The biography of Gou Yuehua

07-05/14

5.自分に合った技術

 世界選手権の試合で、フォア前のボールをツッツキで処理したために随分損をした。

 大会後、この点の解決が迫られてきた。試みとして小さい払いや、軽い払いなどをやってみたが、あまり気に入らなかった。

 ピッチの速い払いは威力があっていいと皆は言っていたが、私のような戦型の選手は世界選手権の試合で払いを多くまぜて使うことは難しいと思った。というのは相手のペースを狂わせる効果を持つ反面、自分の調子も狂いかねないと思ったからだ。

 ではどうすれば良いか、いろいろ考えた末、”はねる”という手を思いついた。これは払いほどの強さと重さはないが相手の返球を難しくさせ戦術的にも通用する技術だ。受け身に立たされやすいツッツキに比べて、変化を求めたり、ラリーを続けたり、攻めるすきを狙うためにも使えるということはすでに実践で立証されている通りだ。

 私はこのことを通じて何でも、うのみにするのは禁物で自分の必要と事情に合わせて選択することが大事と悟った。体の大きい人の服を体の小さい自分が着ても、足手まといになるのと同じだ。

郭躍華自伝07***新しい技術の誕生***

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