・・・・・まず、調停委員が取引経過を開示させて、利息制限法の利率で引き直し計算をしてくれます。
             その結果、支払うべき金額が分かったら、調停委員が貸金業者と直接、交渉してくれます。
               例えば・・・・・・利息制限法により計算し直した額を将来の利息を免除してもらって
                        3年間で分割弁済するなど。
             このように、調停委員が開示・計算・交渉など、ほとんど全てやってくれる場合が多いようです。
            (調停委員が実際どの程度、手助けしてくれるのかは、他のhpを見て下さい。)

            交渉の結果、債権者と合意できたら、決まった額を支払っていくことになります。
            ・・・したがって、分割弁済できるだけの、可処分所得がなければ特定調停の方法はとれません。


★申立の方法・・・・・簡易裁判所に「調停の申し立て」の用紙があるので、取りに行きます。
             簡易裁判所の場所・電話番号→裁判所のhpで調べる事ができます
      費用・・・・・債権者(サラ金会社など)各1名につき、
             切手410円分(80円5枚・10円1枚・・・東京簡易裁判所の場合)・収入印紙500円分必要。
             特定調停の申立書などの記入例は、ぞろぞろさんのドキュメント特定調停のhpで閲覧可能です。
             簡易裁判所には、相談センターがあり、調停が出来そうか否か、出来そうな場合には、
             申立書の書き方などを教えてくれますので、一度、簡易裁判所に行った方がよいと思います。
             (なお、相談は無料・申立書も無料でくれます)
             
★具体的な進行・・・・・裁判所によりますが、1ヶ月に2回位、調停日をもうけてくれます。
              調停日には、債権者(サラ金会社など)3〜5名と調停します。
              したがって、債権者が12社ほどある場合には、3〜4回は裁判所に行く必要があります。
              最初の1回目は、資力検査(どの程度、可処分所得があるのか調べる)
              
以上の説明だけでは、具体的なイメージがわかないと思います(私自身、特定調停が実際どのように運用されているのかよく知りません。理由は・・・私は法律事務所に勤務していますが、弁護士は特定調停をほとんど利用しないからです。)

そこで、他の人の体験談を熟読される事を是非お勧めします。・・・・・・・・・・ココをクリック

また、特定調停について疑問点があれば、「自分でできる特定調停の申立」のHPにて、質問されたらよいと思います。このHPは元裁判官により運営されているので、確かなアドバイスがもらえるはずです。



★なお、調停を申立てれば・・・貸金業者は、支払の請求(取立・催促)が出来なくなります。・・・債権者には、裁判所から通知がなされます。
・・・・根拠・貸金業規制法に関する金融庁の事務ガイドライン、第二‐3‐(1)‐ハ(ロ)  業務・・・取立て行為の規制、・・・貸金業者がしていはならない行為、・・・債務処理に関する権限を弁護士に委託した旨の通知、又は、調停破産その他裁判手続をとったことの通知をうけた後に、正当な理由なく支払請求をなすこと。
ガイドラインを無視して、取立てを止めない債権者がいる場合・・・・その対策


★調停委員が債権者と直接、交渉を行ってくれますが・・・・・・

 各裁判所の方針により、調停委員の対応がマチマチらしい
 具体的には、将来の利息を免除してもらうが、厳密に利息制限法で引きなおさないとか・・・
 これは、弁護士が行う任意整理でも同じ事が言える・・・多少のアタリ・ハズレはあると思う。
 任意整理・特定調停の基本は「話し合い」「交渉」であるので・・・
 親身になって粘り強く交渉してくれる人もいれば、そうでない人もいるのだろう。
 上でも書いたように納得できる調停が成立しない場合、弁護士に任意整理を依頼するのもよいと思います。