1993年に翻訳された英国ミステリー

本年のベスト5
(1)『最後の刑事』(ピーター・ラヴゼイ)
(2)『秘跡』(エリス・ピーターズ)
(3)『ダーティ・トリック』(マイクル・ディブディン)
(4)『リオノーラの肖像』(ロバート・ゴダート)
(5)『フレッチャー絶体絶命』(サイモン・ショー)

本年の特徴
この年、E・ピーターズのカドフェル・シリーズが隔月に一冊、合計六冊出版されている。前年から高まっていたカドフェル人気が決定的になった結果であろう。前年に出た『聖域の雀』も佳作であったが、『秘跡』はシリーズのベストといってよい(ベスト5の二位に挙げている)。トップに推した『最後の刑事』は著者初めての現代物。これでラヴゼイはまた一皮むけて、作家としてのスケールもより大きくなったようだ。マイクル・ディブディンもこの年ブレイクした一人で、ゼン警視シリーズの作品も私のお気に入り。後年大ブレイクしたゴダードは、『リオノーラの肖像』でこの年密やかに本邦デビューした。

題  名 原作者 翻訳者 出版社 面白度
『新型核弾頭スカイダンサー』 G・アーチャー 鎌田三平 新潮社  
『盗まれた独立宣言』 ジェフリー・アーチャー 永井淳 新潮社 ★★
『闇からきた刺客』上下 キャンベル・アームストロング 飯島宏 文藝春秋  
『作者の死』 ギルバート・アデア 高儀進 早川書房 ★★★
『殺意のプログラム』 イーヴリン・アンソニー 食野雅子 新潮社  
『緋色の復讐』 イーヴリン・アンソニー 食野雅子 新潮社  
『ある詩人への挽歌』 マイクル・イネス 桐藤ゆき子 社会思想社 ★★★
『哀しきギャロウグラス』 バーバラ・ヴァイン 幸田敦子 角川書店 ★★★
『ウィンブルドンの毒殺魔』 ナイジェル・ウィリアムズ 高儀進 早川書房 ★★★
『左ききの名画』 ロジャー・オームロッド 野中千恵子 社会思想社 ★★★
『チャーチルの陰謀』 テッド・オールビュリー 久保田誠一 朝日新聞社 ★★★
『堕ちた工作員』 テッド・オールビュリー 峰岸久 東京創元社  
『砕かれた夜』 フィリップ・カー 東江一紀 新潮社 ★★★
『オルレアン・ジグソー』上下 ジョン・ガードナー 水上峰雄 新潮社  
『戯れる死者』 スティーヴン・ギャラガー 高橋健次 角川書店
『童話が終わる時』 B・M・ギル 猪俣美江子 早川書房  
『狂気のざわめき』 マーティン・クラリッジ 山本やよい 新潮社  
『うつろな男の死』 キャロライン・グレアム 浅羽莢子 東京創元社 ★★★
『レッド・スナイパー』 ジョナサン・ケップ 石森康久 新潮社  
『ウェザースパイ追跡』 フィリップ・ケリガン 長野きよみ 早川書房  
『嵐の絆』 バーナード・コーンウェル 坂本憲一 早川書房 ★★★★
『死の宣告』 ポーラ・ゴスリング 秋津知子 早川書房 ★★★
『リオノーラの肖像』 ロバート・ゴダート 加地美知子 文藝春秋 ★★★★
『汚れた守護天使』 リザ・コディ 堀内静子 早川書房 ★★★★
『二つの世界のロマンス』 マリー・コレリ 尾高樹良 東明社  
『攻撃ヘリ ヘルハウンド』 J・J・サリヴァン 井坂清 新潮社  
『ポゼッション』 ピーター・ジェイムズ 南山宏 角川書店 ★★
『人類の子供たち』 P・D・ジェイムズ 青木久恵 早川書房 ★★★
『クリスマスに捧げるミステリー』 ジョルジュ・シムノン他 長島良三他 光文社 ★★★
『モンツァ 復讐のサーキット』 ボブ・ジャッド 伊多波礼子 扶桑社 ★★★
『フレッチャー絶体絶命』 サイモン・ショー 富永和子 扶桑社 ★★★★
『愛と憎しみの果て』 ダグラス・スコット 鴻巣友季子 東京創元社 ★★★
『密会』 マイケル・ディブディン 成川裕子 新潮社 ★★
『ダーティ・トリック』 マイクル・ディブディン 中原尚哉 扶桑社 ★★★★
『血と影』 マイクル・ディブディン 高儀進 早川書房 ★★★
『森を抜ける道』 コリン・デクスター 大庭忠男 早川書房 ★★★
『影の姉妹』 エマ・テナント 浅羽莢子 筑摩書房  
『高空の標的』 クレイグ・トーマス 田村源二 新潮社 ★★
『シャーロック・ホームズのクロニクル』 J・トムスン 押田由起 東京創元社 ★★
『クリサリス』 ジョン・トレンヘイル 関口幸男 扶桑社 ★★
『怪奇小説の世紀第二巻 がらんどうの男』 西崎憲編 西崎憲 国書刊行会 ★★★
『怪奇小説の世紀第三巻 夜の怪』 西崎憲編 西崎憲 国書刊行会 ★★★
『カッティング・エッジ』 ジョン・ハーヴェイ 夏来健次 社会思想  
『北京の紅いさそり』 マイケル・ハートランド 佐和誠 二見書房  
『わが愛しのホームズ』 ロハイズ・ピアシー 柿沼瑛子 白泉社 ★★
『死者の身代金』 エリス・ピーターズ 岡本浜江 社会思想社 ★★★
『憎しみの巡礼』 エリス・ピーターズ 岡達子 社会思想社 ★★★
『秘跡』 エリス・ピーターズ 大出健 社会思想社 ★★★★
『門前通りのカラス』 エリス・ピーターズ 岡達子 社会思想社 ★★★★
『代価はバラ一輪』 エリス・ピーターズ 大出健 社会思想社 ★★★
『アイトン・フォレストの隠者』 エリス・ピーターズ 大出健 社会思想社 ★★★
『鏡のなかの影』 フランシス・ファイフィールド 松下祥子 早川書房 ★★
『目覚めない女』 フランセス・ファイフィールド 猪俣美江子 早川書房 ★★★
『マレンゴ作戦発動す』 コリン・フォーブス 小西敦子 扶桑社  
『飛行艇クリッパーの客』 ケン・フォレット 田中融二 新潮社 ★★
『密輸』 ディック・フランシス 菊池光 早川書房 ★★★
『殺人狂躁曲』 パメラ・ブランチ 小林晋 ハッピー・フュー・プレス/レオ・ブルース・ファン・クラブ ★★★★
『暗殺者オファレルの原則』 ブライアン・フリーマントル 飯島宏 新潮社 ★★★
『狙撃』 ブライアン・フリーマントル 稲葉明雄 新潮社 ★★★
『怒れる老婦人』 レオ・ブルース 小林晋 レオ・ブルース・ファン・クラブ ★★★
『海狼の巣』 ジェームズ・マギー 出光宏 至誠堂 ★★★
『裏切りの暗殺契約』 ポール・マン 山根和郎 二見書房 ★★★
『最後の刑事』 ピーター・ラヴゼイ 山本やよい 早川書房 ★★★★
『豹の呼ぶ声』 マイクル・Z・リューイン 石田善彦 早川書房 ★★★
『エドウィン・ドルードの失踪』 ピーター・ローランド 押田由起 東京創元社 ★★
『激闘!地中海 ソフィー号新任艦長J・オーブリー』 パトリック・オブライアン 高橋泰邦 徳間書店  
『燃えるバルセロナ沖』 パトリック・オブライアン 高橋泰邦 徳間書店  
『死闘! 私椋船対貿易船』 パトリック・オブライアン 高沢次郎 徳間書店  
『危うし、わが祖国』 アレグザンダー・ケント 高橋泰邦 早川書房  
『奇襲ティルピッツ』 アレグザンダー・フラートン 高津幸枝 光人社  
『ビスマルクの野望』 フィリップ・マカッチャン 高岬沙世 早川書房  
『日本艦隊、出撃す』 フィリップ・マカッチャン 佐和誠 早川書房  
『掃海艇の戦争』 ダグラス・リーマン 大森洋子 早川書房  

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