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まず、利息制限法で計算し直す・・・・・これは既に大体計算してあるはず

 計算し直した結果、どの程度、減るのかは、どの程度の長期間、高利で借金していたかによります。
減ったとしても、カットできたとは通常言いません。法律上、当たり前の状態になっただけだからです。

それ以上は絶対に払わない事が大切です。特に、親族等が、援助してあげる場合・・・貸金業者の言いなりにならないで下さい


もっとも、サラ金業者は、計算し直した額を満額払うと言っても、「みなし弁済規定・遅延損害金・重利」により、「もっと、払うべきだ」と言って、なかなか、相手にしてもらえないはず・・・・しかし、実際には、みなし弁済が成立する事は滅多にありません。

そこで、自分で整理する場合は、特定調停を利用した方が望ましいです。
理由は、「調停委員」が間に入って、相手を説得してくれるから。
・・・詳しくは、特定調停で述べます。


以下は、弁護士に任意整理を頼んだ場合・・・どのような事をしてくれるのか?を説明します。

@まず、事情を弁護士に説明し、任意整理が本当に適当な解決方法か一緒に検討します(相談時間は30〜60分くらいです)。
任意整理を希望しても、弁護士から破産や個人再生手続を勧めれられる場合もあります。
どの解決方法を選択するのかは最終的には自分で決定する事ですが、弁護士がアドバイスをしてくれる訳です。
任意整理は、利息制限法所定利率で引き直し計算をした金額を最長でも5年で分割して支払っていくものです。将来の利息は免除してもらいます。
したがって、例えば、引き直し計算をした結果、借金総額が300万円ある場合には、月々5万円以上支払う事が出来なければ任意整理の方法はとれません。
5年という期間は法律で定まっている訳では無いのですが、5年以上になると、まず債権者は和解に応じてくれません。

A任意整理の方法を選択したら・・・
債権者に受任通知を出します。これにより、貸金業者の支払い催促は無くなります。
同時に、取引経過の開示を求めます。通知・開示請求は郵便でします。

B開示を求めると、2〜4週間くらいで、債権者からFAXや郵送で取引経過の開示がなされます。
それに基づき、引き直し計算をします。

Cある金融業者から50万円請求されていたが、引き直し計算をすると36万円になるとします。
そうしたら、例えば、月々1万円の支払いでの3年分割の和解案を作成するのです。

D和解案ができたら、債権者にFAXして、その案でよいか確認します。
3年以内の分割であれば、債権者は、ほぼ間違えなく承諾してくれます。

E債権者が承諾したら、和解書の原本2通を債権者に郵送して記名・捺印してもらい、1通は返送してもらいます。
和解書は債権者が作成する事もあります。

Fこうして和解が成立したら、月々の支払いが始まります。
一社ごとに和解は成立していきます。
早ければ、1ヵ月後には和解が成立しますが、通常2〜3ヶ月かかります。


以上が任意整理の普通の流れです。
任意整理は報酬基準によると、債権者が10社ある場合には、40万円の弁護士費用がかかります。
では、任意整理にどのくらいの手間がかかるかというと・・・・
弁護士・・・・最初の相談に30〜60分、事務員が作成した和解案や和解書の確認に30分くらい
事務員・・・・弁護士の手足となり、通知、引き直し計算、和解案の原案の作成などを行います。
        一社につき、合計2時間くらいの時間がかかります。


一般的では無い任意整理の説明・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

援助で支払う場合

通常は、自分で稼いだお金 あるいは、夫から渡された生活費の残りで、分割弁済をしていくのですが、親族などが援助してくれる場合もあります。このような場合には、引き直し計算をした金額を一括で弁済できます。交渉によっては、引き直し計算をした金額から更に3〜4割減額してもらえる場合もあります(特に取引経過が長い場合)


過払い金がある場合・・・あるいは、大幅に減額する場合

このような場合、和解が成立するまで、時間がかかります
事務所から取引経過の開示を求めても、債権者はなかなか最初からの取引経過を開示してくれません。
10年以上前からの取引があるのに、3年くらいの開示しかしない事など珍しくありません。
そのような場合、再度、郵便で開示を求めたり、直接、電話で開示の請求をします。
その結果、出してくれる場合もありますが、10年以上前の取引経過を開示させるのは非常に困難です。
しかし、最初からの取引経過を開示するように、気長に催促し続けます。6ヶ月〜1年の時間がかかる場合もあります。
この点が特定調停と異なるのだと思います。任意整理は時間無制限で延々と交渉が行われる・・・
なお、和解するまでの遅延損害金は免除してもらいます。したがって、時間がかかっても問題ありません。

さらに、過払い金が生じている場合、当然、返還請求することになります。
計算した過払い金の8割くらいは、すぐに返還してくれる業者が多いのですが、全額はなかなか返してくれません。

このように、過払い金があるとさらに時間がかかります。
ユルイ和解をするのは簡単です。例えば、取引が10年前からあるのに金融業者が7年前からの取引しか開示しない・・・・にもかかわらず、7年以前は目をつぶる。譲歩した7年前からの取引経過に基づき引き直し計算を行い、その結果60万円の過払いが生じているとする。過払い金返還訴訟をすれば全額返還できるが、譲歩して、約8割の50万円の返還で満足する・・・このような場合、キッチリと最初から過払い金を計算をすると100万円以上の過払いが生じている可能性もあります。

キッチリした和解をするのは本当に難しいです。最終的には裁判をするしかありません。しかし、任意整理の費用の外に訴訟費用・弁護士費用がかかってしまいます。過払い金返還訴訟・・・不当利得返還訴訟の説明

過払い金返還訴訟を見据えて、弁護士に任意整理を依頼する場合には、遠方の弁護士に依頼しない方がよいと思います。
なぜなら、例えば、関西に本社のある金融業者から、関西にある営業所で借り入れた場合、管轄の裁判所は関西です。その場合に東京の弁護士に依頼したら、ワザワザ関西まで行くのは面倒であるので、ユルイ和解をせざるを得ないと思われます。もっとも、東京に本店を構えている業者が多いです。

過払い金が生じていないような場合には、前述のように任意整理は郵便・FAX・電話で進められるので、遠方の弁護士に依頼しても問題ありません。