1977年に翻訳された英国ミステリー

本年のベスト5
(1)『キドリントンから消えた娘』(コリン・デクスター)
(2)『スティーム・ピッグ』(ジェイムズ・マクルーア)
(3)『隠された栄光』(アントニイ・プライス)
(4)『百万ドルをとり返せ!』(ジェフリー・アーチャー)
(5)『タイトロープ・マン』(デズモンド・バグリー)

本年の特徴
この年は、地味な傑作が多い。またベスト5が謎解き小説、警察小説、スパイ陰謀小説ということからもわかるように、さまざまなジャンルのミステリーが数多く出版されるようになった。さらに日本ではシャーロック・ホームズのライバルたちが本格的に紹介された年でもある。つまり翻訳ミステリー出版の隆盛が始まった年であることがわかる。個人的に特筆すべきことは、この年の後半からミステリー専門誌「EQ」の書評に参加したことだろう。遊び時間のほとんどがミステリーを読むことに費やされることになったが、なにはともあれエンジニアにとっては、刺激的で奇妙な生活が始まった年であった。

題 名 原作者 翻訳者 出版社 面白度
『百万ドルをとり返せ!』 ジェフリー・アーチャー 永井淳 新潮社 ★★★★
『レスカフの原人』 ハモンド・イネス 工藤政司 早川書房 ★★★
『新・私を愛したスパイ』 クリストファー・ウッド 井上一夫 早川書房 ★★★
『リヴァーサイドの殺人』 キングズリイ・エイミス 小倉多加志 早川書房 ★★
『サラディン』 A・オズモンド 武富義夫 角川書店
『隅の老人の事件簿』 オルツイ 深町眞理子 東京創元社 ★★★
『クリスティー傑作集』 各務三郎編 深町眞理子 番町書房 ★★★
『スリーピング・マーダー』 アガサ・クリスティー 綾川梓 早川書房 ★★★
『暗殺者のゲーム』 ジェラルド・シーモア 沢川進 早川書房 ★★
『女の顔を覆え』 P・D・ジェイムズ 山室まりや 早川書房 ★★★
『ある殺意』 P・D・ジェイムズ 山室まりや 早川書房 ★★★
『星のかけら』 ジェフリー・ジェンキンズ 森崎潤一郎 早川書房  
『暴風海域』 ジェフリー・ジェンキンズ 白石佑光 早川書房  
『わが愛しのローラ』 ジーン・スタッブス 青木久恵 早川書房 ★★★
『黒い霊気』 ジョン・スラデック 風見潤 早川書房  
『切り札の男』 ハドリー・チェイス 伊藤哲 東京創元社 ★★★
『エドウィン・ドルードの謎』 チャールズ・ディケンズ 小池滋 講談社 ★★★
『キドリントンから消えた娘』 コリン・デクスター 大庭忠男 早川書房 ★★★★
『ファイアフォックス』 クレイグ・トーマス 中村定 パシフィカ ★★★
『キャナンザの熱い風』 アントニイ・トルー 牛津二郎 早川書房 ★★
『タンゴ・ノヴェンバー』 ジョン・ハウレット 一ノ瀬直二 集英社 ★★
『古代のアラン』 H・R・ハガード 山下諭一 国書刊行会
『タイトロープ・マン』 デズモンド・バグリー 矢野徹 早川書房 ★★★
『墜落事故調査員』 デビッド・ビーティー 石川好美 酣燈社
『ハンター』 ピーター・ヒル 吉野美恵子 早川書房 ★★
『灰色の部屋』 イーデン・フィルポッツ 橋本福夫 東京創元社 ★★
『セーヌ湾の反乱』 C・S・フォレスター 高橋泰邦 早川書房  
『隠された栄光』 アントニイ・プライス 菊池光 早川書房 ★★★★
『追込』 ディック・フランシス 菊池光 早川書房 ★★★
『ソーンダイク博士の事件簿』 A・フリーマン 大久保康雄 東京創元社 ★★★
『フォーチュン氏の事件簿』 H・C・ベイリー 永井淳 東京創元社 ★★
『幽霊狩人カーナッキ』 W・H・ホジスン 田沢幸男他 国書刊行会 ★★★
『女王館の秘密』 ビクトリア・ホルト 小尾芙佐 角川書店 ★★★
『毒薬ミステリ傑作選』 レイモンド・ボンド編 宇野利泰他 東京創元社 ★★★
『世界暗号ミステリ傑作選』 レイモンド・ボンド編 田中海彦他 番町書房 ★★★
『続世界暗号ミステリ傑作選』 レイモンド・ボンド編 松村喜雄他 番町書房 ★★★
『恐怖の風景画』 ナイオ・マーシュ 中村能三 光文社  
『歪んだサーキット』 A・マクリーン 平井イサク 早川書房  
『スティーム・ピッグ』 ジェイムズ・マクルーア 高見浩 早川書房 ★★★★
『オリオン・ライン』 ニコラス・ルアード 平井イサク K・Kベストセラーズ ★★
『アーサー卿の犯罪』 オスカー・ワイルド 福田恆存・福田逸 中央公論社 ★★★
『怪奇幻想の文学5』     新人物往来社  
『怪奇幻想の文学6』     新人物往来社  

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