1999年に翻訳された英国ミステリー

本年のベスト5
(1)『ステラの遺産』(バーバラ・ヴァイン)
(2)『首吊りの庭』(イアン・ランキン)
(3)『錆色の女神』(リンゼイ・デイヴィス)
(4)『告発者』(ジョン・モーティマー)
(5)『ノー・ネーム』(ウィルキー・コリンズ)

本年の特徴
個人的な大ニュースは、この年の5月に「EQ」が130号で休刊したことだ。22年間1号も休まずにチェックリスト(書評)の一部を担当していたので残念な気持が強いが、「EQ」が休刊となっても、読書量は減ることはなかった。まあ翻訳ミステリーを読むことは完全に私の生活の一部になってしまったからであろう。ベスト5のトップはヴァインの『ステラの遺産』としたが、レンデルの『聖なる森』も良い作品であった。『ノー・ネーム』はコリンズ傑作選の刊行を祝して入れている。この年もっとも出版点数の多いのはゴダードだが、『惜別の賦』を除くとイマイチの作品が多かった。

題  名 原作者 翻訳者 出版社 面白度
『十一番目の戒律』 ジェフリー・アーチャー 永井淳 新潮社 ★★★
『グラブ街の殺人』 ブルース・アレグザンダー 近藤麻里子 早川書房 ★★
『ステラの遺産』 バーバラ・ヴァイン 富永和子 早川書房 ★★★★
『教師キャロルの記憶』 ティム・ウィルスン 岡聖子 扶桑社  
『推定相続人』 ヘンリー・ウエイド 岡照雄 国書刊行会 ★★★
『黄昏の北京』 クリストファー・ウエスト 矢沢聖子 講談社 ★★★
『フィルス』 アーヴィン・ウェルシュ 渡辺佐智江 アーティストハウス ★★
『昏い部屋』 ミネット・ウォルターズ 成川裕子 東京創元社 ★★★★
『マッターホルンの殺人』 グリン・カー 真里ケイ 新樹社 ★★★
『グラン・ギニョール』 ジョン・ディクスン・カー 白須清美・森英俊 翔泳社 ★★
『密送航路』 フィリップ・カー 後藤由季子 新潮社 ★★★
『仕事くれ。』 ダグラス・ケネディ 中川聖 新潮社 ★★★★
『惜別の賦』 ロバート・ゴダード 越前敏弥 東京創元社 ★★★★
『日輪の果て』 ロバート・ゴダード 成川裕子 文藝春秋 ★★★
『鉄の絆』 ロバート・ゴダード 越前敏哉 東京創元社 ★★★
『閉じられた環』 ロバート・ゴダード 幸田敦子 講談社 ★★
『闘う守護天使』 リザ・コディ 堀内静子 早川書房 ★★★
『ノー・ネーム』 ウィルキー・コリンズ 小池滋 臨川書店 ★★★★
『毒婦の娘 ウィルキー・コリンズ傑作選12』 ウィルキー・コリンズ 北条文緒 臨川書店  
『北海の女豹』 サイモン・コンウェイ 市来宏明 DHC
『テロリストのダンス』 ニコラス・シェイクスピア 新藤純子 新潮社  
『モスクワ 2015』 ドナルド・ジェイムズ 棚橋志行 扶桑社 ★★★
『ホスト』 ピーター・ジェイムズ 南山宏 角川書店 ★★★
『スキナーの追跡』 クィンティン・ジャーデン 安倍昭至 東京創元社
『魔笛』 ディラン・ジョーンズ 金子浩 講談社 ★★
『ミステリアス・クリスマス』 ロバート・スウィンデルズ他 安藤紀子 パロル舎 ★★★
『メサイア』 ボリス・スターリング 野沢佳織 アーティストハウス ★★★
『悪魔を呼び起こせ』 デレック・スミス 森英俊 国書刊行会 ★★★
『誤審』 デクスター・ディアス 伏見威蕃 角川書店 ★★★
『青銅の翳り』 リンゼイ・デイヴィス 酒井邦秀 光文社 ★★★
『錆色の女神』 リンゼイ・デイヴィス 矢沢聖子 光文社 ★★★★
『九人と死で十人だ』 カーター・ディクスン 駒月雅子 国書刊行会 ★★★
『かくして殺人へ』 カーター・ディクスン 白須清美 新樹社 ★★★
『慈愛 最後のスパイ』 レン・デイトン 田中融二・町田康子 光文社  
『罪と過ちの夜』 アリソン・テイラー 松下祥子 早川書房  
『女性翻訳家』 サラ・デュナント 小西敦子 講談社  
『ドイル傑作選T ミステリー篇』 コナン・ドイル 北原尚彦・西崎憲 翔泳社 ★★
『無法の正義』 クレイグ・トーマス 田村源二 新潮社  
『高度6万フィートの毒殺』 ゴードン・トーマス 鎌田三平 新潮社 ★★
『メアリー最期の八日間』 ジュリー・パーソンズ 山本光伸 扶桑社  
『双生の荒鷲』 ジャック・ヒギンズ 黒原敏行 角川書店 ★★★
『細工は流々』 エリザベス・フェラーズ 中村有希 東京創元社 ★★
『瓦礫の都市』 ジョン・フラートン 真崎義博 早川書房 ★★★
『哀しみの密告者』 トム・ブラッドビー 野口百合子 扶桑社 ★★★
『出走』 ディック・フランシス 菊池光 早川書房 ★★★
『屍泥棒』 ブライアン・フリーマントル 真野明裕 新潮社 ★★
『流出』 ブライアン・フリーマントル 戸田裕之 新潮社 ★★★★
『娼婦殺し』 アン・ペリー 浅羽莢子 集英社 ★★
『災いの黒衣』 アン・ペリー 吉澤康子 東京創元社 ★★★★
『国境なき犯罪』 クリストファー・ベルトン 浅村寿彦 DHC ★★★
『竜の咆哮』 ハンフリー・ホークスリー 山本光伸 二見書房  
『腐ったアルミニウム』 ジェームズ・ホーズ 宮家あゆみ DHC ★★★
『孔雀のプライド』 ヴィクトリア・ホルト 岸田正昭 文芸社  
『パンプルムース氏の秘密任務』 マイケル・ボンド 木村博江 東京創元社 ★★★
『水底の死者の眠り』 J・ウォリス・マーティン 神納照子 扶桑社 ★★
『殺しの四重奏』 ヴァル・マクダーミド 森沢麻里 集英社 ★★★
『リモート・コントロール』 アンディ・マクナブ 伏見威蕃 角川書店 ★★★
『閉鎖病棟』 パトリック・マグラア 池央耿 河出書房新社 ★★★★
『サイレンス』 チャールズ・マクリーン 内田昌之 文藝春秋  
『ブランデンブルグの誓約』 グレン・ミード 戸田裕之 二見書房 ★★★
『扉の中』 デニーズ・ミーナ 松下祥子 早川書房  
『告発者』 ジョン・モーティマー 若島正 早川書房 ★★★★
『スパイの誇り』 ギャビン・ライアル 石田善彦 早川書房 ★★★
『幽霊がいっぱい 古今英米幽霊事情2』 ペネロビ・ライヴリー他 山内照子他 新風社  
『地下墓地』 ピーター・ラヴゼイ 山本やよい 早川書房 ★★★
『仮面の天使』 シャーロット・ラム 酒井裕美 二見書房 ★★
『薔薇の殺意』 シャーロット・ラム 中村三千恵 二見書房
『血の流れるままに』 イアン・ランキン 延原泰子 早川書房 ★★★
『首吊りの庭』 イアン・ランキン 延原泰子 早川書房 ★★★★
『パナマの仕立屋』 ジョン・ル・カレ 田口俊樹 集英社  
『殺意を呼ぶ館』 ルース・レンデル 小尾芙佐 扶桑社 ★★★
『聖なる森』 ルース・レンデル 吉野美恵子 早川書房 ★★★★
『キロ・クラス』 パトリック・ロビンソン 伏見威蕃 角川書店  
『幻の巨大戦艦』 ジョン・ワトソン 結城山和夫 二見書房 ★★
『海軍大将ボライソー』 アレグザンダー・ケント 高橋泰邦 早川書房  
『聖十字旗のもとに』 アレクザンダー・ケント 高橋泰邦 早川書房  

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