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相続問題トップ遺言の有効性遺言の意味・効力
            
↓無効な遺言




法律上、遺言は無いのと同じ・・・・・こちらのページに戻る


 死因贈与への転換

ただし、死因贈与契約の成立を証明する文書と認められる場合もあります。
特に、遺言の方式を踏まなかったことにより遺言が無効になるときに問題となります。
例・・・・自筆証書遺言を作成したが、日付のみ記載していなかたので無効になってしまったような場合

東京地裁昭和56・8・3
大阪高裁昭和56・1・30 判時1009
広島家審判昭和62・3・28 家月39・7・60
東京高裁昭和60・6・26
 証人のうち1人が欠格事由があるとの方式違背により無効な公正証書による遺贈を原因とする土地所有権移転登記の更正登記手続を求めた事件の控訴審において、当該公正証書は方式違背の瑕疵により公正証書遺言としての効力は有しないものの、その作成の経過にかんがみると死因贈与について作成されたものと認めることができ、民法五五〇条所定の書面としての効果は否定することはできないから、本件移転登記は、書面による死因贈与契約に基づくものとして有効である(判例時報1162号64頁)。

どのような場合に転換が認められるか?
基礎知識・・・・・
遺言は単独行為・・・・すなわち受遺者の合意は必要ない
死因贈与は契約・・・・すなわち当事者双方の合意が必要。

したがって、当該財産について譲渡の合意がある場合には転換できる。
また、無効の遺言書であっても贈与書面とみることも可能。
死因贈与とされても遺言としては無効(無いことと同じ)であることに変わりはありません。




また、無効な遺言であっても相続人全員で被相続人の意思を尊重して無効な遺言のとおりの内容の遺産分割をする事は問題ありません。
例・・・・被相続人は自筆証書遺言を作成したが、日付を書かなかった。法律上、遺言とは認められませんが、遺産分割について妥当な内容が記載されていたので、相続人らは記載のとおりに遺産を分割した。