遺言の撤回がある場合の処理
第千二十五条 前三条の規定により撤回された遺言は、その撤回の行為が、撤回され、取り消され、又は効力を生じなくなるに至ったときであっても、その効力を回復しない。ただし、その行為が詐欺又は強迫による場合は、この限りでない。
条文のとおり、遺言を撤回する被相続人の行為があると、もとの遺言は復活しないのが原則です。 例・・・・前の遺言で〜〜の土地はAに遺贈すると定めたが、後の遺言で同じ土地をBに遺贈するした。受遺者であるBが遺言者より先に死亡すると、民法994条によりBへの遺贈は効力を失いますが、「撤回行為が効力を生じなくなるに至ったときであっても、撤回された遺言はその効力を回復しない」と定めているので、Aへの遺贈は復活しません。復活を望むのであれば、あらたな遺言を作成すればよいからです。 なお、撤回遺言をさらに撤回する遺言が作成された場合、遺言者の意思が原遺言の復活を希望するものであることが明らかであるときは、原遺言の効力の復活を認めるのが相当とした・・・・・・最判平成9・11・13 以上から・・・・・・・・・・・ @遺言を全部撤回し、効力が回復しない場合→遺言はないと同じことになる。コチラに進む A遺言の一部を撤回し、一部の効力が回復しない→撤回していない残りの部分は有効なので、その効力を調べればよい。コチラに進む B遺言を撤回したが、効力が回復した→撤回行為はなかったことになる。コチラに進む |