豊島・新宿支部
                                              


ヘルパー2級講座
スクーリング(実技/通学学習)
介護する側とされる側になって技術を学びます。
利用者の気持ちを理解して、思いやりのある介護を体得。

8日間(9:30〜17:30)


3日目
      ・体位・姿勢交換の介護
      ・衣服の着脱の介護

1、腰痛の予防等援助者の健康管理
    ボディメカニクスにかなう介護技術を習熟しておく
    基本原則
      @重心は低い方が安定する 静止立位の重心はへその当り、常に腰を落とす、低く(腰を曲げない)
      A支持基底面積を広くする
      B持ち上げる物は、体に接近させる
      C腰と肩は平行に保ちねじらない
      D大きい筋群を使い、平行移動させる
      Eてこの原理を応用する
    精神的な健康障害--ストレスにうまく対処しないと燃え尽き症候群(バーンアウト)を起こす
                 極度の身体の疲労感、逃避的・卑下的になり、行動異常を伴う
2、感染症の予防と理解
  (1)介護に注意すべき感染症とその対応
     @かぜ(感冒)
     A肺炎
     Bインフルエンザ
     C結核
     DMRSA メチシリン耐性黄色ブドウ球菌
     E食中毒
     Fウイルス性肝炎
     Gエイズ 後天性免疫不全症候群(AIDS)
       ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の感染--血液を介した感染
     Hそのほかの感染症
       疥癬かいせん--ヒゼンダニによる皮膚病粟粒状のブツブツや水泡ができ
                強いかゆみがある。直接接触によって伝染。
       梅毒ばいどく--梅毒トレポネーマというスピロヘータ(微生物の一種)により感染
  (2)感染予防の注意事項
     @手洗い
     Aうがい
     Bエプロン
     C唾液、吐物、排泄物、血液などには触らない
     D手指の傷 ゴム手袋
3、体位、姿勢交換の基礎知識
  (1)動くことの意義  寝たきりにならないため→痴呆予防 褥瘡予防
  (2)廃用症候群(寝たきり症候群)
    ●代表的な症状
     @精神機能(知的活動)の低下
     A筋肉の萎縮、筋力低下
     B心肺機能の低下
     C関節拘縮
  (3)体位について
     種類--仰臥位(あおむけ)、側臥位(横向き)、腹臥位(うつぶせ)
          座位、端座位(ベッドの端に腰掛け、足を垂らした体位)
      長座位(上体を起こし足を伸ばした体位)、立位(立つ)
・体位・姿勢交換の介護
 ポイント---事前の確認(褥瘡の誘因となる物はないか)
        介護中(褥瘡の有無・部位の確認、姿勢保持、圧迫予防のクッション・バスタオルの用意)
        事後確認(顔色、表情を観察 利用者の身体状態を把握) *起立性低血圧に注意
        最低2時間ごとの体位変換
水平移動 仰臥位→左右側臥位
  体をコンパクトにする
  腕を組んで小さくまとめる(向く側の腕が下)・・・左側臥位なら左腕が下でおなかの上で両腕クロス
   膝を高く立てる 
   膝と肩を持って静かに手前に引く
  肩と腰の2点をしっかりと支え、手前に半回転
  腰を引いて安定させる 体を『く』の字に曲げる
上方移動 ビニールを利用者の下に敷く--滑りやすい
   体をコンパクトにする
   体幹の接触面を小さくする
     左腕---利用者の肩甲骨部
     右手---利用者の組んだ前腕
   一気に斜めに引き上げる
ベッド上での座位 仰臥位→端座位
   @声かけ
   Aベッド位置(高さ・低さ) 介護しやすいように自分に合わせる
   B体を手前に引き寄せる(水平移動) 左手で首の下から肩甲骨を持ち右手はベッドの奥、利用者を引き寄せる
   C左手は首の下を右手で両膝下を持ち(利用者の手は自分の肩に)両膝下を持ち上げる
   D上体を起こしながら体を回転させて両足を降ろす
ベッドからいすへの移乗 端座位→立位→いすへ 
   @利用者を端に座らせる
   Aお辞儀をするように首に両手を回してもらい、利用者の両腕を抱えながら持ち上げる
     (右足は利用者の足の間、左足はいすの後方へ引いておく)利用者の右足はいすの前に
   B臀部を軸に90度回転させる
   C身体が安定していることを確認
   D移乗動作
     健側に対して20〜30度斜めにいすを置く
     利用者の腰の後ろに腕を回す
     足の位置--両足で利用者の両膝を挟む
     回転両足裏の母趾球を軸にして身体を回転させながらストン (必ず腰の重心低く)
4、褥瘡(床ずれ)の介護
  (1)褥瘡とは  「床ずれ」--局所に循環障害が起こり壊死や腫瘍ができた状態
  (2)褥瘡の原因
     @圧迫 筋力の低下、皮下脂肪の減少により体圧の影響を受けやすい
     Aずれ 不安定な体位 シーツのしわ
     B摩擦 シーツ、寝巻きによる摩擦
     C湿潤 失禁 汗 飲み物をこぼしたなどで蒸れている
     D不潔 失禁 皮膚や下着、寝巻きが汚れている
     E低栄養 たんぱく質不足や低栄養→傷ができやすく治りにくい
  (3)褥瘡の好発部位
     骨の突起している部位、体重のかかるところ全て 耳にまで発生するって・・・痛い!
            
1、衣服着脱の基礎知識
  (1)衣類着脱の意義
   生理的側面--体温調節、危険因子から守るため、汚れない、清潔に保つ
   心理的側面--自己表現、好み
   社会的側面--TPOにあわせ人間関係を潤滑に、制服・作業着、仕事によって、目的によって
  (2)高齢者に適した衣類
   衣類の素材と機能
      ユニバーサルファッション--誰にでも優しい
      
   目的に合わせたい類の選択  じんべい上下など--軽い・保湿・材質 洗濯簡単!!
2、着脱の援助
  (1)着脱時の注意点 利用者の腕や足、体を動かすのではなく、衣類をスぅーッと引く・動かす
     @着替えの動作の原則 『脱健着患』脱ぐときは健康な側から着るときは麻痺側から
     A部屋の温度にチュウイし、寒ければ介護者の手も暖める
     B不必要な露出は避け、本人のプライバシーを守る
     C自力で体位交換(寝返りなど)できない場合、背中、腰など下になる部分のしわに注意
・衣服の着脱の介護
  1、利用者の麻痺側に立つ
  2、自分で着脱できるように誘導する <脱健着患>
    麻痺側から袖を通す--袖口、裾をたくし上げ手を入れ利用者の手を取り、肩まで衣類をずらす
  3、脱ぐとき ●トレーナー 健側上肢→頭部→麻痺側上肢
          ●ズボン   健側下肢→麻痺側下肢 麻痺側に立ち、介助する 健側は自力
・ベッド上臥床にて浴衣着脱の介護(左麻痺)
  @袖の脱ぎ方 健側に立ち、健側(右)肩を抜く・・・冷えないように暖める
    <脱健>    足を少し浮かせてもらい体の下に脱いだ服を入れ込む内側の汚れ・ごみを巻き込んで
            右側臥位(健側を下)・・麻痺側上肢は手、肘関節を保持しながら作業<着患>
    A新し寝巻き 新しい浴衣の襟にある中心線を利用者の首中心に合わせる
    <浴衣>    迎え手をする--手首を通し、手は引かず着物だけを引く(何でも)
            しわを取る--ウエスト・尻下・足元の端を斜め下に引く感じで。足元はゆとりを
            仰臥位になり新しい着物を引き出して健側の袖を通す 襟は右前                   
介護用語
臥床がしょう
仰臥位ぎょうがい
端座位たんざい
健側けんそく
患側かんそく