2002年2月2日 月曜日 午後9時34分:はじめまして。
娘をアンと命名したのですが、
表記はanとするべきでしょうかannと表記すべきでしょうか?
よろしくお願いします。
ご質問ありがとうございます。
現行の公的な規格といえるものでは、以下のようになります。
人名・地名などの固有名詞の場合、パスポートはすべて大文字でかきますが、それ以外は、すくなくとも最初の1文字は大文字でかきます。すべて大文字でかいてもかまいません。
<Ann>のように、「ン」を<n
>2個でかくかきかたは、個人の案としてはみたことがあります。「ン」「ん」をすべて<nn
>でかくというものです。これは、ナ行やニャ行の子音の表記の<n
>と区別するという意味があります。
例: 記入 kinyû, 金融 kinnyû, 進入 sinnnyû
しかし、あまり普及していません。「ン」「ん」は<n
>でかき、母音字や<y
>のまえでは<n'
>とかくのが一般的です。(むかしは、<-
>(ハイフン)をつかった表記もありました。)
例: 記入 kinyû, 金融 kin'yû, 進入 sin'nyû
パスポートでは<'
>を省略するので、たとえば「ケンイチ」と「ケニチ」の区別がつきません。
コンピューターのかな漢字変換のローマ字入力では、<ん>を入力するのに[N],[N]とも入力しますが、ローマ字入力方式とローマ字表記方式はべつのものです。
日本語の/アン/という音声のローマ字表記、あるいは<アン
>というカナ文字列のローマ字表記としては上記のとおりですが、英語風のニックネームとしては、英米人風に<Ann>とかくのも自由です。
これは、たとえばわたしが「かいづ・はるお」の「はる」をとって<Hal>となのったり、ノーベル賞受賞者の江崎玲於奈さんが<Leo Ezaki>となのったりするのとおなじです。
こういうつづりは、原則としてパスポートにはつかえませんが、このつづりを国際的にながいあいだつかってきたことが証明できる資料(論文や投稿記事、外国の学校の卒業証書、外国の組織からの招待状・書簡など)がそろえば、外務省式のつづりとともに併記することができる可能性があります。
こんなところで、おこたえになりましたでしょうか? なにかあれば、またメールをください。
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