ウインタブルック・ハウス通信

クリスティ・ファンクラブ機関誌

1995.12.24  NO.50

クリスティの十二支(その12)

 そう、そう。これは《三匹のめくらのネズミ》でしたな! やっかいなことに、このメロディが頭に浸みこんでしまいましてね。しかし、考えてみますと、これには、無気味な文句が含まれていますな。いや、いやはじめから終りまで、感じのよくない文句の連続といえますよ。しかし、子供ってものは、残酷なことがすきなんですな。 (『クリスチィ短編全集3』の中の「三匹のめくらのネズミ」宇野利泰訳)

< 目  次 >

◎アガサ・クリスティ協会からの祝辞―――ドロシー・M・カー
◎のんびり、25年――――数藤 康雄
  ☆おくればせの挽歌―――杉 みき子
  ☆デザインはミステリー―――高田 雄吉
  ☆ストーリーの一コマ―――岡本 富士枝
  ☆私の見つけたペンギン・ブックの序文―――正田 巌
◎ミセス鈴木のパン・お菓子教室(第4回、ショートブレッド)―――鈴木 千佳子
◎ティー・ラウンジ
★表紙   高田 雄吉

アガサ・クリスティ協会からの祝辞

ドロシー・M・カー

 アガサ・クリスティ協会「ウィンタブルック・ハウス」支部の皆さんへ

 アガサ・クリスティへの熱烈な支持が、25年にもわたって続いていることは本当に素晴らしいことです。  クリスティと彼女の作品は、世界中のあらゆる地域の多くの人々に関心を持たれています。それらの人たちと共有できるものが私たちにもあります。文化も考えも異なる私たちですが、デイム・クリスティへの愛情と献身が、私たちを一つに結び付けています。  彼女の作品をお互いに賞賛し合うことは、確かに私たちに何かを教えてくれます。それは、さまざまな違いがあるにもかかわらず、私たちに共通な特性があると示唆しているように思われます。  その共通の要素とは、おそらくクリスティが書いたタイプのミステリーを私たちが愛していることでしょう。あるいはクリスティが創造した永久に変らない世界に対する愛、といったらよいかもしれません。しかし、そのような二つの考え以上に重要なもの「「それは、最後には善と真実が悪に打ち勝つのだという私たちの期待を、クリスティが作品の中で実現していることなのです。

アガサ・クリスティ協会 「殺人の裏木戸」支部
代表  ドロシー M.カー


のんびり、25年

数藤 康雄

 独立したファイルとなっています。ここを参照してください。


ミセス鈴木のパン・お菓子教室

第4回 ショートブレッド

鈴木 千佳子

 イギリスお菓子の手作りシリーズの第4弾。さっそく作ってみましたが、素朴な甘さがいかにもイギリス的(?)で、我が家では好評でした。
 皆さんも、ぜひ挑戦を!(S)


はじめに
 スコットランドの伝統的なお祝い用のお菓子。結婚式には、子宝に恵まれるというキャラウェイシードがいっしょに焼きこまれ、花嫁が新居の敷居をまたぐ時、その頭上でくだく習慣があるそうです。
 「ショート」にはさっくりした、くずれやすいという意味と簡単で短時間にできるという意味があります。
 いちごの季節には生クリームといちごを飾り、粉砂糖をかけてストロベリーショートケーキのでき上がり。ブレッドがついたり、ケーキがついたり、私達にはちょっと違和感がありますが、いろいろにアレンジして、わが家風ショートケーキを作ってみて下さい。
材料
 バター――――――150g
 グラニュー糖――――50g
 上新粉――――――25g
 薄力粉―――――170g
 好みで塩をひとつまみ
作り方

  1. ボールに、室温に戻したバターを入れ、クリーム状にし、グラニュー糖を少しずつ加えてすり混ぜる。
  2. ふるった粉類を加え、へらで切るように合わせる。まとまりやすくなったらビニール袋に入れて、冷蔵庫で30分以上休ませる。
  3. 冷えた生地をもみほぐし、強力粉をふった台の上で、直径18cmほどの円状に伸ばす(セルクルがあれば利用、なければ厚紙で型紙を作って切る)。
  4. 指先やフォークを使って縁飾りをつけ、全体にピケをする(生地の厚さの1/2まで)。包丁で8等分に切り込みを入れる。
  5. 170゜〜180゜のオーブンで薄く焼き色がつくまで焼く(35分ほど)。焼きあがったら、アルミの上でさます。

ティー・ラウンジ

■先日職場の同僚が「WH」をもって話しかけてくるので、「あれ、どこかに忘れ物していたかな」と思ったら、同僚も会員とのことでした。名前が同じで、薄正文といいます。二人とも今春転勤してきたのですが、「奇遇ですねぇ」と談笑したことでした。いやあクリスティ・ファンって、アチコチにいるんですね! てなわけで、読み残しの『七つのダイヤル』にとりかかります(青柳正文さん)。
■私は福岡の高校の教員をしていますが、今年9年振りの人事移動で転勤したわけです。そのとき、同様に転勤して来られた先生に社会科(私は国語です)の青柳正文先生がおられたのです。私の名前と同じ方は珍しいので、それを話題に話していたのですが、WH通信 NO.49を読んでいると「青柳正文」氏の投稿があるではありませんか。もしやと思い、 NO.49を持って先生に確かめてみたところ、ファンクラブ創設以来の会員とか。驚くやらうれしいやらでした。会誌を受け取る以外接点のないファンクラブの「会員」に出会えた喜びは大変なものでありました(薄正文さん)。
 今号のファースト・コンタクトでした。会員は約250人ですから、日本の人口を1億2千万人として計算すると、会員は48万人に一人となります。驚きですが、私の隣町にもファンクラブ員がいますし……。結論:世間は狭い、です(S)。
■会員をしていた14年間は、試写室に通い続けた14年間でもあります。「地中海殺人事件」を見てから、映画のタダ見がクセになり、14年も試写室に通い続けてしまいました(モグリでね)。桂千穂さんは試写室の常連ですから、もちろん存じあげてます。試写室で隣に座ることもありますが、まさかティー・ラウンジでも隣合わせていたとは……思ってもみませんでした(泉淑枝さん)。
 今号のニアミスでした(S)。
■地震の方はもう完全に元の生活に戻っておりますので、ご安心下さい。以前にご覧になった神戸の町はもうありませんけど。
 瀬戸川さんの訳によるクリスティ劇をまたやるようです。それと、もうお読みになったと思いますが、『ドラキュラ紀元』(東京創元社)に蝋管蓄音器が出てきます。また「オール読物」の「大アンケート・エッセイ ミステリーわたしの古典ベスト・ワン」では、吉村達也氏が『そして誰もいなくなった』を、小林仁美氏が『ナイルに死す』を挙げていました(今朝丸真一さん)。
 クリスティ劇は「ホロー荘の殺人」で、9月6日から23日まで、大阪の近鉄劇場で公演されました。実は、この劇をプロデュースした平岡企画の人からも連絡があったのですが、WH通信NO.49を発送した直後だったので、一、二の例外者を除いてはパンフレットを送れませんでした。スミマセン(S)。
■「ホロー荘の殺人」を先週観に行くことができました。中村玉緒さんは、原作のヘンリエッタからはだいぶ年齢差があるし、そう大きくはない近鉄劇場の舞台では、やはりどうしても(失礼!!)無理があるのですが、このへんが”役者根性”なんでしょうね。表面の”若さ”こそないけど、酢いも甘いも人生がわかってて寛容なあたたかさのある愛人の面と、彫刻に自分の道を求める女性芸術家の鋭さとを出して、自分のヘンリエッタにしちゃってるところがさすがで、無理な若づくりやしゃべり方をしていないのは好感が持てました。原作に一番忠実なのがミッジ役の白木さんで、この方もよく動いて、他の貴族連中の生活感の無さの中で、当時の働く女性の現実感を出して全体がひきしまってよかったです。でもなんといってもガータ役の円城時あやこさんがうまいと思いました。
 来年は、同じく近鉄劇場で「検察側の証人」を掛けることに決まったと、スタッフの方も張り切ってました。誰が演じるのか興味津々です(ひらいたかこさん)。
■少しづつ「神戸」は地震の後片付けが進んではいますが、何となく気持ちに余裕がなく、「ホロー荘の殺人」が9月に公演されるとは全然知りませんでした。関西と一口に言っても、大阪と神戸は、この地震に関して言うと全く気持ちが違っています。私がいつものぞいていたプレイガイドなども場所が変ったりして、最近は遠のいていました。
 海外のファンクラブの件ですが、さっそく申し込んで(イギリスの方)、私のNO.は629です。ロゴ入りのスカーフとネクタイも持っています。何となく楽しい気分になっています(新谷里美さん)。
■8月26日(土)本場の「ねずみとり」を観ました。なんと11年ぶりです。チケットを買いに劇場に行き、前回と同様に「ボックス席3人分」と言ったら、くれた券には”DRESS CIRCLE"の文字。ほろ酔い気分も手伝って「ドレスアップして来るのですか」と尋ねたら、驚いたように「そのままで充分です」とのこと。当日は上着を着て行きました。気さくで和やかな雰囲気は変っていませんでした(小川淳子さん)。
■私もこの歳(71歳)にしてイギリスのブライトンに1カ月おりました。もう少し時間があれば、クリスティゆかりの地を訪ねられたのにと、残念に思いおります(山本左美英さん)。
■アン・ハート著『ミス・マープルの愛すべき生涯』を図書館で見つけました。アガサ・クリスティの作品を通じてすっかりお馴染みのミス・マープルの日常生活がこまごまと楽しく語られています。室内の家具の佇まい、朝食の好み、庭いじり、ショッピングなどなど。
 私事で恐縮ですが、四年前に勤めを退いて、田舎で老母と三年間暮らした後、また以前の生活に戻った現在、ミス・マープルのライフスタイルは大いに参考にしたい(?)ところですが、典型的な英国カントリーサイドのセント・メアリ・ミード村とは住環境が大違いのこの騒々しい東京では、とてもかなわぬ夢となりそうです(日名美千子さん)。
■この間、フォーシーズンホテル椿山荘東京に宿泊した際、なんと「デボンシャークリーム」に出会ったのです! クリスティの自伝を読んでからというもの、いつか必ずこの「デボンシャークリーム」なるものを、私もたべてみるゾ、と心に決めていたのです。本当に思いがけない巡り合いでしたが、もううれしくて、うれしくて、クリスティがまたちょっと近くに感じられました。私のあこがれの国、イギリス。その理由の半分はクリスティにあります。クリスティの自伝はクリスティの作品にもまして魅力的です(菊池詠子さん)。
■俳句の話がティー・ラウンジにあって、ちょうど昨日、辻桃子さんの『俳句ってたのしい』を読んだもので一言。辻さんが町内の運動会で三人四脚をやった相手の少年が新聞の集金に来ました。俳句をやってごらんといったら、《おばさんと思っていたら女流俳人》。それから仲間になったそうです。朝日文庫P109に、「《青い色万年筆の海と空  アガサ》 これはアガサの名のり。例の三人四脚の新聞配達少年は、大好きな推理作家アガサ・クリスティの名をとってアガサの俳号を持っているのだ」。
 ちょっといい話でしょう?(宮本和男さん)
■私は七夕通信を心待ちにしております。7月と12月、忘れた頃にやってくる織姫とサンタクロースといったところがミソですね。私は今年も俳句吟行に明け暮れています。読書のひまがありません。読みたい本は今のところ積ん読?で、ほこりをかぶっております。ティー・ラウンジのお元気印の皆様方の読書力にたじたじ……。珠玉のようなこの機関誌に愛を込めて心より拍手をお送りいたします。
  短夜の枕辺(まくらべ)に積む乱歩集  寛子     (土居ノ内寛子さん)
■このところ内田康夫の浅見シリーズにのめり込んでいます。パトリシア・コーンウェルも面白いし、ティー・ラウンジにあった上地さん同様、スー・グラフトンのファンにもなりました(サラ・パレツキーやコリン・デクスターも何冊か読みましたが、ちょっと合いませんでした、私には)。といっても、喜んでウワキしているわけではありません。先日、がまんしきれず『フランクフルトへの乗客』を読んでしまったのです。あとクリスティで読んでいないのは、『死者のあやまち』、『七つのダイヤル』、『秘密組織』と小説『愛の重さ』、『暗い抱擁』だけです。これは後でのお楽しみ!
 ということで、大切にとっておくつもりです(みんな学生時代に買ったので、黄ばんでいます)。蛇足ですが、私が今年観た映画は「スピード」(キアヌってステキ!)、「赤ちゃんのお出かけ」(SO-SO)、「ネル」と「アウトブレイク」でした(金井裕子さん)。
■何人かの方がおっしゃっているようですが、もう新作が出ないというのは本当にさびしいことですね。上地恵津子様がスー・グラフトンのキンジー・シリーズのこと書いてらっしゃいましたが、私も毎回楽しみにしています。今のところ『殺害者のK』が最新らしいので、Zまであと15冊くらい、是非続いてほしいと思ってます。『ABC殺人事件』とは、もちろん全然関係ないのですけれど、『アリバイのA』から始まった題名に一冊ずつ『……のB』、『……のC』・・・とつけていくというアイデアはクリスティにヒントを得ているのかしら、なんて思ってしまいます。
 メアリー・ヒギンズ・クラークのものもおもしろいと思います。いくつかの話(主に短編)に出てくるアルビラ・ミーハンというおばさん素人探偵が、やたらに好奇心の強いところ、おしゃべりのところ等、何となくミス・マープルに通じるものがあるような気がして(私だけがそう思うのかもしれませんが)気に入っています(木宮加代子さん)。
■"Murder and Mayhem"(Number 5)にクリスティに関する記事が載っていましたので、同封しました(岩田清美さん)。
 「ミス・マープルの後継者を探して」という記事ですが、詳しくは次号で…(S)。
■実は私、平成7年7月7日に無事男の子を産み、現在2カ月半になって、やっと一息つけた、という状態です。なかなか恵まれなかったので、もううれしくて、かわいくて毎日なめまわしています。
 妊娠中、つわりで具合の悪い時期は、母に「ミステリーなんて体教に良くないわョ」と言われつつも、クリスティを読みふけりました。読んでいる時は不思議と気持ちが安定して普段よりも冷静に状況を把握することができて、クリスティの考えに少し近付くことができたような気がしました(ちょっとずうずうしうかしら?!)。この子が大きくなったら、クリスティ論議をしたり、ゆかりの地を一緒に旅行したいと思っています(村田有規子さん)。
■読書量は、年々下がっているようで、94年は40冊程度。今年の上半期は15冊程度になっています。通勤時間に座ると寝てしまうのが最大の原因ではないかと思います。なぜ、眠くなるかという要因は、色々家庭の事情でと言う事になります。アーロン・エルキンズ、ピーター・ラブゼイ、マイケル・ディブディンなどは欠かせないところですが、エルキンズ、ラブゼイの場合は、何か物足りなさを感じてしまいます。ディブディンがやはり、一番読みでがあるように感じます。レジナルド・ヒルの新作がしばらくないのが残念です。クリスティを今読むとどう感じるか、興味のあるところですが、なかなかその気になれません。ファンクラブの一員としては、こんなことを言っていては申し訳ありませんが、今はそうした状態です(田中茂樹さん)。
■ここ数年、なぜか秋になるとクリスティを読みたくなるらしく、フォンタナのペーパーバックで読んでいます。昔はポアロものを好んだものですが、このところはマープルものばかりです。やっぱり『ポケットにライ麦を』は何度読んでも面白い。ストーリーがしっかりしていて、ヒューモアにも富んでいる、そういう意味で非常に「クリスティらしい」作品なのかと思います。
 ただここは日本のサラリーマンの辛いところでありまして、通勤の電車でも座ればすぐに眠ってしまう自分が悲しい。英語の本を読むにはやはり体力が必要で、こういうときに年を取ったと痛感しますねえ(八代到さん)。
■クリスティ協会の「クロニクル」に私の名前をのせてもらってから、二人から手紙が届きました。このうちケルン近郊に友人と暮らしているというドイツ人の男性(38歳)は"detective"(警察官)で、自宅の一部を改造した「アガサ・クリスティ・パブ」なるものを作っているとのこと。私はポアロの扮装で客に飲物をふるまっているスーシェ氏の様な男性を勝手に思い描いてしまったのですが、それは酒場としてのパブではなく、私的な社交の場として友人を招いたりするのに使っているとのことでした。同封された写真を見ると、壁には額に入れたクリスティの写真はもとより、スーシェ氏やヒクソンさんの写真までが掛けられ、クリスティ劇や映画のポスターも貼られていました。それらはすべて出演者のサイン入りとか。その前に自慢げに立っているミューラー氏とスーシェ氏の演ずるポアロの共通点は立派な口髭だけでした。近いうちに、このパブの写真は「クロニクル」に載るらしいですから、見たら「あの人だ!」と思って下さい。あ〜あ、ファンはファンでも私などとはスケールが違うことがよーくわかりました(安藤靖子さん)。
 クリスティ協会の最新号の会報(No.11、1995年秋号)には安藤さんの投書が載っています。ミューラー氏の写真と投書は会報(No.10、1995年夏号)にありました(S)。
■朝日新聞社から最近創刊された小説誌に『小説トリッパー』というのがありますが、その3号(12月7日発売)は本格ミステリーの大々特集です。私の「名探偵は死なず〜原書カバーで見る名探偵〜」では、クリスティの珍しい原書のカバーも載りますので、機会がありましたらぜひ見てください(森英俊さん)。
■オックスフォードでの国際会議に出席した折、共同研究しているプリマス大学の研究室を訪れる機会がありました。金曜日に研究室を訪ね、翌日は土曜日なので、プリマスからレンターカーでトーキイに一日ドライブして来ました。WH通信に安藤さんがさかんに書かれているTorre Abbey Mansion の A.C.Room と Torquay Museum 及び海岸の駐車場広場にあるクリスティの胸像を見てきました。トーキイはまさに姿・形・雰囲気ともに”松島海岸”といったリゾート地でありました(大内一弘さん)。
■友人のキャロルと二人で、9月17日にイギリス、ブラッドフォードで開かれたクリスティ協会の総会に出席してきました。私たちはプリチャード夫妻や他のスタッフに会いましたが、時間が無くて他の出席者の方とは話ができませんでした。作家のロバート・バーナードの講演の後、映画「ゴルフ場の殺人」が上映されました。その後昼食になりましたが、その間、殺人を扱った寸劇が演じられていました。昼食会が終ると散会になりました。
 今回の旅行ではウォリングフォードへも行きました。友人の従妹とはそこで会い、彼女は私たちをクリスティの墓地やウィンタブルックハウスに連れて行ってくれました(ドロシー・カーさん)
■NHKも忘れた頃にポツポツと”名探偵ポワロ”を放映して、たいてい土曜日のプロ野球放送の後、野球の試合が延びたりすると放映時間も変りますので、そのチェックも大変でしたが、殆ど録画することができました。「黄色いアイリス」、「すずめばちの巣」など、どんな話だったかしらと改めて原作を読みかえしたりしています。原作ではそんなに印象に残らない作品でも映像化されると粋な作品になっていたり、その反対のもあったりで、面白いですね。脚本の違いでしょうか?(今枝えい子さん)
■今号は記念号なので「クリスティ症候群患者の告白」は休みましたが、久ぶりに日本人の手になるクリスティ関連本が出たので紹介します。『アガサ・クリスティ デザインへの誘い』(安永一典著、近代文芸社、2500円)です。著者はインテリア・デザインが専門の大学の先生ですが、堅苦しい内容ではなく、クリスティ作品に登場するインテリア・デザインをサカナにしながら、クリスティ全長編の魅力を語っています。対称性を好むポアロの部屋にふさわしい四角ばった椅子も、数多く見られますので、クリスティ・ファンには一読の価値あり、です(S)。
■集英社版・学習漫画、世界伝記シリーズの一冊『アガサ・クリスティー』(恥ずかしながら監修は私)が11月の下旬に発売されるそうです。クリスティの一生が簡潔にまとめられていますので、小学生のお子さんがいる人にはクリスマス・プレゼントに好適です(とPRしておきます)。なおえらそうなことを言っている部分があれば、それは編集部のおかげです。教育者失格の人間ですから(S)。
■戦後50年とはなんの関係もありませんが、WH通信も50号。記念号なので、なにか工夫を凝らそうと思ったのですが、秋に入って本業が忙しくなり、例によって腰くだけの内容になってしまいました。正直いって、企画力と実行力が不足してきただけなのですが、それでも杉さんを始め、多くの方の御協力を得ました。今後ともWH通信が継続できるよう、御協力のほど、よろしく!
■今年の夏休みも、どうにか映画を観ることはできました(実にささやかな楽しみです)。なにしろ一本勝負なので、どれを観るか、あれこれ考えている時の方が楽しい始末ですが、結局ウディ・アレンの「ブロードウェイと銃弾」になりました。これは正解!でした。 ではメリー・クリスマス & 謹賀新年

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☆編集者:数藤康雄  〒188      ☆ 発行日 :1995.12.24
 田無市南町6−6−16−304       ☆ 会 費 :年 500円
☆発行所:KS社            ☆ 郵便番号:東京9-66325
 品川区小山2−11−2          ☆ 名称:クリスティ・ファン・クラフ
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