1998年に翻訳された英国ミステリー

本年のベスト5
(1)『完璧な絵画』(レジナルド・ヒル)
(2)『死はわが隣人』(コリン・デクスター)
(3)『闇に浮かぶ絵』(ロバート・ゴダード)
(4)『黒と青』(イアン・ランキン)
(5)『死の誘い』(ケイト・チャールズ)

本年の特徴
この年の最大の話題は『五輪の薔薇』が翻訳出版されたことであろうが、謎解き小説の復活傾向はこの年も変わらなかった。ベスト5のうち、1 2 5が謎解き小説といってよい。ベスト5には入れなかったが、P・ラヴゼイの作品が三冊も出ているし、E・フェラーズも二冊翻訳された。クリスティの単行本未収録の短編集『マン島の黄金』が出版されたのも本年だし、カーの長編が久しぶりに翻訳されたのもうれしいことだ(作品はあまり面白くないが)。トップの『完璧な絵画』は実にしゃれたミステリーで脱帽。ランキンは『黒と青』で本邦初紹介となった。

題 名 原作者 翻訳者 出版社 面白度
『グッドホープ邸の殺人』 ブルース・アレグザンダー 近藤麻里子 早川書房 ★★★
『そして人類は沈黙する』 デヴィッド・アンブローズ 鎌田三平 角川書店 ★★
『覚醒するアダム』 デヴィッド・アンブローズ 務台夏子 角川書店 ★★★
『長い夜の果てに』 バーバラ・ヴァイン 榊優子 扶桑社 ★★★
『ヴァンパイアの塔』 ジョン・ディクスン・カー 大村美根子他 東京創元社 ★★★
『悪魔のひじの家』 ジョン・ディクスン・カー 白須清美 新樹社 ★★★
『殺人摩天楼』 フィリップ・カー 東江一紀 新潮社 ★★★★
『エサウ』 フィリップ・カー 東江一紀・後藤由季子 徳間書店 ★★★
『ナイトシェード』 レジ・ギャドニー 高橋健次 講談社 ★★★
『ブラック・コーヒー(小説版)』 アガサ・クリスティー 中村妙子 早川書房 ★★
『マン島の黄金』 アガサ・クリスティー 中村妙子他 早川書房 ★★★
『ビッグ・ピクチャー』 ダグラス・ケネディ 中川聖 新潮社 ★★★
『イエスの遺伝子』 マイクル・コーディ 内田昌之 徳間書店 ★★★
『闇に浮かぶ絵』 ロバート・ゴダード 加地美知子 文藝春秋 ★★★★
『正義』 P・D・ジェイムズ 青木久恵 早川書房 ★★★
『スキナーのフェスティヴァル』 クィンティン・ジャーディン 安倍昭至 東京創元社  
『キリング・タイム』 マレー・スミス 広瀬順弘 文藝春秋 ★★★
『強襲』 マーク・ダニエル 山田久美子 新潮社  
『ゲームに憑かれた男』 マーク・チスネル 小菅正夫 徳間書店 ★★
『死の誘い』 ケイト・チャールズ 相原眞理子 東京創元社 ★★★★
『白銀の誓い』 リンゼイ・デイヴィス 伊藤和子 光文社 ★★★★
『毒の神託』 ピーター・ディキンスン 浅羽莢子 原書房 ★★★
『死はわが隣人』 コリン・デクスター 大庭忠男 早川書房 ★★★★
『化けて出てやる』 ダフネ・デュ・モーリア 山内照子他 新風舎 ★★★
『愚者の血』 サラ・デュナント 小西敦子 講談社 ★★
『ディファレント・ウォー』上下 クレイグ・トーマス 小林宏明 小学館  
『運命の石』 ナイジェル・トランター 杉本優 大修館書店 ★★★
『アルファベット・シティ』 スティーヴン・ナイト 小西敦子 角川書店 ★★
『記憶の闇の底から』 ジャック・ネヴィン 岡聖子 扶桑社 ★★★
『地下室の殺人』 アントニイ・バークリー 佐藤弓生 国書刊行会 ★★★
『ソフィー』 ガイ・バート 黒原敏行 読売新聞社 ★★★
『殺す』 J・G・バラード 山田順子 東京創元社 ★★
『五輪の薔薇』 チャールズ・パリサー 甲斐萬里江 早川書房 ★★★
『虎の潜む嶺』 ジャック・ヒギンズ 伏見威蕃 早川書房 ★★
『悪魔と手を組め』 ジャック・ヒギンズ 黒原敏行 早川書房 ★★
『完璧な絵画』 レジナルド・ヒル 秋津知子 早川書房 ★★★★★
『幻の森』 レジナルド・ヒル 松下祥子 早川書房 ★★★
『汚れなき女』 フランセス・ファイフィールド 猪俣美江子 早川書房 ★★
『猿来たりなば』 エリザベス・フェラーズ 中村有希 東京創元社 ★★★
『自殺の殺人』 エリザベス・フェラーズ 中村有希 東京創元社 ★★★
『騎乗』 ディック・フランシス 菊池光 早川書房 ★★★
『報復』 B・フリーマントル 戸田裕之 新潮社 ★★★
『猟鬼』 B・フリーマントル 松本剛史 新潮社 ★★★
『三人の名探偵のための事件』 レオ・ブルース 小林晋 新樹社 ★★★
『殺しにいたるメモ』 ニコラス・ブレイク 森英俊 原書房 ★★★
『メモリー・ゲーム』 ニッキ・フレンチ 務台夏子 角川書店 ★★★
『ドイルと、黒い塔の六人』上下 マーク・フロスト 飛田野裕子 扶桑社  
『ワイン通の復讐』 ピーター・へイニング編 渡辺眞理他 心交社 ★★★★
『ディナーで殺人を』 ピーター・へイニング編 田口俊樹他 東京創元社 ★★★
『復讐×復習』 マーティン・ベッドフォード 浜野アキオ 扶桑社  
『詩篇殺人者』上下 クリス・ペティット 友枝康子 早川書房  
『外人部隊』 ダグラス・ボイド 伊達奎 東京創元社 ★★★
『心療室』 タム・ホスキンス 小津薫 講談社  
『殺しの幻想』 ヒラリー・ボナー 安藤由紀子 二見書房 ★★
『パンプルムース氏のおすすめ料理』 マイケル・ボンド 木村博江 東京創元社 ★★
『大洪水』 マックス・マーロウ 鈴木恵 東京創元社 ★★
『ロック・ビート・マンチェスター』 ヴァル・マクダーミド 森沢麻里 集英社 ★★★
『牧師館の死』 ジル・マゴーン 高橋なお子 東京創元社 ★★★
『ミス・オイスター・ブラウンの犯罪』 ピーター・ラヴゼイ 中村保男他 早川書房 ★★★★
『帽子屋の休暇』 ピーター・ラヴゼイ 中村保男 早川書房 ★★★
『暗い迷宮』 ピーター・ラヴゼイ 山本やよい 早川書房 ★★★★
『黒と青』 イアン・ランキン 延原泰子 早川書房 ★★★★
『ニュース・キャスター』 ボブ・ラングレー 渡辺庸子 東京創元社 ★★
『疑惑の薬』 マシュー・リン 広津倫子 徳間書店 ★★★
『石の微笑』 ルース・レンデル 羽田詩津子 角川書店 ★★★
『女を脅した男ミステリー名人選集1』 ルース・レンデル 酒匂真理子他 光文社 ★★★
『水曜日の子供』 ピーター・ロビンスン 幸田敦子 東京創元社  
『エクスカバリー 最後の閃光』上下 バーナード・コーンウェル 木原悦子 原書房  
『巡洋戦艦リライアント』 ダグラス・リーマン 大森洋子 早川書房  

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