1988年に翻訳された英国ミステリー
本年のベスト5 (1)『死との抱擁』(バーバラ・ヴァイン) (2)『城館の殺人』(S・T・ヘイモン) (3)『亡命者はモスクワをめざす』(ブライアン・フリーマントル) (4)『蜂工場』(イアン・バンクス) (5)『引き攣る肉』(ルース・レンデル) 本年の特徴 世の中のバブル景気にも影響されたのであろう。翻訳ミステリーの出版は300冊を越えた。レンデルの作品は、B・ヴァイン名義の作品も訳出されたので、合計9冊も翻訳された。英国ミステリーの刊行も約90冊にもなるという大台に達している。ただし本年は米国ミステリーに傑作が多く(『夢果つる街』、『スリーパーにシグナルを送れ』、『推定無罪』など)、英国ミステリーの出来はイマイチだった。とはいえレンデルの活躍は素晴らしく、ベスト5にニ作を入れてしまった。バンクスの『蜂工場』は純文学系の作品ながら、毛色の変わったサイコ・サスペンスに仕上がっている。 |
題 名 | 原作者 | 翻訳者 | 出版社 | 面白度 |
『十二の意外な結末』 | ジェフリー・アーチャー | 永井淳 | 新潮社 | ★★★ |
『血のついたエッグ・コージイ』 | ジェームズ・アンダースン | 宇野利泰 | 文藝春秋 | ★★ |
『総統の頭蓋骨』 | マイクル・F・アンダースン | 小倉多加志 | 早川書房 | |
『黒い海流』 | ハモンド・イネス | 池央耿 | 早川書房 | |
『死との抱擁』 | バーバラ・ヴァイン | 大村美根子 | 角川書店 | ★★★★ |
『黒い人形遣い』 | ティモシー・ウィリアムズ | 橘雅子 | 文藝春秋 | ★★★ |
『深夜の密使』 | ジョン・ディクスン・カー | 吉田誠一 | 東京創元社 | ★★ |
『カラスの審判』上下 | ジャック・カーティス | 長野きよみ | 早川書房 | |
『不死身な奴はいない』 | ジョン・ガードナー | 後藤安彦 | 文藝春秋 | |
『躍らされた男たち』 | ダンカン・カイル | 東江一紀 | 新潮社 | ★★★ |
『無頼船長の密謀船』 | ブライアン・キャリスン | 三木鮎郎・伏見威蕃 | 早川書房 | ★★★ |
『遥かなる復讐の旅』 | マイケル・ギルバード | 水野谷とおる | 角川書店 | ★★★★ |
『デインの遺書』 | デヴィッド・ゲシン | 冬川亘 | 扶桑社 | ★★★ |
『蔵相会議の身代金』 | リチャード・コックス | 橘雅子 | 集英社 | |
『夏をめざした少女』 | リザ・コディ | 堀内静子 | 早川書房 | |
『ロンリー・ハートの女』 | リザ・コディ | 堀内静子 | 早川書房 | ★★ |
『ナジャを追え』 | ジュリアン・サヴァリン | 諸井修造 | 扶桑社 | |
『テロルの嵐』 | ゴードン・スティーヴンス | 広瀬順弘 | 角川書店 | ★★ |
『スティーヴンソン怪奇短篇集』 | R・L・スティーヴンソン | 河田智雄 | 福武書店 | |
『消えたパタースン編隊』 | ジョン・スミス | 冬川亘 | 早川書房 | |
『男らしい別れ』 | ジョーン・スミス | 加地美知子 | 早川書房 | |
『ロアルド・ダールの幽霊物語』 | ロアルド・ダール編 | 乾信一郎 | 早川書房 | |
『シェスタ』 | パトリス・チャップリン | 堀内静子 | 二見書房 | |
『ラット・トラップ』 | クレイグ・トーマス | 広瀬順弘 | 早川書房 | ★★★ |
『マージャン・スパイ』上下 | ジョン・トレンヘイル | 田中融二 | 扶桑社 | |
『消えたAWACA機(エイワックス)』 | ジョン・トレンヘイル | 矢野浩三郎 | 新潮社 | |
『暗号コード<SCIMITAR>(シーミタール)』 | ピーター・ニーズウォント | 大貫f | サンケイ出版 | |
『ロス教授の異常な体験』上下 | ピーター・ニーズウォント | 大貫f | 扶桑社 | |
『カウントダウン<死の鳥>』 | フレデリック・ノラン | 山本一郎 | 二見書房 | |
『現代イギリス・ミステリ傑作集2』 | ジョージ・ハーディング編 | 中村保男他 | 早川書房 | ★★★ |
『現代イギリス・ミステリ傑作集3』 | ジョージ・ハーディング編 | 中村保男他 | 早川書房 | ★★★ |
『拷問』 | ロバート・バーナード | 朝倉隆男 | 光文社 | ★★★ |
『ムーン』 | ジェームズ・ハーバート | 竹生淑子 | 早川書房 | |
『ダーク』上下 | ジェームズ・ハーバート | 関口幸男 | 早川書房 | |
『アルバート公売ります』 | マイクル・バタワース | 小倉多加志 | 早川書房 | ★★ |
『闇の祭壇』 | ショーン・ハトスン | 茅律子 | 早川書房 | ★★ |
『シャドウズ』 | ショーン・ハトスン | 船木裕 | 早川書房 | |
『クリスマス12の死』 | マリアン・バブソン | 片岡しのぶ | 扶桑社 | ★★ |
『学生の死体』 | J・R・ハランド | 加地美知子 | 早川書房 | ★★★ |
『蜂工場』 | イアン・バンクス | 野村芳夫 | 集英社 | ★★★★ |
『狐たちの夜』 | ジャック・ヒギンズ | 菊池光 | 早川書房 | ★★★ |
『死にぎわの台詞』 | レジナルド・ヒル | 秋津知子 | 早川書房 | ★★★ |
『ターミナル計画を潰せ』 | コリン・フォーブス | 名谷一郎 | 集英社 | ★★ |
『顔のない亡命者』 | コリン・フォーブス | 名谷一郎 | 扶桑社 | |
『ヤヌスの顔』上下 | コリン・フォーブス | 名谷一郎 | 扶桑社 | |
『ビンテージ44』 | アントニイ・プライス | 米山菖子 | 扶桑社 | ★★★ |
『本命馬』 | フランカム&マグレガー | 佐宗鈴夫 | 集英社 | |
『黄金』 | ディック・フランシス | 菊池光 | 早川書房 | ★★★ |
『空白の記録』 | ブライアン・フリーマントル | 池央耿 | 新潮社 | ★★★★ |
『亡命者はモスクワをめざす』 | ブライアン・フリーマントル | 稲葉明雄 | 新潮社 | ★★★★ |
『死者の靴』 | レオ・ブルース | 小林晋 | レオ・ブルース・ファン・クラブ・ | ★★★ |
『気どった死体』 | サイモン・ブレット | 嵯峨静江 | 早川書房 | ★★★ |
『あの血まみれの男は誰だ?』 | サイモン・ブレット | 嵯峨静江 | 早川書房 | ★★★★ |
『敗者ばかりの日』 | リチャード・ペイトン編 | 菊池光 | 早川書房 | ★★★ |
『城館の殺人』 | S・T・ヘイモン | 深町眞理子 | 早川書房 | ★★★★ |
『ノースライト諜報作戦』 | アダム・ホール | 中川剛 | 徳間書店 | ★★ |
『サントリーニの牙』 | アリステア・マクリーン | 大熊栄 | 早川書房 | |
『狩られる男』 | J・K・メイオ | 後藤安彦 | 早川書房 | ★★★ |
『特命潜艦<トリガー>出動!』 | アントニー・メルヴィル=ロス | 岩本巖 | 角川書店 | |
『優しく殺して』 | アン・モリス | 鴻巣友季子 | 東京創元社 | ★★ |
『ランニング・フォックス秘密指令』 | ボブ・ラングレー | 押田由紀 | 東京創元社 | |
『レニングラードに死す』 | ジョン・リア | 篠原勝 | 河出書房 | |
『アキテーヌ城の殺人』 | ナンシー・リヴィングストン | 渋谷比佐子 | 扶桑社 | |
『誤植聖書殺人事件』 | ロバート・リチャードソン | 小沢瑞穂 | 扶桑社 | ★★★ |
『男たちの絆』 | マイクル・Z・リューイン | 田口俊樹 | 早川書房 | |
『眠りネズミは死んだ』 | パトリック・ルエル | 羽田詩津子 | 早川書房 | ★★★ |
『虚栄は死なず』 | ルース・レンデル | 富永和子 | 光文社 | ★★ |
『引き攣る肉』 | ルース・レンデル | 小尾芙佐 | 角川書店 | ★★★★ |
『友は永遠に』 | ルース・レンデル | 沼尻素子 | 光文社 | ★★ |
『カーテンが降りて』 | ルース・レンデル | 深町眞理子他 | 角川書店 | ★★★ |
『仕組まれた死の罠』 | ルース・レンデル | 深町眞理子 | 角川書店 | ★★★★ |
『緑の檻』 | ルース・レンデル | 山本楡美子・郷原宏 | 角川書店 | ★★★ |
『罪人のおののき』 | ルース・レンデル | 成川裕子 | 東京創元社 | ★★★ |
『熱病の木』 | ルース・レンデル | 小尾芙佐 | 角川書店 | |
『テロリストの女』 | ケネス・ロイス | 関口幸男 | 扶桑社 | |
『イーグルを奪え』 | バーナード・コーンウェル | 原佳代子 | 光人社 | |
『秘められた黄金』 | バーナード・コーンウェル | 高水香 | 光人社 | |
『チャイナ・フライヤーを追え』 | ポーター・ヒル | 高岬沙世 | 早川書房 | |
『カリブの盟約』 | ダドリ・ポープ | 小牧大介 | 至誠堂 | |
『カリブの覇者』 | ダドリ・ポープ | 小牧大介 | 至誠堂 | |
『黄金船団』 | ダドリ・ポープ | 小牧大介 | 至誠堂 | |
『クレタ島潜入』 | フィリップ・マカッチャン | 佐和誠 | 早川書房 |