1973年に翻訳された英国ミステリー

本年のベスト3
(1)『ジャッカルの日』(フレデリック・フォーサイス)
(2)『殺しのフーガ』(テッド・ルュイス)
(3)『天国か地獄か』(ジョイス・ポーター)

本年の特徴
 この年はフォーサイスの『ジャッカルの日』が翻訳出版された年。それだけで記憶されるべき年であろう。そして付け加えるとすれば、フォレスターのホーンブロア・シリーズの第一作が翻訳された年でもあるということか。ベスト2以下は、あまり知られていない作品を並べた。
 そのうち『殺しのフーガ』は、20世紀末に流行ったノワールというか犯罪小説の先駆的な作品。『天国か地獄か』はマンガ・スパイ小説のシリーズ物の一冊なのだが、これしか翻訳されなかったのは残念という出来映えだ。

題 名 原作者 翻訳者 出版社 面白度
『暗い国境』 エリック・アンブラー 菊池光 東京創元社 ★★
『ウィラを待ちながら』 ドロシー・イーデン 渡邊美里 早川書房 ★★★
『孤独なスキーヤー』 ハモンド・イネス 池央耿 早川書房 ★★★
『ロンドン橋が落ちる』 J・D・カー 川口正吉 早川書房  
『シンジケート』 ジョン・ガードナー 宮祐二 早川書房  
『幽霊船団』 ブライアン・キャリスン 井上一夫 早川書房 ★★★
『象は忘れない』 アガサ・クリスティー 中村能三 早川書房 ★★★
『サンタマリア特命隊』 ジェイムズ・グレーアム 安達昭雄 角川書店  
『M・R・ジェイムズ全集上』 M・R・ジェイムズ 紀田順一郎 創土社 ★★★
『昨日は美しかった』 ロアルド・ダール 常盤新平 新書館 ★★★
『マッキントッシュの男』 デズモンド・バグリイ 矢野徹 早川書房 ★★★
『ジャッカルの日』 フレデリック・フォーサイス 篠原慎 角川書店 ★★★★★
『スペイン要塞を撃滅せよ』 C・S・フォレスター 高橋泰邦 早川書房 ★★★
『小人たちがこわいので』 ジョン・ブラックバーン 菊池光 東京創元社 ★★
『薔薇の環』 ジョン・ブラックバーン 菊池光 東京創元社 ★★
『煙幕』 ディック・フランシス 菊池光 早川書房 ★★★
『小さな目撃者』 M・ヘブデン 佐和誠 早川書房  
『ドーヴァー6/逆襲』 ジョイス・ポーター 乾信一郎 早川書房 ★★★
『天国か地獄か』 ジョイス・ポーター 沢川進 早川書房 ★★★★
『アーサー・マッケン作品集成1』 アーサー・マッケン 平井呈一 牧神社  
『アーサー・マッケン作品集成2』 アーサー・マッケン 平井呈一 牧神社  
『アーサー・マッケン作品集成3』 アーサー・マッケン 平井呈一 牧神社  
『ナンバーのない男』 ジェイムズ・マンロー 池央耿 早川書房 ★★
『死の競歩』 ピーター・ラヴゼイ 村社伸 早川書房 ★★★
『殺しのフーガ』 テッド・ルュイス 一ノ瀬直二 角川書店 ★★★★

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