The biography of Gou Yuehua

03-01/14

1.真面目さと責任感

 誠実は、いざという時に、その持主に思わぬメリットをもたらしてくれるものだ。

 ある日の午後、湯先生は病気中の生徒のお見舞いに鼓浪嶋へ出かけることになり、その前に私達1人1人の事情に応じて宿題を残しておいた。私の宿題というのは、フォア打ちを500回以上打ち続けることだったが、その日はどういうわけか調子が悪く、500が近づくと変なところでミスが出たりして、なかなか500まで続かない。

 時間が刻々と経っていく、大粒の汗が頬をぼろぼろ流れ落ちてくる。そして12時になった。

 「もういい加減にしようよ、湯先生が見ている訳でもないしさ」相手の陳伯忠君はうんざりした様子で言った。

 私はしばらく考えたが、ひとまずラケットを置くと、食堂へ走っていった。そして食事を済ませたばかりの鄭伯銘君を引っ張りだして練習相手をさせた。こうして、又練習を始めたのだが、私の意気込みにボールも負けたのか、1、2、3とついに500回を達成した。「500」と叫びながら、卓球館を出ていく時は、晴々とした気持ちだった。

郭躍華自伝03***水が増える分だけ船があがる***

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