邦題 『十二本の毒矢』
原作者 ジェフリー・アーチャー
原題 A Quiver Full of Arrows(1980)
訳者 永井淳
出版社 新潮社
出版年 1987/9/25
面白度 ★★★★
主人公 著者の初めての短編集。優れた長編小説の書き手がすべて優れた短編小説の書き手であるとは限らないのは当然であろう。饒舌な作家S・キングやF・フォーサイスの作品みれば納得する人が多いかと思う。アーチャーはこれまで長編ばかり書いてきたのでいささか危惧の念を持って読み始めたが、それは杞憂だった。12本が収録されている。
事件 冒頭の「中国の彫像」は意外性に満ちたミステリー的短編、中盤の一編「ワンナイト・スタンド」は中年男女の行動を巧みに風刺したもの、ラスト近くの「ハンガリーの教授」は自身の体験を生かした作品というわけで、実にバラエティに富んでいる。
背景 最大の魅力は、イギリス的なものが鮮やかに描き出されていることだ。短編も上手い。

邦題 『ホリデー殺人事件』
原作者 ジェームズ・アンダーソン
原題 Murder She Wrote 3:Lovers and Other Killers(1986)
訳者 高田恵子
出版社 東京創元社
出版年 1987/5/15
面白度  
主人公 

事件 


背景 



邦題 『ベルリン空輸回廊』
原作者 ハモンド・イネス
原題 Air Bridge(1951)
訳者 池央耿
出版社 徳間書店
出版年 1987/11/15
面白度 ★★
主人公 ニール・フレイザー。パイロットで、戦争中にドイツの捕虜収容所から脱出した。
事件 1945年、ベルリンは米英仏ソ4ヶ国で分割占領となった。しかし東西冷戦の下、ソ連はベルリン封鎖を断行した。ベルリン市民を救う唯一の道は航空路しかなかった。一方、ふとしたことから新型エンジンの完成を巡る愛憎劇に巻き込まれた主人公らは、このエンジンを用いた金儲けのため、この回廊作戦に参加しようとするが……。
背景 これは邦訳題名がよくないし、表紙の紹介文も誤解を与えやすい。これではベルリン回廊を舞台にした反共、あるいは愛国冒険小説と思ってしまうが、そうではない。新型エンジンに翻弄される話で、簡単に騙されてしまう主人公に魅力はないものの、語り口はまずまずの出来。

邦題 『英国人の娘』
原作者 ピーター・エヴァンス
原題 The Englishman's Daughter(1983)
訳者 山本光伸
出版社 文藝春秋
出版年 1987/8/10
面白度 ★★★
主人公 新進女優のパンドラ。
事件 パンドラの父親チャイルド卿は、謎の文章を残してモスクワで失踪した。それから11年、美しく成長したパンドラはヴェネツィア映画祭に出席し、ソ連から来た映画監督と出会った。そしてこの出会いから、父親の過去の裏切りに気づき始めた。
背景 日本に飛来してきたミグ25の謎が意外性に一役かっているのはわかるものの、実はストーリーがいまいちわかりにくい。また監督がパンドラと簡単に出会ってしまうというのも考えると無理がある。しかし後半部のサスペンスは十分に豊かだし、なによりパンドラと恋人の関係、KGBの幹部と部下の妻との関係などは巧みに描写されていて楽しめる。

邦題 『偽りの亡命者』
原作者 テッド・オールビュリー
原題 The Secret Whispers(1981)
訳者 峰岸久
出版社 東京創元社
出版年 1987/12/11
面白度  
主人公 

事件 


背景 



邦題 『スパイの家系』上下
原作者 ジョン・ガードナー
原題 The Secret Generations(1985)
訳者 水上峰雄
出版社 新潮社
出版年 1987/10/25
面白度  
主人公 

事件 


背景 



邦題 『聖ペテロの遺言』
原作者 A・M・カバル
原題 The Adversary(1985)
訳者 村社伸
出版社 サンケイ出版
出版年 1987/4/10
面白度 ★★
主人公 イギリス人の考古学者チャス・ウィンタートン。
事件 チャスはエジプトで古文書「聖ペテロの遺言」を発掘した。聖ペテロといえばイエスの弟子で初代のローマ教皇であるが、その内容が公表されればローマ教会の正当性があやしくなるというものであった。ことの重大性を知ったヴァチカンは、公表を阻止するため殺し屋を送り込んだ。一方CIAやエジプトの秘密組織も動き出し……。
背景 主人公はいかにも英国冒険小説の主人公らしい学者。私の好みの人物設定なのだが、こちらがキリスト教についての知識不足であるためか、物語の背景がわかりにくい。まあ語り口もあまり上手くないためだろう。なお著者はインド人のようだが、一歳で英国に移住したそうだ。

邦題 『雨に濡れた警部』
原作者 H・F・キーティング
原題 Under a Monsoon Cloud(1986)
訳者 堀内静子
出版社 早川書房
出版年 1987/8/15
面白度 ★★★★
主人公 ボンベイ警察のゴーテ警部。
事件 ゴーテは地方の警察署に一時的に派遣された。ところがその警察署の副監察長官が怠惰な警官に腹を立ててインク壷を投げ付けたところ、当りどころが悪くて死んでしまったのだ。ゴーテはその長官を敬愛していたので、長官とともに死体を湖に運び溺死にみせかけた。しかし一年後そのことがバレ、長官は自殺してしまった。ゴーテは窮地に立たされた。
背景 ゴーテ警部シリーズの異色作。シリーズ物にこういう手があったのかと新鮮だった。謎は、ゴーテがいかに言い訳するかという点である。広い意味では確かに謎があり、前半は一気に読ませる。後半は査問委員会での話で法廷ミステリー的な面白さもある。

邦題 『母親を喰った男』
原作者 ラムジー・キャンベル
原題 The Goll Who Ate his Mother(1976)
訳者 小倉多加志
出版社 早川書房
出版年 1987/5/31
面白度  
主人公 

事件 


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邦題 『悪い種子が芽ばえる時』
原作者 B・M・ギル
原題 Nursery Crimes(1986)
訳者 吉野美恵子
出版社 扶桑社
出版年 1987/12/17
面白度 ★★
主人公 6歳のときに4歳の男の子を溺死させたザニー。
事件 その事件を警察は当然の事故と考えたが、彼女の両親だけはザニーの残虐性に気づいていた。そこで両親は彼女を全寮制の学校に入れ、ザニーの残虐性も影を潜めていたが……。
背景 ギルの邦訳第3弾。少女を主人公にした倒叙形式の異常心理物である。欧米のミステリーをある程度読んだ人なら、子供の残酷さを扱った話にはそれほど驚かないはずだが(なにしろ無邪気な残酷性は”マザーグース”でお馴染み!)、むしろ驚きは、14歳という性に目覚め始めた頃の女性(少女?)心理をという難しいテーマに挑戦し、さわやかな印象を与えていることだ。凡庸な男性作家が扱ったら、それこそ泥臭くて陰気なミステリーになっていただろう。

邦題 『ヴァチカンからの暗殺者』
原作者 A・J・クィネル
原題 In the Name of the Father(1987)
訳者 大熊栄
出版社 新潮社
出版年 1987/10/25
面白度 ★★★
主人公 亡命したポーランド秘密保安機関のエリート少佐ミレク・スツィボル。
事件 物語は、法王の側近たちがアンドロポフ書記長を暗殺しようというもの。韓国訪問を予定しているローマ法王をKGBが密かに狙っていることへの報復であったが、この陰謀のために選ばれたのがスツィボルであった。彼は妻を装った修道女をつれてクレムリンへ潜入を始めるが……。
背景 1979年に起きたローマ法王暗殺未遂事件に触発されて書かれたスパイ陰謀小説。アンドロポフ書記長の暗殺一本に絞っているプロットがシンプルで、力強い展開をしている。訓練場面や侵入開始段階の描写などには惹き込まれてしまう。またスツィボルと修道女を簡単にはベットインさせないのもうまいところ。個人的には、もう少しプロットが複雑でもいいように思うが。

邦題 『虎を駆る男たち』
原作者 マシュー・ヒールド・クーパー
原題 To Ride a Tiger(1984)
訳者 井上一夫
出版社 早川書房
出版年 1987/2/28
面白度  
主人公 

事件 


背景 



邦題 『魚が腐る時』
原作者 マシュー・ヒールド・クーパー
原題 When Fish Begin to Smell(1983)
訳者 中上守
出版社 サンケイ出版
出版年 1987/6/10
面白度 ★★★
主人公 前半の主人公は各国政府のトップや情報機関の長官、後半の主人公はソ連陸軍情報部将軍グレゴール・オルロフと英国外務省常任次官の私設秘書補佐ニコラス・ペラム。
事件 第二次世界大戦中、ソ連軍はカティンの森でポーランド人将兵1万5千人を虐殺した。世に言う”カティンの虐殺”である。1951年にその秘密を知った英国は、政府の要職に12人のソ連スパイを潜入させた見返りに、ソ連に脅しをかけたのだ。かくして英米ソの三国の壮絶な駆け引きが……。
背景 著者は現代史を研究している英国下院の事務職だそうだが、前半はノンフィクション小説を読んでいるような現実感がある。後半はグリーンの『第3の男』の二番煎じ的な雰囲気はあるものの、逃亡劇の迫力描写はなかなかのもの。真面目すぎるスパイ小説か。

邦題 『マイクル・ワイマンの逆襲』
原作者 ボブ・クック
原題 Disordery Flements(1985)
訳者 米山菖子
出版社 サンケイ出版
出版年 1987/4/10
面白度 ★★★
主人公 56歳の哲学博士マイクル・ワイマン。表向きは大学の学監だが、本職はMI6の職員で、東ドイツ関係の資料を分析している。。
事件 表と裏の職業をもつワイマンだが、支出削減という政府の方針で二つの職を失うはめになった。しかも年下の恋人との間には子供ができ、結婚をきめたところなのだ。そんなある日、彼の部下が東ドイツで射殺されたのを新聞で知った。東側のスパイが情報部内にいるのか?
背景 チャーリー・マフィン的なプロットの物語。ただし若い作者のせいか、そう複雑なプロットになってはいない。これではある意味、オチがミエミエであるといってもいいだろう。文章は簡潔でわかりやすい。新人作家の第一作。

邦題 『シー・ヴィクトリー号の脱出』
原作者 J・クライブ&N・ヘッド
原題 Ark(1985)
訳者 染田屋茂
出版社 新潮社
出版年 1987/6/25
面白度  
主人公 

事件 


背景 



邦題 『暴虐の大湿原』
原作者 ジェームズ・グレアム
原題 The Khufra Run(1972)
訳者 安達昭雄
出版社 角川書店
出版年 1987/12/35
面白度  
主人公 

事件 


背景 



邦題 『暗号名オメガ・ブルー・ワン』
原作者 デヴィッド・ゲシン
原題 Jack Lane's Browning(1984)
訳者 冬川亘
出版社 サンケイ出版
出版年 1987/1/5
面白度 ★★
主人公 英国の秘密諜報機関オメガ・セクションのハローラン。
事件 オメガ・セクションは世界最強の諜報機関といわれている。その機関に所属していたジャックが惨殺された。ジャックの親友ハローランが調査を始めると、ジャックの拳銃ブローニングが無くなっていることがわかった(原題はここからとられている)。犯人はその拳銃を盗んだ人物に違いない。ハローランは復讐を誓った。
背景 前半は、友人の死の謎に挑む冒険小説的な話で、結構読ませる。後半はスパイ小説風雰囲気の物語となる。こちらは謎の整理がうまく行なわれていないので、読みにくい。ラストは典型的な通俗スリラーなので、スピレイン好きなら、もっと高く評価するはず。

邦題 『幻の英本土上陸作戦』
原作者 リチャード・コックス
原題 Operation Sealion(1974)
訳者 土屋哲郎・光藤亘
出版社 朝日ソノラマ
出版年 1987/9/10
面白度  
主人公 

事件 


背景 



邦題 『テロリストの荒野』
原作者 ジェラルド・シーモア
原題 Field of Blood(1985)
訳者 田中昌太郎
出版社 早川書房
出版年 1987/10/31
面白度  
主人公 

事件 


背景 



邦題 『密告者を撃つな』
原作者 ビル・ジェイムズ
原題 You'd Better Believe It(1985)
訳者 野口幸夫
出版社 サンケイ出版
出版年 1987/2/10
面白度  
主人公 

事件 


背景 



邦題 『死の味』上下
原作者 P・D・ジェイムズ
原題 A Taste for Death(1986)
訳者 青木久恵
出版社 早川書房
出版年 1987/12/15
面白度 ★★★★
主人公 ロンドン警視庁のダルグリッシュ警視庁。著者が来日してからすでに1年半たつが、来日当時欧米でベストセラーになっていた。ポケミス初の上下巻となった大作。
事件 冒頭はショッキングなシーンで始まる。前国務大臣ベロウン卿と浮浪者が、教会の聖具室で喉を剃刀で掻き切られて死んでいたのだ。ダルグリッシュは部下のミスキン警部(コーデリアを彷彿させる)らとともに謎に挑む。卿の死は自殺か他殺か、他殺ならば犯人は誰か、その動機は?
背景 物語の多くは関係者への訊問だが、複雑に絡み合うベロウン卿の人間関係が徐々に明らかになる過程は、巧みな心理描写によって長さを意識させない。ジェイムズの”死の味”は、クリスティーが作った”甘美なる死”の味とは大いに異なるが――。

邦題 『知られざる名探偵物語』
原作者 ジュリアン・シモンズ
原題 The Great Detectives(1981)
訳者 宇野利泰
出版社 早川書房
出版年 1987/4/30
面白度 ★★★
主人公 ホームズ、ミス・マープル、ポアロなどの古典的名探偵の私生活、知られざるエピソードを満載した短編集。シャーロッキアン的研究書といってよいが、一部贋作としての面白さもあるので、フィクションとして本リストに加えた。
事件 隠遁後のホームズに若きミス・マープルが相談に行くという話が、クリスティ・ファンの私としてはもっとも興味深い。
背景 原書は大型版で、シモンズが序文で述べているように、「本書の魅力の大半は、絶美で、しかも論議を呼ぶと思われる、トム・アダムズ画伯描くところの挿絵にある」。邦訳は文庫版なので挿絵が縮小されているうえに、約3割がカットされているが、それでも結構楽しめる。

邦題 『クリミナル・コメディ』
原作者 ジュリアン・シモンズ
原題 The Criminal Comedy of the Contented Couple(1985)
訳者 片岡しのぶ
出版社 サンケイ出版
出版年 1987/6/10
面白度 ★★★★
主人公 i一種の群像劇的なミステリーで、事件担当の警官が登場し、探偵のような行動をする人物もいるが、謎解きの主役ではない。
事件 ロンドン郊外の小都会ヘッドフィールドでは、警察沙汰にはならない怪事件が起きていた。素人芝居での実弾誤射やパーティでのカクテルへの薬物混入、そして地元の旅行代理店経営者の密通を知らせる怪文書などである。だが関係者二人がベニスで怪死したため……。
背景 作家だけでなく評論家としても活躍している著者の10冊目の邦訳ミステリー。『犯罪の進行』に代表される初期の作品は犯罪小説風の暗い作品が多かったが、本作はクリスティ作品のような謎解き小説。結末に意外性もあり、予想外に楽しめた。

邦題 『アリシア故郷に帰る』
原作者 ドロシー・シンプソン
原題 Last Seen Alive(1985)
訳者 佐々田雅子
出版社 サンケイ出版
出版年 1987/5/10
面白度 ★★★★
主人公 ケント州のステュレンドン警察のサニット警部とラインハム部長刑事のコンビ。二人とも凡人型探偵だが、気のいい、やさしい性格の持ち主。
事件 かつて田園都市ステュレンドンに住んでいたアリシアは、地元の中学校では、クイーンと呼ばれるほど、美しく活発な少女だった。その彼女が20年振りに故郷に戻ってきた。しかしすぐに町のホテルで殺されてしまったのだ。なぜ?
背景 1985年CWA賞シルヴァー・ダガー賞受賞作。一言でいえば”やさしさ”の満ちているミステリー。とはいえ冒頭から殺人が起こり、過去の謎が徐々に暴かれる展開はスリリングで、軽くて迫力不足という作品ではない。解説でヨイショしている関係で、多少高めの評価ですが。

邦題 『幻影空路』
原作者 スペンサー・ダンモア
原題 The Sound of Wings(1984)
訳者 工藤政司
出版社 角川書店
出版年 1987/6/10
面白度  
主人公 

事件 


背景 



邦題 『我らが父たちの偽り』
原作者 アンドルー・テイラー
原題 Our Father's Lies(1985)
訳者 北沢和彦
出版社 サンケイ出版
出版年 1987/3/10
面白度  
主人公 

事件 


背景 



邦題 『別館三号室の男』
原作者 コリン・デクスター
原題 The Secret of Annexe 3(1986)
訳者 大庭忠男
出版社 早川書房
出版年 1987/11/15
面白度 ★★★
主人公 ご存知モース主任警部。シリーズ7作目で、3年ぶりの新作。
事件 相変わらず出だしがうまい。不倫をしているらしい妻と、その事実を見つけた夫とを描写し、物語は一変して大晦日のホテルに移る。その夜の仮装大会で優勝した宿泊者が殺されたのだ。被害者は誰で、冒頭の夫婦との関係は?
背景 詳しいことは書けないが、謎の設定は前作『謎まで三マイル』の逆といってよく、アンフェアな面はあるが、こちらの方が好ましい。もちろんモース主任警部やルイス巡査部長の魅力は衰えず(中年男のいやらしさを含めて!)、これだけでも大いに楽しめる。デクスターは、現代人が住むには不適と思われた”黄色い部屋”を着実に改築しているという印象だ。

邦題 『二人のサード子爵』
原作者 バーティー・デナム
原題 Two Thyrdes(1983)
訳者 加地美知子
出版社 早川書房
出版年 1987/5/15
面白度 ★★★★
主人公 父親のサード子爵二世と息子のサード子爵三世。
事件 父親の冒険は、<1944年クラブ>という内輪の会合で、ドイツのスパイが落とした紙切れを手に入れたことから始まる。一方息子は、それから35年後の同じ会合に出席後、窃盗の容疑をかけられた。過去の事件の影やいかに? という話。父親と息子の冒険が交互に描かれているが、その冒険物語は30年以上の時代差があるにもかかわらず、常に関係をもちつづけ、ついには一点に収斂してしまうという珍しい設定になっている。
背景 謎自体は小粒だが、構成の妙に加えて、冒険小説風の味付けが生きている。まあ、作者は本物の貴族なので、これぞ伝統の強さなのかもしれないが。

邦題 『ファイアフォックス・ダウン』
原作者 クレイグ・トーマス
原題 Firefox Down(1983)
訳者 山本光伸
出版社 早川書房
出版年 1987/2/28
面白度 ★★★
主人公 米空軍のパイロットのミッチェル・ガント。英米情報部の密命を帯びて、ソ連が開発した最新鋭戦闘機を強奪するも、追跡機との空中戦で被弾する。
事件 燃料漏れを起こしたファイアフォックスは、敵機を撃墜後、フィンランドの凍結湖に不時着した。機は湖に消えたが、ガントはソ連軍に捕まえられ、訊問のためにモスクワへ送られた。ガントの上司オーブリーは戦闘機の回収とガントの救出を計るが……。
背景 『ファイアフォックス』の文字通りの続編。物語的には前作の直後から始まるが、書かれたのは7年後。とはいえ違和感は少なく、直ぐに物語に入っていける。戦闘機の強奪という単純な物語ながら、力強い文章で一気に読めてしまう。ご都合主義もかなりのものがあるが。

邦題 『ジェイド・タイガーの影』
原作者 クレイグ・トーマス
原題 Jade Tiger(1982)
訳者 田中昌太郎
出版社 早川書房
出版年 1987/5/31
面白度 ★★★
主人公 一人に絞るならばSIS副長官ケネス・オーブリーだが、部下のパトリック・ハイド、その他のSIS局員も活躍する。
事件 東西ドイツが再統一されることになった近未来が舞台。ところがその立役者である西独首相の政治顧問がソ連のスパイであるという情報が中国からもたらされた。事の重大さから、オーブリー自ら香港に飛び、情報収集を開始した。
背景 ジェイド・タイガー作戦(翡翠の虎作戦)とは、現状のままである方がなにかと好都合という作戦。当時としては意外性のある設定だが、現在からみればオカシナ設定となってしまうから、近未来スパイ小説は大変だ。ただしシーン描写は、迫力があって悪くない。

邦題 『クリミアの亡霊』
原作者 M・J・トロー
原題 Brigate(1986)
訳者 斎藤数衛
出版社 早川書房
出版年 1987/8/15
面白度  
主人公 

事件 


背景 



邦題 『ミッドナイト・ミートトレイン』
原作者 クライヴ・バーカー
原題 Book of Blood No.1(1984)
訳者 宮脇孝雄
出版社 集英社
出版年 1987/1/25
面白度 ★★★
主人公 血の本シリーズの第1巻で、5本の短編が収録されている。
事件 表題作「ミッドナイト・ミートトレイン」は、血を抜かれ毛をそられ、逆さ吊りにされた全裸の死体が地下鉄の中で揺れている、というスプラッター・ホラー。スプラッター映画もほとんど見たことのない人間にとっては、さすがに驚いた。その他の短編は「下級悪魔とジャック」、「豚と血のブルース」、「セックスと死と星あかり」、「丘に、町が」。
背景 最後の「丘に、町が」はもっとも幻想味の強い作品で、本書の中では一番出来がよい。それにしても血しぶきだらけのホラーで、怖さよりもグロが目立ってしまう。ただし通俗的ながら読ませるテクニックはかなりのものがある。

邦題 『ジャクリーヌ・エス』
原作者 クライヴ・バーカー
原題 Book of Blood No.2(1984)
訳者 大久保寛
出版社 集英社
出版年 1987/3/25
面白度 ★★★
主人公 血しぶき一杯の”血の本シリーズ”の第2弾。5本が収録されている。
事件 「恐怖にまさる愉しみはない」という印象的な書き出しで始まるのが冒頭の一編「腐肉の晩餐」。”恐怖の研究”を行なっている大学生の実験を描いたもので、5作の中ではもっとも現実味の濃い恐怖に富んでいる佳作。表題作は、超能力で相手の男を破壊してしまう人妻ジャクリーンが数多くの男を破壊した後、最後に愛する男とともに消滅するホラー。女性好みの内容だ。ミステリー・ファンには、ポーの短編を下敷きにした「新・モルグ街の殺人」が興味深い。
背景 なんでもホラー形式(しかも出血大サービス!)にしてしまう手腕はさすがだが、多量な血に比例するほど驚かなくなったのは、単純な刺激にはすぐ麻痺してしまう証拠か?

邦題 『セルロイドの息子』
原作者 クライヴ・バーカー
原題 Books of Blood Vol.3(1984)
訳者 宮脇孝雄
出版社 集英社
出版年 1987/5/25
面白度  
主人公 

事件 


背景 



邦題 『ゴースト・モーテル』
原作者 クライヴ・バーカー
原題 Books of Blood Vol.4(1985)
訳者 大久保寛
出版社 集英社
出版年 1987/7/25
面白度 ★★
主人公 血しぶき一杯の<血の本>シリーズの第4弾。
事件 表題作は、殺人現場を再訪した幽霊の夫婦が二人の人生を終わらせた惨劇を再体験するという人をくった話。また冒頭の「非人間の条件」は、不良少年が浮浪者の老人からくすねた紐の結び目を解いたばかりに――といった展開のミステリアスなホラーで、いずれも楽しめる。残りの三編(「手」、「欲望の時代」、「悪魔よ、来たれ」)のアイディアは平凡だが、嫌悪感をもよおす執拗な描写はいささかも衰えていない。
背景 しかし全般的には、これまでのシリーズ作品と比べると、それほど恐ろしくないし、血の量も少ない。中だるみ的短編集といえるが、発想の多彩さは相変わらず。

邦題 『マドンナ』
原作者 クライヴ・バーカー
原題 Books of Blood Vol.5(1985)
訳者 宮脇孝雄
出版社 集英社
出版年 1987/9/25
面白度  
主人公 

事件 


背景 



邦題 『ラスト・ショウ』
原作者 クライヴ・バーカー
原題 Books of Blood Vol.6(1985)
訳者 矢野浩三郎
出版社 集英社
出版年 1987/11/25
面白度 ★★
主人公 ”血の本”シリーズ全6巻の最終本。なぜかシリーズ全体のプロローグとエピローグが含まれている。これによると”血の本には、死者たちが少年の体に刻んだ言葉がかさぶたになってできた物語を集めたそうで、ここには4本の短編が収録されている。
事件 なかではブラジル・インディオの呪いを扱った「侵略者の血を」がストレートに楽しめる。表題作は、シリーズの棹尾を飾る短編。悪魔と契約した奇術師の死を巡る話で、恐怖とユーモアが同居している。この両者は対極に位置しているものの、360度異なれば隣り合わせになるので、奇異な感は受けないが、ユーモアの方はいまひとつピンとこない。
背景 翻訳作業でユーモアが脱落してしまった(訳者自身の弁)そうだが、そのせいか?

邦題 『現代イギリス・ミステリ傑作集[1]』
原作者 G・ハーディング編
原題 The Best of Writers Crimes(1986)
訳者 菊池光他
出版社 早川書房
出版年 1987/8/30
面白度 ★★★
主人公 ハーディングが過去に編集した英国ミステリー傑作選17巻の中から選んだ傑作選。41本選ばれており、三分冊で刊行される予定だが、本書はその第一作。
事件 英国ミステリー傑作選は、既訳書を読む限り、大家より中堅作家の活躍が目立ったが、本書は、比較的古い作品が選ばれた関係からか、大家の短編が目立つ。たとえばクリスティーの「クィン氏のティーセット」やアンブラーの「血の協定」、クリスピンの「君が執筆で忙しい……」など。その他、キーティングの「したたかな女」やフランシス「特種」を含む全12本。
背景 安定した出来で、読んで損することはない。個人的にはクリスティーの短編が入っていることがうれしい。これはHMM1972年12月号に掲載され、初めて本に収録されたものである。

邦題 『第3の裏切り』
原作者 マイケル・ハートランド
原題 The Third Betrayal(1986)
訳者 佐和誠
出版社 二見書房
出版年 1987/1/30
面白度  
主人公 

事件 


背景 



邦題 『魔界の家』上下
原作者 ジェームズ・ハーバート
原題 The Magic Cottage(1986)
訳者 関口幸男
出版社 早川書房
出版年 1987/7/31
面白度  
主人公 

事件 


背景 



邦題 『スラッグス』
原作者 ショーン・ハトスン
原題 Slugs(1982)
訳者 茅律子
出版社 早川書房
出版年 1987/6/30
面白度  
主人公 

事件 


背景 



邦題 『殺人ツアーにご招待』
原作者 マリアン・バブソン
原題 Weekend for Murder(1985)
訳者 片岡しのぶ
出版社 サンケイ出版
出版年 1987/2/10
面白度  
主人公 

事件 


背景 



邦題 『地獄の鍵』
原作者 ジャック・ヒギンズ
原題 The Key of Hell(1965)
訳者 佐宗鈴夫
出版社 河出書房
出版年 1987/3/4
面白度
主人公 英国秘密情報部のポール・シャヴァス。父はフランス人、母はイギリス人。ソルボンヌ、ケンブリッジ、ハーバードといった一流の大学で学んだ。語学の天才。
事件 アルバニア工作から帰ってきたジャヴァスは、休暇をとることにした。ところが、暴漢に襲われた女性を助けたことから、彼はその女性を愛してしまい、再びアルバニアに向かうのだった。
背景 ヒギンズが売れない頃に、マーティン・ファロン名義で出した作品。中編とも呼べるほど短い。アルバニアを舞台にしているのが珍しいが、それを除けば、後はあまり特徴のない話。ジャバス・シリーズの全7作のうちの3作目だが、他の作品を読みたいほどではない。もちろんヒギンズ・ファンなら見逃してはいけないが。

邦題 『黒の狙撃者』
原作者 ジャック・ヒギンズ
原題 Confessional(1985)
訳者 菊池光
出版社 早川書房
出版年 1987/3/31
面白度 ★★★
主人公 学者で、元IRA闘士であるリーアム・デヴリン。現在はトリニティ・カレッジ英文学部の教授。『鷲は舞い降りた』や『テロリストに薔薇を』に脇役として活躍している。しかし真の主人公は、スリーパーとなってアイルランドに長らく潜入していたスパイ、ミハイル・ケリイだ。
事件 KGBは、ずっと以前にアイルランドに潜入させた休眠工作員をついに活動させた。不可解なテロの続発に疑問を持った英国情報部は、デヴリンの協力で、犯人を追ったが……。
背景 前半がスパイを探すスパイ小説で、後半はそのスパイの逃亡劇となる。このプロットがあまり気にいらないが、やはりヒギンズ、そこそこには読ませる。ただし後半のケリイは読者の同情を期待するような書き方にもかかわらず、私はそれほど共感できなかった。

邦題 『謀略海域』
原作者 ジャック・ヒギンズ
原題 A Fine Night for Dying(1969)
訳者 小関哲哉
出版社 二見書房
出版年 1987/6/20
面白度  
主人公 

事件 


背景 



邦題 『地獄の群衆』
原作者 ジャック・ヒギンズ
原題 Hell Is Too Crowded(1962)
訳者 篠原勝
出版社 河出書房
出版年 1987/8/4
面白度
主人公 土木技師のマシュー・ブレイディ。恋人のためにクェートに出稼ぎに出た。
事件 クェートで働いて稼いだお金は、すべて恋人の口座に振り込んだ。しかしマシューがロンドンに戻ってみると、女も金も消えていた。恋人に裏切られたと覚ったマシューは、その夜酔いつぶれてテームズ川岸で寝てしまったが、そこに不思議な女が現れ、新たな事件に巻き込まれて殺人の容疑者にされてしまった。
背景 ハリーパターソン名義で書かれたヒギンズ初期の小品。中編のような長さである。導入部は悪くはないが、この部分は、後年の作品(題名は忘れたが)で、そのまま使われているはずだ。オリジナリなものは感じられず、いかにも習作といった印象の作品。

邦題 『雨の襲撃者』
原作者 ジャック・ヒギンズ
原題 The Violent Enemy(1966)
訳者 伏見威蕃
出版社 早川書房
出版年 1987/11/30
面白度 ★★★
主人公 IRAの闘士ショーン・ローガン。
事件 ローガンは刑務所からの脱獄に成功した。そしてたどり着いた隠れ家で、現金輸送車を襲う仕事を依頼された。依頼者が敬愛するIRAの大物であったため、快く仕事を引き受けるが、ロンドン警視庁が彼を追い詰め始め……。
背景 元はヒュー・マーロウ名義で書かれた作品。典型的なヒギンズ作品といってよく、IRA 湖沼地帯、列車襲撃、脱獄など、ヒギンズ作品ではよく背景となるものが登場する。主人公も、自分の美学を押し通すというヒギンズ好みの人物。もちろんご都合主義も目につくのは当然だが、習作にしてはかなり出来のいい作品といってよい。

邦題 『黒衣の女』
原作者 スーザン・ヒル
原題 The Woman in Black(1983)
訳者 河野一郎
出版社 早川書房
出版年 1987/6/15
面白度 ★★★★
主人公 弁護士の<私>。
事件 物語はクリスマス・イブの団欒から始まる。<私>は子供たちから怖い話をねだられた。そして若かりし頃の、潮が引いたときしか道路が確保できない、海辺の謎めいた≪うなぎ沼の館≫での恐ろしい体験を回想するという話。
背景 イギリス人の幽霊好きは異常で(?)、夏になると幽霊見物ツアーも出現するそうだ。当然、日本に比べて幽霊物語や怪談の出版も多く、本書は現代イギリス女性作家の注目株であるヒルの怪奇小説。見事な導入部、無駄のない中盤の展開、意外な結末と三拍子揃った誰でも楽しめる物語。モダン・ホラーではなく、正統的なゴシック・ロマンスだ。

邦題 『シャークに気をつけろ』
原作者 コンスタンティン・フィップス
原題 Careful with the Sharks(1985)
訳者 長野きよみ
出版社 早川書房
出版年 1987/2/28
面白度 ★★★
主人公 盗聴器開発の専門家ハーマン・ニュートン。
事件 ある日ニュートンは英国情報部のシャーク少佐から、極秘任務を依頼された。それはバルセロナにある怪しげな研究所に潜入して、そこで開発中と思われる媚薬の情報を探し出してほしいというもの。昔からスパイに憧れていたニュートンは喜んで研究所に乗り込むが、そこにはKGBのスパイらしい人物も出入りしていたのだ。
背景 セックス・コメディ的な話か、マンガ・スパイ小説かと思ったが、そうではなかった。たぶんミケシュの『スパイになりたかったスパイ』のような洒落たユーモア小説を書きたかったのであろう。狙いは悪くないものの、結果は残念ながら”ミケシュになりそこなった作者”でしかない。

邦題 『エンドレス・ゲーム』
原作者 ブライアン・フォーブス
原題 The Endless Game(1986)
訳者 田村義進
出版社 サンケイ出版
出版年 1987/2/10
面白度 ★★★★
主人公 英国MI6の諜報部員ヒルズデン。
事件 ロンドンの老人ホームで一人の女性が殺害された。彼女はヒルズデンのかつての恋人で、同僚であったが、4年前モスクワから廃人同様で送還され、いまの老人ホームで生活していたのだ。ヒルズデンは調査を始めると、内務大臣の車が爆破されるなど不審な事件が続いた。彼はついに偽装亡命で、ソ連に入国しようとするが……。
背景 久しぶりのスパイ小説らしいスパイ小説。前半が特に良い。物語は悠然と進んでいくが、過去のエピソードを入れて、何故かつての恋人が殺されたのかという謎を追う。ヒルズデンの家庭も巧みに描かれている。あたり前の結末が(まあ、そうならざるを得ないが)、少し残念。

邦題 『女王陛下の暗殺者』
原作者 アラン・プライア
原題 Her Majesty's Hit Man(1986)
訳者 山根和郎
出版社 二見書房
出版年 1987/1/30
面白度  
主人公 

事件 


背景 



邦題 『盗聴者』
原作者 ジョン・フランカム&ジェームズ・マグレガー
原題 Evasdropper(1986)
訳者 佐宗鈴夫
出版社 集英社
出版年 1987/12/20
面白度 ★★★
主人公 競馬紙の記者ジェームズ・サッカレー。アマ障害レースの騎手でもある。
事件 ジョッキー・クラブの理事が、競馬場の馬匹運搬車の中で刺殺された。警察は調教師を逮捕するが、事件の第一発見者であるサッカレーは不審を抱いて調査に乗り出した。だが、何者かがサッカレーに届けた一本の盗聴テープから、事件は意外な展開を始める。
背景 元障害競馬騎手と法廷弁護士の合作による第一作。本のオビには「ついにD・フランシスをこえた競馬ミステリーの新人作家登場」と書かれているが、そのような新人が簡単に出てくるとは思えない。この作品も”こえた”状態ではないものの、競馬場の雰囲気や競馬の面白さはうまく表現されている。ラストがグランド・ナショナルに設定されているのもいい。

邦題 『連闘』
原作者 ディック・フランシス
原題 Bolt(1986)
訳者 菊池光
出版社 早川書房
出版年 1987/12/15
面白度 ★★★★
主人公 障害競馬のチャンピオン騎手キット・フィールディング。前作『侵入』の続編的な作品。
事件 キットはレースで何度も勝利をあげていたものの、心は晴れなかった。婚約者が他の男に心を奪われていたからだ。そのようなキットに馬主の王女が、彼女の夫が脅迫されているので助けてほしいと頼まれた。キットは生命の危険にさらされるが……。
背景 続編ということで、登場人物には馴染みがあるので、最初から物語にのめり込める。恋愛が重要なテーマだが、恋を描かせてもフランシスはうまいものである。これまでの作品に比べて、悪役が小粒で単純なのが弱点といえばいえないこともないが、まあ大きな欠点にはなっていない。ハッピー・エンドで、いつもながら読後感は爽やかな一語に尽きる。

邦題 『収容所から出された男』
原作者 B・フリーマントル
原題 Face Me When You Walk Away(1974)
訳者 飯島宏
出版社 新潮社
出版年 1987/1/25
面白度 ★★★
主人公 ソ連の対外交渉専門家ヨーゼフ・ブルトヴァ。一度強制収容所に入っていたことがある。
事件 ソ連からノーベル文学賞候補が出た。ソ連の文化相は候補者が確実に賞を受賞できるように、候補者に西欧で講演をさせようとし、その保護者役としてブルトヴァが任命されたのだ。しかしブルトヴァは、そこに文化相の罠を感じた。以前のような強制収容所送りは絶対に否だ。しかし彼の前途には予測もつかない難関が!
背景 著者の二作目のスパイ小説。ソ連の西欧専門家の心理がじっくり描かれている。暗い話だが、さすがにジャーナリストらしく、ノーベル文学賞の裏話などはリアリティをもって書かれている。ソ連人の描き方が類型的過ぎるが、70年代のスパイ小説なのでしかたないか。

邦題 『最後に笑った男』上下
原作者 B・フリーマントル
原題 Misfire(1980)
訳者 東江一紀
出版社 新潮社
出版年 1987/7/25
面白度  
主人公 

事件 


背景 



邦題 『毒殺は公開録画で』
原作者 サイモン・ブレッド
原題 Dead Give away(1985)
訳者 藤本直
出版社 角川書店
出版年 1987/9/25
面白度 ★★★
主人公 売れない中年の俳優チャールズ・パリス。シリーズの4冊目。
事件 今回の事件の背景はテレビ界。新たに始まるクイズ番組のテスト版に出演したパリスが、女癖の悪い番組司会者の毒殺事件を解決する話。作者がテレビ界出身だけに、製作現場の裏話が、例によってユーモラスに語られていく。
背景 翻訳は一時中断の状態であったが、4年ぶりの復活である。話の展開そのものはきわめてオーソドックスな構成で、そのうえ訳題が通俗すぎるため、熱心な本格ファン以外には無視されそうな作品だが、クリスティーのミステリーのように、あるいはペリー・メイスン物のように、気軽に安心して付き合えるシリーズ物なのである。

邦題 『影の帝国を撃て』
原作者 ジョン・ヘイル
原題 The Whistle Blower(1984)
訳者 後藤安彦
出版社 早川書房
出版年 1987/9/30
面白度  
主人公 

事件 


背景 



邦題 『孤独の海』
原作者 アリステア・マクリーン
原題 The Lonely Sea(1985)
訳者 高津幸枝他
出版社 早川書房
出版年 1987/2/28
面白度  
主人公 

事件 


背景 



邦題 『殺意の疾る夜』
原作者 マーガレット・ヨーク
原題 Safely to the Grave(1986)
訳者 浅羽莢子
出版社 二見書房
出版年 1987/5/20
面白度 ★★★
主人公 家具店の配送係ミック・ハーヴィ。
事件 ミックは、無謀運転のために職を失った。警察に通報されたことを恨んだミックは、通報者である二人の中年女性を脅迫するという話。性格異常者を扱った犯罪小説。
背景 一般に英国ミステリー作家の犯罪小説、サスペンス小説は、米国作家の作品より地味なものが多い。したがって英国産の犯罪小説、サスペンス小説は、本国でかなり評判にならないと日本には紹介されにくかった。レンデルでさえ本邦初紹介は、本国デビュー後16年であるが、本書の著者も17年後の日本デビューである。レンデルほどねちねちした描写はすくないだけに迫力はいまひとつだが、読後暗い気分で落ち込むことはない。

邦題 『苦い林檎酒』
原作者 ピーター・ラヴゼイ
原題 Rought Cider(1986)
訳者 山本やよい
出版社 早川書房
出版年 1987/9/30
面白度 ★★★★★
主人公 大学講師のシンクレア。幼少時に小児麻痺に罹り歩行障害を持つ。
事件 プロットはクリスティーの『5匹の子豚』や、最近翻訳されたレンデルの『死が二人を別つまで』と同様、昔の裁判で絞首刑となった人物の子供が、その後判決に疑問を持ち、再調査を始めるというもの。ラヴゼイらしいひと捻りは、再調査の協力者をシンクレア(その彼が9歳時の証言が死刑の決定的証拠となる)に設定したことだ。
背景 そのうえ、林檎酒の中から骸骨を出したり、歩行障害のあるシンクレアをクライマックスに巻き込んでサスペンスを盛り上げたりと、読者サービスも怠りない。小品なので、一般には『偽のデュー警部』の方が評価は高いが、私はこちらの方が好き。文字通り読書の愉しみを与えてくれる。

邦題 『北壁の死闘』
原作者 ボブ・ラングレー
原題 Traverse of the Gods(1980)
訳者 海津正彦
出版社 東京創元社
出版年 1987/12/18
面白度 ★★★★
主人公 天才クライマー、エーリッヒ・シュペングラー。
事件 アイガー北壁で氷漬けのナチ軍人の死体が見つかった。警察は発見者に口止めをしたが、BBC局員が意外な事実を探り出した。第二次大戦末期ドイツは原爆開発のため、アイガーに近い研究施設から研究者を誘拐する計画を立てたのだ。奇襲部隊はシュペングラーを含む精鋭と女医。誘拐は成功するものの、アメリカ軍に追われて、彼らは魔の北壁に追い詰められた。
背景 山岳冒険小説の傑作。プロローグから快調である。やがて訓練の話が長々と続く。このあたりも山好きには興味深い。北壁を乗り越えて逃げなければならないというのは、やはりご都合主義だが、まあ許そう。結末は予測はつくものの、感動的な終り方である。

邦題 『刑事の誇り』
原作者 マイクル・Z・リューイン
原題 Hard Line(1982)
訳者 田口俊樹
出版社 早川書房
出版年 1987/10/15
面白度 ★★★
主人公 インディアナポリス警察の警部補リーロイ・パウダー。
事件 夜勤刑事から失踪人課に変わったパウダーだが、状況はそう変わらなかった。予算は少ないし、部下が来たと思えば車椅子に乗った女性刑事のフリートウッド刑事だ。息子もなにか悪事に手を染めているらしい。でも手始めに全裸で自殺を図った女性の事件を調べるが……。
背景 著者の私立探偵サムスン・シリーズからスピンアウトしてシリーズ化したパウダー物の第ニ弾。いわゆるモジュラー型警察小説で、ひとつの事件を追う話ではないが、会話で登場人物の性格を読者にわからせてしまうテクニックはたいしたものである。パウダーの性格設定が、いかにもアメリカ人的で、私はあまり好感を持てないが、フリートウッド刑事との係わりは興味深い。

邦題 『パーフェクト・スパイ』上下
原作者 ジョン・ル・カレ
原題 A Perfect Spy(1986)
訳者 村上博基
出版社 早川書房
出版年 1987/4/30
面白度 ★★
主人公 マグナム・ピム。妻と息子一人の50歳代の男(離婚歴あり)。表面的にはウィーン駐在の英国大使館参事官として働いているが、実際は情報部の上級職員である。
事件 二重スパイの疑いをかけられたピムが失踪した。英国情報部は密かに捜索を開始したものの、手掛かりがつかめない。一方、南デヴォン州の避難所に逃れたピムは、父親や妻、自分自身について、偽りのない告白を綴りだした。
背景 スマイリー三部作でお馴染みのル・カレの最新スパイ小説。スパイ組織の官僚化を扱った従来のスパイ小説との大きな違いは、自伝的色彩の強いことと、父と子の物語であること、などである。いわば、小説家として書き残したいことを書いた作品といえる。読みにくいのが欠点。

邦題 『長く孤独な狙撃』
原作者 パトリック・ルエル
原題 The Long Kill(1986)
訳者 羽田詩津子
出版社 早川書房
出版年 1987/4/15
面白度 ★★★★
主人公 殺し屋のジェイスミス。初めての失敗で現役を引退した。
事件 ジェイスミスは、過去を捨ててひっそりと暮すべく、湖水地方にコテージを買った。そして密かに思いを寄せる女性との幸福な生活を夢見ていた。その女性とはコテージの持ち主の姪で、美しい未亡人アーニャであったが、驚いたことにアーニャの父が、彼が撃ち損じた男だったのだ。これまでとは逆に、今度はその男を守る必要がある!
背景 上手い。レジナルド・ヒルがルエル名義で書いた小説なので、上手いのは当然なのかもしれないが、特に前半が良い。中年の殺し屋と未亡人がともに惹かれていく状況を、湖水地方を背景にして描いている。ミステリー版”男と女”。不満があるとすれば、最後かな。

邦題 『月に住む女』
原作者 ドナルド・レームクール
原題 The Woman in the Moon(1986)
訳者 山本俊子
出版社 早川書房
出版年 1987/7/15
面白度 ★★
主人公 女性雑誌で人生相談を担当する女性コラムニストのジーナ・ベアード。
事件 ジーナの生活は表向きは華やかだが、実際は大変だった。家の維持費はかさむし、音楽家の夫はあまり働かない。息子も問題児だった。そんなとき、彼女に相談の手紙を送ってきた女性が、近くで絞殺される事件があった。これをネタに本を書いてみようと思い立ったジーナが調べ始めると、また近所で似たような殺人事件が起きたのだ。
背景 表題の”月に住む女”とは、”手の届かない女”または”冷たい女”という意味で、ジーナの夫がジーナにいう言葉。異常性格者の連続殺人をサスペンス小説としてではなく、風俗ミステリーとして扱ったところが珍しい。ただしジーナには読者を惹き付ける魅力があまりない。

邦題 『シャーマン迎撃戦線』
原作者 アントニー・レジュネ
原題 Strange and Private War(1986)
訳者 冬川亘
出版社 二見書房
出版年 1987/5/20
面白度 ★★★★
主人公 謎の組織フッシャーズのメンバーたちだが、中で一人だけ挙げれば、トラベル・ライターのリチャード・クレイバーン。ただしシリーズ・キャラクターは英国政府高官アーサー・ブレイズ。
事件 リチャードはさるパーティで美人のイレーナと出会い、愛し合うようになった。だが、ある夜ベッドから目撃したのは、彼の私物を秘かに調べるイレーナの姿だった。何故なのか? 彼は女友達に調査を頼んだが、やがて南アや東ドイツでの脱出劇に参加することになるとは!
背景 本邦初紹介作家のスパイ冒険小説。二見文庫からの出版や題名から想像して、派手な銃撃戦のある小説かと思ったが、意外やJ・バカン流の古風な冒険小説だった。ル・カレやデイトンとは大違いの作風だが、意表をつくプロットやユーモアは結構楽しめる。

邦題 『赤い原潜を捕捉せよ』
原作者 ハワード・レナルズ
原題 The Defector(1986)
訳者 青木栄一
出版社 二見書房
出版年 1987/11/25
面白度  
主人公 

事件 


背景 



邦題 『もはや死は存在しない』
原作者 ルース・レンデル
原題 No More Dying Then(1971)
訳者 深町眞理子
出版社 角川書店
出版年 1987/1/25
面白度 ★★★
主人公 キングズマーカム警察のレジナルド・ウェクスフォード主任警部。1971年刊の作品だけに、最近のような痩身とはいえず、肥り気味で高血圧に悩まされている。
事件 離婚した母親に育てられていた5歳の少年が行方不明となった。半年ほど前にも12歳の少女が失踪している。二つの事件は、何かつながりがあるのだろうか? 事件を担当することになったバーデン警部は、最愛の妻を亡くした後だけに、精神的にはひどく落ち込んでいたが……。
背景 プロットの面白さは、ニ件の児童失踪がいかに結びつくかにあるが、小説的な面白さは、バーデン警部の私生活(性生活を含めて!)の描写にある。今回はウェクスフォードと同等の活躍で、もう一人の主人公といってよい。比較的初期の作品でもあり、完成度はイマイチ。

邦題 『運命のチェスボード』
原作者 ルース・レンデル
原題 Wolf to the Slaughter(1967)
訳者 高田恵子
出版社 東京創元社
出版年 1987/4/17
面白度 ★★
主人公 レジナルド・ウェクスフォード主任警部。シリーズ物の第3作。
事件 匿名の手紙がキングズマーカム署に届いた。それには「アンという女が殺された。犯人はジェフ・スミスだ」と書かれていた。ウェクスフォードは調査を始めたが、死体さえ発見できなかった。本当に殺人はあったのか?
背景 レンデルの作品としては、かなり読みにくい作品。翻訳が悪いというわけではなさそうだ。登場人物の生活は詳しく触れられているものの、肝心の捜査は、物語の中盤すぎまであまり進展しないからだ。まだレンデルのプロットを語る技術が十分でないからであろう。この作者は、最初から語り口が上手い作家というわけでなく、60年代の作品は助走時代のようだ。

邦題 『無慈悲な鴉』
原作者 ルース・レンデル
原題 An Unkindness of Ravens(1985)
訳者 吉野美恵子
出版社 早川書房
出版年 1987/5/31
面白度 ★★★★
主人公 お馴染みのウェクスフォード主任警部。
事件 シリーズの最新作。彼の部下バーデンはすでに再婚していて面食らうが(なにしろ一ヶ月前の訳書では前妻と生活しており、四ヶ月前の訳書では妻との死別直後なので)、それはともかく今回は、駆け落ちと思われていたウェクスフォードの隣人がやがて他殺死体で見つかり……という事件である。
背景 例によって我々と似たような中流階級の人々の生活や、ウーマン・リブ運動や大学受験戦争という風俗描写の中に巧みに伏線を張っている。考えてみると非現実なプロットなのだが、これをなんとなく納得させてしまう作家としての力量には、毎度のことながら脱帽。

邦題 『死が二人を別つまで』
原作者 ルース・レンデル
原題 A New Lease of Death(1967)
訳者 高田恵子
出版社 東京創元社
出版年 1987/6/19
面白度 ★★★
主人公 ウェクスフォード首席警部。シリーズの第ニ作。
事件 16年前に解決されたはずの事件を再調査したいという内容の手紙が届いた。それは教区牧師の手紙で、息子の婚約者の父親が殺人犯として処刑されたが、父親の無実が証明されないかぎり、結婚はしないといっているので、なんとかしたいというものだった。時の壁は厚く、牧師の調査は難航するが、なんといってもその事件は、ウェクスフォードが初担当したもので、絶対の自信をもって解決した殺人事件であったからだ。
背景 レンデルの上手いところは、ウェクスフォードを絶対のピンチに追い込んだ設定である。一般に過去の事件を蒸し返そうとすると、ラストは違う犯人が見つかるものだが、そうなるとウェクスフォードが悪役になってしまう! そこをメデタシ、メデタシで締めているのはサスガだ。

邦題 『悪夢の宿る巣』
原作者 ルース・レンデル
原題 One Across Two Down(1971)
訳者 小尾芙佐
出版社 角川書店
出版年 1987/6/25
面白度 ★★★
主人公 クロスワード・パズルが大好きなスタンリー。
事件 スタンリーはひたすら義母の死ぬ日を待っていた。義母の遺産が手に入れば、いまの惨めな生活からサヨナラできるからである。しかし不仲の義母は、彼に遺産が渡らないような手を打っていたのだ。そのことを知ったスタンリーは、義母に殺意を抱いた。そして絶好の機会が訪れたのだ。義母の親友が義母の家で脳溢血で亡くなったからである。
背景 レンデルの非シリーズ物である。非シリーズ物であれば、これまでは性格異常者の登場するサイコ・スリラーであったが、本書は、スタンリーは性格異常者にもかかわらず、パズラー的色彩が濃い小説になっている。いまひとつサイコ・スリラーとうまく溶け合っていないのが残念。

邦題 『死のひそむ家』
原作者 ルース・レンデル
原題 The Secret House of Death(1968)
訳者 成川裕子
出版社 東京創元社
出版年 1987/9/25
面白度 ★★
主人公 子持ちの離婚女性と死んだ男の友人。
事件 隣りの家には、主人が留守になると、ひとりの男が訪れるようになった。すぐに噂が立ち始めたが、やがて二人は邸内で射殺死体で発見された。誰もが心中と思ったが……という展開で、物語は隣家の子持ちの離婚女性と死んだ男の友人の目を通して語られる。
背景 レンデルの初期の作品。サイコ・スリラー物としても、謎解きミステリーとしても中途半端なのである。スリラーとしては最後にならないと盛り上がらないし、謎解きとしては誰が探偵役なのか、よくわからない。まあ、二つのストーリーを結末で結び付けるのはレンデルの得意の手だから、このようなプロットになったと思われるが、60年代のレンデルは完成度がイマイチである。

邦題 『偽りと死のバラッド』
原作者 ルース・レンデル
原題 Some Lie and Some Die(1973)
訳者 深町眞理子
出版社 角川書店
出版年 1987/9/25
面白度 ★★★
主人公 ウェクスフォード主任警部。病気療養を兼ねてロンドンに滞在した(『ひとたび人を殺さば』)の次の年の事件にもかかわらず、ウェクスフォードの推理力は衰えていない。
事件 キングズマーカム近くのサンデーズ緑地では、野外フォーク・フェスティヴァルが開催された。数万の若者が集り盛り上がりを見せていたので、警備を担当したウェクスフォードらは不祥事を心配していたが、不幸にも若い女性の死体が、緑地の採石場で発見されたのだ。
背景 ウェクスフォード物は本格ミステリー味と風俗ミステリー味が巧みに混じりあっている点に特徴があるが、この作品は比較的初期に属するものだけに、前者の味が濃く、いささか古臭い味付けとなっている。とはいえ今年紹介された7冊の中ではベスト3には入る作品だ。

邦題 『モズリー卿の領収書』
原作者 ケネス・ロイス
原題 The Mosley Receipt(1985)
訳者 関口幸男
出版社 サンケイ出版
出版年 1987/7/10
面白度 ★★★
主人公 元盗人で現在は旅行者を経営しているウィリー・スコット(”スパイダーマン”と言われる)とロンドン警視庁警視のジョージ・プルマン。
事件 スコットが世話になり、ブルマンの先輩である元警視正が自宅の風呂場で怪死した。石鹸を踏み誤った事故死と処理されたが、疑問を抱いた娘はブルマンに調査を依頼する。スコットは囮になって刑務所に潜入し、ブルマンは辞職願を出してまで捜査を続けるが……。
背景 スコットとブルマンが活躍するシリーズは現在まで7作あるそうだが、本書は『クリプト・マン』に続く第2弾。第二次世界大戦前に実在した英ファシスト同盟の指導者モズリー卿を巡るスパイ小説だが、陰謀の底は浅い。スコットの活躍するスリラーとしては結構楽しめる。

邦題 『暗号口座ドランラブ627』
原作者 ケネス・ロイス
原題 The Stalin Account(1984)
訳者 広瀬順弘
出版社 角川書店
出版年 1987/9/25
面白度 ★★★★
主人公 失業中の記者エディ・タイラーと元KGB議長の孫娘ラヤ・ドブロヴァ。
事件 亡くなったエディの大叔母の日記帳が紛失した。そこには若い頃彼女が愛した東欧の男との思い出が書かれていたのだ。だが、なぜかエディには監視がつくようになり、日記の存在を知る看護婦は殺された。一方ほぼ同じ時期にモスクワでは元KGB議長が死んだ。それらは、スイス銀行に眠る隠し口座を巡るKGBや英国情報部の死闘の始まりであった。
背景 面白い。スパイ陰謀小説だが、著者の作品の中では一番出来がいいのではないか。最初にでてくるKGB議長の純愛(?)はいかにもご都合主義だが、その後により大きな謎が現れてきて魅せられる。中盤もテンションは落ちない。ラストの意外性も鮮やかで、後味も悪くない。

邦題 『ロシア艦隊を買収せよ スミス艦長物語5』
原作者 アラン・エバンズ
原題 ()
訳者 小牧大介
出版社 至誠堂
出版年 1987/2/5
面白度  
主人公 

事件 


背景 



邦題 『遥かなる敵影』
原作者 アレグザンダー・ケント
原題 Enemy in Sight!(1980)
訳者 高津幸枝
出版社 早川書房
出版年 1987/12/25
面白度  
主人公 

事件 


背景 



邦題 『ナイルの密約』
原作者 ロバート・チャロナー
原題 Give Fine !(1986)
訳者 高永洋子
出版社 早川書房
出版年 1987/7/15
面白度  
主人公 

事件 


背景 



邦題 『目標、武装商船』
原作者 デヴィッド・ビーティ
原題 The White Sea-Bird(1978)
訳者 藤下嘉昭
出版社 朝日ソノラマ
出版年 1987/10/12
面白度  
主人公 

事件 


背景 



邦題 『ミッシングスパイ』上下
原作者 アンソニー・フォレスト
原題 Captain Justice(1981)
訳者 出光宏
出版社 至誠堂
出版年 1987/10/512/5
面白度  
主人公 

事件 


背景 



邦題 『潜航ダーダネルス』
原作者 アレグザンダー・フラートン
原題 Patorol to the Golden Horn(1978)
訳者 高岬沙世
出版社 光人社
出版年 1987/4/6
面白度  
主人公 

事件 


背景 



邦題 『激闘、リオン湾』
原作者 アレグザンダー・フラートン
原題 From Line of Battle(1969)
訳者 高橋泰邦
出版社 早川書房
出版年 1987/10/31
面白度  
主人公 

事件 


背景 



邦題 『フィヨルドの死闘』
原作者 アレグザンダー・フラートン
原題 Stome Force to Narvic(1979)
訳者 高岬沙世
出版社 光人社
出版年 1987/11/6
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邦題 『トラファルガー残照 ラミジ艦長物語21』
原作者 ダドリ・ポープ
原題 Ramege at Trafalgar(1986)
訳者 小牧大介
出版社 至誠堂
出版年 1987/4/30
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邦題 『炎の駆逐艦』
原作者 フィリップ・マカッチャン
原題 Cameron Ordinary Seaman(1980)
訳者 佐和誠
出版社 早川書房
出版年 1987/2/28
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