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支払不能の状態ですか?・・・破産法126条
ひらたく言うと、支払不能の状態とは「八方手を尽くしても、自力では、返済が不可能な状態」のことです。
財産が無い場合・・・・(不動産・自動車など持っていないケース)
例えば、サラ金(10社)から計500万円借りている場合
年18%の利息として計算しても、利息だけでも7万5000円・月々払う必要がある。
月収25万円があるが、家賃・食費等月々15万円かかり、
したがって、自由に使える金額が月々10万円とした場合。
めぼしい財産が無いとすると
利息は何とか払えるが、元本の返済も考えると「支払不能の状態」と判断されます。
上の例から分かるように支払不能か否かは、ケースバイケース・・・・・
考慮される要素・・・・債務者の財産・労力(職業・性別・収入)・信用・家族関係(子供がいるならば養育費がかかる 逆に、独身で親と同居していれば借金返済可能な額が多くなる 専業主婦であるならば夫の収入 など)
破産を申立てた場合、これらの要素を総合的に見て、「支払不能の状態か?」を裁判官は判断するのです。
もっとも、利息を払いながら3年間で借金を完済できるか?が一つの目安になると思われます。
年18%以上の利息がある場合・・・3年間で返済するには、毎月いくら返済すればよいのか?下の表
年18%以下の利息の場合(銀行などから借りている場合)・・・・・ローン返済シュミレーションのページが便利です。
| 借金総額 |
3年間で完済する場合の 毎月の返済額(利息+元本返済分) |
| 200万円以下 | この場合 |
| 200万円 | 7万2304円 |
| 300万円 | 10万8457円 |
| 400万円 | 14万4609円 |
| 500万円 | 18万0761円 |
| 600万円 | 21万6914円 |
| 700万円 | 25万3066円 |
| 800万円 | 28万9219円 |
| 900万円 | 32万5371円 |
例1、・・・・仮に、借金の返済にあてることのできる金額が、1ヶ月・・・10万円とすると・・・・
借金総額が、300万円以上になると、3年以内で返済できず「支払不能」と判断される事になります。
例2、・・・・仮に、借金の返済にあてることのできる金額が、1ヶ月・・・5万円とすると・・・・
借金総額が、200万円でも、「支払不能」なので、破産の方法をとる事が出来ます。
以上の説明から・・・・明らかに支払不能の場合・・かつ・・・・・・めぼしい財産が無い場合
以下を読まずにココをクリック(支払不能)←破産できる
財産がある場合・・・・(不動産・自動車など持っているケース)
上の例は、めぼしい財産が無いことを想定していますが・・・
何らかの財産があり、それを売却すれば、債務を一部でも減らす事が可能な場合
(例・・・・土地・建物・自動車など金目になるモノを持っている)
このケースにあたる
以上の説明から
支払不能の場合←破産できる
・・支払不能とは言えないが・・借金返済が、きつい場合←破産できない
支払不能か否か・・・明確な線引きがあるわけではありません。
したがって、限界事例が多数考えられます。裁判官によっても微妙に対応が異なるケースもあると思われます。
そのような場合にもかかわらず、破産を望む場合、破産手続開始決定(破産宣告)が出ない事を覚悟して、破産の申立をするしかありません。
とは言え、実際は支払困難を自覚した状態であれば、まず問題なく支払不能と認められるはずです。自己破産を申し立てた人が「あなたはいまだ支払不能ではない」として、申立を却下された、というような話は今のところ聞いたことがありません。クレ・サラ処理の手引 p218から抜粋
したがって、利息制限法に引き直した額を3年程度で返せる場合であっても、借金総額がよほど少額でない限り、実務上は支払不能の状態と裁判官に判断してもらえるようです。
例えば、300万円の借金があるが、引き直し計算をすると100万円程度になりそうな場合であっても、支払い不能として破産できるケースが多いと思われます。
なぜなら、みなし弁済規定が成立する場合も絶無ではなく、また、貸金業者が取引経過の開示を頑なに拒む場合もありうるので、裁判官が支払い不能か否かの判断をする際に、引き直し計算を見込んだ金額を絶対の基準とするわけにはいかないからです。