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★相続人がいない場合

相続人がいないと思われる場合・・・・もっとも、包括受遺者がいると言われていた場合・・・・・・・・・最判平成9・9・12
相続人がいないと思われる場合には、相続財産は当然に法人となり、家庭裁判所は利害関係人または検察官の請求によって相続財産管理人を選任します(民951、952)。利害関係人とは、相続債権者、受遺者、徴税のための国、特別縁故者としての分与審判申立人です。
どのように管理人選任の請求をするの?






★相続人がいない場合の処理・・・・・・・・・・・・・

・被相続人死亡
・利害関係人または検察官による相続財産管理人選任の申立(民952)・・・上述した
・家裁による管理人の選任及び公告(民952)

2ヶ月

・管理人による債権者・受遺者に対する請求申出の公告(民957)
・家裁による相続人捜索の公告(民958)

2ヶ月以上

・管理人または検察官による相続人捜索の公告請求(民958)
      相続人はいないと思っていたが、実はいた場合(確定判明)・・・・・例・隠し子がいた場合など

六ヶ月以上

・相続人不存在の確定(民958の2)
        相続人はいないと思っていたが、実はいた場合(確定判明)・・・・・例・隠し子がいた場合など
特別縁故者の請求
特別縁故者の請求期限(民958の3)
家裁による特別縁故者への財産分与(民958の3)
相続財産の国庫帰属(民959、956U)・・・具体的には・・・







★特別縁故者への財産分与(民958の3)

相続人がいない場合には相続財産は国庫に帰属する事になりますが、特に縁故のあった人は相続財産を取得することができます。
いかなる人が特別縁故者に該当するかは、具体的・現実的に存在した被相続人との間の縁故の濃淡が判断の基準になります。

具体例

  @ 「被相続人と生計を同じくしていた者」の例・・・・・・・内縁の妻などがいる場合

     i 20年以上生活を共にした内縁の妻(千葉家審昭38.12.9 家月16−5−175)

      ii 30年余りの間生活の苦楽を共にした病弱の事実上の養子(大阪家審昭40.3.11家月17 4 70)

      iii 20年にわたって家事一切の世帯などを行いかつその療養看護に尽くした事実上の養親(大阪家審昭41.11.28 家月19−7−96)


  A 「被相続人の療養看護に努めた者」の例

     i 生計は別個独立であったが、まず被相続人の母の看護にしばしばつくし、かつ被相続人が病床についてからは同人宅に同居して
       療養看護や身の回りの世話をした知人(高松高決昭48.12.18 家月26−5一88一部分与の例)

     ii 報酬を得て療養看護に当たった者(家政婦、看護婦)でも特別縁故者たりうる(神戸家審昭51.4.24 判時822−17)


  B 「その他被相続人と特別の縁故があった者」の例

     i 50年以上にわたって被相続人の相談相手として孤独をなぐさめ、経済面で相助けて、
      死に水までとった人生の奇縁ともいうべき被相続人の教え子(大阪家審昭38.12.23 家月16−5−176)

     ii 被相続人を雇用するとともに同人一家のため家を購入してやり、その後負傷した被相続人のため
       若干の経済的援助を続けた会社経営者(大阪家審昭41.5.27 家月19−1−55)

     iii 法人も特別縁故者となりうる

     C  被相続人の死後の縁故者〈葬儀や法要を営み事実上相続財産の管理などを行った人)も
         特別縁故者となりうるとする見解がある(大阪家審昭39.7.22 家月16−12−41その他)
         しかし、学説では、死後のみの縁故を肯定することは祭祀相続の復活につながるとして死後縁故を認めない見解が多く、
         この立場に立つ審判例もある(横浜家小田原支審昭55.12.26 家月33−6−43、東京高決昭53.8.22 判時909−54)。



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特別縁故者と共有者との論点のお話も書く事。。。。