2001年に翻訳された英国ミステリー

本年のベスト5
(1)『夜のフロスト』(R・D・ウィングフィールド)
(2)『暗黒街のハリー』(ジェイク・アーノット)
(3)『墜落のある風景』(マイケル・フレイン)
(4)『チューリップ熱』(デボラ・モガー)
(5)『ストーム』(ボリス・スターリング)

本年の特徴
日本在住のデイヴィッド・ピースの作品が早川書房から翻訳され、ミステリ・マガジンの増刊号「ノワールの時代」が出たこともあり、この年の翻訳ミステリー界は「ノワール」が流行語となった。ベスト5の第二位に挙げた『暗黒街のハリー』もノワールとして宣伝されたが、実際は悪漢小説(または犯罪小説)といってよい。第三位、四位も狭義のミステリーには入れにくい作品だが、小説として面白いし、オリジナリティもある。フロスト物は翻訳されるたびにベスト5に入れていたが、今回もまたトップにしてしまった。シリーズ三作目だが、プロットはより複雑になり、マンネリに陥っていないのは立派。

題 名 原作者 翻訳者 出版社 面白度
『十四の嘘と真実』 ジェフリー・アーチャー 永井淳 新潮社 ★★★
『暗黒街のハリー』 ジェイク・アーノット 佐藤耕士 早川書房 ★★★★
『切り裂き魔ゴーレム』 ピーター・アクロイド 池田栄一 白水社 ★★★
『霧の中の虎』 マージョリー・アリンガム 山本俊子 早川書房 ★★★
『オウン・ゴール』 フィル・アンドリュー 玉木亨 角川書店 ★★★
『わたしたちが孤児だったころ』 カズオ・イシグロ 入江真佐子 早川書房 ★★★
『ソロモン王の絨毯』 バーバラ・ヴァイン 羽田詩津子 角川書店 ★★★
『夜のフロスト』 R・D・ウィングフィールド 芹澤恵 東京創元社 ★★★★★
『警察官よ汝を守れ』 ヘンリー・ウエイド 鈴木絵美 国書刊行会 ★★★
『銀の仮面』 ヒュー・ウォルポール 倉阪鬼一郎 国書刊行会 ★★★
『夜の闇を待ちながら』 レニー・エアース 田中靖 講談社 ★★★★
『地獄の静かな夜』 A・J・クィネル 大熊栄 集英社 ★★★★
『看護婦探偵ケイト』 クリスティン・グリーン 浅羽莢子 扶桑社 ★★
『床に舞う渦』 バーナード・ケイプス 梅田正彦 鳥影社  
『どんづまり』 ダグラス・ケネディ 玉木亨 講談社 ★★★
『クライム・ゼロ』 マイクル・コーディ 内田昌之 徳間書店 ★★★
『女占い師はなぜ死んでゆく』 サラ・コードウェル 羽地和世 早川書房 ★★★
『すべての石の下に』 ポーラ・ゴズリング 山本俊子 早川書房 ★★★
『永久に去りぬ』 ロバート・ゴダード 伏見威蕃 東京創元社 ★★★
『アーマデイル』上中下 ウィルキー・コリンズ 横山茂雄・佐々木徹・甲斐清高 臨川書店  
『囮』 ジェラルド・シーモア 長野きよみ 講談社 ★★★
『凶運を語る女 ムルマンクス2017年』 ドナルド・ジェイムズ 棚橋志行 扶桑社 ★★★★
『アースクエイク・バード』 スザンナ・ジョーンズ 阿尾正子 早川書房 ★★★★
『ボディ・ポリティック』 ポール・ジョンストン 森下賢一 徳間書店 ★★
『アイスキャップ作戦』 スタンレー・ジョンソン 京兼玲子 文藝春秋 ★★
『ストーム』 ボリス・スターリング 野沢佳織 アーティストハウス ★★★★
『秘宝』 ウィルバー・スミス 大澤晶 講談社 ★★★★
『もう一人の相続人』 マレー・スミス 広瀬順弘 文藝春秋  
『顔のない男 ピーター卿の事件簿U』 ドロシー・L・セイヤーズ 宮脇孝雄 東京創元社 ★★★
『学寮祭の夜』 ドロシー・L・セイヤーズ 浅羽莢子 東京創元社 ★★★
『四人の申し分なき重罪人』 G・K・チェスタトン 西崎憲 国書刊行会 ★★
『死のさだめ』 ケイト・チャールズ 中村有希 東京創元社 ★★★★
『ローソクのために一シリングを』 ジョセフィン・テイ 直良和美 早川書房 ★★★
『デッドリミット』 ランキン・デイヴィス 白石朗 文藝春秋 ★★★
『海神の黄金』 リンゼイ・デイヴィス 矢沢聖子 光文社 ★★★
『第三の銃弾[完全版]』 カーター・ディクスン 田口俊樹 早川書房 ★★★
『闇にとけこめ』上下 クレイグ・トーマス 田村源二 新潮社  
『ジャンピング・ジェニイ』 アントニイ・バークリー 狩野一郎 国書刊行会 ★★★★
『最上階の殺人』 アントニイ・バークリー 大澤晶 新樹社 ★★★
『コカイン・ナイト』 J・G・バラード 山田和子 新潮社 ★★★
『囚人部隊誕生』 リチャード・ハワード 佐和誠 早川書房 ★★
『激戦!エジプト遠征ナポレオンの勇者たち』 リチャード・ハワード 佐和誠 早川書房
『復讐の天使』 ロビン・ハンター 鎌田三平 角川書店  
『1974 ジョーカー』 デイヴィッド・ピース 酒井武志 早川書房 ★★★
『1977 リッパー』 デイヴィッド・ピース 酒井武志 早川書房 ★★
『武器と女たち』 レジナルド・ヒル 松下祥子 早川書房 ★★★
『マネー・メイカーズ』 ハリー・ビンガム 山本光伸 産業編集センター ★★★
『自由の地を求めて』 ケン・フォレット 矢野浩三郎 新潮社 ★★★★
『勝利』 ディック・フランシス 菊池光 早川書房 ★★
『英雄』 ブライアン・フリーマントル 松本剛史 新潮社 ★★★★
『虐待者』 ブライアン・フリーマントル 幾野宏 新潮社 ★★★
『死の殻』 ニコラス・ブレイク 大山誠一郎 東京創元社 ★★★
『墜落のある風景』 マイケル・フレイン 山本やよい 東京創元社 ★★★★
『優しく殺して』 ニッキ・フレンチ 務台夏子 角川書店 ★★★
『墜落事故調査官』 ビル・マーフィ 伊達奎 二見書房 ★★
『シャドウ・キラー』 ヴァル・マクダーミド 森沢麻里 集英社  
『クライシス・フォア』 アンディ・マクナブ 伏見威蕃 角川書店 ★★★
『神の火を盗んで』 ピーター・ミラー 野村芳夫 徳間書店 ★★
『溺れゆく者たち』 リチャード・メイソン 那智かおり アーティストハウス  
『チューリップ熱』 デボラ・モガー 立石光子 白水社 ★★★★
『偽装殲滅』 クリス・ライアン 伏見威蕃 早川書房 ★★★
『孤立突破』 クリス・ライアン 伏見威蕃 早川書房 ★★★
『9ミリの挽歌』 ロブ・ライアン 鈴木恵 文藝春秋 ★★
『タイタス・クロウの事件簿』 ブライアン・ラムレイ 夏木健次 東京創元社 ★★
『蹲る骨』 イアン・ランキン 延原泰子 早川書房 ★★★★
『ナヴァロンの風雲』 サム・ルウェリン 平井イサク 早川書房 ★★
『本末転倒の男たち』 ジェリー・レイン 常田景子 扶桑社 ★★★
『シミソラ』 ルース・レンデル 宇佐川晶子 角川書店 ★★★
『誰もが戻れない』 ピーター・ロビンスン 幸田敦子 講談社  
『原潜救出』 ダグラス・リーマン 大森洋子 早川書房 ★★★
『特攻艇基地を撃破せよ』 ダグラス・リーマン 高津幸枝 早川書房  

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