The biography of Gou Yuehua

05-02/14

2.初めての日本訪問で生涯戒めになったこと

 日本、優勝カップ、花束、フラッシュに囲まれ、記者、友人、見送りの人でごった返す成田国際空港。私は感激で胸がいっぱいだ。1983年は私の人生にとってとても重要な年だった。

 高くそびえて金色に輝く名誉の塔に向かって一歩一歩登り続け、遂にその頂点に立ったこの時、私はまたその原点に戻ったように感じた。以前は自分が小さな存在だったと思ったことがあるが、それは自分がまだ未熟だったからで、今でも自分が小さな存在だと思っているのは自分の視野が広くなったからだ。

 10年前、私が初めて訪れた国は日本だったが、10年後、卓球生涯を終える直前の一コマもやはり日本だった。10年前、日本訪問を終えて帰国の途につく前も私はここに立っていた。大きく目をあけて、ぽかんと周りを見廻していたが、読めるのは日程表に書かれた「1972年11月」というアラビア数字だった。

 しかし、初めて異国の土を踏んだ私にとって生涯の教訓となったことは、無知でもなければ、卓球技術とも関係無く、それは私の生涯を台無しにするところだった。

郭躍華自伝05***思い出の日本遠征***

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