The biography of Gou Yuehua

03-03/14

3.泣き虫No.1

 子供の頃の私はものごとに敏感だし、ややもすれば顔が赤くなり、泣く癖もあった。しかし、それでも負けず嫌いで、自尊心が強いという私の性格を表わすには不充分だった。

 この日、誰かの悪戯に湯先生は怒った。先生はみんなを呼んで来て、誰がやったのかを聞いたが、私は自分に疑いをかけられたらたまらないと思った途端に顔が急に赤くなってしまった。すると皆の視線が私の方に集まった。言い訳も出来ない悔しさに泣き出してしまった。

 又、ある日、試合からの帰りに渡し舟の上でのことだった。先輩の林さんが私達1人1人の手を強くつねって"痛い"と言うまで手を放さない。みんな痛い痛いと叫んだが私は黙って我慢して痛いと言わなかった。最後、彼もしようがなく手を放した。途端に痛くて泣いてしまった。

 その頃の私はゲームに負けると涙が出るのだった。体育学校では私より年上の生徒の中に強い人も多く、余計に泣いたものだった。上級生の林さんは皆の前で改まった調子で
「郭躍華は1日に少なくとも5回泣く」と私のラケットの裏に書いた。それを見て、私は又泣き出した。

郭躍華自伝03***水が増える分だけ船があがる***

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