1969年に翻訳された英国ミステリー

本年のベスト3
(1)『ドーヴァー4/切断』(ジョイス・ポーター)
(2)『この荒々しい魔術』(メアリー・スチャート)
(3)『罰金』(ディック・フランシス)

本年の特徴
この年の話題には、筑摩書房より出た「世界ロマン文庫」を挙げたい。編集が丸谷才一・篠田一士・五木寛之といった文学者であったこともあり、地味な作品が多いとはいえ、私には嬉しかった。その中の一冊『この荒々しい魔術』はM・スチャートの本邦初紹介作品。現代版ゴシック・ロマンスで楽しめるが、結局この一冊しか紹介されなかったようだ。残念なことである。
残念といえば、この頃は仕事が忙しく、読書量が大幅に減ってしまった。リストの半分も読んでいなかったとは……。

題 名 原作者 翻訳者 出版社 面白度
『ふとった神の死』 H・R・F・キーティング 永来重明 早川書房 ★★★
『ゴーテ警部罠にかかる』 H・R・F・キーティング 山口午良 早川書房  
『バートラム・ホテルにて』 アガサ・クリスティー 乾信一郎 早川書房 ★★★
『この荒々しい魔術』 メアリー・スチャート 丸谷才一 筑摩書房 ★★★★
『すてきなすてきなスパイ』 アダム・ダイメント 村上博基 早川書房 ★★★★
『ミス・クオンの蓮華』 ハドリー・チェイス 小鷹信光 東京創元社 ★★★ 
『プレイボーイ・スパイ2』 ハドリー・チェイス 井上一夫 東京創元社  
『荒涼館』 チャールズ・ディケンズ 青木雄造・小池滋 筑摩書房 ★★
『優雅な死に場所』 レン・デイトン 稲葉明雄 早川書房  
『殺しはクールな日を』 ウィリアム・ハガード 菊池光 早川書房  
『陰謀者』 ウィリアム・ハガード 菊池光 早川書房  
『火薬樽』 ウィリアム・ハガード 佐和誠 早川書房  
『緑のマント』 ジョン・バカン 菊池光 筑摩書房 ★★
『海軍士官候補生』 C・S・フォレスター 高橋泰邦 筑摩書房 ★★
『飛越』 ディック・フランシス 菊池光 早川書房 ★★★
『血統』 ディック・フランシス 菊池光 早川書房 ★★★★
『罰金』 ディック・フランシス 菊池光 早川書房 ★★★★
『雨の国の王者』 ニコラス・フリーリング 高橋豊 早川書房  
『ドーヴァー4/切断』 ジョイス・ポーター 小倉多加志 早川書房 ★★★★
『北極戦線』 アリステア・マクリーン 森崎潤一郎 早川書房 ★★★
『悪魔の兵器』 アリステア・マクリーン 平井イサク 早川書房  
『黄金のランデブー』 アリステア・マクリーン 伊藤哲 早川書房  
『ザルツブルグ・コネクション』 ヘレン・マッキネス 永井淳 筑摩書房  
『殺人ア・ラ・モード』 パトリシア・モイーズ 山崎昴一 早川書房 ★★★★
『怪奇幻想の文学 第1』     新人物往来社  
『怪奇幻想の文学 第2』     新人物往来社  
『怪奇小説傑作集3』 日本独自の編集  橋本福夫・大西伊明 東京創元社 ★★★ 

戻る