The biography of Gou Yuehua

03-06(Last)/14

6.体育学校の解散

 1966年、厦門市少年体育学校は解散となり、湯先生も福建省西部の山間地に行くことになった。結ばれたばかりの卓球との良縁はあっけなく立ち切られた。しかし卓球への未練は切れない。私は何も分らず、ただ、このショックに身の世もない思いばかりさせられた。聞き慣れたあの懐かしいボールの音も遠くから流れてくるこだまのように聞こえ、周りのものがすべて消え去り、静まり返った世界に1人だけとり残されたような寂しさだけがつきまとう。

 懐かしいボールの音が聞きたくて、壁に向かってボールを打ったり、地面にボールをついたりしてみたが、出る音は本物のそれとは違う。あまりの悔しさに捨てばちの気持ちにさせられ、ラケットもおもちゃ箱に投げ捨ててしまった。

 でも何といっても私は子供だった。子供がこうした悩みに打ち勝って、やがて私の生活にもう1つの新しい楽しみが出来た。隣の年上の子と一緒に毎日海辺で遊びふけるようになった。私達は水に潜って遊んだり、釣りをして楽しんだ。名前も知らない魚やカニなども沢山釣れた。でも魚を釣るのは、ちょっとした腕がないと出来ない。収穫の悪い時には、おとなしくてすぐかかるような淡水魚を狙ってダムの方へ移っていく。又、郊外の森へハンティングに出かける時もあり、鳥が主な獲物だったが、野良犬にも狙いをつけていた。

郭躍華自伝03***水が増える分だけ船があがる***

MENU / BACK / Next