2004年に翻訳された英国ミステリー

本年のベスト5
(1)『最期の声』(ピーター・ラヴゼイ)
(2)『月が昇るとき』(グラディス・ミッチェル)
(3)『名無しのヒル』(シェイマス・スミス)
(4)『血に問えば』(イアン・ランキン)
(5)『ホーネット、飛翔せよ』(ケン・フォレット)

本年の特徴
前年の10月からから始まった新版<クリスティー文庫>は、本年の11月に100番目を出して完結した。その100番目の作品『アガサ・クリスティー百科事典』の刊行に協力したため、今年は例年ほどは読書に時間を割けなかったが、年末にガンバッテ、なんとか50冊近くは読むことができた。トップはダイアモンド警視の『最期の声』としたが、それほどの傑作ではない。全体的な印象をいえば、今年はあまりレベルが高くないと言えそうだ。「このミス」などでは、『荊の城』と『蛇の形』という女性作家の作品の評価が高いが、星4つにしたものの、個人的にはベスト5の次点ぐらいか。論創社より海外ミステリの翻訳が出版され始めたのも注目すべきこと。質はいまひとつだが。

題 名 原作者 翻訳者 出版社 面白度
『迷宮の暗殺者』 デイヴィッド・アンブローズ 鎌田三平 ソニーマガジンズ ★★★
『訣別の弔鐘』 ジョン・ウェルカム 岩佐薫子 論創社 ★★★
『荊の城』 サラ・ウォーターズ 中村有希 東京創元社 ★★★★
『蛇の形』 ミネット・ウォルターズ 成川裕子 東京創元社 ★★★★
『暗い広場の上で』 ヒュー・ウォルポール 澄木柚 早川書房 ★★
『迷宮の舞踏会 』 ロス・キング 河野純治 早川書房 ★★
『地獄の世紀』上下 サイモン・クラーク 夏来健次 扶桑社  
『トフ氏と黒衣の女』 ジョン・クリーシー 田中孜 論創社 ★★
『シリウス・ファイル』 ジョン・クリード 鎌田三平 新潮社 ★★★
『大聖堂は大騒ぎ』 エドマンド・クリスピン 滝口達也 国書刊行会 ★★★
『ブレイン・ドラッグ』 アラン・グリン 田村義進 文藝春秋 ★★★
『フレンチ警部と漂う死体』 F・W・クロフツ 井伊 順彦 論創社 ★★★
『売り込み』 ダグラス・ケネディ 中川聖 新潮社  
『顔のない女』上下 マーティナ・コール 小津薫 講談社  
『プリーストリー氏の問題』 A・B・コックス 小林晋 国書刊行会 ★★★
『霧けむる王国』 ジェイン・ジェイクマン 長野きよみ 新潮社 ★★★★
『夢の破片』 モーラ・ジョス 猪俣美江子 早川書房 ★★★★
『美しき囮』 トニー・ストロング 橋本夕子 角川書店 ★★
『キリンの涙』 アレグザンダー・マコール・スミス 小林浩子 ソニー・マガジンズ ★★★
『ネプチューンの剣』 ウィルバー・スミス 上野元美 ソニーマガジンズ ★★
『名無しのヒル』 シェイマス・スミス 鈴木恵 早川書房 ★★★★
『鷲の巣を撃て』 マリ・デイヴィス 真野明裕 二見書房 ★★
『オリーブの真実』 リンゼイ・デイヴィス 田代泰子 光文社 ★★★
『水路の連続殺人』 リンゼイ・デイヴィス 矢沢聖子 光文社 ★★★
『シャーロック・ホームズ対切り裂きジャック』 マイケル・ディブディン 日暮雅通 河出書房新社 ★★★
『天使の遊戯』 アンドリュー・テイラー 越前敏弥 講談社 ★★★
『北極星号の船長』 コナン・ドイル 北原尚彦・西崎憲編 東京創元社 ★★★
『閘門の足跡』 ロナルド・A・ノックス 門野集 新樹社 ★★
『絹靴下殺人事件』 アントニイ・バークリー 富塚由美 晶文社 ★★
『1983 ゴースト』 デイヴィッド・ピース 酒井武志 早川書房 ★★
『白い恐怖』 フランシス・ビーディング 山本俊子 早川書房 ★★★
『審判の日』 ジャック・ヒギンズ 黒原敏行 角川書店 ★★
『死の笑話集』 レジナルド・ヒル 松下祥子 早川書房 ★★★
『アヴェンジャー』 フレデリック・フォーサイス 篠原慎 角川書店 ★★★
『サーズデイ・ネクスト2さらば、大鴉』 ジャスパー・フォード 田村源二 ソニーマガジンズ ★★★
『終わりなき負債』 C・S・フォレスター 村上和久 小学館 ★★★
『ホーネット、飛翔せよ』 ケン・フォレット 戸田裕之 ソニーマガジンズ ★★★★
『奇術師』 クリストファー・プリースト 古沢嘉通 早川書房 ★★★
『城壁に手をかけた男』 ブライアン・フリーマントル 戸田裕之 新潮社 ★★★
『爆魔』 ブライアン・フリーマントル 松本剛史 新潮社 ★★
『十六歳の闇』 アン・ペリー 富永和子 集英社 ★★★★
『怪奇礼讃』 E・F・ベンスン 他 中野善夫・吉村満美子 編訳 東京創元社 ★★★
『あの薔薇を見てよ:ボウエン・ミステリー短編集』 エリザベス・ボウエン 大田良子 ミネルヴァ書房 ★★★
『二人で泥棒を ラッフルズとバニー』 E・W・ホーナング 藤松忠夫 論創社 ★★
『容疑者たちの事情』 ジェイニー・ボライソー 山田順子 東京創元社 ★★★
『パンプルムース氏対ハッカー』 マイケル・ボンド 木村博江 東京創元社 ★★
『殺しの迷路』 ヴァル・マクダーミド 森沢麻里 集英社 ★★★
『月が昇るとき』 グラディス・ミッチェル 好野理恵 晶文社 ★★★★
『四日間の不思議』 A・A・ミルン 武藤崇恵 原書房 ★★★
『独房の修道女』 ポール・L・ムーアクラフト 野口百合子 扶桑社 ★★★
『SAS特命潜入隊』 クリス・ライアン 伏見威蕃 早川書房 ★★★★
『最期の声』 ピーター・ラヴゼイ 山本やよい 早川書房 ★★★★
『絞首台までご一緒に』 ピーター・ラヴゼイ 三好一美 早川書房 ★★★
『貧者の晩餐会』 イアン・ランキン 延原泰子 早川書房 ★★★★
『血に問えば』 イアン・ランキン 延原康子 早川書房 ★★★★
『リリーからの最後の電話』 トビー・リット 雨海弘美 ソニーマガジンズ  
『探偵学入門』 マイクル・Z・リューイン 田口俊樹 早川書房 ★★★
『探偵家族/冬の事件簿』 マイクル・Z・リューイン 田口俊樹 早川書房 ★★★
『怪人フー・マンチュー』 サックス・ローマー 嵯峨静江 早川書房 ★★
『リジー・ボーデン事件』 ベロック・ローンズ 仁賀克雄 早川書房 ★★
『渇いた季節』 ピーター・ロビンスン 野の水生 講談社  
『南太平洋、波瀾の追撃戦』上下 パトリック・オブライアン 高橋泰邦・高津幸枝 早川書房  
『攻略せよ、要衝モーリシャス』上下 パトリック・オブライアン 高津幸枝 早川書房  
『快速カッター発進』 ジュリアン・ストックウィン 大森洋子 早川書房  
『起爆阻止』 ダグラス・リーマン 高沢次郎 早川書房  

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