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特別受益の検討・・・・理解できたらページを消して戻ってください。
生前贈与された財産の評価方法
生前贈与された財産は、相続開始時の時価を以て評価する。
生前贈与された財産が、受贈者の故意過失により滅失毀損した場合には、それが相続開始時に贈与当時のままの形で存在するものとして評価する(民904)。
生前贈与された財産が、受贈者の故意過失によらないで滅失毀損したときは、滅失毀損した部分は初めから贈与されなかったものとみなす。
金銭は、物価指数により相続開始時の価値に換算する(最判昭51.3.18 家月28−10−50)。
具体的には、生前贈与された現金について、物価指数の変動を考慮し、総理府統計局「家計調査年表」および「消費者物価指数報告」にもとづいて、相続開始時の評価額を計算する。
具体的な金額について争いある場合・・・・・・・・・・ココ
2.現金の評価方法
不動産価額の変動の激しい時代には、物の受贈者と金銭の受贈者との間に計算上の不均衡を生ずるという問題がある。即ち、戦前もらった1万円はたいしたものであったが、現在は何ほどの値打ちもないのに、戦前、1000円で買ってもらった土地は現在何千万円もするとなると、遺産分割を公平に行うためには、受贈された現金の価値をどう計算したらよいかが問題となる。
そこで、現金については、受贈時と相続開始時の物価指数の変動を考慮するという説があり、生前贈与された現金について、物価指数の変動を考慮し、総理府統計局編「家計調査年表」および「消費者物価指数報告」にもとづいて、相続開始時の評価額を計算した例は多く、最高裁も遺留分算定の基礎の価額に、生前贈与された金銭を加える場合、相続開始時の貨幣価値に換算した価額をもって評価すべきものとしている(最決昭51.3.18 家月28−10−50)。
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8.贈与物件が滅失した場合の評価方法
贈与物件が相続開始時にはすでに滅失している場合もある。
(1)自然に滅失(たとえば、不可抗力で滅失)した場合には、異論もないではないが、贈与物件の評価額はゼロと解されている。つまり、贈与されなかったものと扱われる。
(2)受贈者が人為的に滅失(たとえば過失による滅失、他へ売却)などさせた場合には、「相続開始の当時なお現状のままで在るものとみなして」、相続開始時の評価額で算定する(民904)。一例をあげれば、贈与家屋を1000万円で他に売却していたが、売却しないでいれば相続開姑時に1500万円と評価されれば、右贈与家屋は1500万円と評価されることになる。