2003年に翻訳された英国ミステリー

本年のベスト5
(1)『魔性の馬』(ジョセフィン・テイ)
(2)『黒い犬』(スティーヴン・ブース)
(3)『死者との対話』(レジナルド・ヒル)
(4)『心地よい眺め』(ルース・レンデル)
(5)『姿なき殺人』(ギリアン・リンスコット)

本年の特徴
本年に出版された英国ミステリーの総数は60冊を越えている。バブル崩壊後の傾向として冊数は漸減傾向にあったが、どうやら60冊前後が底のようでもある。今年のベスト5のトップに押した『魔性の馬』は旧作で、その意味では新作の出来がいまひとつの感がある年ともいえる。「このミス」などの他のベスト選で評価の高い『半身』はそれなりに面白かったが、私の肌に少し合わないのでベスト5には入れていない。『魔性の馬』以外にも『バルカン超特急』を紹介するなど、珍しく本年は小学館の活躍が目立った。

題 名 原作者 翻訳者 出版社 面白度
『運命の息子』 ジェフリー・アーチャー 永井淳 新潮社 ★★★
『閉じた本』 ギルバート・アデア 青木純子 東京創元社 ★★★
『無邪気な人求む』 マージェリー・アリンガム 越智めぐみ 早川書房 ★★★
『幻のハリウッド』 デイヴィッド・アンブローズ 渡辺庸子 東京創元社 ★★★★ 
『スパイは異邦に眠る』 ロバート・ウィルスン 田村義進 早川書房 ★★★★
『塩沢地の霧』 ヘンリー・ウェイド 駒月雅子 国書刊行会 ★★★
『カッティング・ルーム』 ルイーズ・ウェルシュ 大槻 寿美枝 早川書房 ★★★
『半身』 サラ・ウォーターズ 中村有希 東京創元社 ★★★★
『反逆部隊』 ガイ・ウォルターズ 横山 啓明 早川書房 ★★★
『フリント』 ポール・エディ 芹澤恵 新潮社 ★★
『廃墟の歌声』 ジェラルド・カーシュ 西崎憲他 晶文社 ★★★
『殺す警官』 サイモン・カーニック 佐藤耕士 新潮社 ★★★
『アイリッシュ・ヴァンパイア』 ボブ・カラン 下楠昌哉 早川書房 ★★★
『捕虜収容所の死』 マイケル・ギルバート 石田善彦 東京創元社 ★★★★
『スモールボーン氏は不在』 マイケル・ギルバート 浅羽莢子 小学館 ★★★
『死の連鎖』 ポーラ・ゴズリング 山本俊子 早川書房 ★★★
『石に刻まれた時間』 ロバート・ゴダード 越前敏哉 東京創元社 ★★★
『秘められた伝言』 ロバート・ゴダード 加地美知子 講談社 ★★
『死せるものすべてに』上下 ジョン・コナリー 北澤和彦 講談社  
『ロンドン・ノワール』 マキシム・ジャクボヴスキー編 田口俊樹 扶桑社 ★★★
『睡蓮が散るとき』 スザンナ・ジョーンズ 阿尾正子 早川書房 ★★★
『No.1レディーズ探偵社、本日開業』 アレグザンダー・マコール・スミス 小林浩子 ソニー・マガジンズ ★★
『あやつられた魂』 ステラ・ダフィ 柿沼瑛子 新潮社 ★★★
『反撃』 リー・チャイルド 小林宏明 講談社 ★★
『魔性の馬』 ジョセフィン・テイ 堀田碧 小学館 ★★★★
『密偵ファルコ 砂漠の守護神』 リンゼイ・デイヴィス 田代泰子 光文社 ★★★
『密偵ファルコ 新たな旅立ち』 リンゼイ・デイヴィス 矢沢聖子 光文社 ★★★
『フィレンツェに消えた女』 サラ・デュナント 小西敦子 講談社 ★★
『女被告人』 サイモン・トールキン 伏見威蕃 ランダムハウス講談社 ★★
『美しい足に踏まれて』 ジェフ・ニコルソン 雨海弘美 扶桑社 ★★
『冷たい心の谷』上下 クライブ・パーカー 嶋田洋一 ソニー・マガジンズ  
『ロジャー・シェリンガムとヴェインの謎』 アントニイ・バークリー 武藤崇恵 晶文社 ★★
『二つの脳を持つ男』 パトリック・ハミルトン 大石健太郎 小学館 ★★★
『ホワイトハウス・コネクション』 ジャック・ヒギンズ 黒原敏行 角川書店
『死者との対話』 レジナルド・ヒル 秋津知子 早川書房 ★★★★
『VS』 ハリー・ビンガム 山本光伸 産業編集センター ★★★
『黒い犬』 スティーヴン・ブース 宮脇裕子 東京創元社 ★★★★
『ジェイン・エアを探せ! 文学刑事サーズデイ・ネクスト1』 ジャスパー・フォード 田村源二 ソニー・マガジンズ ★★★
『ボンベイ・アイス』 レスリー・フォーブス 池田真紀子 角川書店 ★★
『鴉よ闇へ翔べ』 ケン・フォレット 戸田裕之 小学館 ★★★
『原潜を救助せよ』 ジェイムス・フランシス 村上和久 二見書房  
『シャングリラ病原体』 ブライアン・フリーマントル 松本剛史 新潮社 ★★
『ラリパッパ・レストラン』 ニコラス・ブリンコウ 玉木亨 文藝春秋 ★★
『楽園占拠』 クリストファー・ブルックマイア 玉木亨 ソニー・マガジンズ ★★★
『スパイたちの夏』 マイケル・フレイン 高儀進 白水社 ★★★★
『悪鬼{トロール}の檻』 モー・ヘイダー 小林宏明 角川春樹事務所 ★★★
『テンプラー家の惨劇』 ハリントン・ヘクスト 高田朔 国書刊行会 ★★★
『バルカン超特急――消えた女』 エセル・リナ・ホワイト 近藤三峰 小学館 ★★★
『らせん階段』 エセル・リナ・ホワイト 山本俊子 早川書房 ★★
『パンプルムース氏と飛行船』 マイケル・ボンド 木村博江 東京創元社 ★★
『ファイアウォール』 アンディ・マクナブ 伏見威蕃 角川書店 ★★★
『愛という名の病』 パトリック・マグラア 宮脇孝雄 河出書房新社 ★★★
『亡国のゲーム』 グレン・ミード 戸田裕之 二見書房 ★★★
『オリエント急行戦線異状なし』 マグナス・ミルズ 風間賢二 DHC ★★★
『誇りは永遠に』 ギャビン・ライアル 遠藤宏昭 早川書房  
『暗殺工作員ウォッチマン』 クリス・ライアン 伏見威蕃 早川書房 ★★★★
『硝煙のトランザム』 ロブ・ライアン 鈴木恵 文藝春秋 ★★★
『甦る男』 イアン・ランキン 延原泰子 早川書房 ★★★★
『姿なき殺人』 ギリアン・リンスコット 加地美知子 講談社 ★★★★
『ナイロビの蜂』 ジョン・ル・カレ 加賀山卓朗 集英社 ★★★
『心地よい眺め』 ルース・レンデル 茅律子 早川書房 ★★★★
『原潜シャークの叛乱』 パトリック・ロビンソン 山本光伸 二見書房 ★★
『特命航海、嵐のインド洋』上下 パトリック・オブライアン 高橋泰邦・高津幸枝 早川書房  
『難攻不落、アルジェの要塞』 アレグザンダー・ケント 高橋泰邦 早川書房  
『蒼海に舵をとれ』 ジュリアン・ストックウィン 大森洋子 早川書房  
『輸送船団を死守せよ』 ダグラス・リーマン 高津幸枝 早川書房  

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