1986年に翻訳された英国ミステリー

本年のベスト5
(1)『指に傷のある女』(ルース・レンデル)
(2)『消えた女』(マイクル・Z・リューイン)
(3)『迷宮のチェスゲーム』(アンソニイ・プライス)
(4)『ロシア皇帝の密約』(ジェフリー・アーチャー)
(5)『革命の夜に来た男』(ダンカン・カイル)

本年の特徴
 相変わらずルース・レンデルの作品が数多く訳出された(全部で四冊)。トップにはそのレンデルの『指に傷のある女』を挙げた。ウェクスフォード警視物で、警察小説として優れているだけでなく、立派な謎解き小説にもなっているからである。その後も多数のレンデル(とヴァイン)作品が刊行されているものの、私のレンデル・ベスト1作品でもある。二位にはハードボイルド(?)の『消えた女』を挙げた。リューインは米国作家ではないかという人も多いと思われるが、疑問を持った人はここを参照してください。ベスト3以下はすべて冒険スパイ小説になった。まだまだ冒険スパイ小説の時代なのだ。

題 名 原作者 翻訳者 出版社 面白度
『ロシア皇帝の密約』 ジェフリー・アーチャー 永井淳 新潮社 ★★★★
『とても私的な犯罪』 エリザベス・アイアンサイド 小泉喜美子 早川書房 ★★★
『恐怖の分身』 シンシア・アスキス選 長井裕美子 朝日ソノラマ  
『未亡人の小径殺人事件』 レズリー・G・アダムソン 三宅真理 サンケイ出版 ★★★
『シャーロック・ホームズ殺人事件』 ジェームズ・アンダースン 高田恵子 東京創元社 ★★
『ハリウッド殺人事件』 ジェームズ・アンダースン 高田恵子 東京創元社  
『魔の創造者』 H・ヴァン・サール編 熱田・松宮 朝日ソノラマ ★★★
『魔の生命体』 H・ヴァン・サール編 小島恭子 朝日ソノラマ  
『魔の誕生日』 H・ヴァン・サール編 小島恭子 朝日ソノラマ ★★
『オデッサ狩り』 テッド・オールビュリー 峰岸久 東京創元社 ★★★
『独立戦争ゲーム』 ジョン・ガードナー 後藤安彦 文藝春秋  
『殺意の海辺』 J・D・カー他 宇野利泰 早川書房 ★★
『革命の夜に来た男』 ダンカン・カイル 工藤政司 早川書房 ★★★★
『QE2を盗め』 ヴィクター・カニング 亀井文二 早川書房 ★★★
『スパイシップ』 トム・キーン&ブラウアン・ヘイズ 尾坂力・伏見威蕃 早川書房 ★★★
『早すぎた救難信号』 ブライアン・キャスリン 高沢次郎 早川書房  
『殺人セミナー』 B・M・ギル 島田三蔵 サンケイ出版 ★★★
『サン・カルロの対決』 A・J・クィネル 大熊栄 新潮社 ★★★
『ラス・カナイの要塞』 ジェームズ・グレアム 安達昭雄 角川書店  
『キプロスに死す』 M・M・ケイ 山本俊子 早川書房 ★★
『待ち伏せの森』 フィリップ・ケリガン 長野きよみ 早川書房  
『黄泉の国へまっしぐら』 サラ・コードウェル 加地美知子 早川書房 ★★
『潜入、高度ゼロ』 リチャード・コックス 石川好美 朝日ソノラマ  
『イリューシン18の脱出』 ジェラルド・シーモア 後藤安彦 早川書房  
『最終工作員ロネイ』 トミー・スティール 冬川亘 早川書房 ★★
『633爆撃中隊』 F・E・スミス 野村芳夫 徳間書店  
『大空のエース』 スペンサー・ダンモア 石川好美 朝日ソノラマ  
『ディケンズ短篇集』 チャールズ・ディケンズ 小池滋・石塚裕子 岩波書店 ★★★
『ロンドン・マッチ』 レン・デイトン 田中融二 光文社  
『偽装亡命者キリル』 J・トレンヘイル 矢野浩三郎 新潮社 ★★
『霧の殺人鬼』 M・J・トロー 斉藤数衛 早川書房 ★★
『秘密の恋人』 ジョージ・ハーディング編 中村保男他 早川書房 ★★★
『爆走大陸』 デズモンド・バグリイ 田村義進 早川書房 ★★★
『南海の迷路』 デズモンド・バグリイ 井坂清 早川書房 ★★
『裏切りのキロス』 ジャック・ヒギンズ 伏見威蕃 二見書房  
『マンティス』 ピーター・フォックス 太田正一 芸文社  
『獅子とともに横たわれ』 ケン・フォレット 矢野浩三郎 集英社 ★★★
『迷宮のチェスゲーム』 アンソニイ・プライス 田村源二 サンケイ出版 ★★★★
『死を告げる白馬』 アルジャーナン・ブラックウッド 樋口志津子 朝日ソノラマ  
『ナイト・スカイ』 クレア・フランシス 永井淳 角川書店 ★★★
『侵入』 ディック・フランシス 菊池光 早川書房 ★★★
『罠にかけられた男』 ブライアン・フリーマントル 稲葉明雄 新潮社 ★★★
『追いつめられた男』 ブライアン・フリーマントル 大熊栄 新潮社 ★★★★
『第5の日に帰って行った男』 ブライアン・フリーマントル 新庄哲夫 TBSブリタニカ ★★
『死のようにロマンティック』 サイモン・ブレット 嵯峨静江 早川書房 ★★★
『殺意のシステム』 サイモン・ブレット 加地美知子 早川書房 ★★★★
『三たび敵地へ』 ダン・ブレナン 田村義進 徳間書店  
『探偵をやってみたら』 ヒラリイ・ヘイル編 中村保男 早川書房 ★★★
『海深く』 ウィリアム・ホジスン 小倉多加志 国書刊行会  
『黄金虫』 リチャード・マージュ 榊優子 東京創元社 ★★
『サン・アンドレアス号の脱出』 アリステア・マクリーン 後藤安彦 早川書房 ★★★
『死への夜行フェリー』 パトリシア・モイーズ 嵯峨静江 早川書房 ★★★
『クロッカスの反乱』 ギャビン・ライアル 菊池光 早川書房  
『黒の召喚者』 ブライアン・ラムレイ 朝松健 国書刊行会  
『消えた女』 マイクル・Z・リューイン 石田善彦 早川書房 ★★★★
『指に傷のある女』 ルース・レンデル 深町眞理子 角川書店 ★★★★★
『絵に描いた悪魔』 ルース・レンデル 小泉喜美子 角川書店 ★★
『身代りの樹』 ルース・レンデル 秋津知子 早川書房 ★★★★
『地獄の湖』 ルース・レンデル 小尾芙佐 角川書店 ★★★
『クリプト・マン』 ケネス・ロイス 関口幸男 サンケイ出版 ★★★
『ノーブルロード』 ピーター・ローダー 東江一紀 集英社 ★★★
『皇帝の密謀』 リチャード・ウッドマン 高永洋子 二見書房  
『背後から一刺し スミス艦長物語2』 アラン・エバンズ 影山栄一 至誠堂  
『アフリカ軍団の影スミス艦長物語3』 アラン・エバンズ 影山栄一 至誠堂  
『海神の馬が走る スミス艦長物語4』 アラン・エバンズ 小牧大介 至誠堂  
『黒い略奪船』 ヴィクトール・シュトラン 高水香 二見書房  
『黒海の野望』 V・A・スチュアート 海津正彦 光人社  
『黒海の密使』 V・A・スチュアート 海津正彦 光人社  
『ツーロンの砲声』 ロバータ・チャロナー 高永洋子 早川書房  
『ボンベイ・マリーン出帆せよ』 ポーター・ヒル 高岬沙世 早川書房  
『フランス軍用金を奪え』 ポーター・ヒル 高岬沙世 早川書房  
『ユトランド大海戦』 A・フラートン 高津幸枝 光人社  
『奇襲Uボート基地』 A・フラートン 高津幸枝 光人社  
『狂気の目撃者 ラミジ艦長物語19』 ダドリ・ポープ 小牧大介 至誠堂  
『悪魔島 ラミジ艦長物語18』 ダドリ・ポープ 小牧大介 至誠堂  
『ナポレオンの隠し札 ラミジ艦長物語20』 ダドリ・ポープ 小牧大介 至誠堂  

戻る