■昭和12年内閣訓令 — 全文

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■以下は、「近衞文麿(著). 内閣訓令第三號 . 官報. 第3217号(昭和12年9月21日), 1937年. 567ページ. (大蔵省印刷局発行)」からの引用です。最後の「注意がき」を無視しないでください。

—以下は転記部分—

◎内閣訓令第三號

各官廰

國語ノローマ字綴方ハ從來區々ニシテ其ノ統一ヲ缺キ使用上不便尠カラズ、之ヲ統一スルコトハ育上、學術上將又國際關係其ノ他ヨリ見テ、極メテ必要ナルコトト信ズ。仍テ自今左ノ通ローマ字綴方ヲ統一セントス。各官廰ニ於テハ漸次之ガ實行ヲ期スベス。

内閣總理大臣 公爵 近衞 文麿

一、國語ノローマ字綴方ハ左表ニ依ル

ローマ字綴方表
a     i    u    e    o
ka   ki   ku   ke   ko
sa   si   su   se   so
ta   ti   tu   te   to
na   ni   nu   ne   no
ha   hi   hu   he   ho
ma   mi   mu   me   mo
ya    i   yu    e   yo
ra   ri   ru   re   ro
wa    i    u    e    o
ga   gi   gu   ge   go
za   zi   zu   ze   zo
da   zi   zu   de   do
ba   bi   bu   be   bo
pa   pi   pu   pe   po
 kya   kyu   kyo
 sya   syu   syo
 tya   tyu   tyo
 nya   nyu   nyo
 hya   hyu   hyo
 mya   myu   myo

 rya   ryu   ryo

 gya   gyu   gyo
 zya   zyu   zyo
 zya   zyu   zyo
 bya   byu   byo
 pya   pyu   pyo 

二、前號ニ定ムルモノノ外ニ付テハ概ネ左ノ例ニ依ル。

  1.  長音ノ符號ヲ附スル場合ニハ okāsama, kūsyū, Ōsaka ノ如ク「¯」ヲ用フルコト
  2.  撥音ハ總ベテ n ヲ以テ表ハスコト
  3.  撥音 n ト其ノ次ニ來ル母音 ( y ヲ含ム) トヲ切離ス必要アルトキハ hin-i, kin-yōbi, Sin-ōkubo ノ如ク「-」ヲ用フルコト
  4.  促音ハ gakkō, happyō, tossa, Sapporo ノ如ク子音ヲ重ネテ之ヲ表ハスコト
  5.  文書ノ書始及固有名詞ハ Wagakuni no………, Sizuoka, Masasige ノ如ク語頭ヲ大文字トスルコト尚固有名詞以外ノ語頭ヲ大文字トスルモ差支ナシ
  6. 特殊音ノ表記ハ自由トス

—転記部分は以上—


転記者の注釈

  1. 句読点のうちかたは、原典のとおりです。
  2. 漢字とカナ文字のつかいわけと、おなじよみかたの漢字のつかいわけは、原典のとおりです。ただし、旧字体の漢字については、JIS X 0208 にふくまれるものはそれをつかいましたが、ふくまれていないものは、JIS X 0208にふくまれている、おなじ意味の漢字の一般的な字体とおもわれるものにおきかえました。
  3. おくりがなのおくりかたは、原典のとおりです。
  4. 段落のあたまに全角1文字分のスペースがはいっているところは、原典のとおりです。
  5. 原典では、表以外はたてがきです。
  6. 原典では、番号つきリストの数字は漢数字で、そのうしろには「.」(ピリオド)はありません。
  7. 「◎」(二重丸)の記号は、原典ではうちがわのちいさいまるのなかがくろくぬられています。
  8. 以下のものは、ソフトウェアの仕様や設定、ハードウェアの表示域の幅など、この文書をご覧になる環境に依存します。かならずしも原典どおりにはなりません。
    1. 段落内の改行位置
    2. 文字と文字のあいだの間隔
    3. 行と行のあいだの間隔
    4. 段落と段落のあいだの間隔
    5. 文字の字体やおおきさ
    6. 太字・下線・斜体など、文字の装飾のぐあい
  9. 上記のほかは、できるだけ原典に忠実に転記していますが、原典との、この文書をご覧になるかたにとって意味があるちがいがないことを保証するものではありません。ご心配のむきは原典を参照してください。
  10. 原典は紙に印刷された文書であり、上記の引用部分は、それを転記するかたちで転記者(この文書の著者)が機械可読形式でHTML(Hyper Text Markup Language)をもちいてコンピューターに入力したものです。
  11. この文書は、著者のインターネット上のウェブサイトのなかの、著者の著作物、の理解をたすけるための参考資料、としての目的で原典を引用したものであり、それ以外の目的でもちいられるべきものではなく、原典が意図している目的でもちいられるべきでもありません。

版:
第1.1.7版
発行日:
1999年12月31日
最終更新日:
2023年5月27日
著者:
海津知緒
発行者:
海津知緒 (大阪府)

KAIZU≡‥≡HARUO