目次
相続問題トップ>将来の相続のためにできること>各種の遺言>自筆証書遺言の注意点>作成後の撤回について
↓推定相続人に対する財産処分
>公正証書遺言の注意点
↓特定財産の定め
>秘密証書遺言の注意点
条件・期限について
★期限について
遺贈等に始期が付されていれば、受遺者は始期の到来まで履行を請求できません(135条1項) また、終期を定めた遺贈も有効であるとされています。 ★条件について 遺贈に停止条件(985条2項)や解除条件をつけることができます。 停止条件の例・・・・長男が医師の国家試験に合格したら〜〜の土地を与える 解除条件の例・・・・長男に店舗の土地・建物を与えるが、店舗(事業)を継がなかったときや途中で事業を断念したときには、店舗の土地・建物を売却し、売買代金を各自の相続分に従って分配するものとするとの遺言 なお、期限到来前・停止条件成就前の受遺者は、弁済期に至らない間は、相当な担保を請求できます(991条) |
負担つき遺贈について
負担つき遺贈は、受遺者に一定の行為を負担させることを内容とした遺贈です(1027条)。
例・・・・・長男には〜〜の土地を与えるが、妻に毎月10万円支払うとの遺言 負担が履行されることによって利益を受ける者(受益者)は,相続人であってもよいし,第三者であってもよい(上記例では受益者は相続人である妻になっていますが相続人でない友人AさんでもOKです) このように、負担を負わせることができますが、争いを防止する為に、負担の内容は明確である事が望ましい。妻の生活一切について面倒を見る事を負担の内容とすることも可能ですが、不明確で争いの元となる可能性があります。 負担が重い場合・・・・・・・・・・ 第千二条 負担附遺贈を受けた者は、遺贈の目的の価額を超えない限度においてのみ、負担した義務を履行する責に任ずる。 第千三条 負担附遺贈の目的の価額が相続の限定承認又は遺留分回復の訴によつて減少したときは、受遺者は、その減少の割合に応じてその負担した義務を免かれる。但し、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。 負担を負いたくないので、遺贈を受けたくない場合・・・・・・・・・・・ 第千二条 2項 受遺者が遺贈の放棄をしたときは、負担の利益を受けるべき者が、自ら受遺者となることができる。但し、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。 受遺者が負担を履行しない場合・・・・・・・・・・・ 第千二十七条 負担附遺贈を受けた者がその負担した義務を履行しないときは、相続人は、相当の期間を定めてその履行を催告し、若し、その期間内に履行がないときは、遺言の取消を家庭裁判所に請求することができる。 その結果、取消された場合・・・・ 第九百九十五条 遺贈が、その効力を生じないとき、又は放棄によつてその効力がなくなつたときは、受遺者が受けるべきであつたものは、相続人に帰属する。但し、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。 |
遺贈の特殊形態
補充遺贈・・・当初予定された受遺者が遺贈を受けない事情が生じたときに、次順位の受遺者を指定した遺贈のことです。
〜〜の土地はAに遺贈するが、Aが自分より早く死亡した場合にはBに遺贈する・・・・・・・Aの死亡という不確定な期限がつけられている予備的な遺言であり有効とされている。 裾分け遺贈 受遺者は遺贈により受ける財産上の利益の一部を割いて第三者に与える旨を定めた遺贈です。一種の負担付遺贈であり、有効と解されています。 Aに遺贈するが、Aはその受ける利益のうち100万円をBに分け与えなければならないとの遺言 後継ぎ遺贈 受遺者の受ける利益が、ある条件が成就し、または期限が到来した時から第三者に移転するとする遺贈です。 〜〜の土地はAに遺贈するが、Aが死亡したら(Aが再婚したら・・・でも同様)、その土地はBが取得する旨の遺言・・・・後継ぎ遺贈 |