1972年に翻訳された英国ミステリー

本年のベスト3
(1)『裏切りの氷河』(デズモンド・バグリイ)
(2)『キャンベル峡谷の激闘』(ハモンド・イネス)
(3)『骨折』(ディック・フランシス)

本年の特徴
前年同様、本年も低調であった。トップに挙げた『裏切りの氷河』にしても、バグリイの最高作というわけではない。ただバグリイの本邦初紹介作品なので、ついベスト1に推してしまったわけである。ベスト3の『骨折』にしてもフランシス作品としては「ちょっと良い」程度だが、脇役に障害者が登場するので、点が甘くなったという次第。
この年は、実はクリスティーから招待状を貰って完全にオタオタしてしまい、読書どころではなかったのだ。既読の作品がかなり少ないのはそのためであろう。

題 名 原作者 翻訳者 出版社 面白度
『インターコムの陰謀』 エリック・アンブラー 村上博基 早川書房  
『大氷原の嵐』 ハモンド・イネス 工藤政司 早川書房 ★★★★
『怒りの山』 ハモンド・イネス 池央耿 早川書房 ★★★
『キャンベル峡谷の激闘』 ハモンド・イネス 池央耿 早川書房 ★★★★
『わらの犬』 G・M・ウィリアムズ 森本淳 角川書店 ★★★
『おとらんと城奇譚』 ホーレス・ウォルポール 平井呈一 思潮社 ★★
『ミクロ・スパイ大作戦』 リンジイ・ガターリッジ 村上博基 早川書房  
『ナイト・チャイルド』 J・グラタス & T・ブレストン 安達昭雄 角川書店  
『フランクフルトへの乗客』 アガサ・クリスティー 永井淳 早川書房 ★★
『復讐の女神』 アガサ・クリスティー 乾信一郎 早川書房 ★★★
『フレンチ警部と紫色の鎌』 F・W・クロフツ 井上勇 東京創元社 ★★★
『ゲシュタポ・ファイル』 デズモンド・コーリー 池央耿 日本リーダーズダイジェスト  
『運転席』 ミリュエル・スパーク 深町真理子 早川書房  
『黒の迷路』 ロレンス・ダレル 沢村灌 早川書房  
『カシノの金をまき上げろ』 ハドリー・チェイス 菊池光 東京創元社 ★★
『その男、凶暴につき』 ハドリー・チェイス 佐和誠 東京創元社 ★★
『カメラマン・ケイド』 ハドリー・チェイス 村上博基 東京創元社 ★★
『真夜中すぎでなく』 デュ・モーリア 中山直子 三笠書房 ★★★
『勇将ジェラールの冒険』 コナン・ドイル 上野景福 東京創元社  
『トマト・ケイン』 ナイジェ-ル・ニ-ル 村上博基 早川書房  
『フレンジー』 アーサー・ラ・バーン 五塔修造 角川書店 ★★★
『裏切りの氷河』 デズモンド・バグリイ 矢野徹 早川書房 ★★★★
『ブラックウッド傑作集』 ブラックウッド 紀田順一郎 創土社  
『骨折』 ディック・フランシス 菊池光 早川書房 ★★★★
『若者よ、君は死ぬ』 ジョーン・フレミング 乾信一郎 早川書房 ★★★
『地獄のターゲット』 ローレンス・ヘンダーソン 佐和誠 早川書房  
『案外まともな犯罪』 ジョイス・ポーター 黒田晶子 早川書房 ★★★
『異次元を覗く家』 ウィリアム・ホープ・ホジスン 団精二 早川書房  
『大空に消える』 パトリシア・モイーズ 金田文夫 早川書房 ★★★
『死とやさしい伯父』 パトリシア・モイーズ 隅田たけ子 早川書房 ★★★

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