♪ 楽しいレッスンのための ワンポイントアドバイス

 

ピアノ購入について

レッスンの見学について

楽譜(音符)を読む勉強について

日々の練習について

ピアノのレッスンで育つこと

教則本、教材について

ソルフェージュ、及び絶対音感について

発表会について

初級を卒業し、中級となったときに・・・

 

ピアノ購入について

ピアノは、ピアノのレッスン内のみピアノを弾くのでは上達が難しく、ご自宅での反復練習が上達の鍵を握っております。 そのため、一般的なピアノ教室では、たとえキーボードでも、88鍵(本物のピアノと同じ数の88鍵の鍵盤数)の購入を勧めております。

良い音、豊かな表現力でピアノ演奏をするためには、繊細な音の違いを聴き分ける耳(センス)と鍛えられた打鍵力が必要です。
そのため、ピアノのレッスンを始めるのであれば、アコーステックピアノをお勧めします。

電子ピアノ(キーボード)は、デジタル技術により、音を作っています。その音色はいつも同じで、繊細な音楽の違いを表現することができません。 それに対して、アコーステックピアノは、打鍵をすると、指先の動きがハンマーに伝わり、ハンマーが弦を打って音を鳴らします。そのため、打鍵により音色が毎回異なるため、豊かな表現力を身につけることができます。

また、電子ピアノは、簡単に音が出てしまいますので、手の筋力を鍛えることが難しく、 また、打鍵と打鍵によって出てくる音との違和感により無理な力が生じるために、手首の柔軟性を身につけることができません。
アコーステックピアノは力んで弾いてしまいますと、全く響きません。楽に脱力しないと、良い音が出ないのです。 しっかりした「音」を出せるようになるまで時間はかかりますが、日々の練習の積み重ねで、必ずきれいな音が出せるようになります。 そして、同時に正しいフォームを身につける事が可能です。

参考までに、私自身、ピアノ教室運営と演奏活動を平行して行っており、そのような中で、練習時間が足りないと感じる日があります。 しかし、夜中でも弾くことのできる電子ピアノの購入は検討いたしません。

電子ピアノは、よく試弾をさせていただきます。 その中で感じることは、アコースティックピアノとのタッチの差よりも「電子ピアノだと音色のコントロールができない」ことが気になります。 電子ピアノは、「強弱」はつけることができます。 よく、「強弱=表現」と勘違いをしてしまうことがありますが、強弱ばかりが表現ではありません。
表現には、強弱のほかにも「音色」というものが必要なのです。 音色のコントロールの一例として、「うるさく鳴り響く強い音(悪いフォルテ)」と「豊かに響き渡る強い音(良いフォルテ)」を弾き分けることができません。 ピアノ演奏には、「うるさく鳴り響く強い音」を要求することはありません。 そして、「豊かに響き渡る強い音」は、耳のセンスを伸ばし、テクニックを身につけることにより奏でる事ができます。 従って、音色のコントロールができない電子ピアノでは、どうしても限界があるのです。

もちろん、「譜読みの練習に・・・」と考えたことはあります。

しかし、音色や響きを第一に考え,演奏(練習)したいと思うと、 たとえ譜読みのみでも、電子ピアノでの練習は自分にとってプラスになるものとは思えず、 電子ピアノで練習するよりも、楽譜をよく見るなどといったことを選択いたします。

とはいえ、住宅事情などでアコーステックピアノをご自宅に設置することが難しい場合もあるかと思います。 ピアノの購入に関しては、それぞれの住宅事情を踏まえ、何を優先するか、何を妥協するのかということを一緒に考えて、提案させていただきます。

当教室では、「与えられた環境の中で、精一杯学んでいくこと」が一番大切だと考えているため、 電子ピアノしか置けないなどという理由で、レッスンをお断りするようなことは決してございませんが、 私自身の考えとして、電子ピアノについてはこのように考えております。

 

レッスンの見学について

当教室では、導入の時期の段階では、特別な事情がない限り、保護者さまにレッスンの見学をしていただきたいと考えております。4歳から小学校低学年までを目処にお考えください。

理由としましては、幼児や小学校低学年のお子様の場合、講師の説明を、その場では理解をすることができたとしても、一週間忘れずにご自宅で実践することに限界があります。 例えば、レッスンでアドヴァイスした練習方法や手解きした指使い等々、お子様にとっては「どうしてそのようなことが必要なのか」を、なかなか理解ができず、自己流になりがちです。 そして、練習が自己流となれば、当然練習自体が捗らず、自信を喪失してしまうこともあります。

時々で構いません。ご自宅でお子さまが練習する際、保護者さまもご一緒に確認していただけると、次回レッスンまでの練習が非常に有意義になります。 練習が有意義になれば、確実に、そしてより早く技量の向上へと繋がっていきます。

決して、保護者さまがご自宅でレッスンするということではありません。 技術的な「指導」をするのではなく、かといって「放置」するのでもなく、うまく精神的なフォローが出来ることが上達への近道です。

※ピアノレッスンの実技的なサポート(例えば‘保護者さまがお手本を弾いて聞かせてしまうなど、いわゆる「耳コピ」をさせてしまう’、‘保護者さまが先にどんどん音符を読み進めてしまい、お子さまがご自身で音符を読むことをしないですむ状況になってしまう’等々)をするのではなく、隣で保護者さまが気持ちよさそうに聴いてくれる、お子さまの演奏をほめてあげるなど、精神的なサポートが必要かと思います。

私自身は、保護者さまによる実技的なサポートは上達の妨げになると考えております。

理由は下記三点です。
・ピアノは自分自身で欠点と向き合い克服をしなければなりません。 一度、他人に頼ってしまう癖がついてしまうと(耳コピや読譜を頼るなど)、一人では、なかなか根気よく練習するということが難しくなります。
・ピアノ講師の方針とずれてしまう可能性があります。
・その生徒さんの実力をピアノ講師が勘違いをし、いずれそのことが生徒さんご自身の負担になります。

ただし、自己流の練習になってしまったり、ピアノ教師の要求と間違えた方法での練習をしてしまっている場合(例えば、「ゆっくり、ていねいに、少しずつ練習してね」との指示をすっかり忘れ、速く間違いだらけで最後までだらだらと練習してしまう場合など)は、ぜひ、一言助言をしていただきたいと思います。 保護者さまに、お子さまの練習の確認をしてほしいということは、このようなことを指します。

そのようなことから、「保護者さまもレッスンを見学し、レッスン内容を把握すること」をお勧めします。 保護者さまがレッスン内容を把握していないと、講師の指導の方向性を理解することが難しく、それにより、講師と保護者さまのズレが生じてしまうことや、フォローの仕方が分からないなど、保護者さまが戸惑う原因となります。

ピアノは、レッスンの時間内だけでは上達の難しいお稽古事です。 そして、年齢的にも沢山の事柄を吸収することの出来る導入期に、いかに「練習の習慣をつけること」「質の良い練習方法を身につけること」ができることが、その後の成長に大きく反映されてきます。

勿論、付きっ切りになる必要はありません。 大切なことは、「毎日の練習の精神的なフォローをすること」、「練習を自己流にしないこと」です。

ピアノは、一人で練習できるようになることが目標であり、一人で練習できるようになることで、弾ける曲の幅も広がり、ピアノ演奏の楽しさを味わうことができるようになります。 最終的には、お子さまがお一人でレッスンを理解しようという姿勢になることが重要です。 しかしそれは、まだ未就学のお子さまや小学校低学年のお子さまには難しいかと思います。 幼少時にしっかりと練習をすることを身につければ、小学校3,4年生くらいになれば一人でピアノの練習をできるようになります。 それまでは保護者さまのご協力があったほうが、より早い上達へと繋がっていきます。

保護者さまが、ピアノや音楽の経験をお持ちでなくても、全く問題ありません。 ピアノが、ご家族にとってコミュニケーションのひとつとなることが、ピアノ講師として幸いなことです。 「保護者さまがご自宅でもレッスンを行って下さい」ということではなく、お子さまが、練習できる環境を作っていただけるように協力をしてほしいと思います。 「一緒に音楽を楽しんでいる」「いつもお子さまをあたたかく見守り応援している」、そのような保護者さまの愛情が、お子さまをやる気にさせ、練習をする習慣をつける手助けとなることと思います。

 

楽譜(音符)を読む勉強について

  ピアノの練習が捗らず、嫌気がさしてしまう原因のひとつに、「楽譜が読めないこと」が 挙げられます。 導入期は、その後、音楽の道に進む、進まないに関わらず、とても重要な時期となります。 この時期の学習がスムーズにいくことにより、より楽しいピアノライフを送れるようになります。

譜読み(楽譜を読むこと)は、結論から申してしまいますと、「数をこなすこと」が最も近道です。

小さなお子さまたちを、数年に渡り指導させていただいた中で感じたことではありますが、未就学のお子さま(平仮名、カタカナ、数字をまだ覚えていないお子さま)が、週一回のレッスンのみで、短期間でお一人で譜読みができるようになるということは、どうしても無理があります。。 それは、まだ「学習の仕方」の経験が浅いため、どのように勉強して良いのかが分からないというように見受けられます。 また、「何もしなくても、いつかはすらすら読めるようになる」と勘違いをしてしまうお子さまもいらっしゃいます。

音符も、平仮名や漢字の練習のように、数をこなして覚えていくものです。 しかし、ひとつひとつ、根気よく読んでいく忍耐力は、この時期のお子さまには大変なことです。 譜読みで躓いてしまいますと、今後のやる気を大きく削いでしまう原因となります。 そのようなときは、ぜひ保護者さまもお子さまの練習に積極的にご協力いただければ、より早く楽譜に慣れることができます。

当教室には、全く音符の読めない初心者の生徒さんが多く通われます。 勿論、レッスン内にて、丁寧に手解きさせていただきますし、幼少時でも、根気強く、時間をかけて、ご自身だけの力で身につけた生徒さんもいらっしゃいます。 しかし、より早く上達(読譜力を付ける)するには、ご自宅での練習にて保護者さまの協力をいただくことも、ひとつの方法かと考えております。

※譜読みに関しては、人により、得意不得意があるものです。 小学生のうちは、焦らず気長に見守ることも、時として大切なことかもしれません。 最初は、数えながらしか読めなくても、小学高学年くらいになれば、例え譜読みが苦手でも、時間が多少かかっても、確実に一人で読めるようになってきます。 ちなみに、譜読みを克服するには、やはり数をこなすことが一番です。

※音符を覚えるトレーニングとして、可愛らしいかるたのようなカードも市販されています。 当教室にも見本がございますので、どうぞお気軽にお問い合わせいただければ幸いです

 

日々の練習について

ピアノは、ご自宅での日々の練習が上達の鍵を握っています。 週1回のレッスンと週6回のご自宅での練習がうまくリンクしたとき、技術が一段と向上します。 そのため、レッスンと練習のどちらかが欠けてしまうと、上達は途端に難しくなってくるお稽古事です。

練習は、キツく、忍耐力の必要な作業です。 特に、幼少期のお子さまが、自らピアノに向かうことは、なかなか難しい事かと思います。

そこで、まずは「練習を習慣付けにする」ことをお勧めいたします。

もし可能であれば、毎日の練習時間(毎日18時からなど)と決めます。 練習時間になったら、たとえテレビを観ていても、遊んでいても、それらを中断してピアノに向かいます。 ピアノに向かえば、たとえ短い練習時間でも、ピアノを練習するかと思います。

ポイントとしましては、例えば「水曜日は塾があるから練習しなくてもよい」と保護者さまが提案しないことです。 予定がある曜日は、住宅事情が許される環境であれば少し早起きして朝練習する、そのようなことが難しいときは、 せめて楽譜だけでも目を通す・・・など、練習を投げ出さずに工夫をすることが重要です。

また、小さなお子さまにとって、「塾などが理由で練習できない」ことと、 「遊び(サボり)が原因で練習できない」の違いがまだ理解が難しい時期です。 そのような時期に、保護者さまがそのような提案をしてしまいますと、 お子さまは「用事があったり、やりたくないときは練習しなくても良い」と勘違いをする原因となります。

導入期であり、幼少期である時期は、何十分も練習する必要はありません。 それよりも、まずは「練習を習慣付けること」にウェイトを置き、たとえ10分でもピアノに向かうことが大切だと考えております。 そして、この時期に練習を習慣付けることができれば、自信に繋がり、小学校3、4年生くらいになれば、自然と自ら練習するようになります。

※ 練習する習慣付けには、「練習できた日にはカレンダーにお気に入りのはんこやシールをつける」などといったことも、 お子さまにとって励みになります。

 

ピアノのレッスンで育つこと

一般的なピアノのレッスンで育つことは、「忍耐力」「集中力」「礼儀作法」です。

♪ 忍耐力

ピアノはレッスンに通うのみでは上達が難しく、毎日の練習を、いかに効率よくするかにかかってきます。 忙しい中でも、自分で工夫してピアノの練習時間を確保しなければなりません。 「忙しいから練習できない」ということを毎週繰り返してしまいますと、どんどん遅れてしまいます。 毎日の反復練習が上達の鍵を握っていますので、多くのピアノ教室では、ご在宅用のピアノの購入を勧めています。 そして、練習中も良いことばかりでなく、必ずスランプにぶつかることがあります。 ようやく出来るようになっても、次の日になったらまた出来なくなって悔しく思うこともあります。 そのようなとき、諦めずに根気よく問題を解決していこうとする努力や頑張る心が、ピアノのレッスン、練習で育つのです。

♪ 集中力

ピアノの演奏には、集中力がとても重要です。 特に、人前へと出た時、集中力を維持するのはとても大変な事です。 ピアノは両手10本の指を使い、演奏します。 指はばらばらな動きをし、それだけでなく、楽譜覚えなければなりません。 その上で、「美しく」演奏するのです。指を動かして、頭で楽譜を思い描いて、耳で「今鳴っている音楽を聴く」。 これを同時にするのが、楽器の演奏です。 ただでさえ、その集中を保つのは大変なのですが、これが発表会など、人前でとなったとき、緊張という魔物が襲いかかり、 集中どころでなくなる場合が少なくありません。 そのような「緊張」の中で今までの成果を出すということ、「緊張」を克服するという機会は滅多に体験できません。 このような機会を幼少時に体験するということは、精神(心)が成長する中で、とても有意義なことだと、私は強く思います。

♪ 礼儀作法

「芸事は、‘礼’に始まり、‘礼’に終わる」
というように、ピアノのお稽古を通して、たくさんの基本的な挨拶が必要となります。 レッスンが始まるとき、終わるとき。レッスン室に入室するとき、退室するときは勿論ですが、 レッスン室で、前にレッスンしていた生徒さんに会ったときの「おつかれさまでした」。 後にレッスンする生徒さんに対しての「お先に失礼します」。 もしくは、自分のレッスンが延びてしまい、お待たせしてしまったときの「お待たせしました」。 これらの挨拶は、相手を気遣い、声をかけるというところが大切だと思います。 相手を気遣う優しい心が、やがては豊かな心に育ち、美しい音楽を奏でる源へと、大きく発展すると私は考えております。

 

教則本、教材について

体験レッスン時、及び、ご入会時にも説明をしておりますが、こちらでもご説明いたします。

♪ 教則本について

指導方針の項目でご説明いたしました通り、当教室では下記三点に重点を置いて指導をしております。

・脱力、及び、手首や指の形等々、正しい弾き方
・音符の読み書き
・音楽性、客観的に自分の音を聴けること

そのために、特に初心者の生徒さんには“無理なく弾ける曲”を選択し、正しいフォームを覚えていただくまで、手に無理をかけることなく弾くことを目的とした指導をしております。 また、譜読みに関しましては、一度に多くの音符を覚えていただくのではなく、少ない音符から徐々に覚える音符の幅を広げたいと考えております。 上記を踏まえ、当教室では常に教則本の研究をしております。 そして、各生徒さんに適した方法での指導を目指し、そのときに一番教えたいことが効率的に学べる教則本を選択しております。

教則本は、良い点、悪い点、それぞれあります。 見方によっては、激しく批判される教則本があることも存じ上げております。 ご不安な時は、どうぞ遠慮なくお問い合わせくださいませ。 尚、ご希望の教則本がありましたら、ご相談ください。 すべてがご希望通りとはいかないときもございますが、ご希望は考慮したいと考えております。

♪ 教材について

当教室では、楽典や音楽理論、聴音やリズム練習を学ぶために、市販の教材のほかにも、手作りの教材をご用意しております。 これは、今までの指導の中で“このような教材があると便利”“このような教材は興味を持ってもらえるかしら・・・”と、研究を重ねて作成しております。 お子さまの場合は、手作りのスタンプカードや賞状などを作成し、達成感を味わえるように、また、さらに頑張っていただけますように、との願いを込めて作成しております。

ちいさなお子さまがいつまでも楽しくレッスンに取り組めますように、日々研究しております。

 

ソルフェージュ、及び絶対音感について

絶対音感とは

絶対音感とは、ある音を単独に聞いたときに、その音の高さ(音高)について音楽で決められた名前(音名)を、他の音と比較せずに即座に言い当てることができる感覚である。 別名として「絶対的音感」、「絶対的音高感」などがある。
(Wikipediaより抜粋)

 

ソルフェージュとは

ソルフェージュとは、西洋音楽の学習において、楽譜を読むことを中心とした基礎訓練を言う。 類義語にリトミックがあり、どちらも広い意味においては、音楽を学ぶ者すべてがその専門にかかわらず修めるべき基礎訓練全般を指すが、 どちらかというと、リトミックが体の動きと音とを結びつけた、リズムを中心とした訓練を指すのに対し、 ソルフェージュは楽譜を中心とした音楽理論を、実際の音に結びつける訓練を指す。 これらの訓練を通じて得られる能力、特に読譜能力はソルフェージュ能力と呼ばれる。
(Wikipediaより抜粋)

要するに絶対音感とは、他の音と比べなくても瞬時にその音の高さが分かる能力を指し、 ソルフェージュとは、「うた」をうたうことによって、耳と身体で音楽を感じる能力を指します。 ソルフェージュのカリキュラムには、聴音、新曲視唱などがあります。聴音とは、聞こえてくる旋律(メロディー)、 和音(ハーモニー)進行等々を五線紙のノートに書き取ることを指し、新曲視唱とは、初めて見る楽譜を、初見で歌うことを指します。

♪ 絶対音感について

「絶対音感は幼少時でなければ身につけることができないのか?」 「絶対音感が身についていないと楽器の演奏に支障が出るのか?」などという質問をよく受けることがあります。

確かに、絶対音感は幼少時に身につくと言われております。成人よりも幼少時のほうがたやすく身につくのも事実です。 しかし、自分自身の経験上、ある程度成長してからも、訓練努力次第で、きちんと聞き分けられる能力を身につけることが可能です。 また、絶対音感とは「瞬時にその音の高さが分かる能力」ですので、それが楽器の演奏で一番大切なものではないと考えております。 そのために、個人的な意見としては、絶対音感は必ずしも楽器の演奏に必要不可欠の能力とは考えておりません。

♪ ソルフェージュについて

楽器の演奏に必要な能力は、「自分自身が奏でている音を聴けること」、「楽譜をよく読み、理解すること」「楽器を演奏する上でのテクニック」です。
そのため、ソルフェージュはピアノの演奏には欠かせない能力であり、ソルフェージュ力があるのとないのとでは、音楽に対する理解力、演奏能力が変わってきます。

「自分自身が奏でている音を聴けること」

鳴っている音を単独で聴くことが大切なのではなく、音と音のつながりによって美しい音楽となることが大切です。 自分の奏でる演奏を良く聴くことにより、譜読みのミスにも気が付きやすく、演奏上の表現(レガートやスタッカート、強弱等々)にも気をつけることが可能です。 それは、「うたうこと」がたやすくなり、気持ちの良い演奏につながっていきます。

「楽譜をよく読み、理解すること」

ソルフェージュのカリキュラムである、「聴音」や「新曲視唱」により、音符(楽譜)の読み書きを頻繁に行うことにより、譜読みに慣れることが可能です。 また、音符の音名(ド、レ、ミなど)を読むだけではなく、同時にリズム(何拍のばすか、何拍休むかなど)も身につけることができます。 また、「音楽理論」という言葉(カリキュラム)があるように、音楽には理論(きまりごと)があります。 音楽理論を学ぶことにより、曲(楽譜)をよくかみ砕き、理解していくことが、良い演奏に繋がっていきます。 (調性、主題(テーマ)、和音の構成等々)

曲を理解することは、音楽を美しく奏でることに、欠かすことのできない能力です。

「楽器を演奏する上でのテクニック」

曲を理解し、どう表現したいかが明確になると、音楽表現にあわせたテクニックが必要となります。 例えば、強弱ひとつとっても、どのようなフォルテがほしいのか、または、どうして弱くしたいのか。 また、三回同じメロディーが出てきた場合は、三回をどう弾くことにより、センス良く演奏できるのか・・・等々。 曲を理解することにより、演奏に対して積極的に取り組むようになります。 そして、美しく演奏するために、テクニックを身につけるために、目標が明確となり、練習メニューに工夫が出てきます。

 

当教室では、どのコース、レベルでも、“きちんと弾く”事がモットーです。 そのためには、音楽的知識が必要と考えております。 このような指導方針により、お子様の場合は聴音、ソルフェージュなどもレッスン内容に含まれます。 ソルフェージュによって、耳と身体で音楽を感じることが大切と考えております。 大人の方や、小学高学年くらいの生徒さんには、楽典も教えていきます。 (本科の場合になります。 別途で専門的にソルフェージュ、楽典を学ぶコースもございます。)

 

発表会について

♪ 発表会について

演奏技術のみでなく、「舞台上で美しく魅せる立ち振る舞い」「人前で堂々と弾く度胸」を身につけていただきたいという思いから、 当教室では、定期的に発表会を行い、人前で腕前を披露する機会を設けております。 また、ステージに立つ者の礼儀として、「花束の受け取り方」「洋服の扱い方」など、ステージマナーのご指導もいたします。

♪ 発表会で育つこと

発表会で育つことは、たくさんあります。 その中でも、「度胸」「一人でやり遂げる強さ」「良い演奏をする努力」「よく魅せるための所作」などを意識的に行うことや、 一つ舞台経験を積むことにより、精神力、演奏技術共に、能力が上がります。

発表会に向けて、決まった曲を決まった日時までに仕上げなければならないという課題は、 とても責任感のあることでもあり、プレッシャーになるかと思います。 しかし、それを成し遂げる事により、得る物も大きいかと思います。 また、幼いお子様でも、普段のご自宅での練習やレッスン室とは違う、響きの良いホールでの演奏は、 とても新鮮で、「自分の音を聴く」ことが出来るようになり、ホール演奏前と後では、音色が全く変わってきます。

「若い頃の苦労は買ってでも・・・」などと言うように、ピアノレッスンにおいての発表する機会は、買ってでもするべきなのかもしれません。 そのくらい、舞台から学べるものは、大きいものです。 発表会は、楽しい思い出となることが一番ではありますが、レッスンの一環として、演奏技術向上、精神力向上のプログラムでもあるのです。

 

初級を卒業し、中級となったときに・・・

初級を卒業するレベルとは、
・ひとりで楽譜が読めること
・ひとりで練習ができるようになること

このようなことが挙げられます。
当教室で例えるならば、導入期の教則本が終了することも一つの目安としております。

中級になりますと、レッスンの内容が少し高度となってきます。
・テクニック
・ソルフェージュ力
・楽曲の理解

このようなことを、今まで以上に求め、レッスン内で扱う教則本も、ツェルニーやハノンを導入することによりテクニック強化をし、 ブルクミュラーとプレ・インベンションの2冊の教則本で、タイプの違った楽曲を勉強していきます。 もちろん、今まで通りソルフェージュのトレーニングとして、新曲視唱(こどものためのソルフェージュ)、及びノートの書き取りも行います。

たくさんの曲を併用する理由として、「たくさんの曲をよりこなすことにより、譜読み力の強化」が挙げられます。 テクニック強化のための教則本、楽曲理解のための教則本等々、「教則本の持つそれぞれの特徴」を生かすことはもちろんあります。

よりピアノを上達するには、たくさんの楽曲に触れることが一番の近道であります。 例えば、英語で例えるなら、英単語を一生懸命覚えてもなかなか英会話をすることができないなどといったことをよく耳にします。 ピアノも同じで、よりたくさんの楽曲に触れることが、ピアノ演奏の技術向上に繋がっていくのです。 また、課題が増えればより効率よく練習することが不可欠となり、練習の意味を一つずつ丁寧に考えていくきっかけともなります。

そのため、1冊の教則本のみでなく、複数の教則本を採用し、レッスン内で取り上げていきます。