「新宿鮫・風化水脈」(大沢在昌・毎日新聞社)を読みました。
実はこれ、かなり前に買った本です。出版日を見てみたら「2000年9月」でした。
(ところで、本の発行日って未来の日付になってる時があるけど、誰かこれについてウンチクよろしく)
3年も寝かせてしまっていました。私の悪い癖です。
買うことで所有欲を満たしてしまい、おいしい食べ物(中身を読むこと)を後に回す癖があるのです。
主人公の鮫島はキャリア警察官という特別な階級に属しながら、上層部とのイザコザで出世の道を閉ざされた
(と言うよりは自ら蹴った)警部。本庁ではなく所轄の、新宿署の生活安全課(防犯?)に勤務しています。
捜査はいつも単独でおこない、理解者は課長と鑑識官の二人だけです。
まあ、あまり詳しくは書きたくないので、ぜひ読んでみてください。
全巻所有してるので、いつでもお貸しします。
シリーズ中4作がNHKでドラマ化されましたが、私は舘ひろしは「あぶないデカ」だと思ってるので、
全然イメージじゃありません。映画の真田広之の方が合っています。
ただ、恋人・晶役は映画の田中美奈子は論外。こっちはドラマの久松史奈とかの方が合ってるかも知れません。
1作目が当たったシリーズものだと、どうせ2匹目のドジョウを狙ってるんだろうと思われがちですが、
これは違うと思います。間隔が数年空くのはざらで、その間に練りに練ってる感じがします。
正直なところ、歴代の作品を詳しくは覚えていませんが、今回のは特に良かったように思います。
恋人の晶とは実は前作「氷舞」でちょっとやばい状況になって、今回の登場は少なめです。
その代わり、刑務所帰りのヤクザ・真壁とその恋人・雪絵、雪絵の母と元警察官の駐車場管理人、
今は仕事上のパートナーだが以前対立していた時真壁に撃たれた中国人(それで真壁は服役した)などがきっちりと描かれ、
むしろ鮫島は脇役かってなぐらい。いや間違いなく主人公なんですけどね。
さてこのハードカバー本、本文以外は、あらすじも後書きも何も書いてありません(参考文献だけ)。
で、先日ひょいと本屋へ寄ったらカッパ・ノベルスからも出ていて、後ろを読んだら
「新聞社刊の作品に加筆修正したものです」と書いてありました。
おいおいちょっと待ってよ、こっちの方が値段も安いし、どこが直されたのかも気になるし、
ハードカバー買ったメリットをあまり感じない……。いち早く読めただろうって?
私の場合読むのは買ってから数年後ってのがざらなので、あまり意味がありません。
やはり、絶版のおそれがない小説であれば、後から買うに限ります。