★「自書」にかんして・・・・・・・・・・
★ 運筆の補助を受けても、遺言者が証書作成時に自書能力があり、補助の程度が筆記を容易にするための支えとして添え手を借りたにすぎないときで、添え手をした他人の意思が介入した形跡のないことが筆跡のうえで判定できる場合には、その遺言は有効である・・・・・・・手が震えるので他人が手を添えるなどの手助けをした(最判昭和62・10・8 判時1258−64)。
★ 他人が書いた下書きを遺言者が筆写した遺言書は、遺言者に読解力があれば自書と解され有効である(仙台高秋田支判昭38.12.11下民集14−12−2522)。
遺言者が文字を解し得ない場合には無効と考えられる。
★ 遺言書の一部を他人が加除変更した場合、加除変更部分が僅少で付随的補足的なものに止まり、それなくしても遺言の主要な趣旨は表現されていて、遺言者の意思に従ってなされたときは、加除変更部分のみが無効となる(大阪高昭44.11.17 判時587−38)。
★「全文」にかんして・・・・・・・・・・・
★ 添付の財産目録のみがタイプ印書されていた事例でも、遺言は無効と判断された(東京高裁昭和59・3・22 判時1115 ないみたい)。