過払い金返還訴訟で注意する点。
1、過払いの金額が計算できない場合・・・
裁判をする際、訴状に具体的な金額を書かなければなりません。
しかし、取引経過を開示してもらわなければ、いくらの過払いがあるのか不明です。
そうした場合、だいたいの記憶に基づいて、仮計算(嘘計算)を行います。
おおめに計算しておけば、貸金業者は取引経過を開示せざるを得なくなり、
裁判の場において、正確な金額が後から判明することになります。
したがって、具体的な請求金額がわからなくても心配することはありません。
ただ、本当に過払いになっているか確信が得られたない場合もあるでしょう・・・
(10年も取引を継続していたら、まず、過払いの状態になりますが、
5〜6年では本当に過払いになっているか計算してみない事には分かりません)
確信が持てない場合
以下は、確信が持てる場合
2、もし、上の場合で貸金業者が開示しない場合はどうなるのでしょうか。
その場合には、文書提出命令を申立てるべきです(民亊訴訟法220・221条)。
命令に反して提出しない場合は、仮計算の結果を真実と裁判所は判断します(同法224条1項)。
実際、東京地裁判平11・2・18では、文書提出命令が発令されたにもかかわらず相手が提出を拒絶したため、原告の主張が全面的に認められました。
そのため、貸金業者は取引経過を開示せざるを得なくなるわけです。
文書提出命令申立書の雛形をダウンロードする
3、どの裁判所に訴えればよいのか?管轄の問題。
原則として、被告の所在地です(民訴4条1項)。
しかし、義務履行地および借り入れた営業所でも
裁判を起こす事が出来ます(民訴5条1号・5号)。
4、具体的に裁判をするにしても、過払いの会社が何社もある場合・・・面倒なのでマトメテ裁判できないか?
5、過払い金額が90万円を超える場合は地方裁判所に訴えます。
90万円以下の場合には簡易裁判所です。
なお、簡易裁判所には「少額訴訟」という制度があり、30万円以下の場合に利用できます。
ただ、少額訴訟は原則として一日で終結するものであり、証拠調べの制限をしています(民訴371条)。したがって、取引経過が不明なケース・・・例えば、特定調停を行ったが3年分の取引しか開示していなく、最初からの全ての取引経過が分からない場合には、少額訴訟の制度は利用できません。通常訴訟を提起して下さい。
過払い金返還訴訟の訴状の雛形をダウンロードする
この訴状に対して、貸金業者はどのような答弁書(反論)をだしてくるのかは、後日作成します。
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