2000年に翻訳された英国ミステリー

本年のベスト5
(1)『悔恨の日』(コリン・デクスター)
(2)『鳥』(ダフネ・デュ・モーリア)
(3)『処刑の方程式』(ヴァル・マクダーミド)
(4)『Mr.クイン』(シェイマス・スミス)
(5)『国会議事堂の死体』(スタンリー・ハイランド)

本年の特徴
 「EQ」の休刊にともない、米国産のベストセラーを読む必要がなくなったので、アクロイドの『原初の光』やレ・ファニュの『墓地に建つ館』といった大部な作品まで読める時間的余裕が持てるようになったのはありがたい。ベスト5のトップにした『悔恨の日』は、ご存知モース主任警部最後の事件。それだけで★一つオマケしてしまった。二位の『鳥』は、今回初めてすべての短編が収録されたが、やはりスゴイ短編集であることが納得できた。本年は国書刊行会から『自殺じゃない!』や『白鳥の歌』などの数多くの「探偵小説」が刊行されたが、なかでは『国会議事堂の死体』がもっとも面白かった。

題 名 原作者 翻訳者 出版社 面白度
『原初の光』 ピーター・アクロイド 井出弘之 新潮社 ★★★★
『リスボンの小さな死』 ロバート・ウィルスン 田村義進 早川書房 ★★★
『月明かりの闇』 ジョン・ディクスン・カー 田口俊樹 原書房 ★★
『セカンド・エンジェル 血の黙示録』 フィリップ・カー 東江一紀 徳間書店 ★★★
『冷酷』 ポール・カースン 真野明裕 二見書房  
『ギャスケル短編集』 ギャスケル 松岡光治編訳 岩波書店 ★★
『謎の蔵書票』 ロス・キング 田村義進 早川書房 ★★★
『トレイル・オブ・ティアズ』 A・J・クィネル 大熊栄 集英社 ★★★
『淑やかな悪夢 英米女流怪談集』 倉阪・南條・西崎編 倉阪鬼一郎他 東京創元社 ★★★
『白鳥の歌』 エドマンド・クリスピン 滝口達也 国書刊行会 ★★★★
『永久の別れのために』 エドマンド・クリスピン 大山誠一郎 原書房 ★★★
『救いの死』 ミルワード・ケネディ 横山啓明 国書刊行会 ★★
『死者と影』 ポーラ・ゴズリング 山本俊子 早川書房 ★★★
『一瞬の光のなかで』 ロバート・ゴダード 加地美知子 扶桑社 ★★★
『夫と妻』上下 ウィルキー・コリンズ 松宮園子他 臨川書店  
『ならず者の一生 幽霊ホテルウィルキー・コリンズ傑作選第2巻』 ウィルキー・コリンズ 甲斐清高・板倉厳一 臨川書店  
『バジル ウィルキー・コリンズ傑作選第1巻』 ウィルキー・コリンズ 北川依子・宮川美佐子 臨川書店  
『ウィルキー・コリンズ傑作選11 法と淑女』 ウィルキー・コリンズ 佐々木徹 臨川書店  
『偽りの原子炉』 ガイ・スタンリー 中埜有理 毎日新聞社 ★★★
『カーラのゲーム』上下 ゴードン・スティーヴンズ 藤倉秀彦 東京創元社  
『箱ちがい』 ロバート・ルイス・スティーヴンスン&ロイド・オズボーン 千葉康樹 国書刊行会 ★★★★
『Mr.クイン』 シェイマス・スミス 黒原敏行 早川書房 ★★★★
『キリング・フロアー』 リー・チャイルド 小林宏明 講談社 ★★★
『黒い蘭の女』 ランキン・デイヴィス 皆川孝子 徳間書店 ★★
『鋼鉄の軍神』 リンゼイ・デイヴィス 田代泰子 光文社 ★★★
『悔恨の日』 コリン・デクスター 大庭忠男 早川書房 ★★★★★
『鳥』 ダフネ・デュ・モーリア 務台夏子 東京創元社 ★★★★
『ドイル傑作選Uホラー・SF篇』 コナン・ドイル 北原尚彦・西崎憲 翔泳社 ★★
『シャーロック・ホームズのドキュメント』 ジューン・トムスン 押田由紀 東京創元社 ★★
『交戦空域』 ジョン・ニコル 村上和久 二見書房  
『ジョン・ランプリエールの辞書』 ローレンス・ノーフォーク 青木純子 東京創元社 ★★★
『サイロの死体』 ロナルド・A・ノックス 澄木柚 国書刊行会 ★★★
『国会議事堂の死体』 スタンリー・ハイランド 小林晋 国書刊行会 ★★★★
『大聖堂の悪霊』 チャールズ・パリサー 浅羽莢子 早川書房 ★★★
『アルハンゲリスクの亡霊』 ロバート・ハリス 後藤安彦 新潮社 ★★
『他言は無用』 リチャード・ハル 越前敏哉 東京創元社 ★★★
『納骨堂の多すぎた死体』 エリス・ピーターズ 武藤崇恵 原書房 ★★★★
『大統領の娘』 ジャック・ヒギンズ 黒原敏行 角川書店
『最低の犯罪』 レジナルド・ヒル 宮脇孝雄他 光文社  
『ベウラの頂』 レジナルド・ヒル 秋津知子 早川書房 ★★★
『スパンキイ』 クリストファー・ファウラー 田中一江 東京創元社 ★★★
『さまよえる未亡人』 エリザベス・フェラーズ 中村有希 東京創元社 ★★
『マンハッタンの怪人』 フレデリック・フォーサイス 篠原慎 角川書店 ★★
『ハンマー・オブ・エデン』 ケン・フォレット 矢野浩三郎 小学館 ★★★
『烈風』 ディック・フランシス 菊池光 早川書房 ★★★
『屍人配達人』 ブライアン・フリーマントル 真野明裕 新潮社 ★★★
『マンチェスター・フラッシュバック』 ニコラス・ブリンコウ 玉木享 文藝春秋 ★★
『死体のない事件』 レオ・ブルース 小林晋 新樹社 ★★★
『結末のない事件』 レオ・ブルース 小林晋 新樹社 ★★
『死ぬためのエチケット』 シーリア・フレムリン 田口俊樹 東京創元社 ★★★
『記憶の家で眠る少女』 ニッキ・フレンチ 務台夏子 角川書店  
『自殺じゃない!』 シリル・ヘアー 富塚由美 国書刊行会 ★★★★
『死者の靴』 H・C・ベイリー 藤村裕美 東京創元社 ★★
『ジグザグ・ガール』 マーティン・ベッドフォード 高田恵子 東京創元社 ★★★
『トレント乗り出す』 E・C・ベントリー 好野理恵 国書刊行会 ★★★
『眠れぬ家』 タム・ホスキンス 小津薫 講談社
『鳥だけが見ていた』 J・ウォリス・マーティン 布施由紀子 角川書店  
『処刑の方程式』 ヴァル・マクダーミド 森沢麻里 集英社 ★★★★
『迷路』 フィリップ・マクドナルド 田村義進 早川書房 ★★★
『騙し絵の檻』 ジル・マゴーン 中村有希 東京創元社 ★★★★
『ウィーンの血』 エイドリアン・マシューズ 嶋田洋一 早川書房  
『熱砂の絆』 グレン・ミード 戸田裕之 二見書房 ★★★★
『乱歩の選んだベスト・ホラー』 森英俊・野村宏平編   筑摩書房  
『誇りへの決別』 ギャビン・ライアル 中村保男・遠藤宏昭 早川書房 ★★★
『襲撃待機』 クリス・ライアン 伏見威蕃 早川書房 ★★★
『弾道衝撃』 クリス・ライアン 伏見威蕃 早川書房 ★★★★
『アンダードッグス』 ロブ・ライアン 伏見威蕃 文藝春秋  
『服用量に注意のこと』 ピーター・ラヴゼイ 中村保男他 早川書房 ★★★★
『ダイナマイト・パーティへの招待』 ピーター・ラヴゼイ 中村保男 早川書房 ★★★★
『もうひとりの私』 シャーロット・ラム 中村三千恵 二見書房
『死せる魂』 イアン・ランキン 延原泰子 早川書房 ★★★★
『表と裏』 マイクル・Z・リューイン 田口俊樹 早川書房 ★★
『シングル&シングル』 ジョン・ル・カレ 田口俊樹 集英社 ★★★
『霊応ゲーム』 パトリック・レドモンド 広瀬順弘 早川書房 ★★★★
『墓地に建つ館』 シェリダン・レ・ファニュ 榊優子 河出書房新社 ★★★
『眠れる森の惨劇』 ルース・レンデル 宇佐川晶子 角川書店 ★★★

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