豊島・新宿支部
                                              


ヘルパー2級講座
スクーリング(実技/通学学習)
介護する側とされる側になって技術を学びます。
利用者の気持ちを理解して、思いやりのある介護を体得。

8日間(9:30〜17:30)


1日目   
    ・オリエンテーション
     ・ホームヘルパーの心構え
     ・バーチャルシニア体験

・オリエンテーション
スクーリングの事業の進め方や必要な持ち物、実習の場所・参加方法などについての具体的な説明。

・ホームヘルパーの心構え
社会変化と介護保険制度
 (1)介護が必要とされる背景    
     高齢化・高齢社会  
     少子化  
     ノーマライゼーション 今日の社会福祉を支える中心的な思想
       「高齢者や障害者が、一般の市民とともに共存する社会こそ健全(ノーマル)な社会であり、
      その人たちが、可能な限り普通(ノーマル)の生活ができるように環境や支援を整えること」
   ☆チョット一言☆
      日本は高齢化社会?それとも高齢社会?
      65歳以上の人口が7%〜『高齢化社会』
          〃     14%〜『高齢社会』
      日本は1995年より『高齢社会』なのです。
      *2015年ごろには人口の25%、4人に1人が高齢者のチョー高齢社会になると言われています。
 
 (2)介護保険の目的   
     1)介護の社会化 家族制度からの脱出〜家族介護の限界
     2)保険制度方式により給付と負担の関係を明確にする
     3)利用者がサービスを選択できる 「措置」から「契約」
     4)介護を医療保険から切り離す 高齢者の医療費が増大し、国民健康保険の財政を圧迫
      *85歳を超えると、4人に1人が要介護状態(寝たきりでかつ痴呆)
       寝たきりの状態が何年続いているか・・・ナ・ナント53%3年以上、1年以上3年未満で21%
       寝たきりになる前から要介護な状態だろうから、介護は長丁場となる。
       介護は誰がするの?  しているの?
       現在寝たきりの高齢者を介護している人の90%は女性であり、その約半分は60歳以上である(老老介護)。

  (3)介護保険の仕組み 契約という形を取った利用者の選択、自己決定を尊重するための仕組み
          
ホームヘルパーの仕事とは
 1) 身体介護
 2) 生活援助
 3) 相談・助言
    フォーマルサービス  (Ns. Dr. Pt. Ot.)
    インフォーマルサービス(家族、民生委員、ご近所、ボランティア)
    ほうこく  れんらく  そうだん

介護の原則
 1) 継続した援助 単調な作業の繰り返しを基本とし、ケアの評価は長い時間を経て分かること(努力の遅効性)
 2) 一人一人の生活習慣・価値観の尊重 ヘルパーが支配的にならず、利用者自らが決定できるよう促す。
 3) 自立性の獲得と拡大をはかる
 4) 生きる意味や喜びを感じられる
 5) 生活の範囲の拡大
 6) 他のメンバーとの連携 

共感的理解とコミュニケーション
傾聴じっくりと相手の話に耳を傾け、内容をしっかりと読み取り、利用者が何を訴えようとしているのかハートで受け取ること。
共感「そうだったんですか」「大変でしたね」と心の底から相手を思う気持ちを共感できる一言、二言の言葉で表現する。
受容聞き取った内容が、ヘルパーの判断で正しくても、間違っていたとしても、まず、全面的に受け入れることが大切。
  (1)共感的理解について
      @傾聴・受容の態度・信頼関係の形成
          常にヘルパーは利用者と対等の立場であることを心がける。
        A痴呆性高齢者等とのコミュニケーション
          痴呆性高齢者は過去、現在、未来というつながりのない状態。周囲の様子についてはっきりとつかめていない。
          現実性に乏しく、失見当識という状態で失敗や誤解されるという連続の中で、自尊心を傷つけられている。
          痴呆性高齢者の特徴を理解し、責めたり怒ったりしないで支持的なかかわりを。
  B視覚・聴覚障害者とのコミュニケーション
  情報の8割は視覚から。残りの2割で情報を集めるために全神経を集中させている。

ホームヘルパーの倫理観  介護福祉士会倫理綱領
   (1)成年後見制度・市域福祉権利擁護事業とのかかわり
       これまでは、民生委員やホームヘルパーがその援助をしてきたが、金銭に関ることにおいては特にトラブルが発生し、
      その対応が大変困難になっていた。
      痴呆性高齢者、知的障害者、精神障害者など、自分の判断でサービスを選んで利用したり日常的な金銭の管理が
      1人では十分にできない人々が増えている・・・・と言うことは、ますます増えるトラブル???
     福祉サービスの利用者を保護する制度として、苦情解決するための仕組みの導入や情報公開の義務付け、
      サービスを上手に選択できるような支援(地域福祉権利擁護事業)などが新たに創設。 
     判断能力が不十分な利用者のための権利を保護する仕組みとして、成年後見制度が民法改正によって、
      平成12年度に始まった。
     地域福祉権利擁護事業の実施主体は都道府県社会福祉協議会ですが、事業の一部を市町村社会福祉協議会
     などに委託して、利用者が安心して自立した日常生活が送れるように援助が行われている事業。

「あいさつ」ヘルパーの第一印象は挨拶で決まる。 「守秘義務」 「情報提供」 「プライバシー保護」

・バーチャルシニア体験
 8種類の器具をつけて日常の動作を行う
バーチャル・シニアの目的
 1)高齢者の身体機能の変化や心理的変化を一時的に体験する。
 2)体験を通して、環境改善や高齢者との接し方を考える。
使用している器具
全てを装着してみると・・・・・身体全体が重力に引っ張られる。腰が下がる感じ。身体重い。

1、耳栓 聴覚の変化を体験
   何も聞こえないわけではなく、なんだか遠くの方から話しかけられているようだ。
   聞こうと意識しなければならない。耳が遠くなるというが、ホントに遠くから離しかけられている
   ような感じだ。ちなみに、同じように器具を装着している人の声はメチャ大きくなっているようだ。
2、白内障体験ゴーグル 視覚の変化、老人性白内障や視野狭窄(きょうさく)を体験
   町中の色が無くなった!!!赤、青・・・数種類は色を確認できる。が、コントラストがハッキ
   リしているはずの銀行の青地に白文字の大きな看板の字が読めない。視野がメチャ狭くなり
   自分のおへそが見れません。身体を深ーく折り曲げて・・・・・見たところで、おへそは見えない。
3、両腕関節サポーター 関節が曲がりにくくなり、動作も不自由になる
   両腕のひじに違和感。邪魔。
4、利き腕手首おもり 筋力低下により手が上げづらくなる
   だら〜ん。ぶらんぶらんと力を入れたくなくなる。下げた腕を上に持ってくるとき、せーのっ!と
   掛け声を上げて気合を入れる。勢いをつけないとあげるのが容易ではない。身長より高い所
   の物を取ろうとして、頭の上に手を上げると、重さをすごく感じる。
5、ゴム手袋 薄手のゴム手袋を2枚ずつつけた上から、両手の指を2本ずつテープで縛り
          触覚の低下、動作が不自由になる
   指先でが物を触ってから、認識するまでの時間が長くなる。指の感覚が鈍くなり熱い冷たい、
   痒い痛い、と脳に信号が送られてくるのに時間がかかる。
   必要以上に力を入れて強くボタンを押したり。
6、利き足膝サポーター 関節が曲がりにくくなる
   床に落ちた物を拾うのにも「ドッコラショッ」って言ってしまう。
   平行移動よりも上下運動に違和感を感じた。
7、左右重さの違う足首おもり 平衡感覚の変化を体験
   全然足が上がらないよぉ。お風呂に入ろうとして、風呂がまのフチにゴンッ!ぶつけてしまった。
チャレンジリスト

1、エレベーターを使用して1階まで降りる
   ボタンの数字が見えませ〜ん!!目的の階を押すとヒカリ、確認できる。。
2、玄関から外へ出る
   ビルの玄関にある3段ほどの階段の段差が確認できず、足を下ろせない。
   立体(3D)に見えない。奥行きが無いように感じる。
3、自動販売機に1000円札を入れる→戻す
   お札が1枚だけを財布から取れない。手先が自由に動かない、感覚も鈍くなるので、
   触れてもその感触が指先に伝わってこない。
4、小銭を使いジュースを購入する
   お財布から小銭を取るのが難しい。つかめない。
5、階段を使って7階から6階まで降り、再び7階まで上がる
   ビルの階段ということもあり、もともと薄暗いのですが。
   段差が識別できない。会談のフチを色付けするといい。
6、トイレに入る→便器に座る
   和式で、ドアを開けると便器が横を向いている配置で、足を上げてまたごうとするが、
   イメージよりも動作(足を上げる、横に動かす)が足りないらしく、便器に足が落ちそうに・・・
7、銀行の「入金票」を見る
   全く、何がなんだか何も見えません。
8、新聞のテレビ欄を見る
   何にも・・・字を読もうとすると、光が、明るさがに敏感になる。
9、靴を脱ぎベッドに横になる
   こういった動作が面倒くささ1000パーセント!
10、お風呂に入る
   足が持ち上がらず風呂桶の腹の部分にぶつけてしまった。
11、テレビのリモコンを使って電源を入れる→音量調節
   リモコンの小さな字は分かりません、見えません。そしてボタンを1つ押すのが難しい。
12、コップにお湯をいれ、指の先で温度を測る
   まず、ぬるい・熱いではなく、
13、カップラーメンの賞味期限を見る
   一生懸命光に向けたりしてみようとするが・・・こんな賞味期限の日付は、
  ゴーグルを取って肉眼で見てもどこに書いてあるやら、探してしまいます。