1987年に翻訳された英国ミステリー

本年のベスト5
(1)『苦い林檎酒』(ピーター・ラヴゼイ)
(2)『雨に濡れた警部』(R・H・F・キーティング)
(3)『死の味』(P・D・ジェイムズ)
(4)『エンドレス・ゲーム』(ブライアン・フォーブス)
(5)『黒衣の女』(スーザン・ヒル)

本年の特徴
この年の翻訳ミステリーは300冊に達したそうだ。英国産ミステリーも85冊を数えた。ルース・レンデルだけでも7冊翻訳されている。すべての作品を読むのはかなり難しい時代になってしまった。ということで未読作品が多いが、今年はバラエティに富んだベスト5になっている(『苦い林檎酒』をトップにしたのは私の好みの問題が大きい)。なおベスト5以外にも佳作が目白押しであった。『二人のサード子爵』、『北壁の死闘』、『連闘』、『長く孤独な狙撃』、『アリシア故郷に帰る』などの作品である。『アリシア故郷に帰る』は珍しく私が解説を書いているので、PRの意味もありますが……。

題 名 原作者 翻訳者 出版社 面白度
『十二本の毒矢』 ジェフリー・アーチャー 永井淳 新潮社 ★★★★
『ホリデー殺人事件』 ジェームズ・アンダーソン 高田恵子 東京創元社  
『ベルリン空輸回廊』 ハモンド・イネス 池央耿 徳間書店 ★★
『英国人の娘』 ピーター・エヴァンス 山本光伸 文藝春秋 ★★★
『偽りの亡命者』 テッド・オールビュリー 峰岸久 東京創元社  
『スパイの家系』上下 ジョン・ガードナー 水上峰雄 新潮社  
『聖ペテロの遺言』 A・M・カバル 村社伸 サンケイ出版 ★★
『雨に濡れた警部』 H・F・キーティング 堀内静子 早川書房 ★★★★
『母親を喰った男』 ラムジー・キャンベル 小倉多加志 早川書房  
『悪い種子が芽ばえる時』 B・M・ギル 吉野美恵子 扶桑社 ★★★
『ヴァチカンからの暗殺者』 A・J・クィネル 大熊栄 新潮社 ★★★
『虎を駆る男たち』 マシュー・ヒールド・クーパー 井上一夫 早川書房  
『魚が腐る時』 M・H・クーパー 中上守 サンケイ出版 ★★★
『マイクル・ワイマンの逆襲』 ボブ・クック 米山菖子 サンケイ出版 ★★★
『シー・ヴィクトリー号の脱出』 J・クライブ&N・ヘッド 染田屋茂 新潮社  
『暴虐の大湿原』 ジェームズ・グレアム 安達昭雄 角川書店  
『暗号名オメガ・ブルー・ワン』 デヴィッド・ゲシン 冬川亘 サンケイ出版 ★★
『幻の英本土上陸作戦』 リチャード・コックス 土屋哲郎・光藤亘 朝日ソノラマ  
『テロリストの荒野』 ジェラルド・シーモア 田中昌太郎 早川書房  
『密告者を撃つな』 ビル・ジェイムズ 野口幸夫 サンケイ出版  
『死の味』 P・D・ジェイムズ 青木久恵 早川書房 ★★★★
『知られざる名探偵物語』 ジュリアン・シモンズ 宇野利泰 早川書房 ★★★
『クリミナル・コメディ』 ジュリアン・シモンズ 片岡しのぶ サンケイ出版 ★★★★
『アリシア故郷に帰る』 ドロシー・シンプソン 佐々田雅子 サンケイ出版 ★★★★
『幻影空路』 スペンサー・ダンモア 工藤政司 角川書店  
『我らが父たちの偽り』 アンドルー・テイラー 北沢和彦 サンケイ出版  
『別館三号室の男』 コリン・デクスター 大庭忠男 早川書房 ★★★
『二人のサード子爵』 バーティー・デナム 加地美知子 早川書房 ★★★★
『ファイアフォックス・ダウン』 クレイグ・トーマス 山本光伸 早川書房 ★★★
『ジェイド・タイガーの影』 クレイグ・トーマス 田中昌太郎 早川書房 ★★★
『クリミアの亡霊』 M・J・トロー 斎藤数衛 早川書房  
『ミッドナイト・ミートトレイン』 クライヴ・バーカー 宮脇孝雄 集英社 ★★★
『ジャクリーヌ・エス』 クライヴ・バーカー 大久保寛 集英社 ★★★
『セルロイドの息子』 クライヴ・バーカー 宮脇孝雄 集英社  
『ゴースト・モーテル』 クライヴ・バーカー 大久保寛 集英社 ★★
『マドンナ』 クライヴ・バーカー 宮脇孝雄 集英社  
『ラスト・ショウ』 クライヴ・バーカー 矢野浩三郎 集英社 ★★
『現代イギリス・ミステリ傑作集[1]』 G・ハーディング編 菊池光他 早川書房 ★★★
『第3の裏切り』 マイケル・ハートランド 佐和誠 二見書房  
『魔界の家』上下 ジェームズ・ハーバート 関口幸男 早川書房  
『スラッグス』 ショーン・ハトスン 茅律子 早川書房  
『殺人ツアーにご招待』 マリアン・バブソン 片岡しのぶ サンケイ出版  
『地獄の鍵』 ジャック・ヒギンズ 佐宗鈴夫 河出書房
『黒の狙撃者』 ジャック・ヒギンズ 菊池光 早川書房 ★★★
『謀略海域』 ジャック・ヒギンズ 小関哲哉 二見書房  
『地獄の群衆』 ジャック・ヒギンズ 篠原勝 河出書房
『雨の襲撃者』 ジャック・ヒギンズ 伏見威蕃 早川書房 ★★★
『黒衣の女』 スーザン・ヒル 河野一郎 早川書房 ★★★★
『シャークに気をつけろ』 コンスタンティン・フィップス 長野きよみ 早川書房 ★★★
『エンドレス・ゲーム』 ブライアン・フォーブス 田村義進 サンケイ出版 ★★★★
『女王陛下の暗殺者』 アラン・プライア 山根和郎 二見書房  
『盗聴者』 フランカム&マグレガー 佐宗鈴夫 集英社 ★★★
『連闘』 ディック・フランシス 菊池光 早川書房 ★★★★
『収容所から出された男』 B・フリーマントル 飯島宏 新潮社 ★★★
『最後に笑った男』上下 B・フリーマントル 東江一紀 新潮社  
『毒殺は公開録画で』 サイモン・ブレッド 藤本直 角川書店 ★★★
『影の帝国を撃て』 ジョン・ヘイル 後藤安彦 早川書房  
『孤独の海』 アリステア・マクリーン 高津幸枝他 早川書房  
『殺意の疾る夜』 マーガレット・ヨーク 浅羽莢子 二見書房 ★★★
『苦い林檎酒』 ピーター・ラヴゼイ 山本やよい 早川書房 ★★★★★
『北壁の死闘』 ボブ・ラングレー 海津正彦 東京創元社 ★★★★
『刑事の誇り』 マイクル・Z・リューイン 田口俊樹 早川書房 ★★★
『パーフェクト・スパイ』 ジョン・ル・カレ 村上博基 早川書房 ★★
『長く孤独な狙撃』 パトリック・ルエル 羽田詩津子 早川書房 ★★★★
『月に住む女』 ドナルド・レームクール 山本俊子 早川書房 ★★
『シャーマン迎撃作戦』 アントニー・レジュネ 冬川亘 二見書房 ★★★★
『赤い原潜を捕捉せよ』 ハワード・レナルズ 青木栄一 二見書房  
『もはや死は存在しない』 ルース・レンデル 深町眞理子 角川書店 ★★★
『運命のチェスボード』 ルース・レンデル 高田恵子 東京創元社 ★★
『無慈悲な鴉』 ルース・レンデル 吉野美恵子 早川書房 ★★★★
『死が二人を別つまで』 ルース・レンデル 高田恵子 東京創元社 ★★★
『悪夢の宿る巣』 ルース・レンデル 小尾芙佐 角川書店 ★★★
『死のひそむ家』 ルース・レンデル 成川裕子 東京創元社 ★★
『偽りと死のバラッド』 ルース・レンデル 深町眞理子 角川書店 ★★★
『モズリー卿の領収書』 ケネス・ロイス 関口幸男 サンケイ出版 ★★★
『暗号口座ドランラブ627』 ケネス・ロイス 広瀬順弘 角川書店 ★★★★
『ロシア艦隊を買収せよ スミス艦長物語5』 アラン・エバンズ 小牧大介 至誠堂  
『遥かなる敵影』 アレグザンダー・ケント 高津幸枝 早川書房  
『ナイルの密約』 ロバート・チャロナー 高永洋子 早川書房  
『目標、武装商船』 デヴィッド・ビーティ 藤下嘉昭 朝日ソノラマ  
『ミッシングスパイ』上下 アンソニー・フォレスト 出光宏 至誠堂  
『潜航ダーダネルス』 アレグザンダー・フラートン 高岬沙世 光人社  
『激闘、リオン湾』 アレグザンダー・フラートン 高橋泰邦 早川書房  
『フィヨルドの死闘』 アレグザンダー・フラートン 高岬沙世 光人社  
『トラファルガー残照 ラミジ艦長物語21』 ダドリ・ポープ 小牧大介 至誠堂  
『炎の駆逐艦』 フィリップ・マカッチャン 佐和誠 早川書房  

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