支払不能の下で長女に40万円の着物を購入する行為は免責不許可に該当する事由であるがサラ金業者の貸付けの態様、取立の状況等諸般の事情を考慮して裁量免責とした・・・高松地決 昭和62年3・4 


バー・キャバレーの女遊び、ギャンブルの射倖行為に該当するとしても、「過大なる」債務にはあたらないとして免責を許可した・・・神戸地 昭和58年6・15



抗告人が過大な債務を負担することになったのは、容易な方法でサラ金業者から融資を受け続けたこと自体によるものというべきであって、競艇等の射倖行為はそのひとつの遠因にすぎないから、これをもって射倖行為によって過大な債務を負担したものということはできず、本条1号、375条1号所定の免責不許可事由には該当しない・・・・東京高決昭和60年・11・28 判タ595−91


株式投資で損をした穴埋めを行うため、さらに資金を借り入れ株式投資をしたが、株価が暴落し過大な債務を負担した破産者・・・・・債務を支払うために株式投資を始めたことは債務の堅実な返済手段ではなく「浪費行為」に該当するが、当時のいわゆるバブル経済の渦中にあっては無理からぬ面があること、株式投資が行き詰ったのは株式暴落が直接の原因であること、退職金や自宅売却代金を債務の返済に充てるなどそれなりに誠実に債務の支払に努めてきたこと、重度の身体障害者である母を扶養せざるを得ないことなどの諸般の事情を考慮すると、裁量により免責を許可するのが相当である・・・・東京高決平成8・2・7 判時1563


以下は、免責が認められたかったケース




被服費および物品購入により生じた債務が7〜800万円もあり、経営していたスナックを処分すれば返済できるといって友人から400万円を借りながら、スナックを処分すると行方をくらまし、取得した金品を全く返済にあてなかったことを理由に366条の9第1号の不許可事由があるとした・・・東京高決昭和63年1・20 


20歳になったばかりでようやく自己の収入により生計を保つ状態であった女性が、クレジットにより衣服や装飾品を購入し703万円の債務を負担して破産宣告を受けた場合、浪費にあたるとして免責が許可されなかった・・・盛岡地 平6・3・24 判タ855−282