1983年に翻訳された英国ミステリー

本年のベスト5
(1)『午後の死』(シェリイ・スミス)
(2)『偽のデュー警部』(ピーター・ラヴゼイ)
(3)『パスコーの幽霊』(レジナルド・ヒル)
(4)『乙女の悲劇』(ルース・レンデル)
(5)『サバイバル・ゲーム』(ジェイムズ・リー)

本年の特徴
 この年は、謎解き小説に秀作が目立ち、逆にスパイ冒険小説は不作の年であった(目立つのはル・カレの『リトル・ドラマー・ガール』くらいか)。トップに挙げた『午後の死』は私の好みの作品で、まったくの予備知識なしに読んだので驚きも大きかった。『偽のデュー警部』は、本格ミステリー・ファンの評価が高い作品で、ラヴゼイはこの年『マダム・タッソーがお待ちかね』も出て、大活躍の年であった。世評高いといえば、私はそれほどかわないがP・D・ジェイムズの『皮膚の下の頭蓋骨』も出ている。なお『サバイバル・ゲーム』は新人の作品で、拾い物の一冊。

題 名 原作者 翻訳者 出版社 面白度
『ロスノフスキ家の娘』 ジェフリー・アーチャー 永井淳 新潮社 ★★★
『ソロモンの怒涛』 ハモンド・イネス 池央耿 早川書房 ★★★
『脱出せよ、ダブ!』 クリストファー・ウッド 佐和誠 早川書房 ★★★
『死体は沈黙しない』 キャサリン・エアード 高橋豊 早川書房 ★★★
『聖女が死んだ』 キャサリン・エアード 高橋豊 早川書房 ★★
『シャーロック・ホームズのライヴァルたち』 押川曠編 押川・乾 早川書房 ★★★
『シャーロック・ホームズのライヴァルたち2』 押川曠編 押川・乾 早川書房 ★★★
『亡霊たちの真昼』 J・D・カー 池央耿 東京創元社
『黒い塔の恐怖』 J・D・カー 宇野・永井 東京創元社 ★★★
『スペクターの逆襲』 ジョン・ガードナー 高見浩 文藝春秋 ★★★
『亡霊機の帰還』 ジョン・ガードナー 村社伸 早川書房  
『メルトダウン作戦』 ジョン・ガードナー 高見浩 文藝春秋 ★★
『謀殺ポイントへ飛べ』 ダンカン・カイル 田村義進 早川書房  
『14分の海難』 ブライアン・キャリスン 村社伸 早川書房  
『メッカを撃て』 A・J・クィネル 大熊栄 集英社 ★★★
『ホッグス・バックの怪事件』 F・W・クロフツ 大庭忠男 東京創元社 ★★★★
『死の鉄路』 F・W・クロフツ 中山善之 東京創元社 ★★★
『ザ・スクープ』 クロフツ他 飛田・金塚 中央公論社 ★★★
『ジョン・コリア奇談集』 ジョン・コリア 中西秀男 サンリオ  
『不自然な死体』 P・D・ジェイムズ 青木久恵 早川書房 ★★★
『皮膚の下の頭蓋骨』 P・D・ジェイムズ 小泉喜美子 早川書房 ★★★
『午後の死』 シェリイ・スミス 山本俊子 早川書房 ★★★★★
『オズワルド叔父さん』 ロアルド・ダール 田村隆一 早川書房 ★★★
『探偵小説の世紀・上』 G・K・チェスタトン 宇野利泰 東京創元社 ★★★
『真夜中の客』 コナン・ドイル 小池滋監訳 中央公論社 ★★
『最後の手段』 コナン・ドイル 小池滋監訳 中央公論社
『レパードを取り戻せ』 クレイグ・トーマス 菊池光 早川書房 ★★★
『パパとママに殺される』 ジョージ・ハーディング編 中村保男 早川書房 ★★★
『作家の妻の死』 ロバート・バーナード 水野谷とおる 早川書房 ★★★
『神の最後の土地』 ジャック・ヒギンズ 沢川進 早川書房 ★★
『パスコーの幽霊』 レジナルド・ヒル 秋津知子 早川書房 ★★★★
『氷雪のゼルヴォス』 コリン・フォーヴズ 黒岩俊一 東京創元社 ★★
『ペテルブルグから来た男』 ケン・フォレット 矢野浩三郎 集英社 ★★★
『配当』 ディック・フランシス 菊池光 早川書房 ★★★
『赤い絵は見ている』 アントニア・フレイザー 北見麻里 早川書房 ★★★
『赤い国境線』 エドワード・ベア 朝河伸英 早川書房  
『誰がロバート・プレンティスを殺したか』 D・ホイートリー&J・リンクス 土屋政雄 中央公論社 ★★★★
『マリンゼー島連続殺人事件』 D・ホイートリー&J・リンクス 土屋政雄 中央公論社 ★★★
『新・黒魔団』 デニス・ホイートリー 片岡しのぶ 国書刊行会 ★★★
『娘を悪魔に』 デニス・ホイートリー 根元政信 国書刊行会  
『手掛かりはここにあり』 D・ホイートリー&J・リンクス 土屋政雄 中央公論社
『悪魔主義者』上下 デニス・ホイートリー 小林勇次 国書刊行会  
『ナチス黒魔団』上下 デニス・ホイートリー 根元政信 国書刊行会 ★★
『北京暗殺団をつぶせ』 アダム・ホール 朝河伸英 早川書房 ★★
『ゲスリン最後の事件』 フィリップ・マクドナルド 真野明裕 東京創元社 ★★★
『雪原の炎』 アリステア・マクリーン 小倉多加士 早川書房  
『智勝寺殺人事件』 ジェイムズ・メルヴィル 田中昌太郎 中央公論社 ★★★
『マクシム少佐の指揮』 ギャビン・ライアル 菊池光 早川書房  
『マダム・タッソーがお待ちかね』 ピーター・ラヴゼイ 真野明裕 早川書房 ★★★★
『偽のデュー警部』 ピーター・ラヴゼイ 中村保男 早川書房 ★★★★
『サバイバル・ゲーム』 ジェイムズ・リー 島田三蔵 早川書房 ★★★★
『リトル・ドラマー・ガール』 ジョン・ル・カレ 村上博基 早川書房 ★★★★
『レ・ファニュ傑作集』 J・S・レ・ファニュ 小池滋・斎藤重信 国書刊行会 ★★
『乙女の悲劇』 ルース・レンデル 深町眞理子 角川書店 ★★★★
『若者は恐れずに歌った上 マーカム家の海の物語1』 ジョン・ウィリアムズ 出光宏 至誠堂  
『南海に祖国の旗を』 アレグザンダー・ケント 高橋泰邦 早川書房  
『コーンウォールの若獅子』 アレグザンダー・ケント 高橋泰邦 早川書房  
『漂流航海・死闘の41日』 C・ノードホフ&ホール 海津正彦 三崎書房 ★★★
『財宝輸送団を拿捕せよ』 アダム・ハーディ 高永洋子 三崎書房  
『遠い船影 ラミジ艦長物語16』 ダドリ・ポープ 出光宏 至誠堂  
『孤島の人質 ラミジ艦長物語17』 ダドリ・ポープ 影山栄一 至誠堂  

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