■海津式ローマ字(第4版)

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■現在の各種標準規格だけでは、ローマ字で日本語を自由自在にかくことはできません。そこで、まよわずかんたんにかける、日本語のローマ字表記方式をかんがえました。

■ご意見・ご質問などは、Twitter(現X)の @kaizu_siki までおねがいします。

目次


1. カナからローマ字への変換

1.1 原則

  1. 発音ではなく、カナでどうかかれているかにしたがって、変換表によりローマ字に変換する。
  2. 漢字は、フリガナにしたがってローマ字に変換する。
  3. 既存の国際規格英国規格、および内閣告示との互換性維持のため、以下の例外をふくむ。
    1. /ワ/と発音される助詞の<><>は<wa>とかく。厳密翻字の場合は<ha>とかく。
    2. /エ/と発音される助詞の<><>は<e>とかく。厳密翻字の場合は<he>とかく。
    3. 助詞の<><>は<o>とかく。助詞以外の場合や厳密翻字の場合は<wo>とかく。
  4. ローマ字つづりからカナつづりへの逆変換を可能にするため、厳密翻字の規則をもうける。(詳細は後述)
  5. <><>は<n>でかく。母音字、<y>、<w>、<n>のまえでは<n'>とする。
  6. こがきの<><>は、おなじ語のなかの直後の子音字でかく。英国規格準拠版の<ch>のまえでは<t>でかく。語末の場合や、おなじ語のなかで直後に母音字や<w>、<y>がつづく場合は<q>でかく。
  7. 長音記号<>は、直前の母音字でかく。厳密翻字の場合は<h>でかき、母音字、<y>、<w>、<h>のまえでは<h'>とする。
  8. つづりがおなじで意味や発音がちがう語を区別するために、<'>(アポストロフィー)と<->(ハイフン)をつかう。(詳細は後述)

1.2 カナ対ローマ字変換表

ひらがな、カタカナと、ローマ字の対応表です。

表1-1. カナ対ローマ字変換表
国際規格準拠版(ISO海津式)および英国規格準拠版(BS海津式)
カッコなしのローマ字は国際規格準拠版、または国際規格準拠版と英国規格準拠版で共通のもの
{ }は英国規格準拠版のローマ字、[ ]は厳密翻字のローマ字
*がついているカナは、英国規格または内閣告示にふくまれている「外来語の表記」のカナ
基本の(1文字の)カナ <ゃ>, <ぃ>, <ゅ>, <ぇ>, <ぃぇ>, <ょ>,
<ャ>, <ィ>, <ュ>, <ェ>, <ィェ>, <ョ>
がついたカナ
<ぁ>, <ぃ>, <ぅ>, <ぇ>, <ぉ>, <ゎ>,
<ァ>, <ィ>, <ゥ>, <ェ>, <ォ> <ヮ>
がついたカナ
ア行
ウャ行
ウァ行


a


i


u


e


o
うゅ
ウュ*
wyu
うぁ
ウァ*
wa
[wwa]
うぃ
ウィ*
wi
[wwi]
うぇ
ウェ*
we
[wwe]
うぉ
ウォ*
wo
[wwo]
カ行
キャ行
クァ行


ka


ki


ku


ke


ko
きゃ
キャ
kya
きゅ
キュ
kyu
きぇ
キェ*
kye
きょ
キョ
kyo
くぁ
クァ*
kwa
くぃ
クィ*
kwi
くぇ
クェ*
kwe
くぉ
クォ*
kwo
くゎ
クヮ*
kwa
[kwwa]
サ行
シャ行


sa


si
{shi}


su


se


so
しゃ
シャ
sya
{sha}
しゅ
シュ
syu
{shu}
しぇ
シェ*
sye
{she}
しょ
ショ
syo
{sho}
タ行
チャ行
ツァ行
ツャ行
テャ行
トァ行


ta


ti
{chi}


tu
{tsu}


te


to
ちゃ
チャ
tya
{cha}
ちゅ
チュ
tyu
{chu}
ちぇ
チェ*
tye
{che}
ちょ
チョ
tyo
{cho}
つぁ
ツァ*
twa
{tsa}
つぃ
ツィ*
twi
{tsi}
つぇ
ツェ*
twe
{tse}
つぉ
ツォ*
two
{tso}
つゅ
ツュ*
twyu
{tsyu}
てぃ
ティ*
tji
{ti}
てゅ
テュ*
tju
{tyu}
とぅ
トゥ*
t'u
{tu}
ナ行
ニャ行


na


ni


nu


ne


no
にゃ
ニャ
nya
にゅ
ニュ
nyu
にぇ
ニェ*
nye
にょ
ニョ
nyo
ハ行
ヒャ行
ファ行
フャ行


ha注1
[wha]注9


hi


hu

{fu}


he注2
[whe]注10


ho
ひゃ
ヒャ
hya
ひゅ
ヒュ
hyu
ひぇ
ヒェ*
hye
ひょ
ヒョ
hyo
ふぁ
ファ*
hwa

{fa}
ふぃ
フィ*
hwi

{fi}
ふぇ
フェ*
hwe

{fe}
ふぉ
フォ*
hwo

{fo}
ふゃ
フャ*
hwya
{fya}
ふゅ
フュ*
hwyu
{fyu}
ふぃぇ
フィェ*
hwye
{fye}
ふょ
フョ*
hwyo
{fyo}
マ行
ミャ行


ma


mi


mu


me


mo
みゃ
ミャ
mya
みゅ
ミュ
myu
みぇ
ミェ*
mye
みょ
ミョ
myo
ヤ行

ya


yu
いぇ
イェ*
ye


yo
ラ行
リャ行


ra


ri


ru


re


ro
りゃ
リャ
rya
りゅ
リュ
ryu
りぇ
リェ*
rye
りょ
リョ
ryo
ワ行

wa

ヰ*
wi


ヱ*
we

ヲ*
wo注3
ヴャ行
ヴァ行
ゔゃ
ヴャ*
vya
ゔゅ
ヴュ*
vyu
ゔぃぇ
ヴィェ*
vye
ゔょ
ヴョ*
vyo
ゔぁ
ヴァ*
va
ゔぃ
ヴィ*
vi

ヴ*
vu
ゔぇ
ヴェ*
ve
ゔぉ
ヴォ*
vo

*
vi
[vwwi]

*
vo
[vwwo]
ガ行
ギャ行
グァ行
ゲョ
ゲォ


ga


gi


gu


ge


go
ぎゃ
ギャ
gya
ぎゅ
ギュ
gyu
ぎぇ
ギェ*
gye
ぎょ
ギョ
gyo
ぐぁ
グァ*
gwa
ぐぃ
グィ*
gwi
ぐぇ
グェ*
gwe
ぐぉ
グォ*
gwo
ぐゎ
グヮ*
gwa
[gwwa]
げょ
ゲョ*
gjo
{geyo}
げぉ
ゲォ*
geo
{geo}
ザ行
ジャ行


za


zi
{ji}


zu


ze


zo
じゃ
ジャ
zya
{ja}
じゅ
ジュ
zyu
{ju}
じぇ
ジェ*
zye
{je}
じょ
ジョ
zyo
{jo}
ダ行
ヂャ行
デャ行
ドァ行


da


zi
[di]
{ji}
{[dzi]}


zu
[du]

{[dzu]}


de


do
ぢゃ
ヂャ
zya
[dya]
{ja}
{[dzya]}
ぢゅ
ヂュ
zyu
[dyu]
{ju}
{[dzyu]}
ぢょ
ヂョ
zyo
[dyo]
{jo}
{[dzyo]}
でぃ
ディ*
dji
{di}
でゅ
デュ*
dju
{dyu}
どぅ
ドゥ*
d'u
{du}
バ行
ビャ行


ba


bi


bu


be


bo
びゃ
ビャ
bya
びゅ
ビュ
byu
びぇ
ビェ*
bye
びょ
ビョ
byo
パ行
ピャ行


pa


pi


pu


pe


po
ぴゃ
ピャ
pya
ぴゅ
ピュ
pyu
ぴぇ
ピェ*
pye
ぴょ
ピョ
pyo
ワ゛行 わ゛
ワ゛*
va
[vwa]
ゐ゛
ヰ゛*
vi
[vwi]
ゑ゛
ヱ゛*
ve
[vwe]
を゛
ヲ゛*
vo
[vwo]
こがき
のカナ


xa


xi


xu


xe


xo


xya



xyu



xyo


xwa


xwi



xwe


xwo
特殊な
カナ
ン     
n 注4
ッ (こがきのツ)
直後の子音字 注5
または q 注6
ー (長音記号)
直前の母音字
[h] 注7
濁点
半濁点注8
゛(濁点)
##
゜(半濁点)
%%

注:

  • 注1 /ワ/と発音する助詞の<><>は<wa>とかく。助詞以外の場合や厳密翻字の場合は<ha>とかく。
  • 注2 /エ/と発音する助詞の<><>は<e>とかく。助詞以外の場合や厳密翻字の場合は<he>とかく。
  • 注3 助詞の<><>は<o>とかく。助詞以外の場合や厳密翻字の場合は<wo>とかく。
  • 注4 <><>は<n>でかき、母音字、<w>、<y>、<n>のまえでは<n'>とする。
    例: 観桜(かんおう) kan'ou金融(きんゆう) kin'yuu緩和(かんわ) kan'wa感応(かんのう) kan'nou
  • 注5 こがきの<><>はおなじ語のなかの直後の子音字でかく。英国規格準拠版の<ch>のまえの<><>は<t>でかく。
    例: 学校(がっこう) gakkou熱心(ねっしん) nessin {nesshin}、発着(はっちゃく) hattyaku {hatchaku}
  • 注6 <><>が語末にある場合や、おなじ語のなかで直後に母音字や<w><y>がつづく場合は<q>とする。
    例: あっ! aq!、ウッウ Uqu、うっわ uqwa、いっや iqya
  • 注7 長音記号<>は直前の母音字でかくが、厳密翻字の場合は<h>でかき、母音字や<y><w><h>のまえでは<h'>とする。
    例: ボーイ(ぼおい) booi / boh'iヨーヨー(よおよお) yooyoo / yoh'yohキーウィ(きいうぃ) kiiwi / kih'wiコーヒー(こおひい) koohii / koh'hih
  • 注8 この表にない、濁点や半濁点がついたカナの表記にもちいる。
    例: あ゛a##、か゜ka%%
  • 注9 厳密翻字の場合に助詞の<><>は<ha>とかくが、/ワ/と発音することを明示したい場合は<wha>とかく。
  • 注10 厳密翻字の場合に助詞の<><>は<he>とかくが、/エ/と発音することを明示したい場合は<whe>とかく。

1.3 つづりがおなじで意味や発音がちがう語の区別

  1. 意味のきれめ(形態素境界)がある母音字の連続を、とくにそのことをしめしてほかの語と区別したい場合や、その母音字の連続を長音でよませたくない場合は、以下のように<'>(アポストロフィー)または<->(ハイフン)をいれる。
    1. 複合語の語基と語基のあいだには、<'>(アポストロフィー)または<->(ハイフン)をいれる。
      例:
      小売(こ・うり) ko'uri または ko-uri
    2. 用言の語幹と語尾のあいだには、<'>(アポストロフィー)をいれる。
      例:
      (かこ)う(かこ・う) kako'u()こう(か・こう) ka'kou
  2. 長音でよませたい母音字の連続は、その母音字の連続のあとに<'>(アポストロフィー)をいれる。
    例:
    公理(こう・り) kou'ri加工(かこう) kakou'
    奥羽(おうう) Ou'u (/オウー/ではなく/オーウ/とよませたい場合)
    風雲(ふううん) huu'un {fuu'un} (/フウーン/ではなく/フーウン/とよませたい場合)
    圭佑(けいすけ) Kei'suke (<ei>をエ列長音で発音する場合で、/ケイスケ/ではなく/ケースケ/とよませたい場合)
  3. 長音でよませたくない母音字の連続は、母音字と母音字のあいだに<'>(アポストロフィー)をいれる。
    例:
    敷居(しき・い) siki'i {shiki'i}
    瀬戸内(せとうち) Seto'uti (/セトーチ/ではなく/セトウチ/とよませたい場合)
    圭佑(けいすけ) Ke'isuke (<ei>をエ列長音で発音する場合で、/ケースケ/ではなく/ケイスケ/とよませたい場合)
  4. <><>のローマ字表記以外の<n>を、確実に/ン/でよませないためには、<'n->とする。
    例:
    可能(かのう) ka'nou (cf. 観桜(かんおう) kan'ou)、記入(きにゅう) ki'nyuu (cf. 金融(きんゆう) kin'yuu)、ボヌァー bo'nwah、(カタカナの長音記号を直前の母音字でかくときの)セーヌ(せえぬ)see'nu
  5. 長音記号の厳密翻字以外の<h>を、確実に長音記号としてよませないためには、<'h->とする。
    例:
    豆腐(とうふ) tou'hu (touhuだと<トウーウ>のローマ字表記ともとれる)、書評(しょひょう) syo'hyou {sho'hyou}、コーヒー(こおひい) koo'hii

1.4 句読点などの記号

表1-2. 記号のローマ字表記
カナ漢字表記での記号 ローマ字表記での記号
(読点)  , (コンマ)(つぎの単語のまえに空白を1文字いれる)
(句点)  . (ピリオド)(つぎの単語のまえに空白を1文字または2文字いれる)
(コンマ)  , (コンマ)(つぎの単語のまえに空白を1文字いれる)
(ピリオド)  . (ピリオド)(句点のかわりにつかわれている場合は、(つぎの単語のまえに空白を1文字または2文字いれる)
(中点)
  1. 並列の意味の場合は , (コンマ)(おなじ文の読点と区別する必要がある場合は、コンマを ; (セミコロン)にかえる。
    例:
    訪問予定(ほうもんよてい)は、東京(とうきょう)京都(きょうと)大阪(おおさか)神戸(こうべ)福岡(ふくおか)です。
    Houmon yotei wa, Toukyou; Kyouto, Oosaka, Koube; Hukuoka desu.
    {Houmon yotei wa, Toukyou; Kyouto, Oosaka, Koube; Fukuoka desu.}
  2. 外国語のもとの単語のくぎりをあらわす場合は空白。
    例:
    パーソナル(ぱあそなる)コンピューター(こんぴゅうたあ) paasonaru konpyuutaa
  3. 人名の姓と名のくぎりをあらわす場合は空白。
  4. 漢数字の小数点をあらわす場合は . (ピリオド)。
  5. そのほかの場合は、ブランク、, (コンマ)、 - (ハイフン)のどれかでかく。
(コロン)  : (コロン)(つぎの単語のまえに空白を1文字または2文字いれる)
(セミコロン)  ; (セミコロン)(つぎの単語のまえに空白を1文字いれる)
  (疑問符)  ? (疑問符)(つぎの単語のまえに空白を1文字または2文字いれる)
(感嘆符)  ! (感嘆符)(つぎの単語のまえに空白を1文字または2文字いれる)
(濁点)  ## (番号記号ふたつ)
(半濁点)  %% (パーセントふたつ)
´
(アクサンテギュ、プライム符号、
アキュートアクセント)
 ' (アポストロフィー、アクサンテギュ)
(文字のうえにつけられないときには、みぎにならべてかく。例: e')

(アクサングラーブ、
グレーブアクセント)
 ` (アクサングラーブ)
(文字のうえにつけられないときには、みぎにならべてかく。例: e`)
¨
(ウムラウト、ダイエレシス)
 " (引用符、ウムラウト)
(文字のうえにつけられないときには、みぎにならべてかく。例: e")
または : (コロン)
(文字のみぎにならべてかく。 例: e:)

(アクサンシルコンフレックス、
サーカムフレックスアクセント)
 ^ (アクサンシルコンフレックス)
(文字のうえにつけられないときには、みぎにならべてかく。例: e^)

(オーバーライン、
  論理否定記号)
  (オーバライン)
(コンピューター環境によっては、うえつきの〜(チルド、チルダ、なみ線)に表示される。)
_ (アンダーライン)  _ (アンダライン)
(片仮名繰返し記号) (記号をつかわずにかく。例: まヽ(まま) mama)
(片仮名繰返し記号(濁点)) (記号をつかわずにかく。例: いすヾ(いすず) isuzu)
(平仮名繰返し記号) (記号をつかわずにかく。例: まゝ(まま) mama)
(平仮名繰返し記号(濁点)) (記号をつかわずにかく。例: いすゞ(いすず) isuzu)
(同じく記号) (記号をつかわずに、「Ue ni onazi {onaji}.」などとかく。)
(同上記号) (記号をつかわずに、「Ue ni onazi {onaji}.」などとかく。)
(繰返し記号) (記号をつかわずにふりがなのとおりにかく。例: 人々(ひとびと) hitobito )
(しめ) (記号をつかわずにふりがなのとおりにかく。例: 〆切(しめきり) simekiri {shimekiri} )
(漢数字ゼロ)  0 (算用数字(アラビア数字)のゼロ)
(長音記号)  直前の母音字、または<h>か<h'>(1.2 カナ対ローマ字変換表の注7を参照)
(ダッシュ(全角))  -- (ハイフン、負符号(2個つづける))
(ハイフン(四分))  - (ハイフン、負符号)
(斜線)  / (斜線)
(逆斜線)  ¥ (円記号)(逆斜線がつかえる場合はつかう)
(波ダッシュ)  ‾‾ (オーバライン)(2個つづける)
 数値の範囲をあらわす場合は - (ハイフン、負符号)
 例: 2〜3グラム 2-3 guramu
(双注、平行)  || (縦線)(2個つづける)
(縦線)  | (縦線)
(三点リーダ)  ... (ピリオド)(3個つづける)
(二点リーダ)  .. (ピリオド)(2個つづける)
(左シングル引用符)  ' (アポストロフィー、アクサンテギュ)
(右シングル引用符、アポストロフィー)  ' (アポストロフィー、アクサンテギュ)
(左ダブル引用符)  " (引用符、ウムラウト)
(右ダブル引用符)  " (引用符、ウムラウト)
( (始め括弧、始め丸括弧)  ( (左小括弧)
) (終わり小括弧、終わり丸括弧)  ) (右小括弧)
(始めきっこう(亀甲)括弧) ふつうは、文脈に応じて ( { [ < のいずれかをつかう。とくに厳密にかきあらわす必要がある場合には、{{ (始中括弧2個)をつかう。
(終わりきっこう(亀甲)括弧) ふつうは、文脈に応じて ) } ] > のいずれかをつかう。とくに厳密にかきあらわす必要 がある場合には、}}(終中括弧2個)をつかう。
(始め大括弧、始め角括弧)  [ (左大括弧)
(終わり大括弧、終わり角括弧)  ] (右大括弧)
(始め中括弧、始め波括弧)  { (左中括弧)
} (終わり中括弧、終わり波括弧)  } (右中括弧)
(始め山括弧)  < (不等号(より小))
(終わり山括弧)  > (不等号(より大))
(始め二重山括弧) ふつうは、文脈に応じて ( { [ < のいずれかをつかう。とくに厳密にかきあらわす必要がある場合には、<< (不等号(より小)2個)をつかう。
(終わり二重山括弧) ふつうは、文脈に応じて ( { [ < のいずれかをつかう。とくに厳密にかきあらわす必要がある場合には、>> (不等号(より大)2個)をつかう。
(始めかぎ括弧)  " (引用符、ウムラウト)
(終わりかぎ括弧)  " (引用符、ウムラウト)
(始め二重かぎ括弧)  ' (アポストロフィー、アクサンテギュ)(「」のなかの『』の場合。単独の場合は " (引用符、ウムラウト)。)
(終わり二重かぎ括弧)  ' (アポストロフィー、アクサンテギュ)(「」のなかの『』の場合。単独の場合は " (引用符、ウムラウト)。)
(始めすみ付き括弧) ふつうは、文脈に応じて ( { [ < のいずれかをつかう。とくに厳密にかきあらわす必要がある場合には、[[ (左大かっこ2個)をつかう。
(終わりすみ付き括弧) ふつうは、文脈に応じて ( { [ < のいずれかをつかう。とくに厳密にかきあらわす必要がある場合には、]] (右大かっこ2個)をつかう。


2. わかちがき

「原則」と「数詞関連のわかちがき」は、わたくしのオリジナルではなく、みやざわよしゆきさんの案をもとにして、修正・拡張しています。

「原則」の部分は、もともとは、財団法人日本のローマ字社の理事長をしておられた柴田武(しばた・たけし)さん(東京大学名誉教授で『新明解国語辞典』(三省堂)の編者のひとり)らが提唱した、いわゆる「東大システム」を基本とするもので、みやざわさんがそれを整理してまとめられたものです。

2.1 原則

この部分はみやざわよしゆきさんの案とおなじ内容です。「99式」にもふくまれています。

単語は、自立語、付属語にかかわらず、一部の例外をのぞいて独立させ、ひとつづりにかく。(注: 単語の認定は、一般の国語辞典にのっている、いわゆる学校文法(国文法)にしたがう。)

例外a.
形容動詞は原則として語幹と活用語尾「だ」を分割し、語幹、語尾ともにいつも独立させる。(形容動詞完全分割)
例:
kirei da, kirei darou, kirei datta, kirei de, kirei ni, kirei na, kirei nara
例外b.
助動詞のうち「そうだ」(伝聞)、「そうだ」(様態)、「ようだ/みたいだ」(比況/推量)は、語幹と活用語尾「だ」を分割し、語尾はいつも独立させる。(「だ」のかわりに「です」でも同様。)
例:
kaku sou da, kakisou da(例外cを参照), kaku you da, kaku mitai desu
例外c.
助動詞のうち「せる/させる」、「れる/られる」、「たい」、「ない/ぬ/ん」、「た/だ」(完了)、「う/よう」(推量/未来)、および「そうだ/そうです」(様態)の語幹は、まえにたつ活用語につなぐ
例:
kakaseru, kotaesaseru, kakareru, kotaerareru, kakitai, kakanai, kakanu, kaita, yonda, kakou, kotaeyou, kakisou da
例外d.
助詞のうち、接続助詞の「ば」、「て/で」、「たり/だり」は、まえにたつ活用語につなぐ
例:
kakeba, kaite, yonde, kaitari, yondari
例外e.
サ変動詞「する」と名詞・副詞などの単語との複合語は、ひとつづりにせず、それぞれをいつも独立させる。
例:
koi suru, renraku suru, son suru, gakkari suru
(注: 「欲する」は hossuru (「欲する」の「欲(ほっ)」は単語とはみとめられない))

2.2 数詞関連のわかちがき

2.2.1 助数詞や単位など

この部分はみやざわよしゆきさんの案がもとになっていますが、数詞の語尾が<っ><ッ>になったときのかきかたがちがいます。みやざわ案では<っ><ッ>の表記を単位のほうにつけますが、海津式ローマ字では数詞のほうにつけます。

例:
表2-1. 助数詞や単位などのわかちがきでのみやざわ案と海津式ローマ字のちがい
(国際規格準拠版と英国規格準拠版でつづりがかわる場合は、英国規格準拠版を{}でかこんでイタリックで記載)

みやざわ案 海津式ローマ字
一枚(いちまい) 1 mai
iti mai
{ichi mai}
1 mai
iti mai
{ichi mai}
一個(いっこ) 1 kko
i kko
1 ko
iq ko
  1. 数字をつかってかく場合は、数字のあとを1文字分あけてかく。数によってよみかたがかわるものは、漢字のフリガナにしたがって、<っ><ッ>は数字のほうにふくめてかく。
    例: 一本(イッ・ポン) 1 pon (<1 qpon>ではない)
  2. ローマ字をつかってかく場合にも、数の部分のあとを1文字分あけてかく。数によってよみかたがかわるものは、漢字のフリガナにしたがってかき、<っ><ッ>は数字のほうにふくめてかく。
    例: 十個(ジッ・コ) ziq ko {jiq ko}
    (注: /ジュッコ/と発音するひともいるが、常用漢字表では「十」のふりがなに<ジュッ>はない。<ジュウ>、<ジッ>、<とお>、<と>の4種類だけである。発音には関係なく、フリガナのカナ文字にしたがってローマ字に変換する。)
例:
表2-2. 助数詞や単位などのわかちがきの例
(国際規格準拠版と英国規格準拠版でつづりがかわる場合は、英国規格準拠版を{}でかこんでイタリックで記載)

(えん) 1 en
iti en

{ichi en}
2 en
ni en
3 en
san en
4 en
yo en
5 en
go en
6 en
roku en
7 en
nana en
siti en

{shichi en}
8 en
hati en

{hachi en}
9 en
kyuu en
10 en
zyuu en

{juu en}
() 1 ko
iq ko
2 ko
ni ko
3 ko
san ko
4 ko
yon ko
5 ko
go ko
6 ko
roq ko
7 ko
nana ko
siti ko

{shichi ko}
8 ko
haq ko
hati ko

{hachi ko}
9 ko
kyuu ko
10 ko
ziq ko

{jiq ko}
(せん) 1 sen
iq sen
2 sen
ni sen
3 sen
san sen
4 sen
yon sen
5 sen
go sen
6 sen
roku sen
7 sen
nana sen
siti sen

{shichi sen}
8 sen
haq sen
9 sen
kyuu sen
10 sen
ziq sen

{jiq sen}
(てん) 1 ten
iq ten
2 ten
ni ten
3 ten
san ten
4 ten
yon ten
5 ten
go ten
6 ten
roku ten
7 ten
nana ten
siti ten

{shichi ten}
8 ten
haq ten
hati ten

{hachi ten}
9 ten
kyuu ten
10 ten
ziq ten

{jiq ten}
(ねん) 1 nen
iti nen

{ichi nen}
2 nen
ni nen
3 nen
san nen
4 nen
yo nen
5 nen
go nen
6 nen
roku nen
7 nen
nana nen
siti nen

{shichi nen}
8 nen
hati nen

{hachi nen}
9 nen
kyuu nen
ku nen
10 nen
zyuu nen

{juu nen}
(ほん) 1 pon
iq pon
2 hon
ni hon
3 bon
san bon
4 hon
yon hon
5 hon
go hon
6 pon
roq pon
7 hon
nana hon
siti hon

{shichi hon}
8 pon
8 hon
haq pon
hati hon

{hachi hon}
9 hon
kyuu hon
10 pon
ziq pon

{jiq pon}
(まい) 1 mai
iti mai

{ichi mai}
2 mai
ni mai
3 mai
san mai
4 mai
yon mai
yo mai
5 mai
go mai
6 mai
roku mai
7 mai
nana mai
siti mai

{shichi mai}
8 mai
hati mai

{hachi mai}
9 mai
kyuu mai
10 mai
zyuu mai

{juu mai}
ヤード(やあど) 1 yaado
iti yaado

{ichi yaado}
2 yaado
ni yaado
3 yaado
san yaado
4 yaado
yon yaado
5 yaado
go yaado
6 yaado
roku yaado
7 yaado
nana yaado
siti yaado

{shichi yaado}
8 yaado
hati yaado

{hachi yaado}
9 yaado
kyuu yaado
10 yaado
zyuu yaado

{juu yaado}
() 1 wa
iti wa

{ichi wa}
2 wa
ni wa
3 wa
3 ba
san wa
san ba
4 wa
4 ba
yon wa
yon ba
5 wa
go wa
6 wa
roku wa
7 wa
nana wa
siti wa

{shichi wa}
8 wa
8 pa
hati wa

{hachi wa}
haq pa
9 wa
kyuu wa
10 wa
10 pa
zyuu wa

{juu wa}
ziq pa
{jiq pa}

2.2.2 助数詞や単位などに、「分(ぶん)」、「間(かん)」、「半」、「まえ(前)」、「め」などが追加される場合

この部分はみやざわよしゆきさんの案とおなじ内容ですが、みやざわ案では「誤解のおそれがなければ直接つないでもよい」となっています。海津式ローマ字ではこの記述はなくしました。

ハイフンでつなぐ。

例:
表2-3. 助数詞や単位などに、「分(ぶん)」、「間(かん)」、「半」、「まえ(前)」、「め」などが追加される場合の例
(国際規格準拠版と英国規格準拠版でつづりがかわる場合は、英国規格準拠版を{}でかこんでイタリックで記載)
-(ぶん) 五人分(ごにんぶん)
5 nin-bun, go nin-bun
二週間分(にしゅうかんぶん)
2 syuukan-bun, ni syuukan-bun
{2 shuukan-bun}, {ni shuukan-bun}
-(かん) 五分間(ごふんかん)
5 hun-kan, go hun-kan
{5 fun-kan}, {go fun-kan}
十年間(じゅうかん)
10 nen-kan, zyuu nen-kan
{juu nen-kan}
-(はん) 一個半(いっこはん)
1 ko-han, iq ko-han
三時間半(さんじかんはん)
3 zikan-han, san zikan-han
{3 jikan-han}, {san jikan-han}
-(まえ) 餃子二人前(ぎょうざににんまえ)
gyouza 2 nin-mae, gyouza ni nin-mae

-め 一枚(いちまい)
1 mai-me, iti mai-me
{ichi mai-me}
三度(さんど)
3 do-me, san do-me

2.2.3 数のまえにたつ漢字1字、接頭語、単語

この部分はみやざわよしゆきさんの案とおなじ内容です。

数とのあいだを1文字分あける。

例:
表2-4. 数のまえにたつ漢字1字、接頭語、単語の例
(国際規格準拠版と英国規格準拠版でつづりがかわる場合は、英国規格準拠版を{}でかこんでイタリックで記載)
(やく)- 約三年(やくさんねん)
yaku 3 nen, yaku san nen
約十秒間(やくじゅうびょうかん)
yaku 10 byou-kan, yaku zyuu byou-kan
{yaku juu byou-kan}
(まん)- 満六歳(まんろくさい)
man 6 sai, man roku sai

こ(小)- 一日(いちにち)
ko 1 niti, ko iti niti
{ko 1 nichi}, {ko ichi nichi}
一時間(いちじかん)
ko 1 zikan, ko iti zikan
{ko 1 jikan}, {ko ichi jikan}
まる(丸)- まる一日(いちにち)
maru 1 niti, maru iti niti
{maru 1 nichi}, {maru ichi nichi}
まる三年分(さんねんぶん)
maru 3 nen-bun, maru san nen-bun
(単語)- 田一反(たいったん)
ta 1 tan, ta iq tan
家一軒(いえいっけん)
ie 1 ken, ie iq ken

2.2.4 あいまいな数、不明な数をあらわす「(すう)」、「(なん)」、「いく(幾)」などのあと

この部分はみやざわよしゆきさんの案とおなじ内容です。

1文字分あける。

例:
表2-5. あいまいな数、不明な数をあらわす「(すう)」、「(なん)」、「いく(幾)」などのあとの例
(国際規格準拠版と英国規格準拠版でつづりがかわる場合は、英国規格準拠版を{}でかこんでイタリックで記載)
(すう)- 数個(すうこ)
suu ko
数分(すうふん)
suu hun
{suu fun}
数倍(すうばい)
suu bai
(すう)とおり
suu toori
(なん)- 何個(なんこ)
nan ko
何分(なんぷん)
nan pun
何倍(なんばい)
nan bai
(なん)とおり
nan toori
いく(幾)- いく()
iku ko
いく(ぷん)
iku bun
いく(ばい)
iku bai
いくとおり
iku toori

2.2.5 数字を/ひと/、/ふた/、/み/など、やまとことばよみする場合

この部分はみやざわよしゆきさんの案とおなじ内容です。

  1. 数字をつかってかく場合は、数字のうしろにピリオドをはさみ、あいだをあけずに語尾をつづける。
  2. 数字をつかわない場合はつづけてかくが、ハイフンをいれてもよい。
例:
表2-6. 数字を/ひと/、/ふた/、/み/など、やまとことばよみする場合の例
(国際規格準拠版と英国規格準拠版でつづりがかわる場合は、英国規格準拠版を{}でかこんでイタリックで記載)
-つ (ひと)
1.tu
{1.tsu}
hitotu
{hitotsu}
(ふた)
2.tu
{2.tsu}
hutatu
{futatsu}
(みっ)
3.tu
{3.tsu}
mittu
{mittsu}
(ここの)
9.tu
{9.tsu}
kokonotu
{kokonotsu}
(とお)
too

(ひと)(ぶん)
1.tu-bun
{1.tsu-bun}
hitotu-bun
{hitotsu-bun}
(みっ)(はん)
3.tu-han
{3.tsu-han}
mittu-han
{mittsu-han}
(まえ)(ふた)
mae 2.tu
{mae 2.tsu}
mae hutatu
{mae futatsu}
-() 一日(ついたち)
tuitati
{tsuitachi}
二日(ふつか)
2.ka
hutuka
{futsuka}
三日(みっか)
3.ka
mikka
九日(ここのか)
9.ka
kokonoka
十日(とおか)
10.ka
tooka
二十日(はつか)
20.ka
hatuka
{hatsuka}
二日分(はつかぶん)
2.ka-bun
hutuka-bun
{futsuka-bun}
三日間(みっかかん)
3.ka-kan
mikka-kan
中二日(なかふつか)
naka 2.ka
naka hutuka
{naka futsuka}
(その他) 一晩(ひとばん)
1.ban
hitoban
二缶(ふたかん)
2.kan
hutakan
{futakan}
三品(みしな)
3.sina
misina
{mishina}
二重(ふたえ)
2.e
hutae
{futae}
十月(とつき)
10.tuki
totuki
{totsuki}
二十歳(はたち)
20.ti
hatati
{hatachi}
(ひと)めもり
1.memori
hito-memori
(ふた)たば
2.taba
huta-taba
{futa-taba}
()さじ(匙)
3.sazi
mi-sazi
{mi-saji}

2.2.6 ふたケタ以上の数をローマ字でかく場合

この部分は、みやざわよしゆきさんの案では「1から20まではそれぞれのかずをひとつながりに書き」となっていますが、海津式ローマ字では、11から19までも21以上の場合とおなじようにかきます。

  1. 十、百、千、万、億、兆、京、垓、…の単位のあとにハイフンをいれる。
  2. 十、百、千、万、億、兆、京、垓、…の単位のまえの数は直接つづけてかく。
  3. ひとつの数は、どんなにおおきな数でも上記の要領でひとつながりでかく。
例:
表2-7. ふたケタ以上の数をローマ字でかく場合の例
(国際規格準拠版と英国規格準拠版でつづりがかわる場合は、英国規格準拠版を{}でかこんでイタリックで記載)
10 zyuu
{juu}
20 nizyuu
{nijuu}
90 kyuuzyuu
{kyuujuu}
900 kyuuhyaku
11 zyuu-iti
{juu-ichi}
21 nizyuu-iti
{nijuu-ichi}
99 kyuuzyuu-kyuu
{kyuujuu-kyuu}
999 kyuuhyaku-kyuuzyuu-kyuu
{kyuuhyaku-kyuujuu-kyuu}
12 zyuu-ni
{juu-ni}
22 nizyuu-ni
{nijuu-ni}
100 hyaku 1,000 sen
13 zyuu-san
{juu-san}
23 nizyuu-san
{nijuu-san}
101 hyaku-iti
{hyaku-ichi}
2,001 nisen-iti
{nisen-ichi}
14 zyuu-yon
zyuu-si

{juu-yon}
{juu-shi}
24 nizyuu-yon
nizyuu-si

{nijuu-yon}
{nijuu-shi}
110 hyaku-zyuu
{hyaku-juu}
3,011 sanzen-zyuu-iti
{sanzen-juu-ichi}
15 zyuu-go
{juu-go}
25 nizyuu-go
{nijuu-go}
111 hyaku-zyuu-iti
{hyaku-juu-ichi}
5,099 gosen-kyuuzyuu-kyuu
{gosen-kyuujuu-kyuu}
16 zyuu-roku
{juu-roku}
26 nizyuu-roku
{nijuu-roku}>
119 hyaku-zyuu-kyuu
{hyaku-juu-kyuu}
8,899 hassen-happyaku-kyuuzyuu-kyuu
{hassen-happyaku-kyuujuu-kyuu}
17 zyuu-nana
zyuu-siti

{juu-nana}
{juu-shichi}
27 nizyuu-nana
nizyuu-siti

{nijuu-nana}
{nijuu-shichi}
120 hyaku-nizyuu
{hyaku-nijuu}
9,999 kyuusen-kyuuhyaku-kyuuzyuu-kyuu
{kyuusen-kyuuhyaku-kyuujuu-kyuu}
18 zyuu-hati
{juu-hachi}
28 nizyuu-hati
{nijuu-hachi}
121 hyaku-nizyuu-iti
{hyaku-nijuu-ichi}
99,990,000 kyuusen-kyuuhyaku-kyuuzyuu-kyuuman
{kyuusen-kyuuhyaku-kyuujuu-kyuuman}
19 zyuu-kyuu
zyuu-ku

{juu-kyuu}
{juu-ku}
29 nizyuu-kyuu
nizyuu-ku

{nijuu-kyuu}
{nijuu-ku}
129 hyaku-nizyuu-kyuu
hyaky-nizyuu-ku

{hyaku-nijuu-kyuu}
{hyaky-nijuu-ku}
999,000,201 kyuuoku-kyuusen-kyuuhyakuman-nihyakyu-iti
{kyuuoku-kyuusen-kyuuhyakuman-nihyakyu-ichi}
(すう)- 十数人(じゅうすうにん)
zyuu-suu nin
{juu-suu nin}
数十数人(すうじゅうすうにん)
suuzyuu-suu nin
{suujuu-suu nin}
数千数百数十数人(すうせんすうひゃくすうじゅうすうにん)
suusen-suuhyaku-suuzyuu-suu nin
{suusen-suuhyaku-suujuu-suu nin}
(なん)- 十何回(じゅうなんかい)
zyuu-nan kai
{juu-nan kai}
何十何回(なんじゅうなんかい)
nanzyuu-nan kai
{nanjuu-nan kai}
何千何百何十何回(なんぜんなんびゃくなんじゅうなんかい)
nanzen-nanbyaku-nanzyuu-nan kai
{nanzen-nanbyaku-nanjuu-nan kai}
いく(幾)- (じゅう)いくたび
zyuu-iku tabi
{juu-iku tabi}
いく(じゅう)いくたび
ikuzyuu-iku tabi
{ikujuu-iku tabi}
いく(せん)いく(ひゃく)いく(じゅう)いくたび
ikusen-ikuhyaku-ikuzyuu-iku tabi
{ikusen-ikuhyaku-ikujuu-iku tabi}

2.2.7 数字とローマ字をまぜたかきかた

この部分は、みやざわよしゆきさんの案では単位のうしろをスペースでくぎるようになっていますが、海津式ローマ字では、ローマ字だけでかく場合とおなじように、ハイフンでつなぎます。

  1. 万未満の数(1から9999)のみを数字でかく。
  2. 数字と単位のあいだはハイフンでつなぐ。
  3. そのほかはローマ字だけかく場合とおなじ。
例:
表2-8. 数字とローマ字をまぜたかきかたの例
(国際規格準拠版と英国規格準拠版でつづりがかわる場合は、英国規格準拠版を{}でかこんでイタリックで記載)
二十万(にじゅうまん) 二百万(にひゃくまん) 一千万(いっせんまん) 二百三十五万(にひゃくさんじゅうごまん) 二十億五百六万(にじゅうおくごひゃくろくまん)
20-man
2-zyuuman

{2-juuman}
200-man
2-hyakuman
1000-man
1-senman
235-man
2-hyaku-35-man
2-hyaku-3-zyuu-5-man

{2-hyaku-3-juu-5-man}
20-oku-5-hyaku-6-man
20-oku-506-man

2.2.8 わたりよみをする数のかきかた

この部分はみやざわよしゆきさんの案とおなじ内容です。

  1. わたりよみをする数と数のあいだに<,>(コンマ)をいれ、スペースはいれない。
  2. 数字の「0」(ゼロ)はつかわない。(十、百、千などの単位はローマ字でかく。)
例:
表2-9. わたりよみをする数のかきかたの例
(国際規格準拠版と英国規格準拠版でつづりがかわる場合は、英国規格準拠版を{}でかこんでイタリックで記載)
二、三人(にさんにん) 四、五十本(しごじっぽん) 五、六百個(ごろっぴゃっこ) 七、八千万人(しちはっせんまんにん)
2,3 nin
ni,san nin
4,5-ziq pon
si,goziq pon

{4,5-jiq pon}
{shi,gojiq pon}
5,6-pyaq ko
go,roppyaq ko
7,8-senman nin
siti,hassenman nin

{shichi,hassenman nin}

2.3 複合名詞のわかちがき

この部分はみやざわよしゆきさんの案にはなく、海津式ローマ字独自のものです。

  1. くぎってかいたときに、それ単独ではもちいられないかたちにならない程度に、単語単位でくぎってかくのを原則とするが、ハイフンでつないでかいてもよい。
  2. 「非」「不」「的」「性」「化」などの接頭辞や接尾辞は、くぎらずにつづけてかくのを原則とするが、ハイフンをいれてもよい。
  3. まよったときには、英語ではどうなっているかを基準にかんがえる。
例:
表2-10. 複合名詞のわかちがきの例
(国際規格準拠版と英国規格準拠版でつづりがかわる場合は、英国規格準拠版を{}でかこんでイタリックで記載)
東京大学(とうきょうだいがく) Toukyou Daigaku
対策委員会(たいさくいいんかい) taisaku iin kai
標準化(ひょうじゅんか) hyouzyunka / hyouzyun-ka
{hyoujunka} / {hyoujun-ka}
非科学的(ひかがくてき) hikagakuteki / hi-kagakuteki / hi-kagaku-teki
物理学(ぶつりがく) buturigaku / buturi-gaku
{butsurigaku} / {butsuri-gaku}
文学(ぶんがく) bungaku / bun-gaku
文学部(ぶんがくぶ) bungaku bu
文化人類学(ぶんかじんるいがく) bunkazinruigaku / bunka-zinruigaku / bunka-zinrui-gaku
{bunkajinruigaku} / {bunka-jinruigaku} / {bunka-jinrui-gaku}
文化人類学的(ぶんかじんるいがくてき) bunkazinruigakuteki / bunka-zinruigakuteki / bunka-zinruigaku-teki / bunka-zinrui-gaku-teki
{bunkajinruigakuteki / bunka-jinruigakuteki} / {bunka-jinruigaku-teki} / {bunka-jinrui-gaku-teki}
文化人類学科(ぶんかじんるいがくか) bunkazinruigaku ka / bunka-zinruigaku ka / bunka-zinrui-gaku ka
{bunkajinruigaku ka} / {bunka-jinruigaku ka} / {bunka-jinrui-gaku ka}
科学(かがく) kagaku
科学者(かがくしゃ) kagakusya
{kagakusha}
科学的(かがくてき) kagakuteki / kagaku-teki
憲法(けんぽう) kenpou
刑法(けいほう) kei hou / kei-hou
道路交通法(どうろこうつうほう) douro koutuu hou / douro-koutuu-hou
{douro koutsuu hou} / {douro-koutsuu-hou}
総務部(そうむぶ) soumu bu / soumu-bu
情報システム部(じょうほうしすてむぶ) zyouhou sisutemu bu / zyouhou-sisutemu bu / zyouhou-sisutemu-bu
{jouhou shisutemu bu} / {jouhou-shisutemu bu} / {jouhou-shisutemu-bu}
歯医者(はいしゃ) haisya / ha-isya
{haisha} / {ha-isha}
(「敗者(はいしゃ)」「配車(はいしゃ)」などと区別するためにはハイフンをいれる)
外科医(げかい) gekai / geka-i
(「下界(げかい)」などと区別するためにはハイフンをいれる)
最高位(さいこうい) saikoui / saikou i / saikou-i

2.4 わかちがきの例外案

いままでの規則でははなしてかくことになっているところでも、じっさいにかいてみると、つづけてかいたほうが楽じゃないかとおもうところがあります。たとえば、つぎのようなところは、カナ2文字文まではつなげてかいてもかまわないことにしたらどうでしょうか。

2.4.1 カナ1文字であらわされる助詞が2個つづいている場合

例:
表2-11. カナ1文字であらわされる助詞が2個つづいている場合の例
(国際規格準拠版と英国規格準拠版でつづりがかわる場合は、英国規格準拠版を{}でかこんでイタリックで記載)
そこにはいない。 Soko niwa inai.
どこにもある。 Doko nimo aru.
そうとはかぎらない。 Sou towa kagiranai.
そうともおもう。 Sou tomo omou.
東京へはいったことがある。 Toukyou ewa itta koto ga aru.
大阪へもいったことがある。 Oosaka emo itta koto ga aru.
かもしれない。 Ame kamo sirenai.
{Ame kamo shirenai.}
とかとかのいろがある。 Aka toka siro toka no iro ga aru.
{Aka toka shiro toka no iro ga aru.}

2.4.2 つぎの「だ」に、カナ1文字の助詞がつづいている場合

例:
表2-12. 「だ」に、カナ1文字の助詞がつづいている場合の例
(国際規格準拠版と英国規格準拠版でつづりがかわる場合は、英国規格準拠版を{}でかこんでイタリックで記載)
きれいだとおもう。 Kirei dato omou.
きれいでもない。 Kirei demo nai.
きれいにはならない。 Kirei niwa naranai.
きれいなのがよい。 Kirei nano ga yoi.
よごれたから、きれいなのにとりかえよう。 Yogoreta kara, kirei nano ni torikaeyou.
まだきれいなのに、とりかえるなんてもったいない。 Mada kirei na noni, torikaeru nante mottainai.
よんではいない。 Yon dewa inai.
よんでもいない。 Yon demo inai.
ねこむようでもこまる。 Nekomu you demo komaru.
すぐくるようにといわれた。 Sugu kuru you nito iwareta.
いそいでいるようだな Isoide iru you dana.
(あしをくじいたようなの Asi o kuziita you nano.
{Ashi o kujiita you nano.}
(あめだが、どうする? Ame daga, dou suru?
(あらしではない。 Arasi dewa nai.
{Arashi dewa nai.}
吹雪(ふぶきだとこまる。 Hubuki dato komaru.
{Fubuki dato komaru.}
(あめはやみそうなの Ame wa yami sou nano?
はれてきそうだぜ Harete ki sou daze.
すぐにゆくのだ Sugu ni yuku noda.

2.4.3 口語でもちいられるもの

例:
表2-13. 口語でもちいられるものの例
(国際規格準拠版と英国規格準拠版でつづりがかわる場合は、英国規格準拠版を{}でかこんでイタリックで記載)
うつるです。 うつるです。
Uturu no desu.
{Utsuru no desu.}
Uturun desu.
{Utsurun desu.}
かいていた かいて
Kaite ita. Kaiteta.
かいていろ かいて
Kaite iro. Kaitero.


3. 人名・地名のかきかた

海津式ローマ字で人名や地名をかくときの、わかちがきや大文字のつかいかたの説明です。

ローマ字がきの例で、国際規格準拠版と英国規格準拠版でつづりがかわる場合は、英国規格準拠版を{}でかこんでイタリック体でかきます。

3.1. 固有名詞のかきかた

  1. 漢字はふりがなになおして、1.2 カナ対ローマ字変換表にしたがってローマ字に変換する。
  2. 固有名詞は、1文字めをかならず大文字でかく。
  3. ひとつの固有名詞がわかちがきされるときには、それぞれのくぎりの1文字めをかならず大文字にする。
  4. 「部長」、「博士」などのかたがきをそえてかくときには、それらの1文字めもかならず大文字にする。
  5. 敬称の「さま」「さん」「どの」などは、小文字ではじめて、はなしてかく。
  6. かたがきのわかちがきは、「2.3 複合名詞のわかちがき」に準ずる。
例:
日本(にっぽん) / 日本(にほん)
Nippon / Nihon
日本国(にっぽんこく) / 日本国(にほんこく)
Nippon Koku / Nihon Koku
山田総理大臣(やまだそうりだいじん)
Yamada Souri Daizin
{Yamada Souri Daijin}
田中科学技術庁長官(たなかかがくぎじゅつちょうちょうかん)
Tanaka Kagaku Gizyutu Tyou Tyoukan
{Tanaka Kagaku Gijutsu Chou Choukan}
山田(やまだ)さん、山田太郎様(やまだたろうさま)山田太郎殿(やまだたろうどの)
Yamada san, Yamada Tarou sama, Yamada Tarou dono

3.2. 日本人の人名のかきかた

「氏名のふりがな」をローマ字に翻字する場合は以下のようにする。

  1. 漢字はふりがなになおして、1.2 カナ対ローマ字変換表にしたがってローマ字に変換する。
  2. 姓・名の順番はいれかえない。
  3. どちらが姓であるかをはっきりしめすためには、姓の2文字め以降を大文字かスモール・キャピタルでかく。

外国にいったときなどで、戸籍名ではなく「ローマ字表記のなまえ」をそのひとの氏名としてつかう場合は、パスポートにかいてあるローマ字氏名と一致していないと同一人物とはみなされないので、パスポートの表記をつかう。

例:
山田太郎(やまだ・たろう)
Yamada Tarou / YAMADA Tarou / Yamada Tarou
佐藤圭介(さとう・けいすけ)
Satou Keisuke / SATOU Keisuke / Satou Keisuke
(「圭介」を/ケースケ/と発音するとしても、ふりがなを「けいすけ」とするならローマ字表記は<Keesuke>ではなく、<Keisuke>になる。)
大原勇気(おおはら・ゆうき)
Oohara Yuuki / OOHARA Yuuki / Oohara Yuuki
<OOHARA>を/オオーアラ/とよまれないようにするには、 Oo'hara Yuuki / OO'HARA Yuuki / Oo'hara Yuuki  のようにアポストロフィー(<'>)をいれる。
小原由紀(おはら・ゆき)
O'hara Yuki / O'HARA Yuki / O'hara Yuki
参考: 2019年10月25日に開催された、第2回「公用文等における日本人の姓名のローマ字表記に関する関係府省庁連絡会議」での決定事項、「公用文等における日本人の姓名のローマ字表記について(令和元年10月25日関係府省庁申合せ)」

3.3. 日本の地名・住所のかきかた

自治体がローマ字による自治体名を別途さだめている場合はそれをつかう。

地名のフリガナをローマ字に翻字する場合や、自治体がとくにそのローマ字による自治体名をさだめていない場合や自治体がない地名は以下のようにする。

  1. 漢字はふりがなになおして、1.2 カナ対ローマ字変換表にしたがってローマ字に変換する。
  2. 1文字めは、かならず大文字でかく。
  3. 「都(と)」、「道(どう)」、「府(ふ)」、「県(けん)」、「郡(ぐん)」、「市(し)」、「区(く)」、および、地方自治体名(すなわち役場がある)の「町(ちょう/まち)」、「村(そん/むら)」は、はなしてかく。
    例:
    東京都(とうきょうと)
    Toukyou to
    北海道(ほっかいどう)
    Hokkai dou
    兵庫県(ひょうごけん)
    Hyougo ken
    糟屋郡(かすやぐん)
    Kasuya gun
    名古屋市(なごやし)
    Nagoya si
    {Nagoya shi}
    土佐山田町(とさやまだちょう)
    Tosa-Yamada tyou
    {Tosa-Yamada chou}
    仁淀村(によどむら)
    Niyodo mura
  4. 住所をかくときには、「都(と)」、「道(どう)」、「府(ふ)」、「県(けん)」、「郡(ぐん)」、「市(し)」、「区(く)」、および、地方自治体名の(すなわち役場がある)「町(ちょう/まち)」、「村(そん/むら)」は、 はなしてかき、うしろにコンマをつける。
    例:
    東京都港区新橋(とうきょうとみなとくしんばし)1−2−3
    Toukyou to, Minato ku, Sinbasi 1-2-3
    {Toukyou to, Minato ku, Shinbashi 1-2-3}
    兵庫県神戸市中央区山手(ひょうごけんこうべしちゅうおうくやまて)1−2−3
    Hyougo ken, Koube si, Tyuuou ku, Yamate 1-2-3
    {Hyougo ken, Koube shi, Chuuou ku, Yamate 1-2-3}
  5. 地方自治体名ではない(役場がない)「町(ちょう/まち)」、「村(そん/むら)」は、はなさずにひとつづきにかく。
    例:
    東京都港区浜松町(とうきょうとみなとくはままつちょう)
    Toukyou to, Minato ku, Hamamatutyou
    {Toukyou to, Minato ku, Hamamatsuchou}
    東京都千代田区大手町(とうきょうとちよだくおおてまち)
    Toukyou to, Tiyoda ku, Ootemati
    {Toukyou to, Chiyoda ku, Ootemachi}
  6. 「上(かみ)」、「下(しも)」、「北(きた)」、「南(みなみ)」、「東(ひがし)」、「西(にし)」、「新(しん)」、「元(もと)」などの接頭辞的なものは、対立するものが隣接してあればハイフンでつなぎ、なければつづけてかく
    例:
    新大阪(しんおおさか)
    (「大阪」がちかくにある)
    Sin-Oosaka
    {Shin-Oosaka}
    新開地(しんかいち)
    (ちかくに「開地」はない)
    Sinkaiti
    {Shinkaichi}
    山田南(やまだみなみ)
    Yamada-Minami (ちかくに「山田北」、「山田西」などがあるとき)
    Yamadaminami (ちかくに「山田北」、「山田西」などがないとき)
  7. 複合語的な地名は、一部が共通である地名がちかくにあれば、共通部分とのこりの部分のあいだにハイフンをいれる。
    例:
    鵠沼桜(くげぬまさくら)(おか)
    Kugenuma-Sakuragaoka (ちかくに「鵠沼松が岡」、「鵠沼藤が谷」がある)
    靱本町(うつぼほんまち)
    (ちかくに「西本町」、「本町」がある)
    Utubo-Honmati
    {Utsubo-Honmachi}
    麻布十番(あざぶじゅうばん)
    (ちかくに「元麻布」、「南麻布」などがある)
    Azabu-Zyuuban
    {Azabu-Juuban}
  8. 地名の「−通(とおり)」、「−筋(すじ)」などはハイフンでつないで、小文字でかく。
    例:
    山手通(やまてどおり)下山手通(しもやまてどおり)
    Yamate-doori, Simo-Yamate-doori
    {Yamate-doori, Shimo-Yamate-doori}
    御堂筋(みどうすじ)堺筋(さかいすじ)
    Midou-suzi, Sakai-suzi
    {Midou-suji, Sakai-suji}
  9. 地名の「−山(山)」、「−台(大)」、「−丘(おか)」などは、つづけてかく。
    例:
    千里山(せんりやま)
    Senriyama
    五月台(さつきだい)
    Satukidai
    {Satsukidai}
    桜ヶ丘(さくらがおか)
    Sakuragaoka
  10. 川のなまえの「−川(かわ/がわ)」、山のなまえの「−山(やま/さん/ざん)」、「−岳(たけ/だけ)」などは、はなして1文字めを大文字でかく。
    例:
    阿蘇山(あそさん)
    Aso San
    生駒山(いこまやま)
    Ikoma Yama
    四万十川(しまんとがわ)
    Simanto Gawa
    {Shimanto Gawa}

4. 海津式ローマ字番外編(音素行列版)

海津式ローマ字はカナにしたがったローマ字表記方式ですが、以下は、番外編として、発音にしたがった日本語のローマ字表記をかんがえたものです。

4.1 はじめに

発音にしたがったローマ字表記方式は、まず標準発音をさだめなければいけないという難点がありますが、それでも、もしつくるとしたらどうなるか、強引につくってみたのが、したの表です。社団法人日本ローマ字会の機関紙、"Rômazi Sekai"の1995年12月号で発表したものに、さらにてをくわえたものです。発音とカナの関係は、わたくしの独断によるものです。

便宜上、カナ文字はカタカナ、ローマ字は小文字だけでかいてありますが、ひらがなや、大文字のローマ字についてもまったく同様にあつかいます。

4.2 変換表

表4-1. 海津式ローマ字番外編(音素行列版)
凡例:
*」がついているカナは、内閣告示『外来語の表記』の第1表で外来語や外国語の地名・人名を書き表すのに一般的に用いる仮名とするとされているカナつづり。
**」がついているカナは、内閣告示『外来語の表記』の第2表で外来語や外国語の地名・人名を原音や原つづりになるぺく近く書き表そうとする場合に用いる仮名とするとされているカナつづり。
( )でかこっているカナは、内閣告示『外来語の表記』にも、内閣告示『現代仮名遣い』にものっていないカナ文字つづり。
*22 *23 基本音(直音)*1 口蓋化音(-y-)*2 円唇化音(-w-)*15*16 口蓋円唇化音(-j-)*21 *26
母音

a


i


u


e


o


ya

(イィ)*3
yi


yu
**
イェ*4
ye


yo

(ウァ)
wa
**
ウィ
wi

(ウゥ)
wu
**
ウェ
we
**
ウォ
wo

(ウャ)
ja

(ウィィ)
ji

(ウュ)
ju

(ウィェ)
je

(ウョ)
jo
声門
/硬口蓋
/‪両唇‬*24
摩擦 無声
h-


ha

(ヘィ)*6
hi

(ホゥ)*19
hu


he


ho

ヒャ
hya

*5
hyi

ヒュ
hyu

(ヒェ)
hye

ヒョ
hyo
*
ファ
hwa
*
フィ
hwi

*18
hwu
*
フェ
hwe
*
フォ
hwo

(フャ)
hja

(フィィ)
hji
**
フュ*20
hju

(フィェ)
hje

(フョ)
hjo

母音字のあとでは<'h->とする。

軟口蓋 破裂 無声
k-


ka

(ケィ)
ki


ku


ke


ko

キャ
kya


kyi

キュ
kyu

(キェ)
kye

キョ
kyo
**
クァ
kwa
**
クィ
kwi

(クゥ)
kwu
**
クェ
kwe
**
クォ
kwo

(クャ)
kja

(クィィ)
kji

(クュ)
kju

(クィェ)
kje

(クョ)
kjo
有声
g-


ga

(ゲィ)
gi


gu


ge


go

ギャ
gya


gyi

ギュ
gyu

(ギェ)
gye

ギョ
gyo
**
グァ
gwa

(グィ)
gwi

(グゥ)
gwu

(グェ)
gwe

(グォ)
gwo

(グャ)
gja

(グィィ)
gji

(グュ)
gju

(グェ)
gje

(グョ)
gjo
歯茎 鼻音
n-

na
(ネィ)
ni

nu

ne

no
ニャ
nya

nyi
ニュ
nyu
(ニェ)
nye
ニョ
nyo
(ヌァ)
nwa
(ヌィ)
nwi
(ヌゥ)
nwu
(ヌェ)
nwe
(ヌォ)
nwo
(ヌャ)
nja
(ヌィィ)
nji
(ヌュ)
nju
(ヌィェ)
nje
(ヌョ)
njo
母音字のあとでは<'n->とする。
弾音
r-

ra
(レィ)
ri

ru

re

ro
リャ
rya

ryi
リュ
ryu
(リェ)
rye
リョ
ryo
(ルァ)
rwa
(ルィ)
rwi
(ルゥ)
rwu
(ルェ)
rwe
(ルォ)
rwo
(ルャ)
rja
(ルィィ)
rji
(ルュ)
rju
(ルィェ)
rje
(ルョ)
rjo
破裂 無声
t-

*10
ta
*
ティ
ti
**
トゥ
tu


te


to

(テャ)*9*11
tya

(ティィ)
tyi
**
テュ
tyu

(ティェ)
tye

(テョ)
tyo

(トゥア)
twa

(トゥィ)
twi

(トゥゥ)
twu

(トゥェ)
twe

(トゥォ)
two

(トゥャ)
tja

(トゥィィ)
tji

(トゥュ)
tju

(トゥェ)
tje

(トゥョ)
tjo
有声
d-


da
*
ディ
di
**
ドゥ
du


de


do

(デャ)
dya

(ディィ)
dyi
*
デュ
dyu

(ディェ)
dye

(デョ)
dyo

(ドゥァ)
dwa

(ドゥィ)
dwi

(ドゥゥ)
dwu

(ドゥェ)
dwe

(ドゥォ)
dwo

(ドゥャ)
dja

(ドゥィィ)
dji

(ドゥュ)
dju

(ドゥィェ)
dje

(ドゥョ)
djo
摩擦 無声
s-


sa

(セィ)
si


su


se


so

シャ
sya


syi

シュ
syu
*
シェ
sye

ショ
syo

(スァ)
swa

(スィ)
swi

(スゥ)
swu

(スェ)
swe

(スォ)
swo

(スャ)
sja

(スィィ)
sji

(スュ)
sju

(スィェ)
sje

(スョ)
sjo
有声
z-


za

(ゼィ)
zi


zu


ze


zo

ジャ
zya


zyi

ジュ
zyu
*
ジェ
zye

ジョ
zyo

(ズァ)
zwa

(ズィ)
zwi

(ズゥ)
zwu

(ズェ)
zwe

(ズォ)
zwo

(ズャ)
zja

(ズィィ)
zji

(ズュ)
zju

(ズィェ)
zje

(ズョ)
zjo
破擦 無声
c-*12
*
ツァ
ca
**
ツィ*7
ci


cu
*
ツェ
ce
*
ツォ
co

チャ*8
cya


cyi

チュ
cyu
*
チェ
cye

チョ
cyo

(ツゥァ)*17
cwa

(ツゥィ)
cwi

(ツゥ)
cwu

(ツゥェ)
cwe

(ツゥォ)
cwo

(ツャ)
cja

(ツィィ)
cji

(ツュ)
cju

(ツィェ)
cje

(ツョ)
cjo
有声
dz-*13

(ヅァ)
dza

(ヅィ)
dzi

(ヅゥ)
dzu

(ヅェ)
dze

(ヅォ)
dzo

(ヂャ)
dzya

(ヂィ)
dzyi

(ヂュ)
dzyu

(ヂェ)
dzye

(ヂョ)
dzyo

(ヅゥァ)
dzwa

(ヅゥィ)
dzwi

(ヅゥ)
dzwu

(ヅゥェ)
dzwe

(ヅゥォ)
dzwo

(ヅャ)
dzja

(ヅィィ)
dzji

(ヅュ)
dzju

(ヅィェ)
dzje

(ヅョ)
dzjo
両唇 破裂 無声
p-

pa
(ペィ)
pi

pu

pe

po
ピャ
pya

pyi
ピュ
pyu
ピェ
pye
ピョ
pyo
(プァ)
pwa
(プィ)
pwi
(プゥ)
pwu
(プェ)
pwe
(プォ)
pwo
(プャ)
pja
(プィ)
pji
(プュ)
pju
(プィェ)
pje
(プョ)
pjo
有声
b-

ba
(ベィ)
bi

bu

be

bo
ビャ
bya

byi
ビュ
byu
(ビェ)
bye
ビョ
byo
(ブァ)
bwa
(ブィ)
bwi
(ブゥ)
bwu
(ブェ)
bwe
(ブォ)
bwo
(ブャ)
bja
(ブィィ)
bji
(ブュ)
bju
(ブィェ)
bje
(ブョ)
bjo
鼻音
m-

ma
(メィ)
mi

mu

me

mo
ミャ
mya

myi
ミュ
myu
(ミェ)
mye
ミョ
myo
(ムァ)
mwa
(ムィ)
mwi
(ムゥ)
mwu
(ムェ)
mwe
(ムォ)
mwo
(ムャ)
mja
(ムィィ)
mji
(ムュ)
mju
(ムィェ)
mje
(ムョ)
mjo
唇歯
*24
摩擦 無声
f-*14

fa

fi

fu

fe

fo

fya

fyi

fyu

fye

fyo

fwa

fwi

fwu

fwe

fwo

fja

fji

fju

fje

fjo
有声
v-*25
**
ヴァ
va
**
ヴィ
vi
*

vu
**
ヴェ
ve
**
ヴォ
vo

(ヴャ)
vya

(ヴィィ)
vyi
**
ヴュ
vyu

(ヴィェ)
vye

(ヴョ)
vyo

(ヴゥァ)
vwa

(ヴゥィ)
vwi

(ヴゥ)
vwu

(ヴゥェ)
vwe

(ヴゥォ)
vwo

(ヴゥャ)
vja

(ヴゥィィ)
vji

(ヴゥュ)
vju

(ヴゥィェ)
vje

(ヴゥョ)
vjo
長音 h
ただし、つぎの文字のまえでは h'
a, i, u, e, o, y, w, j, h
(これらの大文字についても同様)
促音 q
撥音 n
ただし、つぎの文字のまえでは n'
a, i, u, e, o, y, w, j, n
(これらの大文字についても同様)

4.3 解説


変更記録

第1.1版 (1999年12月31日)
第1.2版 (2000年1月17日)
■海津式ローマ字(人名・地名編)」(第2.6.1版から第2.7.0版): 旅券法施行規則の引用、姓・名のいれかえについての見解などを追加。"Ro^mazi Sekai"の引用は削除。段落わけや用字・用語の修正。
第1.3版 (2000年7月17日)
「海津式ローマ字(実践編)」(第2.6版から第2.7版): 「変換表7: 句読点などの記号」のピリオドやコロンのところで、「つぎの単語は2文字分はなす」となっていたところを、「つぎの単語は1文字分、または2文字分はなす」に変更。
第1.4版 (2001年4月1日)
第1.5版 (2003年3月16日)
「■海津式ローマ字(音素行列版)」を追加。
第1.5版のまま (2003年6月19日)
第2.1版 (2004年1月28日)
第2.2版 (2008年5月31日)
「■海津式ローマ字(実践編)」第2.9版
第2.2版のまま (2008年11月2日)
■海津式ローマ字(人名・地名編)の「2.1 人名のローマ字表記について」のパスポートの氏名に関する部分に追記・修正。
第2.2版のまま (2008年11月29日)
■海津式ローマ字(人名・地名編)のパスポートでの非ヘボン式に関する記述を追加・修正。第2.10版
第2.2.1版 (2022年4月2日)
連絡先としてTwitterのアカウントを記載。
第2.2.1版のまま (2022年5月5日)
「■海津式ローマ字(実践編)」の「変換表4: 2文字のカナ(3)」の注1の記述がぬけていたので追加。第2.10版
第3.1版 (2023年3月8日)
構成を大改訂。
  1. 「■海津式ローマ字改訂版(要約版1)、■海津式ローマ字(実践編)、■海津式ローマ字(理論編)、■海津式ローマ字(人名・地名編)、■海津式ローマ字(音素行列版)」という構成を、「■海津式ローマ字: カナローマ字変換表、■海津式ローマ字: わかちがき、■海津式ローマ字: 人名・地名のかきかた、■海津式ローマ字: 解説、■海津式ローマ字番外編(音素行列版)」という構成に変更。
  2. 「■海津式ローマ字改訂版(要約版1)」をこのページ内にとりこみ。
    1. カタカナの長音記号は、<h>でかくことを原則とした。従来は、ひらがなによるフリガナにしたがって母音字でかくことを原則とし、厳密翻字のときは<h>としていた。
    2. /ワ/と発音する<><>、/エ/と発音する<><>は、それぞれ<wha>、<whe>とかくことを原則とした。
    3. 「カナ対ローマ字変換表」の凡例で、「なにもなし」の国際規格準拠のローマ字表記のところの、「カナ表記とローマ字表記の双方向変換が可能」の記述は削除した。英国規格準拠でも双方向変換は可能。
    4. 「カナ対ローマ字変換表」の<ドョ>を<デョ>に訂正。
    5. 原則の3、4と例を追加した。
    6. 注を*1、*2、…としていたが、注1、注2、…に修正した。注の内容も整理して、母音字のあとのナ行・ニャ行・ヌヮ行の<n>に関する注を追加した。
    7. 「つづりがおなじで意味がちがう語の区別」
      1. 「つづりがおなじで意味や発音がちがう語の区別」にあらためて、内容も整理した。
      2. 複合語の語基と語基のあいだに<->(ハイフン)をいれる規則で、「固有名詞の場合もこれに準ずるとしていたが、固有名詞の場合の複合語や形態素境界に関する認識はさだまっていないので、この記述は削除した。また、<'>(アポストロフィー)でも可とした。
      3. 長音でよませたくない母音字の規則で、「固有名詞の場合に」としていたが、この記述は削除した。
    8. 「句読点などの記号」
      1. "カナ漢字表記での記号(いわゆる全角の記号)については"という記述は、"カナ漢字表記での記号(いわゆる全角の記号)の名称については"にあらためた。
      2. "ローマ字表記での記号(いわゆる半角の記号)については"という記述は、"ローマ字表記での記号(いわゆる半角の記号)の名称については"にあらためた。
      3. 「ヽ (片仮名繰返し記号)」、「ヾ (片仮名繰返し記号(濁点))」の例を追加。「ゝ (平仮名繰返し記号)」の例を訂正。
      4. 「『 (始め二重かぎ括弧)」と「』 (終わり二重かぎ括弧)」に「(「」のなかの『』の場合。単独の場合は " (引用符、ウムラウト)。)」の記述を追加。
  3. 「■海津式ローマ字(実践編)」第2.10版(2022年5月5日)から「3. わかちがき」の部分だけをぬきだし、「■海津式ローマ字: わかちがき」第3.1版とした。
    1. 「一般的原則」は「原則」に修正。
    2. 「わかちがきの例外(案)」は「わかちがきの例外案」に修正。
    3. みやざわよしゆきさんの案とのちがいを明記した。
    4. 「1. 原則」の例のつづりで、gakkariをgaqkariに修正。
    5. 「2.1 助数詞や単位など」の例の表で、7 pon7 honに訂正。yaadoyahdoに修正。ku nen3 basan ba4 bayon ba10 paを追加。
    6. 「2.5 数字を/ひと/、/ふた/、/み/など、やまとことばよみする場合」の例のつづりで、yottumiqtuに訂正。mikkamiqkaに修正。
    7. 「2.6 二桁以上の数をローマ字でかく場合」の例のつづりで、hassen-happyaku-kyuuzyuu-kyuuhaqsen-haqpyaku-kyuuzyuu-kyuuに修正。
    8. 「2.8 わたりよみをする数のかきかた」の例のつづりで、4,5-zyuq pon4,5-ziq ponに、si,gozyuqponsi,goziqponに訂正。go,roppyaku kogo,roqpyaku koに、siti,hassenman ninsiti,haqsenman ninに修正。
    9. 「4.1 カナ1文字であらわされる助詞が2個つづいている場合」の例のつづりで、ittaiqtaに修正。
    10. 「4.2 つぎの「だ」に、カナ1文字の助詞がつづいている場合」の例のつづりで、助詞の<>と<>のローマ字表記を<wha>と<whe>に修正。mottainaimoqtainaiに修正。
    11. 強調関連のタグを整理した。(<EM><STRONG><B><I><U>)
    12. 表内のテキストのセンタリング指定をCSSに変更。
  4. 「■海津式ローマ字(人名・地名編)」第2.10版(2008年11月29日)から「はじめに」と「1 実践編」の部分だけをぬきだし、「■海津式ローマ字: 人名・地名のかきかた」第3.1版とした。
    1. <国際規格版>は<国際規格準拠版>に、<英米規格版>は<英国規格準拠版>に修正した。
    2. 「1. 固有名詞のかきかた」で、<Nippon>は<Niqpon>に修正し、<Ni'hon>も併記した。
    3. 「2. 日本人の人名のかきかた」で、
      1. <>のローマ字表記として、<ha>の例と<'ha>の例を併記していたが、<'ha>の例だけとした。
      2. 参考として、2019年10月25日に開催された、第2回「公用文等における日本人の姓名のローマ字表記に関する関係府省庁連絡会議」での決定事項、「公用文等における日本人の姓名のローマ字表記について(令和元年10月25日関係府省庁申合せ)」をリンクつきで追加。
    4. 「3. 日本の地名・住所のかきかた」で、
      1. 「1文字めはかならず大文字でかく」を追加。
      2. <Hokkai dou>を<Hoqkai dou>に修正。
      3. 「都(と)」、「道(どう)」、「府(ふ)」、「県(けん)」、「郡(ぐん)」、「市(し)」、「区(く)」、および、地方自治体名(すなわち役場がある)の「町(ちょう/まち)」、「村(そん/むら)」をかくときの「1文字めを大文字でかく」は削除した。
      4. 住所をかくときに、「都(と)」、「道(どう)」、「府(ふ)」、「県(けん)」、「郡(ぐん)」、「市(し)」、「区(く)」、および、地方自治体名(すなわち役場がある)の「町(ちょう/まち)」、「村(そん/むら)」は、「-」(ハイフン)をはさんでつなげてかいていたのを、ハイフンをいれずにはなしてかくようにした。
      5. 川のなまえの「−川(かわ/がわ)」、山のなまえの「−山(やま/さん/ざん)」、「−岳(たけ/だけ)」などのかきかたに、「1文字めを大文字で」を追加。
第3.1.1版 (2024年3月17日)
<づ><ヅ>の{zu}, <くゎ><クヮ>の{kwa}, <てゅ><テュ>の{tyu}, <ふゃ><フャ>の{fya}, <ふゅ><フュ>の{fyu}, <ふょ><フョ>の{fyo}, <でゅ><デュ>の{dyu}, <わ゛><ワ゛>の{va}, <ゐ゛><ヰ゛>の{vi}, <ゑ゛><ヱ゛>の{ve}, <を゛><ヲ゛>の{vo}を追加、<つぅ><ツゥ>の{tswu}を削除。
第4.1版 (2024年4月11日)
「■海津式ローマ字: わかちがき」(第3.1版)、「■海津式ローマ字: 人名・地名のかきかた」(第3.1版)、「■海津式ローマ字番外編(音素行列版)」(第1.2版)をこのページにとりこみ、ひとつにまとめた。
  1. 「1. カナからローマ字への変換」
    1. 長音(長母音)の表記以外は国際規格ISO3602:1989および英国規格BS4812:1972互換となるようにした。厳密翻字はオプションにした。
      1. 助詞の<は><ハ>は<wa>とかくことを原則とし、厳密翻字は<ha>とかき、その場合に/ワ/と発音されることを明示する場合には<wha>とかくようにした。
      2. 助詞の<へ><ヘ>は<e>とかくことを原則とし、厳密翻字は<he>とかき、その場合に/エ/と発音されることを明示する場合には<whe>とかくようにした。
      3. 助詞の<を><ヲ>は<o>とかくことを原則とし、厳密翻字は<wo>とした。
      4. こがきの<っ><ッ>は<q>でかくことを原則としていたが、国際規格や英国規格とおなじかきかたを原則とし、<っ><ッ>が語末にある場合や、おなじ語のなかで直後に母音字や<w><y>がつづく場合には<q>でかくことにした。
      5. 長音記号は<h>でかくことを原則としていたが、直前の母音字でかくことを原則とし、厳密翻字の場合にのみ<h>でかくことにした。
      6. <ん><ン>のローマ字表記以外の<n>を確実に/ン/でよませないために<'n->とすることを原則としていたが、これはオプションとし、「1.3 つづりがおなじで意味や発音がちがう語の区別」にふくめた。
      7. 長音記号の厳密翻字以外の<h>を確実に長音記号としてよませないために<'h->とすることを原則としていたが、これはオプションとし、「1.3 つづりがおなじで意味や発音がちがう語の区別」にふくめた。
      8. 「1.2 カナ対ローマ字変換表」の変更
        1. 国際規格ISO3602:1989にも英国規格BS4812:1972にものっていないカナつづりは削除した。
        2. 国際規格ISO3602:1989および英国規格BS4812:1972とおなじローマ字つづりを原則とし、厳密翻字のつづりを[]でかこって記載した。
        3. 国際規格準拠版は訓令式系、英国規格準拠版はヘボン式系という位置づけを明確にして、ローマ字つづりをかんがえなおした。
        4. 英国規格BS4812:1972にのっている<うゅ><ウュ><wyu>、<つゅ><ツュ><twyu{tsyu}>、<ふぃぇ><フィェ><hwye{fye}>、<ゔぃぇ><ヴィェ><vye>、<げょ><ゲョ><gjo{geyo}>、<げぉ><ゲォ><geo{geo}>、<ゔ><ヴ><vi[vwwi]>、<ゔ><ヴ><vo[vwwo]>、<><><xwi>、<><><xwe>、<><><xwo>を追加した。
        5. ツァ行は<ts->としていたが、国際規格準拠版では訓令式の慣例にしたがって<tw->に変更した。
        6. <とぅ><トゥ>は<twu>、<どぅ><ドゥ>は<dwu>としていたが、国際規格準拠版では訓令式の慣例にしたがって、それぞれ<t'u>、<d'u>に変更した。
        7. ファ行は国際規格準拠版でも<f->としていたが、英国規格準拠版のみ<f->とし、国際規格準拠版では訓令式の慣例にしたがって<hw->に変更した。
        8. フャ行の国際規格準拠版は<fj->としていたが、訓令式の慣例にしたがって<hwy->に変更し、<-j->でかくものは<てぃ><ティ>の<tji>と<てゅ><テュ>の<tju>だけにした。
        9. <ゐ><ヰ>の厳密翻字<wxi>と、<ゑ><ヱ>の厳密翻字<wxe>は、廃止した。
        10. ウァ行をワ行とおなじ行からア行とおなじ行に移動した。
    2. 「1.2 カナ対ローマ字変換表」の変更にともない、ローマ字表記の例のつづりを修正した。
  2. 「2. わかちがき」
    1. 「1.2 カナ対ローマ字変換表」の変更にともない、ローマ字表記の例のつづりを修正した。
    2. 英国規格準拠版のつづりを{}でかこんでイタリック体で記述した。
  3. 「3. 人名・地名のかきかた」
    1. 「1.2 カナ対ローマ字変換表」の変更にともない、ローマ字表記の例のつづりを修正した。
    2. 英国規格準拠版のつづりを{}でかこんでイタリック体で記述した。
  4. 「4. 海津式ローマ字番外編(音素行列版)」
    1. みっつにわけていた表をひとつにまとめた
    2. 「4.3 解説」の文章を全体的に修正
    3. <hu>のカナを<フ>から<ホゥ>に、<hwu>のカナを<フゥ>から<フ>に変更
    4. 「歯唇音」を「唇歯音」に修正
  5. 全体にわたって、
    1. 「海津式ローマ字(国際規格準拠版)」の略称とその英語名、「海津式ローマ字(英国規格準拠版)」の略称とその英語名の記述を追加
    2. ローマ字表記の例のなかの漢字にルビを振った
    3. 表の注と解説にリンクをつけた
    4. マークアップとスタイルシートの修正
    5. 誤字等の修正

版:
第4.1版
発行日:
2023年4月11日
最終更新日:
2024年4月11日
著者:
海津知緒
発行者:
海津知緒 (大阪府)

KAIZU≡‥≡HARUO