■国際交流の場でのこどものなふだ

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質問:

2002年4月30日 火曜日 午後6時13分:

ボーイスカウトの指導員をしています。国際的な交流の場に参加する子供たちの名札を作ろうと思っていますが、いろんな方法があって迷っています。名簿を添付しますので、1つ案を教えてください。

回答:

ご質問ありがとうございます。

名簿は添付ファイルでいただきましたが、ウェブへの掲載は省略します。

国際的な交流の場での個人の氏名ということですから、パスポートのつづりを無視するわけにはいかないとおもいます。

パスポートのローマ字氏名のつづりについては、

http://www.nta.co.jp/kaigai/hebon.htm
http://www.pref.aichi.jp/kokusai/index-2.html

などをご参照ください。基本的には、ヘボン式で、長音の表記は省略し、<B><M><P>のまえの「ん」は<M>にする、ということです。すべて大文字で、小文字はつかいません。

ただ、氏名のフリガナからだけでは、発音、とくに長音かどうかの判断がつきかねる場合があります。厳密にいえば、本人がその気になれば、「かとう」「いとう」「おおくら」なども、「う」や「お」の部分の発音を長音ではなく、母音の/ウ/や/オ/であると主張することもできるはずです。(しかし、いただいた名簿のなかには、それほど問題となるつづりはないようですね。「栗生(くりう)」、「妹尾(せのお)」などはちょっとなやみますが…。)

また、上記で紹介したページにははっきりかかれていませんが、外務省および各都道府県の旅券事務所やパスポート・センターなどでは、長音というのはオ列とウ列だけで、ア列、イ列、エ列には存在しないという認識のようです。したがって、「けいすけ」は/ケースケ/と発音するとしても<KESUKE>にはならず、<KEISUKE>になりますし、「しいな」は/シーナ/と発音するとしても<SHINA>にはならず、<SHIINA>になります。

さらに、オ列長音については、たとえば「佐藤(さとう)」を<SATO>とするか、<H>をつかって<SATOH>とするかどうかは本人がきめることです。「大蔵(おおくら)」も、<OKURA>と<OHKURA>のどちらかをえらぶことができます。

したがって、一般には、パスポートの氏名のローマ字表記を、フリガナから他人がかってにきめることはできません。

現実的には、すでにパスポートをもっているこどもに関しては、そのつづりをおしえてもらい、パスポートをもっていないこどもに関しては、パスポートを申請するとしたらどういうつづりにするかをたずねることになるとおもいます。

なお、これはどのような方式のつづりでもおなじですが、世界中のあらゆるひとにも、つまりどのような言語を母語とするひとにも、日本人がよむのとおなじようによんでもらえるようなローマ字氏名というのは存在しません。おなじつづりでも、言語によって発音の習慣がことなるからです。

こんなところで、参考になりましたでしょうか。なにかご不明な点や追加のご質問があれば、このメールの返信にておよせください。

≡‥≡海津知緒(KAIZU Haruo)


変更記録

第1.1版(2002年5月2日)
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版:
第1.1.1版
発行日:
2002年5月2日
最終更新日:
2003年12月6日
編著者:
海津知緒
発行者:
海津知緒 (大阪府)

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