破産宣告がなされると

次に、免責が得られるかが判断されます。

破産しても、免責がなされないと、借金は無くなりません。

通常の場合、借金帳消しを求めて、破産手続きをするので、

免責されなければ、破産手続きをする意味が無くなります。

免責(借金帳消し)されない場合は、以下のとおり。

下記の事情(免責不許可事由)が・・・・・

ある
ない




@自分の財産を 隠したり・壊したり・債権者に不利な処分をした場合(374条1号詐欺破産罪)
  例・・高価な物を持っているのに、後述の資産目録に記載せず、隠した場合。
     不利益処分とは、隠匿・毀棄に比肩し得る程度に債権者全体に絶対的な不利益を及ぼし得るほどの処分行為をいい、特定の債権者に弁済する程度の行為は、これに該当しない(最判45・7・1)

A破産財団の負担を虚偽に増加すること(例・・・借金が無いのに、通謀して抵当権付の借金が有るかのように見せかける)374条2号

B法律上、商業帳簿を作らなければならないのに、作らず、作っても不正の記載をしたり、隠したりした場合 374条3号・375条4号
  申立人が商人の場合・・・・店舗をもって商売している場合など・・・・この場合

C浪費・賭博・・・・375条1号・・・この場合に該当しそうなので詳しく知りたい
  賭博・・・・・パチンコ・スロット・競馬・競輪・競艇・麻雀など
  浪費・・・・・資産・収入に見合わない過大な支出の事(贅沢品・趣味)
         飲食・買物(絵画・パソコン・洋服・健康器具など)・旅行・風俗・エステ
         株式投資・商品先物取引なども含む
         ・・・例えば、債務を支払う為に株式投資を始めたことは債務の堅実な返済手段ではなく「浪費行為」にあたる

D破産宣告を遅らせる目的で、@著しく不利益なる条件で債務を負担し
  又は、A信用取引に因り商品を買い入れ著しく不利益なる条件で処分する事・・・・375条2号
  @の具体例・・・・利息制限法をこえる闇金融から借金をして、自転車操業をしたなど
            自転車操業をやってしまった人は多いと思われるし、破産申立人は自転車操業をしても、
            なんら利益を得ているわけでは無いので、この事情があっても、免責してくれる場合が多いと考える。
  Aの具体例・・・・クレジットカードを利用し、後日、カード利用分を返せないと分かっているにもかかわらず、
            買った物を換金し、自転車操業をした場合。。。
            カードを利用した換金行為は、換価率がさほど悪くなくとも、ローンの負債や手数料をも考慮するので、
            一般的には、免責不許可事由に当たると判断されるようです。
            もっとも、換金行為も免責される場合が多いと思われます。
            特に、悪質な買取屋に騙されたケースでは、破産申立人は被害者とすら言えるので。

E支払不能状態にあるのに、特定の債権者だけを特に有利にするために、担保をあたえたり弁済期前に払ったりした場合(非本旨弁済)・・375条3号
注意・・支払不能の状態であるのに、特定の債権者のみに弁済した。この場合、弁済したのが期限後であれば・・・つまり、支払う義務がある場合に支払う行為は免責不許可事由ではありません。せいぜい、偏頗弁済(かたよった弁済)として否認権行使の問題になるだけです。偏頗弁済については後のページで説明します。

F破産宣告前1年内に、支払不能なのに、債権者を欺き信用取引によって財産を得た場合・・・366条の9第2号
  例・・・・他人の名前を勝手に使ったり、生年月日・住所・負債額について誤信させ、借金をしたり、カードを作った。
  この場合に該当しそうなので、詳しく知りたい場合

G虚偽の債権者名簿を裁判所に提出したり、財産状況について裁判所にウソの報告をした。
・・・この場合に該当しそうなので詳しく知りたい・・・366条の9第3号

H10年以内に、破産→免責された事がある場合・・・366条の9第4号 改正破産法では7年になる

I破産法に定める破産者の義務に違反した場合・・例・破産管財人に説明すべき義務に反した場合など。